投稿⽇時
2024/06/18最終更新⽇時
2024/06/18離婚時の財産隠しは犯罪?成功させる方法と対策を徹底解説
- 不動産の知識

Contents

「知り合いに離婚時に財産を隠している人がいるけど犯罪じゃないの……?」
「できるだけ離婚時に財産分与したくない」
このように考えている人は必見です。本記事では、離婚時の財産隠しや財産分与に焦点を当てて解説します。これから離婚するかもしれない人や、現在離婚で財産について配偶者と話し合っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
財産隠しの法的リスクとは
結論から言うと、財産隠しは刑事罰の対象ではありません。なぜなら、財産を隠す行為そのものが刑法で犯罪として定義されていないためです。下記、より詳しく、財産隠しについて箇条書きで解説します。
離婚時の財産隠し方法と注意
財産隠しについて重要なポイントをまとめました。
刑事罰には課せられない
先述しましたが、貯金などの財産を隠す行為自体は、一般的に刑事罰の対象にはなりません。つまり、法的には犯罪とはみなされません。しかし、その後の法的手続きや裁判でこの行為が発覚した場合、民事上の問題として扱われる可能性があります。
民事上の問題になることも
財産隠しはまれに民事上の不法行為とみなされる場合があります。これは、相手に不利益をもたらす行為とみなされるからです。財産を隠すことが裁判で明るみに出れば、離婚関連の訴訟や調停で不利な結果を招く可能性があります。
財産分与請求期限がある
離婚後、財産分与を請求できる期限が法律で定められています。一般的には、財産分与の請求期限は離婚後2年間と定められています。この期限内に財産の隠しを発見し、請求を行わなければ、その後の分与請求は認められません。そのため、貯金などの財産隠しを見つけた場合は、できるだけ早く法的手続きを開始することが重要です。
証拠の取得が必要
財産隠しを証明するには、預金通帳、銀行明細書、不動産の登記簿などの証拠を収集する必要があります。これらの証拠を集めることで、裁判や調停で有利な立場を築くことができます。
専門家の助言を受けましょう
離婚に関する法的手続きや財産分与については、弁護士や法律の専門家の助言を受けることが重要です。弁護士や専門家は、あなたの権利を守りながら適切なアドバイスを提供します。必要に応じて相談することをおすすめします。
要するに、財産を隠す行為は法的には罰せられることはありませんが、その後の法的手続きや裁判で不利な状況になる可能性があります。そのため、離婚に伴う財産分与の際には、法的手続きを適切に行い、もし相手に財産隠しの可能性があるならば、迅速に証拠を集めることをオススメします。
隠された財産を調査する方法
財産隠しを成功させるための方法や注意点について解説します。ただし、法的および倫理的な問題を回避することが重要です。以下では、それぞれの方法について詳しく解説します。
離婚時に財産隠しを成功させるための方法
離婚時に財産隠しを成功させるためには、以下のような方法があります。
- ネット銀行に預ける
- 先に共有財産と分けておく
- 貸金庫を利用する
- 相手から尋問されても隠し財産はないと主張し続ける
- 痕跡を残さない
- 現金で保管する
- 長い時間をかける
ネット銀行に預ける
ネット銀行は、紙の預金通帳が発行されないため、口座の存在が発覚しにくいという特徴があります。口座開設時に送られてくるカードや案内などを見られないように注意し、隠し口座を作成します。配偶者がネット銀行に口座を持っている可能性がある場合は、隠し口座を作るのが難しくなるため、相手の情報を把握することも重要です。
先に共有財産と分けておく
財産分与の対象となる可能性がある共有財産と固有財産を明確に区別します。結婚前からの財産は固有財産として扱われるため、結婚後も同じ銀行口座に入れている場合は、財産分与の対象になる可能性があります。結婚後は、お互いに新しい銀行口座を作成し、給与や支出などをそれぞれの口座から行います。先に固有財産と共有財産をきちんと分けておきましょう。
貸金庫を利用する
貸金庫を利用することで、財産を安全に保管できます。貸金庫の存在を相手に気づかれないように、使用する金融機関や店舗を慎重に選択しなければなりません。貸金庫を利用する際は、貸金庫の利用料や保管できるものの制限などを確認し、適切に活用しましょう。
相手から尋問されても隠し財産はないと主張し続ける
財産隠しを疑われた場合は、一貫して隠し財産の存在を否定することが重要です。信用性を失わないように、事実を隠すことについての主張を貫き通します。途中で折れてはいけません。
痕跡を残さない
財産隠しを成功させるためには、財産の痕跡を極力残さないようにします。銀行からの郵便物やメールは見られないよう管理し、パソコンやスマートフォンのセキュリティ(パスワード管理など)にも細心の注意を払いましょう。隠し口座を作る場合は、調査される可能性の低い金融機関を選択し、慎重に行動しましょう。
現金で保管する
現金で財産を保管する方法も有効ですが、これには十分な注意が必要です。身近な場所に保管すると、気づかれてしまう可能性があるためです。身近な場所に保管するならば、防犯対策や隠し場所の工夫を行い、見つかりにくくしましょう。現金で保管するならば、実家に保管しておくことをオススメします。
長い時間をかける
財産隠しは、時間をかけてコツコツと行うことが重要です。長期間にわたって財産を隠すためには、計画性を持ち、短期的な大きな引き出しや移動は避けなければなりません。毎月少額ずつ計画的に資金を移動させることで、財産隠しのリスクを抑えられます。
これらの方法を組み合わせることで、財産隠しをうまく成功させることができます。ただし、法律や倫理に反する行為は行わないように注意しましょう。
財産分与請求の実践的ステップ
次に、相手が隠し財産をしていたり、財産分与を拒否してくるときに備えて、相手に財産分与を請求する方法や、隠し財産を調べる方法を紹介します。
隠し財産の調べ方
隠し財産を調査するために、以下の手法や手続きがあります。それぞれ見てみましょう。
- 情報収集を入念にする
- 弁護士会照会制度の利用
- 財産開示手続の利用
- 調査嘱託の申し立て
- 第三者からの情報を得る
情報収集を入念にする
財産調査を行うためには、まず相手が保有する可能性がある財産について情報を収集します。これには、預金通帳、証券会社の取引明細、不動産登記簿、生命保険契約書や明細、退職金の明細書などが含まれます。また、相手が財産を隠していると思われる場合は、そのような行動のきっかけや証拠となる情報を集めることが重要です。
弁護士会照会制度の利用
弁護士を通じて、弁護士会照会制度を利用することができます。この制度では、弁護士会が特定の団体(銀行や証券会社など)に対して必要な情報を調査・照会してくれます。この際、個人情報の取り扱いには注意が必要ですが、専門家による調査であればより安心して任せられるでしょう。
財産開示手続の利用
配偶者に債務があれば、財産開示手続きを利用できます。債権者が、債務者の財産状況に関する情報を得るための手続きとして、財産開示手続を利用することができるのです。債務者は財産開示期日に出頭し、財産状況について裁判所に陳述しなければなりません。
調査嘱託の申し立て
裁判所に対して、必要な調査を委託する「調査嘱託」を申し立てることができます。裁判所が任命した調査員が財産の調査を行い、その結果を報告してくれます。
第三者からの情報を得る
債務者以外の第三者から直接裁判所に情報提供を求める手続きもあります。これにより、不動産の所有状況や預貯金口座、株式の保有状況などの情報を入手することができます。配偶者にばれにくい方法ですね。
これらの手続きを活用することで、隠し財産を発見できる可能性があります。ただし、法的手続きには費用がかかり、時間も必要になる場合がある点に注意が必要です。また、手続きには時間がかかる場合もありますので、事前に正しい知識を持ち、段取りを持って準備をしておくことが肝要です。
財産分与の請求方法
最後に、離婚時に相手に財産分与を請求する方法を説明します。
- 相手と話し合う
- 財産分与請求調停を申立てる
- 合意書、公正証書を作成する
相手と話し合う
離婚に際して、まずは相手との話し合いが重要です。両者が納得できる財産分与の方法や割合を決定するために、正直にコミュニケーションを取ることが不可欠です。
流れとしては、まず、すべての財産をリストアップし、共有財産と固有財産(個人の財産)に分類します。共有財産は夫婦が婚姻期間中に取得した財産であり、固有財産は結婚前からの個人所有財産です。財産が隠されている可能性がある場合、先程紹介した弁護士照会制度を利用して情報を入手することをオススメします。この制度は、弁護士会が企業などに対して依頼を受けた事項を調査・照会するものであり、財産の隠し場所や詳細を明らかにしてくれるものです。
財産分与請求調停を申立てる
相手との合意が得られない場合は、財産分与請求調停を申立てることができます。調停の前には弁護士に相談し、調停の流れや対処法について理解しておかなければなりません。また、財産分与の要求や証拠の収集など、適切な準備を行いましょう。
合意書、公正証書を作成する
相手との話し合いがまとまった場合には、合意書または公正証書を作成します。合意書は書面化された合意内容であり、公正証書は公的な書類であり、公証役場で作成できます。公正証書には財産分与の内容だけでなく、ローン返済や養育費などの支払い義務も記載されることがあります。また、公正証書には強制執行認諾文言を記載することができ、支払いが滞った場合に強制執行の手続きを行うことができるようになります。
以上が、離婚時に相手に財産分与を請求する方法の詳細な手順です。離婚における財産分与は重要な問題であり、法的な手続きを遵守しながらも、円満に解決を目指すことが重要です。
まとめ:離婚時の財産隠しに関する注意点
本記事では、財産隠しを検討するときのポイントや、配偶者が財産隠ししていると疑われるときの調査方法について詳しく解説しました。自分が財産隠しするときには、何より「少しでも証拠を隠す」ことが大切です。相手は些細なことでも気づき、調査を入れてくるかもしれません。反対に、自分が財産隠しの調査をする際には、専門家の力を頼りつつも、自分で気になる点や証拠を見つける動きも肝要になります。円満に離婚することが最も大切ですが、こうしたコツを抑え、財産隠しを見破りましょう。最後までご覧いただきありがとうございました。