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2024/06/28最終更新⽇時
2024/06/28土地にかかる固定資産税の仕組み・軽減措置・節約方法などを解説!
- 不動産の知識

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「土地を所有しているとどんな税金がかかるのかなあ」
「土地にかかる固定資産税の軽減措置や節約方法について知りたい」
上記のような疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
土地を所有していると、毎年、税金がかかってきます。また、土地によっては固定資産税が高くなるケースもあります。そのため、土地にかかる固定資産税の軽減措置や節約方法について知っておきましょう。
本記事では、土地にかかる固定資産税の仕組み・軽減措置・節約方法などを解説しています。土地の固定資産税について理解を深めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
土地にかかる固定資産税の仕組み
固定資産税は、毎年1月1日に土地やマンションの所有者に対して市区町村が課税する税金です。市街地の多くで固定資産税に加えて都市計画税も課税されます。自身の名義で住居に住んでいる、土地を活用してマンション経営をしているなどの場合は、固定資産税を納める必要があります。
固定資産税の支払いは、一括払いまたは年4回の分割払いで納付する仕組みです。納付方法は現金納付以外に、クレジットカードやスマートフォン決済に対応している場合があるため、詳しく知りたい方は各自治体の公式サイトで確認しましょう。
土地にかかる固定資産税の計算方法
土地にかかる固定資産税の計算方法は、下記のとおりです。
- 固定資産税=課税標準額×1.4%
- 都市計画税=課税標準額×0.3%
税額の計算は、下記の3ステップです。
- 固定資産税評価額を調べる
- 課税標準額を求める
- 課税標準額×税率で計算する
固定資産の評価額は市区町村で定められており、固定資産課税台帳や納税通知書に添付されている証明書から確認ができます。
新築住宅の例を用いて税金のシミュレーションをしてみます。
- 建物の評価額:2,000万円
- 土地の評価額:3,000万円
- 2022年4月に新築(課税床面積は120㎡以下)
- 税率:1.4%
土地の固定資産税=3,000万円×1/6×1.4%=7万円
土地にかかる固定資産税の5つの軽減措置
土地にかかる固定資産税の軽減措置は、下記の5つです。
- 住宅用地の特例を利用する
- 新築一戸建て・マンションを購入する
- 省エネ改修工事を実施する
- 耐震建替え・改修をする
- バリアフリー改修をする
それぞれ紹介します。
住宅用地の特例を利用する
土地を住宅用地として使用すれば、軽減措置を受けられます。具体的な住宅用地の特例は、下記の表のとおりです。
住宅用地の敷地面積 | 固定資産税評価額の軽減率 |
小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額 × 1/6 |
一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額 × 1/3 |
たとえば、面積が210㎡、固定資産税評価額3,000万円の土地を一般住宅用地として使用した場合は、下記のように税額を算出します。
3,000万円×1/3×1.4%=14万円
自身が所有している土地は、どのぐらい減税になるのか確認してみましょう。
新築一戸建て・マンションを購入する
新築一戸建て・マンションを購入する際に、軽減措置を受けられて税金を減額できます。新築一戸建ての場合は、下記の適用条件を満たしたときに、軽減措置を受けられて3年間の税金を1/2に減額できます。
- 2024年3月31日までに新築された住宅
- 住宅の居住部分の床面積が50〜280㎡以下
- 床面積のうち居住部分の割合が1/2以上
マンションの場合は、下記の適用条件を満たしたときに、軽減措置を受けられて5年間の税金を1/2に減額できます。
- 3階建て以上の耐火・準耐火構造住宅
- 床面積が50~250m2
新築一戸建て住宅が2,000万円の場合、税額の計算式は下記のとおりです。
2,000万円×1.4%÷1/2=14万円
省エネ改修工事を実施する
工事が完了した年の翌年度分の税金に限り、住宅の一戸あたり120㎡の床面積相当分までの税額の1/3を減額します。軽減措置を受けるには、下記の全ての条件を満たす必要があります。
- 賃貸住宅ではない
- 家屋の床面積の1/2以上が居住用である
- 家屋の床面積が50m2以上、280m2以下である
- 改修部分が省エネ基準相当
- 省エネ改修工事費用が50万円以上である
自身が上記の条件を満たしているのか確認して、申請してみましょう。
耐震建替え・改修をする
昭和57年1月1日以前に建てられた家屋を取り壊し、耐震改修をおこなった住宅を新築にすると、課税される年度から3年間分の税金が全額免除されます。耐震構造に改修したケースでも1年間全額免除されます。
耐震化の建替えのケースでは、固定資産税減免申請書に必要事項を記入し、住宅が所在する事務所に申請が必要です。土地にかかる固定資産税の軽減措置を受けたい方は、申請をしてみましょう。
バリアフリー改修をする
バリアフリー改修工事をおこなった場合、工事が完了した年から1年間、税金が1/3減額されます。バリアフリーの軽減措置の内容や条件は、下記の表のとおりです。
適用となる工事時期 | 平成19年4月1日~令和4年3月31日 |
減額の概要 | バリアフリー改修工事をおこなった場合、該当する家屋に係る翌年分の税額(100m2相当分まで)を1/3減額する |
家屋の要件 | ・賃貸住宅でない ・65歳以上の者 ・要介護又は要支援の認定を受けている者 ・障がい者 ・新しく建てて10年以上経過 ・床面積が50㎡以上280㎡以下 |
工事の要件 | ・通路等の拡幅 ・段差の解消 ・浴室改良 ・便所改良 ・手すりの取付けなど |
工事費の要件 | バリアフリーの工事費用50万円超 |
手続き方法に関しては、改修工事完了から3か月以内に工事内容が確認できる書類を添付し、市区町村に申告しましょう。
土地にかかる固定資産税の4つの節約方法
土地にかかる固定資産税の節約方法は、下記のとおりです。
- 土地を分筆する
- 土地の登記簿や面積などの情報に間違いがないか確認する
- 長期優良住宅の認定に向けて申請する
- 省エネ改修や耐震改修などのリフォームをする
ひとつずつ見ていきましょう。
土地を分筆する
土地の分筆は、登記簿上の土地を複数に分割して登記する手続きです。土地を分割して登記すれば、あまり使用していない利便性の低い土地は固定資産税評価額が低くなります。固定資産税評価額を下げられれば、結果的に節税につながります。
土地の分筆は、測定・確定図の作成・登記申請などで費用が発生します。土地を分筆する際には、専門的な知識が必要になるため、手続きをする場合は税理士や土地家屋調査士からサポートを受けましょう。
土地の登記簿や面積などの情報に間違いがないか確認する
土地にかかる税金を節約するには、土地の登記簿や面積などの情報に間違いがないか確認しましょう。代々引き継いできた土地の場合は、登記簿と実際の面積に相違がある可能性があります。役所から送付される登記簿と納税通知書などを見比べてみましょう。
間違っている場合は役所に申し出をし、正しい面積に直してもらえば節税できる可能性があります。ただし、登記上の面積が実際の面積よりも小さい場合は、固定資産税が上がる場合があるため注意してください。
長期優良住宅の認定に向けて申請する
長期優良住宅の認定に向けて申請するのも、節税方法の1つです。認定長期優良住宅に認定されれば、税金1/2減額の期間が最大5年に延長します。マンションの場合は7年です。
また、所得税における住宅ローン控除や不動産取得税が減税になるなど税金面でのメリットがあります。認定基準を満たしたり、長期優良住宅の着工に時間はかかったりしますが、その分税金の節約につながるため検討しましょう。
省エネ改修や耐震改修などのリフォームをする
省エネ改修や耐震改修などの要件を満たしたリフォームをおこなうと税金が1/3になります。省エネ改修工事費用が50万円超である、賃貸住宅ではないのが条件です。
また、建物の120㎡までの範囲でなければ税金は1/3にならないので注意してください。
手続きをする場合は、省エネ改修工事完了後、3 か月以内に工事内容がわかる書類などを添付して市区町村に申告しましょう。
土地にかかる固定資産税の3つの注意点
土地にかかる固定資産税の注意点は、下記の3つです。
- 固定資産税を支払わないと遅延金が発生する
- 建物が建っていない更地は固定資産税が高くなる
- 土地の引き払いは年内におこなう
税金面の注意点を知らないと、高い税金を支払って損をする可能性があります。こちらで解説する注意点を押さえておきましょう。
固定資産税を支払わないと遅延金が発生する
固定資産税の納税が遅れてしまうと、支払う税金に加えて遅延金が発生するため注意が必要です。延滞期間が長引くと、遅延金がどんどん膨らんでしまいます。
遅延金は数千円〜数万円支払う場合もあり、ペナルティを受けたくない方は納税期日を確認して支払うことが重要です。遅延金が発生していても支払わなかった場合は、自身が所有している財産を差し押さえられる可能性があるので注意しましょう。
建物が建っていない更地は固定資産税が高くなる
建物が建っていない更地にすると、特例が利用できなくなるため、税金が高くなってしまいます。たとえば建物が残っている場合は、固定資産の価格 × 1/6、固定資産の価格 × 1/3などの税額に軽減されます。一方で更地で軽減措置を受けられない場合は、固定資産税が約3〜4倍かかります。
また、空き家についても特例が受けられない場合があるので注意しましょう。
土地の引き払いは年内におこなう
税金がかからないようにするためにも、土地の引き払いは年内におこないましょう。建物を解体して更地にする場合は、時期を考える必要があります。たとえば建物の解体が年内に終了しても、土地の引き払いが1月1日に済んでいない場合は税金が高くなります。
更地にする時期を考えずに建物を解体すると、税金が高くなるので土地の引き払いは年内におこないましょう。
土地の固定資産税についてよくある質問
土地の固定資産税についてよくある質問を紹介します。
固定資産税はどうやって支払うの?
固定資産税の支払い方法は、下記のとおりです。
- クレジットカード支払い
- コンビニ支払い
- スマホ決済
- 口座振り込み
クレジットカード払いやスマホ決済を利用すれば、支払いでポイントが貯められてお得です。ポイントを貯めている方は、クレジットカード払いやスマホ決済で支払いましょう。
土地の固定資産税を支払うタイミングはいつ?
土地の税金を支払うタイミングは、毎年4〜6月頃です。毎年4〜6月頃になると、振込用紙と納税通知書が郵送されてくるので、確認して支払いましょう。
まとめ:土地にかかる固定資産税は軽減措置や特例を利用しましょう
本記事では、土地にかかる固定資産税の仕組み・軽減措置・節約方法などを解説しています。建物が建っていない土地だけの場合は、特例を利用することができないため、税金が高くなる可能性が高いです。
住宅用地の特例を利用したり、新築一戸建てを購入したりすると軽減措置を受けられます。また、土地を分筆したり、省エネ改修や耐震改修などのリフォームしたりして節約する方法もあります。高い税金を支払わないようにするためにも、軽減措置や特例を利用しましょう。