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2024/06/11最終更新⽇時
2024/06/11100坪の整地費用はいくら?施工方法別に詳しく解説!
- 不動産の知識


建物を解体した後や、更地に新しく家を建てる場合には整地が必要になります。整地とは、その土地を平らに整えてきれいにすることです。土地の広さによって整地費用は異なりますが、相場は1平米あたり300~600円と言われています。では、これを坪数に換算して、たとえば100坪の土地の整地費用はいくらかかるのでしょうか。この記事では、整地費用の相場や計算方法について解説します。整地の仕上げ法の種類やメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
整地費用の相場と計算方法
整地費用の相場は300~600円
整地費用の相場は1平米あたり300~600円とされていますが、敷地の広さや土地の形状、周辺環境によって作業量が増えると費用も高くなります。たとえば、庭木の撤去には1本につき2,000~7,000円、伐根には1本につき5,000円の別途費用がかかります。
00坪の整地費用はいくらかかる?
では、100坪の整地にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
先ほどは1平米あたりの整地費用を紹介しましたが、まずはこれを坪数に換算します。1坪はおよそ3.3平米ですから、100坪の敷地面積は100×3.3=330平米です。この100坪の土地が、庭木の撤去や伐根などの特別な作業が必要なく、ごく一般的な作業で整地を行えるとしましょう。整地費用の相場は1平米あたり300~600円ですから、100坪の整地費用は次のように計算できます。
100坪の整地費用=330平米×300~600円=9万9,000円~19万8,000円
よって、100坪の整地に必要な費用は9万9,000円~19万8,000円となります。
整地方法別の費用比較
先述したように、整地に必要な費用は作業内容や土地周辺の環境によってさまざまです。これに加え、整地費用を大きく左右する要素がもう1つ存在します。それが「整地の仕上げ方法」です。つまり、整地をどのように仕上げるかによって、整地費用の最終的な金額が変わるのです。ここでは、整地の中でもオーソドックスな仕上げ方法を7つに分けて解説します。さらに仕上げ法ごとに100坪の土地にかかる費用も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
粗仕上げ:費用を抑えつつ整地する方法
粗仕上げとは、その時点で土地の活用方法が確定していない場合に施される整地方法です。コンクリートやガラス片などのごみを除去して土地を整えるだけのシンプルな作業なので、費用も安く抑えられます。しかし、どこまできれいにするかという整地のクオリティは業者によって異なることに注意が必要です。ほうきやトンボを使用して丁寧に整地してくれる業者もいれば、コンクリートや石などを除去して簡単に済ませてしまう業者もいます。そのため、粗仕上げの場合、業者によって仕上げのクオリティに差があるため、相見積もりを依頼し、複数社の作業過程を比較しましょう。そうすることで、質の高い整地をしてくれる業者に出会えるでしょう。
粗仕上げの費用の相場は、1平米あたり300~600円です。100坪の場合は次のように計算できます。
100坪の粗仕上げ費用=330平米×300~600円=9万9,000円~19万8,000円
砂利整地:費用を安く抑えつつ実用的な仕上げ方法
砂利整地とは、粗仕上げを施した後に砂利を敷き、重機などで転圧して仕上げる整地方法です。砂利を敷くことで水捌けが良くなり、さらに砂利上を歩くと足音が響くため防犯対策にもなります。また、土を利用した整地と違って雑草が生えにくい点も大きなメリットです。コストもほかの整地方法と比べて比較的安い傾向にあります。そのため、費用をなるべく抑えながらきれいに整地したい方におすすめです。
砂利整地の費用は1平米あたり1,000~1,500円です。100坪の計算は、330平米×1,000~1,500円となります。
100坪の砂利整地費用=330平米×1,000~1,500円=33万円~49万5,000円
真砂土舗装:高品質な舗装を低コストで実現
真砂土舗装とは、粗仕上げよりもごみを細かく撤去し、真砂土という砂状の土をローラーで転圧して固める整地方法です。真砂土は水捌けがとても良いため、舗装することで雨や洪水による土地の被害を軽減できます。見栄えもかなり良くなるため、売却のほかにさまざまな土地活用を検討している方におすすめの整地方法です。
真砂土舗装の費用は1平米あたり3,000~4,000円で、100坪の場合、330平米×3,000~4,000円となります。
100坪の真砂土舗装費用=330平米×3,000~4,000円=99万円~132万円
砕石舗装:安定性重視の整地方法
砕石舗装とは、粗仕上げを施した後に適当なサイズに砕いた石を均一に敷き詰め、ローラーで転圧して固める整地方法を指します。粗仕上げに比べると時間と費用がかかりますが、土地の安定性を高められることが大きなメリットです。また、見栄えが非常に良くなるため、土地の売却を検討している方におすすめの整地方法です。
砕石舗装の費用は1平米あたり2,000~7,000円で、100坪の場合、330平米×2,000~7,000円となります。
100坪の砕石舗装費用=330平米×2,000~7,000円=66万円~231万円
コンクリート舗装:耐久性重視で高費用の整地方法
コンクリート舗装とは、砕石舗装を施した後に鉄筋やワイヤメッシュを加えてコンクリートで固める方法を指します。後ほど説明するアスファルト舗装より初期費用が高く、工期が長くなるのが一般的です。しかし、舗装が強固で耐久年数が長いため、後々の修繕費用を大幅に抑えられます。駐車場経営などを検討している方におすすめの整地方法です。
コンクリート舗装の費用は1平米あたり5,000~1万円で、100坪の場合、330平米×5,000~10,000円となります。
100坪のコンクリート舗装費用=330平米×5,000~10,000円=165万円~330万円
アスファルト舗装:早く整地したい方におすすめの方法
アスファルト舗装とは、砕石舗装を施した後にアスファルトで舗装する整地方法を指します。アスファルトはコンクリートと比較すると耐久性が低く、夏場に路面温度が上がると変形しやすい点が大きなデメリットです。ただし、工期はコンクリート舗装より短く抑えられるため、なるべく早く整地作業を終えたい方におすすめの仕上げ方法と言えます。
アスファルト舗装の費用は1平米あたり3,500~6,000円で、100坪の場合、330平米×3,500~6,000円となります。
100坪のアスファルト舗装費用=330平米×3,500~6,000円=115万5,000円~198万円
防草シート仕上げ:雑草対策と費用のバランスを取った方法
防草シート仕上げの費用は1平米あたり1,000~6,000円で、100坪の場合、330平米×1,000~6,000円となります。
100坪の防草シート仕上げ費用=330平米×1,000~6,000円=33万円~198万円
整地による土地活用のメリット
土地を整地することで得られるメリットについて、詳細に解説します。
土地売却の価格アップとその影響
土地を整地する最大のメリットは、売却価格が大幅に上がる点です。古家付きの土地などと比べ、土地上に建物がなく整地作業が行われた土地は価格が上昇します。なぜなら、土地の購入を検討しているほとんどの方が、新築一戸建ての建築を前提にしているからです。新しい家を建てるために土地を買う人にとって、きれいに整地された更地は理想的な物件と言えるでしょう。そのため、土地を整地することで売却価格を上げることはもちろん、買い手の母数そのものを増やすことが可能です。土地を高く売りたいのであれば整地作業は不可欠と言えます。
整地後の土地活用方法と費用対効果
土地を整地することで、土地活用の選択肢が広がり、利益を最大化することが可能になります。土地上に建物が建っている状態では、土地活用をしたくても民泊か借家が限界です。しかし、整地することで売却のほかに多くの土地活用を検討できます。また、土地は所有しているだけで固定資産税がかかります。
土地活用は立派な副業として成立するため、不労所得を得たい方におすすめの選択肢です。整地した土地の活用方法としては、主に次の5つが挙げられます。
土地の売却
先述したように、建物が残った状態の土地と整地を終えた土地では、売却価格に大きな差が生じます。整地した土地は高い価格で売れます。また、売り出し方によって仕上げ方法を変えるのも1つの手です。見た目をより美しくしたい場合は真砂土舗装、宅地として売却したい場合は基礎工事に便利な砕石舗装がおすすめです。
アパート・マンション経営
整地した土地の立地条件が良い場合は、アパート・マンション経営を検討してみましょう。たとえば、繁華街の近くの土地や駅から徒歩数分圏内の土地は、賃貸物件のニーズが多いためアパート・マンション経営に向いています。さらに、アパートやマンションを建てると不動産としての価値も得られるため、立地条件が良ければ将来的に高値で売却できるかもしれません。なお、建築後の入居者募集は、不動産業者に委託することをおすすめします。入居募集だけでなく、物件情報サイトへの登録や広告での売り出しまで代行してくれます。
駐車場経営
駐車場経営は、土地活用の中でも気軽に始められる方法の1つです。各駐車場の枠線と精算機があれば始められます。駐車場に必要なのは平坦な土地です。整地した土地はその条件を満たしているため、すぐにでも始められるでしょう。初期費用は主に精算機の準備と、地面に引く枠線にかかるコストです。アパート・マンション経営などに比べるとはるかに安く、長期の安定した収入を期待できるでしょう。
太陽光パネルの設置
太陽光パネルの設置も、整地した土地と相性のいい活用方法です。太陽光パネルで得た電気を売電することで収益を得られます。太陽光パネルの設置に必要なのは、日当たりの良さと敷地の広さです。整地した土地であれば、建物で日光が遮断されることがなく、土地全体を利用できます。ただし、駐車場経営や後ほど説明するトランクルーム経営などに比べると、初期費用(パネル設置費用など)が高くなることに注意が必要です。
トランクルーム経営
トランクルームは、年々注目度を高めている土地の活用方法です。収納場所さえ確保できれば成立するため、初期費用を比較的安く抑えられます。また、建物と違って修繕費や管理費がほとんどかからないため、安い経費で土地を活用したい方におすすめの手段です。
すぐに工事を始められる
土地活用をしたいと思っても、その土地上に古家などの建物が建っている場合、まずは解体工事を行ってから土地を整地しなければいけません。大幅な時間と費用を要し、土地活用を始める日が先延ばしになってしまいます。しかし、土地のみであればすぐに整地作業を行えるため、土地活用の準備期間を大幅に短縮することが可能です。
整地費用を抑えるためのポイント
整地費用を安くするためには、次のポイントを押さえましょう。
簡単な作業は自分で行う
業者に頼む必要のない簡単な作業は、なるべく個人で済ませておきましょう。たとえば、粗仕上げでは土地に散らばったゴミを自分で片付け、小石やガラス片などもほうきやとんぼで処理しておきます。また、雑草が茂っている場合は除草作業を済ませ、防草シートなどを設置するといいでしょう。個人でもできる範囲の作業を済ませておくことで、業者に支払う費用を抑えられます。
競争力のある見積もりを取る方法
整地作業を依頼する際、多くの方が業者選びに悩むのではないでしょうか。業者を選ぶ際は、初めから一社に絞るのではなく、まずは相見積もりを出しましょう。相見積もりとは、一度に複数の業者に見積もりを出すことです。そうすることで、料金設定や費用の内訳、整地作業の過程や仕上げ方法を複数社で比較できます。整地費用の相場を事前に知っておけば、より比較しやすくなるでしょう。また、見積もりの内容が詳細に記載されているかどうかも大きな判断基準です。たとえば、費用の内訳を「整地作業一式」などで一括りにしている業者と、作業過程ごとに費用を細かく分けて記載している業者とでは、依頼者側が感じる信頼度も変わってきます。見積書の丁寧さは、整地の仕上がりにも影響してくるのではないでしょうか。業者を選ぶ際は、相見積もりで十分に複数社を比較してから選びましょう。
今回は100坪の土地の整地費用について解説しました。100坪の土地にかかる整地費用は、およそ9万9,000円~19万8,000円です。整地することで、土地の強度を上げられるだけでなく、見栄えが良くなります。費用の相場はある程度決まっていますが、それでも仕上げ方法によって金額が異なるため注意が必要です。それらを把握しておくことで、資金準備がスムーズに進められるのではないでしょうか。