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2024/06/27最終更新⽇時
2024/06/27田舎の実家処分の方法5選!費用や相続放棄も解説
- 不動産の知識

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田舎にある実家を処分したいが、どの方法を選べばよいか分からず、できるだけ費用を抑えて処分したいと考えている方も多いでしょう。
そこで本記事では田舎の実家を処分する方法や処分する際にかかる費用について解説します。
あわせて相続放棄する方法や、家を処分したあとの活用方法についても解説します。
ぜひ実家を処分する際の参考にしてみてください。
田舎の実家を処分する方法
田舎の実家を処分する方法は次の通りです。
- 地方自治体に寄付する
- 空き家バンクに登録して売却する
- 解体する
- 無償譲渡する
- 売却する
地方自治体に寄付する
不要な家を処分する方法の一つとして、地方自治体への寄付が挙げられます。しかし自治体への寄付は現実的ではありません。なぜなら公的に使用できる可能性がある、あるいは土地を受けとることで被るデメリットよりもメリットの方が大きい場合にしか、自治体は土地付きの家を受けとってくれないからです。つまりほとんどの場合、土地や家を寄付できないということです。
ただし寄付したい土地が、自治体の所有している土地に隣接している場合や除雪の際に有効活用できる場合には寄付に応じてもらえる可能性があります。
このように家を処分する選択肢として、地方自治体に引き取ってもらうことは可能なものの、公的利用が見込める場合でなければ、応じてもらえないのです。
100歩譲って土地の寄付には応じてもらえる可能性はありますが、家の寄付に応じてもらえる可能性はかなり低いでしょう。
なお自治体が家や土地を受けとることで被るデメリットは次の通りです。
- 固定資産税や都市計画税の税収が減る
- 土地や建物の管理にコストがかかる
空き家バンクに登録して売却する
田舎の実家に住む予定がない、あるいは現在住んでいない場合は、空き家バンクに登録することをおすすめします。なぜなら空き家バンクに登録すると、空き家にフォーカスして探している購入希望者が見つかりやすいからです。一般的な不動産会社に掲載する際とは、違う目的をもった購入希望者にリーチできる点が空き家バンクのメリットです。一方でデメリットもあります。それは空き家バンクの運営元が、不動産の知識を持たない自治体という点です。不動産会社のように普段から積極的に仲介や売買活動を行っていないため、売買に関する経験が少なく、手厚いサポートを受けられません。そのため空き家バンクはあくまでも買い手を見つけるためツールとして利用し、契約に関しては不動産会社に依頼するといった活用方法が合理的といえるでしょう。
空き家バンクを利用する際の流れは次の通りです。
- 地方自治体に連絡して空き家バンクに登録したい旨を伝える
- 空き家バンクに登録して自治体や各不動産会社のホームページに家の情報を公開してもらう
- 購入希望者から問い合わせが入ったら、自治体から連絡が来る
- 実際に内見してもらい、購入が決定したら売買手続きを進めていく
解体する
田舎の実家を処分する方法の一つとして、最初に考えるのが家の解体でしょう。しかし家がいらないからといって安易に解体してしまうことはおすすめしません。なぜなら使っていない家であっても、解体してしまうと、住宅用地の特例における軽減措置を受けられなくなる可能性があるからです。住宅用地の特例における軽減措置とは、所有している土地の上に50㎡~280㎡の建物が建っている場合に、土地に対する固定資産税が200㎡以下の部分は1/6に、200㎡以上の部分は1/3になる減税制度のことです。たとえば使っていない実家が建っている土地の固定資産税が、毎年5万円だったとしましょう。この場合、土地に建っている実家を解体してしまうことで、固定資産税が6倍になる可能性があるのです。現在軽減措置の適用を受けている家が対象外となってしまうと、1/6の減税が外れて5万円に6をかけた金額が納税額になります。このように安易に解体してしまうと土地にかかる固定資産税額が上がってしまうかもしれないのです。それだけではありません。土地や建物には都市計画税もかかっています。住宅用地の特例における軽減措置には、都市計画税の減税措置も含まれています。つまり建物がなくなると固定資産税に加え都市計画税まで増額する可能性があるということです。また解体する際は、解体費用もかかります。解体費用は通常、所有者が負担しなければなりません。場合によっては100万円前後の費用を請求されることもあるでしょう。解体費用を払ったうえで、税金が増えてしまうといった事態にならないためにも、処分を検討した際はまず、土地活用サイトや不動産会社に問い合わせましょう。
無償譲渡を検討する
売却が難しい場合でも処分したいと考えているなら、無償譲渡も選択肢の一つです。家の状態や立地・間取り・築年数などにもよるかもしれませんが、無料なら欲しいと考えている方が少なからずいるはずです。知人や不動産会社に相談して、無料で引き取ってくれる人がいないか探しましょう。なお無料で不動産を譲渡する場合は、贈与契約に該当するため、書面にて契約書を作成しましょう。なぜなら書面によらない贈与は履行が終わっていない部分については各当事者が契約解除できてしまうからです。手続きの最中に「やっぱりいらない」となって返還されてしまう可能性もゼロではありません。トラブルを避けるためにも、無償譲渡の場合は契約書を作成しましょう。税金に関しては、家や土地をもらう側に登録免許税や不動産取得税などの納税義務が発生するため、その旨を事前に伝えておくとよいでしょう。
売却する際の注意点
田舎の実家を処分する方法の中で最も推奨されるのは、売却です。家や土地などの不動産売却には仲介と買取の2種類があります。仲介とは間に不動産会社や仲介業者を挟んで売却する方法です。一方の買取とは、不動産買取業者に直接買い取ってもらう方法です。仲介と買取のどちらを選んだ方が良いかについては、所有している実家の状態や条件によって異なります。
たとえば築年数がそこまで古くなく、屋根や外壁に傷がない状態の家つまり家自体が綺麗な場合は、一般の不動産市場に公開しても買い手が見つかる可能性があるため、仲介を選んだ方が良いでしょう。なぜなら相場に近い金額で売れる見込みがあるからです。一方実家の築年数が古く状態が悪い場合は、買い手が見つからない可能性が高いため、買取業者に直接買い取ってもらうことをおすすめします。買取業者は土地ごと買い取ってくれるため、固定資産税や都市計画税の納税義務がなくなる点も、おすすめの理由の一つです。
とくに田舎にある実家は、買い手が見つからない可能性が高いため、不動産会社に相談して仲介が厳しいと言われた場合は、買取業者への売却を検討してみてください。
田舎の実家を処分する際にかかる費用
実家を処分する際に費用がかかるケースとして考えられるのは、実家を解体した場合です。
空き家バンクに登録したり、不動産会社に売買を依頼したり、買取業者に買い取ってもらったりした場合は、かかっても仲介手数料や諸費用ぐらいです。数万円程度で収まることがほとんどでしょう。しかし家を解体する場合は、数十万円から百万円前後かかる可能性があります。ここでは家を解体する際の費用について解説します。
家の解体費用の目安
家の解体費用は次の計算式で算出できます。
解体費用=坪単価×延べ床面積
たとえば解体したい家の坪単価が4万円、延べ床面積120坪だった場合の解体費用は次のとおりです。
解体費用=4万円×120坪=480万円
480万円は高いなと感じる方もいるかもしれませんが、実は解体にかかる費用は解体費用だけではありません。
解体費用とは別に付帯工事やゴミの処理代もかかってくるのです。
付帯工事とは、建物の周りにあるものを撤去・解体する工事のことです。
付帯工事には次のような物が対象となります。
- 庭木
- ガレージ
- カーポート
- 物置
- 外壁
- フェンス
- 自転車置き場
付帯工事は数万円〜十数万円かかることも少なくありません。なお解体費用の見積もりは家本体だけの見積もりを出されることが多いです。そのため解体を依頼する際は、本体の解体費用・付帯工事費用・ゴミの処理費用など全ての見積金額を出してもらいましょう。
売れない家の特徴
売れにくい家の特徴は次の通りです。
- 相場よりも高い売却金額に設定している
- 築年数が古い
- 立地が悪い
売却金額の設定が高すぎる
所有している家を、相場価格よりも高い金額で売りに出している場合、買い手が見つかりにくいでしょう。なぜなら買い手は安くて条件の良い物件を探しているからです。
不動産会社や空き家バンクに登録しているにもかかわらず買い手がなかなか見つからない場合は、売却金額を下げてみましょう。相場よりも低い金額に設定できれば、購入希望者が出てくるかもしれないからです。なお相場を知りたい場合は、最寄り駅・築年数・間取り・平米数・設備・部屋の綺麗さ・外観などが似ている物件の売却額を調べてみる、あるいは複数の不動産会社に相談することをおすすめします。とくに不動産会社はプロなので、豊富な知識と経験から最適な売却方法を教えてくれるはずです。
築年数や設備が古い
築年数が古い場合も買い手がなかなか見つからないでしょう。なぜなら築年数が古い家は設備が劣化していたり、建物自体が老朽化したりしていて住環境が悪いからです。築年数が古ければいつ設備が壊れるかわかりません。廊下や階段・居住スペースが大きく傷んでいる場合には、リフォームが必要になることもあるでしょう。このように築年数の古い家は購入費に加え、リフォーム費用や修繕費用がかかるかもしれないのです。また40年以上前に建てられた家の場合は、地震に弱いことも買い手が見つからない要因の一つです。1981年6月1日以前に建てられた家は、旧耐震基準を元に建築されています。旧耐震基準とは震度5強に耐えうることを前提とした基準値のことです。つまり旧耐震基準では震度6以上の地震に耐えられない可能性があるのです。日本のような地震大国では、震度6以上に耐えられる新耐震基準の家に住みたいと思うのが、心理ではないでしょうか。
立地に問題がある
家が売れない要因の一つに立地が悪いことが考えられます。立地が悪いとされる条件は次の通りです。
- 最寄駅から遠い
- 騒音がうるさい
- 坂道の途中にある
- 交通量が多い
- スーパーや薬局など周辺施設が充実していない
- 駐車場がない
- 日当たりが悪い
最寄駅から家までが遠かったり、騒音がうるさかったりする家は住環境が悪いため、住みたいと思う人が少ないでしょう。立地が悪い家は、賃貸物件としても不向きです。なぜなら家を決める際に立地を重視する人が多いからです。近くにスーパーやコンビニ・薬局がなければちょっとした買い物も車で遠くにいかなければなりません。雪が降るエリアであれば家が坂道の途中にあると滑ったり、雪で通行しづらくなったりするでしょう。このように立地が悪い家に住みたいと思う人は少ないため、売れづらいのです。
田舎の家を相続放棄する方法
親から相続した不動産の管理が面倒だと感じたり、売却が煩わしい場合は、相続放棄を選ぶことができます。
ただし注意点が二つあります。まず一つ目は、相続放棄は、相続を知った日から数えて3ヶ月以内に手続きをしなければならないという点です。期限内に相続放棄の手続きをとらなければ自動的に相続したものと見なされてあなたの財産となってしまいます。二つ目の注意点は、相続放棄をしたとしても次の相続人が管理を始めるまでは、前所有者が管理を継続しなければならないという点です。これらの注意点を踏まえた上で、相続したくない場合は相続放棄の手続きを進めましょう。もし不明な点がある場合は、土地活用会社や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
実家を売却して後悔すること
実家を売却して後悔する方は意外にも多いです。その多くは、大切な思い出が詰まった家を手放してしまったことによる罪悪感や、もう二度とこの家には戻ってこれないんだという想いからくる喪失感によるものです。とくに親が亡くなったあとに譲り受けた家を手放してしまった場合に、親に対する罪悪感を覚える方が多いようです。一度手放した家は二度と戻ってこないかもしれません。解体してしまった場合は確実に戻ってきません。手放した後で後悔しないためにも、売却や解体を行う際は、慎重に検討しましょう。
住まない家を放置するとどうなる?
住んでいない家を放置すると老朽化が進行し、倒壊時に近隣住民に被害を及ぼす可能性があります。また植物が育ち、道路へ侵食してしまうかもしれません。空き巣や放火などのリスクもあります。それだけではありません。住んでいない家に対しても多くの場合、固定資産税と都市計画税がかかります。住まない家を放置すると物理的に被害をおよぼすリスクに加え、維持費もかかるのです。住まない家は放置せず、買取業者に買いとってもらうか、更地した上での活用方法を考えるかの、どちらかを検討しましょう。
家を処分した後の活用方法
家を解体または処分した後の活用方法は以下の通りです。
- 駐車場を経営する
- アパートを経営する
- マンションを経営する
- 事務所を建築して事業者に貸し出す
- 土地を売却してしまう
- 新しく家を立て直す
家を解体して更地にすると、土地だけが残ります。古い家はありませんので、駐車場を作ったり、アパートを建築して家賃収益を得たり自由に活用できます。もちろん何かを建築する際は費用がかかるでしょう。しかし場合によっては建築会社が費用を一旦建て替えてくれる可能性があります。土地をどのように活用すればよいか分からない場合は、土地活用会社に相談しましょう。おすすめは土地活用サイトの利用です。無料で複数の土地活用会社にプランを請求できます。ぜひ一度利用してみてください。
まとめ:田舎の実家処分の最適な方法
田舎の実家を処分する方法は次の通りです。
- 地方自治体に寄付する
- 空き家バンクに登録する
- 解体する
- 無償譲渡する
- 売却する
この中で一番おすすめな処分方法は売却です。なぜなら家だけでなく土地も合わせて売却できれば、固定資産税や都市計画税の納税義務がなくなるからです。また買取業者に依頼すれば個人で売買するよりも安全に取引できます。手続きに関してもプロにお願いすることでスムーズに進むでしょう。とはいえ土地は残しておきたいと思う方もいるでしょう。そういった方は建物だけを解体し、その後の活用方法は土地活用会社に相談することをおすすめします。土地活用のプランを複数提示してもらえれば、方向性が定まっていくからです。相談は無料のことが多いため、ぜひ一度問い合わせてみてください。