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投稿⽇時

2024/07/29

最終更新⽇時

2024/07/29

マンションは何年住めるのか

  • 不動産の知識

今回の記事は、このような方にオススメです!

「マンションについて知りたい方」
「マンションを購入したいと考えている方」

この記事では、マンションに住める年数ついてわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

マンションの平均寿命

 鉄筋コンクリートで作られているマンションは約68年と言われています。この数字は、国土交通省の資料に書かれていて、自治体が管理している建物や土地の固定資産台帳に記載されているデータから算出されています。

 加えて、維持のためのメンテナンスをすることで100年以上保つとも言われています。

法定耐用年数

 マンションの寿命は47年だと聞いたことがある人がいると思います。それは鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数です。

 法定耐用年数は、減価償却という会計処理をするときに、基準を統一して計算するために法令で定められた耐用年数です。そのため、実際に住むことができる年数ではありません。

それ以外の住宅用の建物の法定耐用年数は以下の通りです。

  • 木造・合成樹脂造は22年
  • 木骨モルタル造は20年
  • レンガ造・石造・ブロック造は38年
  • 厚みが4ミリを超える金属造は34年
  • 厚みが3ミリを超えて4ミリ以下の金属造は27年
  • 厚みが3ミリ以下の金属造は19年

マンションは寿命の前に解体されることもある

100年以上保つと言われていても、その寿命の前に解体されることもあります。

この場合の理由は、3つあります。

1つ目は、耐震性です。

 1981年5月31日までの基準は、中地震ほどの揺れに対して倒れたり、潰れたりしない強さでした。建築基準法では、中地震を表すときに「マグニチュード」や「震度」という言葉は使用しません。中地震を震度で表すとするなら、震度5強あたりでしょう。地震学では、マグニチュード7〜5を中地震としています。

このとき、基準が倒れたり、潰れたりしない程度なので、建物にヒビが入るくらいの強さであれば違反にはなりません。

 しかし、1978年の宮城県沖地震の影響で耐震基準が見直されました。旧耐震基準と新耐震基準で変わったところは、中地震で倒れたり、潰れたりしない強さと言われていたのが、中地震で軽微なヒビ割れにとどめられる強さになったところです。また、旧耐震基準になかった大地震の基準が設けられ、その基準が倒れたり、潰れたりしない強さとなりました。

大地震とは、マグニチュード7以上で、震度で表すとすると震度6〜7あたりになると考えられます。

事例として、2011年の東日本大震災、2024年の令和6年能登半島地震などがあげられます。

 築古マンションの場合は旧耐震基準で建てられたものが多いので、改修工事を行うのには工事費用がかなりかかることに加えて、外観の統一性がなくなることもあります。このようなことを考えた結果、寿命前でも解体するという選択をする可能性があるのです。

また、日本は地震大国と呼ばれているので、そのあたりも含めてマンションを選ぶのがよいでしょう。

2つ目は、メンテナンスに関することです。

 築古のマンションには、長期の修繕計画が曖昧になっていたり、破損などの不具合を放置したままにしたりするマンションもあります。メンテナンスを定期的に行っていれば、マンションの寿命は延びますが、そのメンテナンスや修繕のための費用もかかってきます。

スケール感や構成、仕組みなどが同じマンションの中でも、メンテナンス状況に差があればその分寿命の差も出てきます。

3つ目は、排水管に関することです。

 マンションを建て替える理由の一番は、この排水管だと言えるでしょう。築古のマンションでは、排水管がコンクリートに埋め込まれていることがあります。また、下の部屋の天井を通っているパターンもあります。コンクリートに埋め込まれている場合は、工事自体ができませんし、排水管が下の部屋の天井裏にある状態で工事をする場合は、下の部屋の人に協力してもらって、天井を剥がす必要があります。

これでは工事をするのが難しいので、排水管の寿命と言われている30年でマンションも建て替えとなってしまうのです。

メンテナンス費用の負担

 メンテナンスといっても、メンテナンスをする場所によっては自己負担になることもあります。共用部分をメンテナンスするときは管理組合が負担しますが、専有部分のメンテナンス費用は自己負担になることがあります。

まず、「共用部分」と「専有部分」の違いについて説明します。

共用部分

 区分所有法で定められており、区分所有権の目的たる建物の部分以外で、専有部分にない建物の付属物に加えて、第四条第二項の規定で共用部分とされた付属の建物のことを言います。

具体的には、廊下やエントランス、エレベーター、非常階などのことです。

 また、共用部分はさらに2つの種類に分けられます。「法定共用部分」と「規約共用部分」です。

 法定共用部分は、自分の部屋からマンションのエントランスまでにある廊下や階段、エレベーターのことを言います。

 規約共用部分は、マンションの規約で決められている場所です。具体的には、駐車場や庭、管理人室などのことです。

専有部分

 専有部分は、コンクリートの壁と天井で囲まれたものの内側で、要するに所有している部屋の中のことです。

専用使用部分

 窓やバルコニーなど、その部屋に住む人しか使えない場所のことを言います。これは住人が専用として使える部分になるので、「専有部分」だと思われやすいですが、「共用部分」なのです。

 例えば、窓を遮光ガラスにしたいとき、その一室を買っていたとしても無断で変えてはいけません。そのようなことをしたいときは、管理組合に確認をして許可をもらう必要があります。場所によっては、バルコニーなどでのガーデニングを禁止しているマンションもあります。

 この「専用使用部分」で制限される内容や許可されていることは、マンションの規約によって異なるので、これどうなんだろうというように気になることがあれば、契約したときにもらった規約を確認するか、管理組合に聞いてみましょう。

マンションの寿命がきたらどうなるのか

 ここまでマンションの寿命までの話でしたが、では実際に寿命を迎えたらどうなるのか説明します。

 寿命がきたら、そのまま住み続けるのは危険なので建て替えが必要になります。

建て替えをするときに、区分所有者(住人)の負担で行う選択肢があります。

 解体のための費用や再建築の費用などは、区分所有者が負担します。また、建て替えの工事が終わるまでの仮住まいの費用や、引っ越し費用なども負担しなければなりません。

加えて、マンションの建て替えには、区分所有者と議決権の賛成がそれぞれ5分の4以上必要です。

 しかし、実際に建て替えをしたケースは少ないです。理由としては、低所得の人や高齢者からの賛成が得られず、うまく話が進まないからです。

解体して土地を売却する選択肢もあります。

 マンションの居住者に退去してもらってから解体をし、土地を更地にしてから売却します。更地にすることで土地は売却しやすくなります。

しかし、この方法でも解体費用は区分所有者が負担することになり、これに引っ越しの費用と新居の費用などが加わると、かなり負担が大きくなるのであまり賛成の意見は多くありません。

そのまま放置してしまうと限界マンションになります。

 建て替えができずに放置してしまっても、「ちょっとの不具合なら」とか「なんとかなる」という言葉で住み続ける人もいます。取り壊しなどで金銭的な負担を追うより、住み続ける方を選ぶのでしょう。

 しかし、建て替えに賛成していた金銭的な余裕がある人は、他のマンションを探して移ることが多いのでは考えられます。

 他にも、高齢者が亡くなって空室ができるパターンもあります。空室が出てくると、管理費や修繕費の回収に余裕がなくなってきて、解体費どころかメンテナンス費用までも難しくなるでしょう。比較的若い年代の人では、築古なマンションと新しく出てきたマンションとを比較して、新しい方に移るという人もいるのではないでしょうか。

最終的にはスラム化してしまいます。

 限界マンションになった後、管理組合は維持できるよう安い金額を提示しますが、そうすると貧困層が集まり、治安が悪くなる可能性があります。近所トラブルが増えていくと、もう住めないとなってしまう人も出てきます。

マンションを選ぶときのポイント

立地条件

 マンションを選ぶときには寿命も大切ですが、将来住み替えるかもしれないという場合は、資産価値があまり落ちないというのも大切です。

日常生活を送る上で、買い物しやすいお店や公共施設が充実している駅近などの立地では、築年数が経ってからでもニーズが期待できます。

また、将来再開発の予定があるエリアも、発展すると同時にニーズが上がり、資産価値が上がることが考えられます。ライフスタイルに変化があっても住み続けられるとさらに良いでしょう。

住みやすさ

 住居環境として、間取りや日当たり風通しなどもニーズに関わってきます。

共用設備が整っていれば、築年数が経ってもより安心して過ごせるでしょう。

管理体制

 マンションの管理体制は非常に大事なポイントです。

特に、日々の管理状況や長期修繕計画などを確認すると良いです。日常の管理も大切で、共用部分が綺麗になっているかどうか、細かなところまで目が行き届いていると不具合などに対する対応が早いです。

自己管理の多いマンションは、管理が行き届かずに資産価値が下がってしまう可能性があるので注意してください。

おわりに

 今回は、マンションに何年住めるのかについて解説しました。

建物の寿命はそれぞれのメンテナンス状況で異なるので、「〜年住める」と言い切れませんが、今回マンションの平均寿命や寿命を迎えた後のことをご理解いただけたと思います。

マンションを選ぶときは、特に管理体制や建物の構造体をポイントにすると快適に長く住むことができます。また、不動産会社に相談するとより良い条件の物件に出会えるかもしれません。マンションを購入したいときにぜひ参考にしてみてください。