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投稿⽇時

2024/06/05

最終更新⽇時

2024/06/05

リロケーション契約とは?初心者が知るべき5つの重要ポイント

  • 不動産の知識

リロケーションとは、転勤や家族の療養・介護など、一定期間自宅を空ける必要がある方にオススメの不動産活用方法です。

自宅が空き家になった場合、防犯対策や劣化を防ぐためにどのような維持管理が必要か、悩む方が多いのではないでしょうか。本記事では、適切な対処方法や活用方法を詳しく解説します。

空き家になった際の維持管理方法に不安を感じている方は、ぜひ一度参考にしてください。

リロケーションとは?不動産活用の新しい選択肢

期間が決まっている国内外の転勤や長期出張などで家を不在にする場合は、家の劣化や防犯を心配する方が多くいます。リロケーションを活用すれば、空き家対策と同時に家賃収入を得ることが可能です。では、リロケーションとはどのような仕組みでしょうか。下記にて解説します。

リロケーションとは?

リロケーションとは、一定期間の転勤や長期出張などで自宅を不在にする場合、家を貸し出すことで防犯対策や劣化を防ぎ、さらに家賃収入を得て資産を活用できる方法です。

持ち家の場合は、所有しているだけで固定資産税や都市計画税が発生します。そのため、リロケーションを活用し収入を得ればその分負担が少なくなる点が特徴です。また、空き家にならず、長期間不在にした場合の管理の手間が省けます。

転勤以外にも住み替えや家族の介護などで一時的に家を空ける場合にも活用が可能です。

リロケーションの種類と賃貸契約の特徴

通常の賃貸は普通賃貸借契約を利用します。普通賃貸借契約は貸主から解約ができる条件は正当事由が必要となり、借主が更新を申し出ると継続して家を貸さなければいけません。

一方、リロケーションは定期賃貸借契約または一時使用賃貸借契約を利用することが一般的です。それぞれの違いは下記のとおりです。

 契約期間契約終了条件解約予告
普通賃貸借契約2年毎に更新が一般的貸主からの正当事由 借主からの退去希望正当事由がないと貸主から解約はできない
定期賃貸借契約期間は事前に確定させる契約満了半年~1年前
一時使用賃貸借契約期間は事前に確定させる契約満了最短で3カ月前

定期賃貸借契約では、契約満了後に貸主が再契約を拒否でき、更新の必要はありません。そのため、期間を定めた賃貸の契約が可能です。

一時使用賃貸借契約は、契約満了の3カ月前までに解約を通知すれば契約を解除できます。また、1日単位で契約延長ができるため万が一、転勤期間が伸びた場合も借主の同意があれば延長可能です。

定期賃貸借契約および一時使用賃貸借契約は契約期間満了後、貸主と借主の合意のもと再契約できます。リロケーションを利用すれば長期間不在の家が空き家とならないため、防犯対策として効果が期待できる点も魅力の1つです。

なお、一時使用賃貸借契約は一時的な使用であると認められる場合のみ契約できないため注意してください。

リロケーションの運用方法

リロケーションは自分で契約することもできますが、賃貸契約の手続きや管理業務が多いため、リロケーション会社や不動産会社、サブリース会社などに依頼するのが一般的です。

管理会社に依頼すれば、手続きを代行してくれます。代行内容は以下の通りです。

  • 入居者の募集
  • 内見
  • 借主との契約や解約手続き
  • 入居者のトラブルやクレーム対応
  • 設備の不具合の対応

自ら管理業務の対応が不要なため、不動産の知識がない方や何かあった際すぐに対応できない方などは、安心してまかせられます。

では、運用方法はどのようなものがあるでしょうか。下記より詳しく解説します。

転貸借

転貸借とは、貸主が近くに住んでいない場合に多く利用される方法です。貸主は不動産会社やリロケーション会社などに物件を貸し出す契約を締結し、物件を借りた会社が貸主に代わり第三者の借主をみつけ家賃収入が得られます。

このときに、不動産に貸し出すことをマスターリース契約、不動産が借りた物件を第三者に貸し出すことをサブリース契約といいます。

管理会社が第三者へ物件を貸出しているため、クレームやトラブル対応は自らする必要はありません。なにかトラブルがあった際にすぐ対応ができない方や、海外転勤や長期転勤になり遠方に住む方にオススメの方法です。

管理委託

管理委託とは貸主と借主が直接賃貸借契約を結び、家を貸出している間は不動産会社やリロケーション会社などの管理会社へ管理業務を委託する方法です。

転貸借よりも管理委託の方が不動産へ支払う手数料が高くなる傾向があります。転貸借は不動産がすべて間に入りトラブルの解決を行なう一方、管理委託は修繕工事の内容確認や実施の判断が必要なため、連絡がくる可能性があります。

連絡があった際は、迅速な対応を求められるため連絡が取りづらい方はオススメできません。

リロケーションにかかる費用

リロケーションは一般的に管理会社に委託するため、管理費用が発生します。リロケーションの活用にかかる費用については以下で解説します。

不動産会社やリロケーション会社に支払う費用

リロケーションは管理会社を通して借主を探すことや管理業務を委託した場合費用がかかります。賃料のおおよそ5〜10%程度が相場となります。かかる費用は下記のとおりです。

名称手数料内容
管理委託申込料1万円前後入居者の募集を始めるときに管理会社へ支払う
事務手数料おおよそ賃料の1カ月分賃貸借契約の代行費用
保証料おおよそ賃料の1カ月分契約満了後、原状回復する費用
管理手数料毎月おおよそ賃料の10%賃貸管理を代行する手数料
税金や修繕費物件により異なる固定資産税や住民税など

管理委託申込料は、入居者募集を開始する際に管理会社に支払う必要があります。なかには管理委託申込料をキャンペーンで無料としている会社もあります。

しかし、管理委託申込料が無料の場合はほかの会社とどのように違いがあるか比較し、無料だからと安易に決めないように注意してください。事務手数料は、入居者との契約や事務手続きなどを管理会社が代行するための費用です。

保証料は、契約満了し入居者が退去したのちに原状回復する費用です。なかには、保証料がかからない管理会社もあります。その場合、契約手数料が高く設定される可能性もあるため賃料の2カ月を保証料の目安にするとよいでしょう。

管理手数料は入居者がみつかり、賃貸契約がスタートすると毎月物件の管理が必要になるため賃料のおおよそ10%を管理会社へ支払います。

管理会社によっては賃料保証をオプションで付ける場合があり、費用が割り高となる可能性もあるため事前に内訳を把握しておくことが大切です。

その他に、税金や修繕費など貸主が負担する費用があります。負担例は下記のとおりです。

  • 固定資産税や都市計画税
  • マンションの共益費や修繕積立金
  • 住宅ローンび返済
  • 火災保険料
  • 不動産所得による所得税や住民税

不動産を所有していると、税金やマンションの方であれば共益費などが発生します。また、所有している不動産を賃貸に出し、収益が発生した場合は不動産所得による所得税と住民税を支払う必要があり、確定申告しなければならないケースがあります。

家賃収入にかかる税金

リロケーションで得た収入は不動産所得となるため、所得税と住民税がかかります。不動産所得は家賃収入から必要経費を引いた金額です。必要経費の主な項目は下記のとおりです。

  • 住宅ローンの利子
  • 不動産会社の手数料
  • 固定資産税
  • 都市計画税

固定資産税や都市計画税は不動産を所有していると必ず発生し収益としてはみなされません。不動産所得があった場合の所得税や住民税の計算方法は下記のとおりです。

税金計算式
所得税課税所得×所得金額に応じた税率-基礎控除
住民税均等割り+所得割

所得税は所得額が多いほど税率が高くなる仕組みです。住民税は納税額に関係せず一律で決まる均等割りと所得で決まる所得割の2種類を組み合わせた計算できまります。

不動産所得が年間20万円以下の場合、確定申告は不要です。ただし、不動産所得が赤字の場合、確定申告により所得額を減らすことができます。そのため、確定申告はしておいた方が納税額を抑えられる可能性があるでしょう。

リロケーションを利用するメリットとデメリット

リロケーションのメリットとデメリットはどのようなことがあるでしょうか。下記にて詳しく解説します。

家賃収入と家の管理が同時にできる利点

リロケーションのメリットは下記のとおりです。

①家賃収入が得られる

リロケーションを利用することで、空き家にならず毎月一定の収入を得ることが可能です。不動産を所有しているだけで、固定資産税や管理費は発生するため一定の支出があります。

そのため、長期不在となる場合はリロケーションを活用し収入を得られた方が負担を減らせるためオススメです。

②住居が管理できる

長期間空き家にしてしまうと、カビや害虫対策ができません。さらに、空き家の場合は空き巣や放火されるリスクが高くなります。

そのため、居住者がいることで定期的な換気が可能なためカビや害虫、害獣対策を期待でき防犯対策にもなります。

③入居審査が厳しいことが多いく、入居者の質がよい

リロケーションは貸主が一定期間で帰ってきます。そのため、普通の賃貸よりも入居審査を厳しくしている会社が多くあります。ペット不可や喫煙の禁止などを設けることで、必然的に入居者の質が高くなる傾向です。

貸主の契約期間とマッチする借主がみつかると、理想の不動産収入として活用ができます。

リロケーションのデメリットとは?

リロケーションのデメリットは下記のとおりです。

①借主がみつかりにくい

リロケーションは定期賃貸借契約を採用するため借主が見つかりにくい場合があります。定期賃貸借契約は期間が決まっているため、長く物件に住めません。そのため、貸主が希望する期間の条件に当てはまる借主を見つける必要があります。

立地や住宅環境によっては需要があり借主が見つかりやすい傾向です。一方、交通アクセスやあまり人気のないエリアの場合は借主がみつかりづらいことがあります。

②住宅ローンが残っている場合は金融機関の許可が必要

住宅ローンの借入れは契約者本人が住むことを条件に資金調達できる仕組みです。住宅ローン返済中であり第三者に貸出しをする場合は金融機関の許可が必要となり、申告しなければいけません。

場合によっては、一括返済やローンの組み直しを指定される可能性もあります。基本的に賃貸にせずとも長期間不在にする場合は金融機関へ報告が必要なため、決まり次第早めに相談しておきましょう。

③相場より家賃が安くなる

通常の賃貸よりも需要が限定的なため、短期間の場合は賃料が相場より1〜2割安くなる傾向です。また、借主を募集している間も住宅ローンやマンションの管理費用や修繕費の支払いは発生します。

相場通りの賃料に設定して空室のままよりも安く賃料を設定し入居が早く見つかる方が総合的な金銭面の負担は減ります。そのため、リロケーションを利用する場合はいかに収入に繋がるかをよく考えることが重要です。

契約期間が長く設定できる場合や立地がよい場合など、通常と同じ賃料で借主がみつかる可能性があります。好条件で貸し出せるように管理会社とよく相談しましょう。

④設備が傷つく可能性

借主のなかには、他人から借りた家のためあまり大切に利用されない方もいます。予想以上に壁の汚れやフローリングの傷があり、原状回復の出費が必要な場合も考えられます。

トラブルを未然に防ぐためにも、原状回復についての費用や負担はどのようにするか事前に契約書に記載しておくことが大切です。

⑤貸主から途中解約ができない

リロケーションは定期賃貸借契約または一時使用賃貸借契約を締結し利用することが一般的です。そのため、期間満了以外は貸主から途中解約ができません。

また、定期賃貸借契約と一時使用賃貸借契約のどちらも解約するには解約予告が必要です。解約予告の期間は下記のとおりです。

賃貸借契約の種類解約申告期間
定期賃貸借契約期間満了の1年から6カ月前まで
一時使用賃貸借契約最短で3カ月前まで

一時使用賃貸借契約の方が解約予告の期間が短いため、急遽帰任が決まった場合も対応ができる点がメリットです。貸主の長期不在期間がどれくらいあり、適切な契約方法はどれか管理会社とよく話し合いをしましょう。

リロケーションにかかる費用とは?管理費用や税金を徹底解説

リロケーションを利用する流れを下記より把握しましょう。

  1. 賃料査定
  2. 賃貸借契約、賃貸業務委託契約の締結
  3. 入居者を募る
  4. 転貸借契約の締結
  5. 入居
  6. 契約期間が満了し退去

まず、管理会社が賃料を査定します。賃料は入居者の募集をかける時期や契約期間などが査定額に影響します。次に、査定額が決まり貸主に掲示され双方納得したうえで賃貸借契約と賃貸業務委託契約が必要です。

その後、管理会社が入居者の募集を開始し広告を出します。このとき、入居希望者の内覧や審査はすべて管理会社が対応することが一般的です。

入居者が決まった場合、管理会社と入居者の間で転貸借契約を結びます。万が一、入居中にトラブルがあった場合は管理会社が対応します。設備の不具合や建物の修繕に関しての費用負担は管理会社と事前に決めておきましょう。

最後に契約期間が満了次第、入居者は退去します。定期賃貸借契約や一時使用賃貸借契約の場合は、更新はありません。しかし、双方が同意すれば再契約が可能です。退去の際に、部屋の確認や引き渡し立会い、敷金の計算なども管理会社が対応します。

まとめ:リロケーションで得られる効果と活用方法

リロケーションは所有している家の期間を限定して不在となる方にオススメする不動産活用方法です。不在の間、第三者に家を貸し出すことで防犯や家が劣化しないよう対策でき、なおかつ不動産収入を得られます。

なお、リロケーションは契約期間が2〜3年ほどとなるため1年以内に戻る場合や帰任後に自宅に戻る予定がない方にはオススメできません。

戻る予定がない方は売却や通常の賃貸として期間を限定せずに貸出し資産運用する方がよいでしょう。現在、所有している不動産をどのように活用するか悩まれた方は、一度信頼できる不動産会社へ相談し適切な方法をみつけてください。