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2024/07/01最終更新⽇時
2024/07/01中古物件を買うときの注意点を段階別に解説!
- 不動産の知識

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新築物件よりも安く購入できる中古物件は、不動産市場で多く流通しています。しかし、購入するときにはさまざまな配慮が必要です。中古物件を購入するときは、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。
本記事では、中古物件を購入するときの注意点を段階ごとに解説します。中古物件の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
中古物件のメリット・デメリット
中古物件には多くのメリットがある一方で、さまざまなデメリットも存在します。これらを理解することは、賢い物件購入のための重要なステップです。注意点を知る前に、まずは中古物件のメリットとデメリットを見ていきましょう。
中古物件のメリット
まずは、中古物件のメリットについて解説します。
①価格が安い
中古物件は、新築物件と比べて価格が安い傾向にあります。特に、木造住宅は築20年を過ぎたあたりで資産価値が下げ止まり、比較的リーズナブルな価格での購入が可能です。そのため、新築物件では手が届かないようなエリアでも、中古物件であれば予算の範囲内で購入できる可能性があります。
②購入したい物件の幅が広がる
中古物件の購入を視野に入れることで、物件探しの選択肢が格段に広がります。なぜなら、中古物件は新築物件に比べて不動産市場に多く流通しているからです。そのため、人気エリアや希望の条件に合った新築物件が見つからない場合でも、中古物件であればさまざまな選択肢があります。
③実物を確認できる
中古物件のメリットとして、「実際に見て購入できる」ことが挙げられます。これは新築物件にはない大きな魅力です。実物を確認できるため、日当たりや風通しのよさ、外の音などをチェックしながら、自分の理想に近い住環境を見つけられます。
中古物件のデメリット
次に、中古物件のデメリットについて解説します。
①初期費用が高い
中古物件の購入にはさまざまな初期費用がかかります。仲介手数料や登録免許税、住宅ローンや各種税金など、どのタイミングでどのような費用が必要になるかを把握しておくことが重要です。新築物件と比べると、中古物件の初期費用の方が高くなることもあります。
②修繕費用が高い
中古物件は築年数や使用状況によっては、修繕やリフォーム・リノベーションをしなければいけません。目安としては、一戸建てであれば新築から30年経過すると、およそ400〜500万円のメンテナンス費用が必要です。またマンションの場合も、共有部分の修繕費用や内装のリフォーム費用が必要になり、いずれにしろ中古物件の修繕費用は安くありません。
③住宅ローン控除が適用されないかもしれない
中古物件の場合、住宅ローン控除が適用されないことがあります。主な原因は耐震基準です。1981年以降、それまでの巨大地震の被害を受けて、耐震基準が旧耐震基準から新耐震基準に見直されました。つまり、1981年以前に建てられた物件は、新耐震基準を満たしていないものがほとんどです。住宅ローンには審査基準の1つに耐震基準が含まれているため、旧耐震基準の中古物件は住宅ローン控除の対象外となることがあります。
④住宅ローンの借り入れ額が低くなることがある
中古物件の場合、担保としての価値が新築物件よりも低く見積もられることがあります。そのため、希望通りの金額を借り入れられないかもしれません。そうなれば、自己資金を増やす必要があります。そのため中古物件を購入するときは、ゆとりのある資金プランを立てることが重要です。
⑤設備や構造の古さ
中古物件は、新築物件と比べて設備や構造が古いことがあります。そのため、その時点では使えても故障のリスクが高く、いずれはリフォームや修繕が必要となるでしょう。また、古い構造は耐震性に不安があるため、旧耐震基準のままの物件は補修工事も検討しなければいけません。
☆本章のまとめ
中古物件の購入を検討している場合は、このようなメリットとデメリットを把握しておくことが重要です。中古物件のデメリットを押さえつつ、最大限にメリットを活かせるように知識を備えておきましょう。
中古物件の資金プランを立てるときの注意点
中古物件を購入するときは、慎重かつ余裕のある資金プランを立てることが重要です。ここでは、中古物件の資金プランを立てるときの注意点を見ていきましょう。
どれくらいの予算が準備できるか
まずは、中古物件の購入にあてられる費用をしっかり把握しておきましょう。自身の資産や収入を考慮して、無理のない資金プランを立てることが重要です。また、中古物件の価格だけでなく、諸費用やローン返済にあてる資金もプランに組み込まなくてはいけません。
物件の購入以外にはどのような費用が必要か
中古物件を購入する場合は、物件価格の購入費のほかに事務手数料や管理費用など、多くの諸費用がかかります。これらの費用を含めて、トータルでどの程度の資金が必要かを把握しておきましょう。また、物件が決まる前に予算のシミュレーションを行うことで、より綿密な資金プランを立てられます。
自分にとって譲れない条件は何か
物件を探す前に、まず「これだけは譲れない」という条件を自分の中で整理しておきましょう。必須条件と希望条件を明確に区別することで優先順位を付けやすくなり、物件選びがスムーズになります。また、このような必須条件や希望条件を、耐震基準や立地条件などの客観的な基準とすり合わせることも重要な作業です。
☆本章のまとめ
綿密な資金プランを立てるためには、自分の希望条件や予算をしっかり把握しておくことが重要です。これらの注意点を踏まえて、理想の中古物件を購入できるように資金プランを立ててみましょう。
中古物件を探すときの注意点
ここでは、中古住宅を選ぶときの注意点を見ていきましょう。
ライフスタイルの変化を考えて間取り決める
中古住宅を選ぶときは、将来のライフスタイルの変化を考慮して間取りを選ぶことが重要です。結婚や出産、子どもの成長や家族の高齢化に伴うバリアフリー化など、将来をしっかり見据えて住まいを選ぶことが賢明です。今は暮らしやすくても、数年後、数十年後にどのような不便を感じるかを想定しながら間取りを決めましょう。
インターネットを活用する
中古物件の情報収集には、インターネットを積極的に活用しましょう。不動産ポータルサイトのほか、地域密着型の不動産業者の公式ホームページをチェックすることで、最新の物件情報を簡単に入手できます。それらをこまめにチェックして、条件に合った中古物件を見つけましょう。
住みたいエリアの情報を調べる
物件の周辺環境も、そこでの暮らしやすさを左右する重要なポイントです。最寄り駅や病院のアクセスのよさはもちろん、子どもやお年寄りが安全に暮らせる治安のよさなど、生活しやすい環境かどうかを判断しましょう。さらに、その地域の特徴や将来的な発展性なども考慮に入れるといいでしょう。
増改築の制限に注意する
購入を検討している土地や建物に、増改築の制限が設けられていないかを確認しておきましょう。たとえば、建ぺい率や容積率の制限、都市計画に基づく制約です。これらをあらかじめ確認しておくことで、リフォームやリノベーションといった増改築の自由性をある程度推し量れます。もし制限があった場合は、自分の希望に沿った住まいかどうかを再考する必要があるでしょう。
築年数とリフォームの必要性を考慮する
中古物件の築年数はきちんと確認しておきましょう。加えて、汚れや壁のひび割れなど、建物の劣化状態も要チェックです。築20年以上経過した物件は、設備の老朽化や耐震性の問題を抱えていることが多い傾向にあります。購入後のリフォームや修繕が必要となる場合がありますので、事前にしっかりと調査し、予算や工程を見直しましょう。
☆本章のまとめ
中古物件を選ぶときは、事前の情報収集が欠かせません。将来の暮らしを見据え、自分に合った理想の住まいを見つけるためにも、適切な判断ができるように注意すべき点をしっかり押さえておきましょう。
中古物件を内覧するときの注意点
内覧時には注意深く物件を見極める必要があります。実際、どのような点に気をつければいいのでしょうか。ここでは、中古物件を内覧するときの注意点を見ていきましょう。
建物に不具合はないか
内覧時には、建物の状態を入念にチェックする必要があります。たとえば、壁や天井に染みや壁紙の浮きがないか、ドアやサッシの開閉がスムーズか、水回りの設備に問題はないかなどを確認しましょう。これによって床の傾きや外壁からの水漏れなど、今後のリフォームの必要性をある程度判断できます。
外観から見たときの不具合はないか
中古物件は、経年劣化によって外観に多少の汚れなどが見られます。しかし、きちんと管理されている建物であれば問題ありません。このようなメンテナンス状況を見極めるために、外観をチェックしておきましょう。たとえば、屋根や外壁の状態、軒裏や基礎にクラックがないかなどが主な判断基準です。これらを確認することで、将来必要になるメンテナンス費用を把握できます。
シロアリ被害がないか
中古物件でありがちなトラブルと言えばシロアリ被害です。内覧時には、床や天井に不自然な浮きがないか、窓際に羽アリの死骸がないかなどをしっかり確認しましょう。シロアリ被害は修復費用が高額になることがあり、部分的な補修あれば10万~100万円、大規模であれば300万円ちかくかかることもあります。余計な出費を防ぐためにも、シロアリ被害は早期発見が重要です。
なぜその物件は売りに出されたのか
前の所有者から売りに出された理由をヒアリングすることも、内覧時の重要なポイントです。特に、ご近所トラブルや修理費用の増加などの理由がある場合は、購入後に大きな問題を抱えてしまう可能性があります。売りに出された背景や管理会社との関係性なども、内覧時にしっかりチェックしておくべきです。
☆本章のまとめ
中古物件の内覧は、建物の状態をチェックするだけでなく、それまで物件が抱えていた問題や背景などを掘り下げていく作業でもあります。内覧時は以上の注意点をしっかり押さえ、将来の暮らしを見据えて慎重に物件を選びましょう。
中古物件の売買契約を締結するときの注意点
続いて、中古物件の売買契約を締結するときの注意点を見ていきましょう。
無理のない返済プランを立てる
中古物件を購入するときには、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。しかし、ローンを組むときには自身の返済能力をしっかり把握しておくことが必要です。低金利の時代ではありますが、返済が滞ることで生活が苦しくなるリスクもあります。自身の経済状況や将来の見通しを考慮し、無理のない金額を借り入れましょう。マイホームを手に入れることが最優先ではなく、健全な返済プランを立てることが重要です。
契約不適合責任の内容をチェックする
新築物件と異なり、中古物件は購入した後に欠陥が見つかることもあります。この場合、売主は契約不適合責任に基づき、買主に対して賠償金や修繕費を支払わなければいけません。契約不適合責任の内容は契約書によって定められているため、購入前に必ずチェックしておきましょう。
また一般的に、個人で取引を行うとき、契約不適合責任の期間は約3ヵ月程度です。さらに、長期的な瑕疵の保証を希望するときは「既存住宅売買瑕疵保険」を検討しましょう。この保険に加入することで、後になって欠陥が見つかった場合でも修繕費用が保障されます。
☆本章のまとめ
中古物件の売買契約では、ローンの適切な管理と無理のない返済プラン、そして契約条件の確認が重要です。自身の経済状況や将来の安全を考慮し、慎重に判断しましょう。
いい中古物件を購入するためのコツ
最後に、いい中古物件を購入するためのコツを見ていきましょう。
ホームインスペクションを活用する
ホームインスペクションは、中古物件の状態を専門家が調査してくれる制度です。購入前に済ませておくことが望ましいですが、購入後でもメンテナンスとして役立ちます。また、ホームインスペクションを受けることで、既存住宅瑕疵保険にも加入できるため、建物の経年劣化や損傷などのリスクヘッジとしても有効です。
既存住宅売買瑕疵保険について知る
既存住宅売買瑕疵保険は、中古物件を購入したとき、重要なところに隠れた傷(=瑕疵)があれば保険金を受け取れる制度のことです。保険料はおよそ6万〜10万円で、これには建築士による検査料も含まれています。また、不動産業者が売主の物件であれば、瑕疵保険が付帯していることもあるので、必要に応じて確認しておくといいでしょう。
いかがでしたか?
今回は中古物件の注意点について解説しました。中古物件を買うときに注意すべきポイントは、段階によってさまざまです。資金プランを立てるとき、内覧時、契約時それぞれに注意点があります。理想の中古物件を手に入れるためにも、それぞれの段階でどのようなことに注意すべきか、これを機にしっかり確認しておきましょう!