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投稿⽇時

2024/01/10

最終更新⽇時

2024/01/10

リバースモーゲージとは?ノンリコース型・団信のポイントと利用条件を徹底解説

  • 不動産の知識

初心者でもわかりやすく解説!

今回は、「リバースモーゲージ」の基礎知識について初心者の方向けに徹底解説していきます。

「リバースモーゲージを全然知らない」

「何となく名前は聞いたことがある」

「気になるけどリバースモーゲージの仕組みって複雑そう」

このような方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

リバースモーゲージとは?仕組みと特徴をわかりやすく解説

まずは、リバースモーゲージの基本的な仕組みを理解しましょう。

リバースモーゲージとは、自宅を担保にしてローンを組み、その後借入人が死亡した際に担保となった自宅を処分して返済するローンの一種です。

「リバース(=逆)モーゲージ(抵当・抵当権)」の名の通り、一般的な住宅ローンとは逆の仕組みです。

一般的な住宅ローンは、融資額を一括で受け取り毎月返済していき、最終的にはローンの残債がなくなっていきます。

しかし、リバースモーゲージでは、毎月または一括で借り入れた融資額を借入人の死亡後にまとめて返済します。

リバースモーゲージは金融機関の他にも、各都道府県の社会福祉協議会が取り扱っています。

どことローンを組むかによって、借入金の使用用途・限度額・対象物件などが異なります。

リバースモーゲージを利用するための条件【対象者と物件】

では、実際はどのような条件・制限があるのでしょうか?

金融機関によって詳細は異なりますが、一般的な条件をお伝えします。

リバースモーゲージの対象者【年齢制限と必要条件】

  • 年齢:55歳〜80歳まで
    正確な上限・下限は金融機関によって異なります。また、借入人だけでなく配偶者にも年齢制限が設けられることがあります。
  • 同居人:単身者or夫婦の2人暮らし
  • 収入
    不動産担保型生活資金
    世帯員の収入が口市町村民税非課税または、均等割課税程度の低所得世帯
  • リ・バース60
    年収の全体に対して、「借入に関する年間の返済額」と「年間支払額の割合」が次の基準を満たしている場合
    年収400万円未満の場合:30%以下
    年収400万円以上の場合:35%以下
  • 資金の使用用途
    不動産担保型生活資金:主に生活資金として利用
  • リ・バース60
    借入人が住む住宅の建設資金or購入資金
    住宅ローンの借換え資金
    住宅のリフォーム資金
    サービス付高齢者向け住宅(老人ホームなど)の入居一時金
    子世帯などが住む住宅の取得資金を借り入れるための資金

リバースモーゲージ対象物件【利用可能な不動産とは?】

  • 土地付きの戸建てである
  • エリア:首都圏・関西圏・主要都市
    借入人の死亡後に自宅を処分するため、不動産需要が高いエリアに限定されています。
  • 不動産評価額が一定以上である
    国運営の「不動産担保生活資金」を利用する場合、「地価が大体1,500万円以上の戸建てであること」が条件とされています。
  • 抵当権の担保権が設定されていない
    リバースモーゲージでは、金融機関を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定しなければならないからです。

リコース型 vs ノンリコース型:どちらを選ぶべきか?

リコース型とノンリコース型の違い【相続放棄も関係する選択肢】

リバースモーゲージは、基本的に「リコース型」と「ノンリコース型」の2種類に分かれます。

もし借入人の死亡後に相続人が残債を返済しようとした時、自宅の資産価値が下がっていると、自宅を処分してもローンを完済できない可能性は十分にあり得ますよね。

その際、相続人に不足分の返済義務があるかどうかは「リコース型」か「ノンリコース型」かによって決まります。

 リコース型ノンリコース型
担保物件の処分後、 残債の返済義務ありなし
金利低い高い

リバースモーゲージの選び方のポイント【必要融資額と返済額のバランス】

融資額が必要資金に達するか

「選ぶ際に提示される融資限度額が必要としている資金額に達するかどうか」が1つ目のポイントです。

必要な資金額に達しない融資を受けても、資金を使うための目的を果たせないからです。

そのためには、まず「リバースモーゲージで得た資金を何に使うか?」を借入人がハッキリとさせなければなりません。

「生活費のため」「リフォームのため」など借入人によってさまざまな目的があると思いますので、その目的に応じてどれくらいの資金が必要なのか決めておきましょう。

そこで、必要な資金に達する融資限度額が得られる方を選んでみてください。

毎月返済していける金額か

リコース型よりもノンリコース型の方が金利が高くなりがちです。

つまり、毎月の返済もその分上がってしまいます。

毎月の支出を把握し、「毎月必ず返済できる金額」である方を選ぶこともポイントの1つです。

借入人、相続人が所持する資産に余裕があるか

金利や融資額が低い場合であっても、借入人や相続人が所持する資産に余裕がないのであれば、ノンリコース型がオススメです。

なぜなら、ノンリコース型であれば自宅を処分してもローンを完済できない場合に返済の義務がないからです。

かえって資産に余裕があるのであれば、リコース型をオススメします。

そうするとノンリコース型よりも金利が低いためより返済が楽になりますし、融資額も増やせる可能性が高まるからです。

また、資産に余裕があることでローンを完済しても相続人に現金を残せることもメリットと言えます。

リバースモーゲージのデメリット【注意すべき5つのリスク】

返済計画が立てにくい【急死や金利上昇のリスク】

冒頭で説明した基本的な仕組みとして、「借入人が死亡すると自宅を処分して借入金を返済する」と説明しました。

しかし、いつ借入人が死ぬかなんて分かりませんよね。

急病や事故で急死する可能性も十分あり得ます。

また、返済中に金利が上昇すると毎月の返済額も上昇してしまったり、自宅の資産価値が下落すると返済額が追加されたりする可能性もあります。

このようなイレギュラーな事態が発生する可能性があり、もし返済計画を立てていてもその通りに行かないことがデメリットとして挙げられます。

金利上昇による返済負担【予期しない経済的リスク】

前述した通り、金利が上昇すると毎月の返済額も上昇してしまいます。

毎月の返済額が上昇することで経済的負担を強いられるため、返済には余裕を持っておきましょう。

相続人への影響【法定相続人と家族にかかる負担】

借入人がなくなると自宅を処分しなければならないため、家族が今の自宅で生活できなくなるかもしれません。

なぜなら、借入人がなくなった際にローンの残債を現金で一括返済できなければ、自宅を処分して一括返済することになるからです。

また、借入人の死亡後に自宅の不動産評価額がローンの借入額に満たなければ、法定相続人が不足分を一括返済しなければなりません。

よって、リバースモーゲージの契約時には法定相続人全員の同意が必要になることがあります。

不動産評価額・・・不動産価格や税金を調べる時に必要な指標で、一物五価と言われている。誰が評価するかや評価する目的によって、5つのうちどの評価額を用いるか異なる。

法定相続人・・・民法で定められた、被相続人の財産を相続できる人。

不動産評価額が下落するリスク【資産価値の変動】

リバースモーゲージでは、定期的に担保にしている自宅の不動産評価額が見直されます。

その際に不動産評価額が下落していると、融資限度額も下落してしまいます。

もしリバースモーゲージを契約した時に融資限度額のギリギリまで借り入れていると、「融資限度額を超えた借入」と判断されてしまうかもしれません。

融資限度額を超える借入れをすると、超えた差額分の一時返済を要求されてしまいますので、借入額の設定には注意しましょう。

融資限度額の低さ【一般住宅ローンとの比較】

リバースモーゲージの融資限度額は、基本的に不動産評価額の50%〜70%です。

リバースモーゲージで担保にした不動産を売却するのは数10年後と想定されています(借入人の死亡後に処分するため)。

建物は経年劣化していくものです。

それによって処分する際に融資額よりも低い売却価格になり、担保にしている自宅だけでローンを返済できなくなってしまうことを考慮しています。

よって、担保にしている自宅の価値は低めに設定されています。

リバースモーゲージ利用時の注意点【4つのチェックポイント】

リバースモーゲージには様々な制限があり、知らずに契約すると後で困ることがあります。

とくに以下の4点には注意が必要です。

  1. 子供と同居している世帯は利用不可
  2. 利用エリアに制限が存在
  3. 団体信用生命保険に加入できない場合がある
  4. マンションに対して利用できないことが多い

以下でその詳細について解説していきます。

子供と同居の世帯がリバースモーゲージを利用できない理由

リバースモーゲージは、子供と同居している世帯は利用できません。

なぜなら、リバースモーゲージは借入人or夫婦それぞれの死亡後に住宅を処分することを前提としているローン商品であるからです。

もし夫婦以外の家族が住んでいると、死亡後に住宅を処分するまでに引っ越しなどの時間が余計にかかってしまいます。

そのため、リバースモーゲージでは夫婦の2人暮らしや一人暮らしの世帯が利用の対象とされています。

利用可能エリアの制限【リバースモーゲージの地域条件】

「利用条件」の項目でも触れましたが、リースバックは基本的に首都圏・関西圏・その他主要都市で利用できます。

借入人の死亡後に自宅を処分するため、不動産の需要が高いエリアに限られるからです。

都心の一等地や、居住するのに人気の高いエリアならばその分融資額も高くなりやすいでしょう。

しかし、利用エリア内にあっても戸建てでなければ対象外となることがほとんどですので注意が必要です。

団信加入不可【リバースモーゲージと団体信用生命保険】

<団体信用生命保険とは?>

まず、「団体信用生命保険」について説明します。

団体信用生命保険(通称:団信)とは、住宅ローンの返済期間中に借入人が返済できない状況になった際、ローンの残債がなくなる保険のことです。

住宅ローンを利用する際、大抵の方がこの団信に加入します。

一般的な住宅ローンの借入後には加入できず、住宅ローンを借り入れる時or借り換えをする時のみ加入できます。

団信の一般的な仕組みとしては、死亡などによって借入人が返済不可能な状況になると、生命保険会社がローン残債に相当する保険金を金融機関に支払うことでローンの返済に充てられるようになっています。

<なぜリバースモーゲージでは団信に加入できないのか?>

上記の説明からわかるように、「団信」を一言で表すと「借入人の死亡後にローンの返済が免除される保険」です。

しかし、リバースモーゲージの仕組み上「借入人の死亡後にローンを返済」しなければなりません。

つまり、正反対の仕組みですのでリバースモーゲージでは団信を利用できないのです。

マンションに対して利用できない理由【不動産選定基準】

実はリバースモーゲージでは、マンションが融資物件の対象外になることが多いのです。

なぜなら、リバースモーゲージの担保物件を評価する際の不動産評価額は「地価(土地の価格)」を中心に算出することが多いからです。

つまり、地価が高いほど融資限度額も上がるということです。

マンションは誰か1人がマンション全体を所有しているわけではないため、戸建てよりも所有している土地が狭く、その分地価が低くならざるを得ません。

このことから、仮にマンションをリバースモーゲージで担保にしても地価よりも建物自体で評価しなければならないのです。

しかし、建物は必ず経年劣化していくものです。

地価が低く、資産価値が下がったマンションを担保にしていても金融機関は儲かりません。

よって、リバースモーゲージではマンションが融資物件の対象外となることが多いのです。