子供がいなくてもリバースモーゲージ審査は通る?必要条件とポイント

老後資金や事業資金など、まとまった資金が必要になったとき、自宅を担保に資金を調達できる方法があります。それが、リバースモーゲージとリースバックです。どちらの方法が自分に適しているかは、利用者の状況やニーズによって異なります。この記事では、リバースモーゲージとリースバックの違いや、利用の際に注意すべきポイントを解説します。
Contents
リバースモーゲージ審査の通過条件とは?
リバースモーゲージを評価する際に考慮すべき重要な3つのポイントを順番に解説します。
不動産の価値が高いことの重要性
担保となる不動産のリスクが低いことが重要です。立地が良ければリスクは低くなります。そのため、不動産の立地条件は評価額が上がるポイントです。
具体的には、以下の理由が挙げられます。駅近の不動産は、交通利便性が高いため、入居率が高く、家賃収入が安定しやすいです。
また都市部に近い不動産は、人口密度が高く、商業施設やオフィスなどの需要が高いです。そのため、賃貸需要が高く、家賃収入が期待できます。これらのことから、駅近の不動産や都市部に近い不動産は、金融機関にとって魅力的な担保となり、評価額が上がると言えます。
収入の安定性が審査に与える影響
リバースモーゲージは、老後の生活費を補うための商品です。生存中は、利息のみの返済で済みます。そのため、利用者は利息の支払いが可能であることに加えて、老後も生活費を賄えるだけの収入源を確保していることが求められます。
具体的には、以下の収入源が安定していることが求められます。
- 年金
- 退職金
- 預貯金
- その他の資産からの収入
これらの収入源が老後も安定して継続できるかどうかが、リバースモーゲージの審査において重要なポイントとなります。
他のローンの返済能力を確認するポイント
この場合、返済能力とは以下の意味になります。
- 現在の収入で、他のローンの返済とリバースモーゲージの返済を両立できるかどうか
- 将来的に収入が減少しても、他のローンの返済とリバースモーゲージの返済を両立できるかどうか
これらのことから、他のローンの返済能力があるかどうかがリバースモーゲージの審査において重要なポイントとなります。
なお、リバースモーゲージの審査では、他のローンの返済状況だけでなく年齢や健康状態なども考慮されます。そのため、他のローンの返済状況が良好であっても審査に通らない可能性もあります。
リバースモーゲージ審査の流れと準備
リバースモーゲージの審査期間や必要書類などの具体例を紹介します。
申し込み手続きと必要書類の準備方法
まず、金融機関に電話やメールで申し込みを行います。その後、指定された必要書類を用意します。必要書類は金融機関によって異なりますが、以下のようなものが一般的です。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 住民票
- 健康保険証
- 年金証書
- 所得証明書(源泉徴収票など)
- 不動産評価書
金融機関での面談と説明内容
必要書類を用意したら、金融機関に来店します。担当者からリバースモーゲージの概要や注意事項などの説明を受けます。
審査依頼と必要な書類
担当者から説明を受けたら、審査依頼を行います。審査依頼を行う際には、以下の書類に記入します。
- 申込書
- 同意書
- その他、金融機関が指定する書類
審査結果を待つ期間と注意点
審査依頼後、金融機関で審査が行われます。審査期間は、一般的に2週間程度です。
審査通過後の契約手続きと借入れ開始
審査が通れば、金融機関に契約書を締結しにいきます。契約書を締結すると、借り入れが可能になります。
リバースモーゲージの審査期間は、一般的に2週間程度です。審査に通れば金融機関に契約書を締結しにいき、借り入れが可能になります。
子供がいなくてもリバースモーゲージ審査は通る?
リバースモーゲージとは、死後に資産を売却してローンの元金を返済する制度です。では、死後にこの手続きを行える相続人(子供)がいない場合、何が問題になるのでしょうか?
子どもがいないからといって、リバースモーゲージが利用できないわけではありません。むしろ、子どもがいない方が利用しやすい場合があります。なぜなら、子どもに家を残す必要がないのでリバースモーゲージの特徴である「生きている間は利息のみの返済」というメリットを最大限に活かすことができるからです。
リバースモーゲージでは、利用者が亡くなった後に家を売って元本を返済することが前提です。そのため、相続人が家を残したければ現金での一括返済を行う必要があります。
リバースモーゲージを利用する際には、あらかじめ推定相続人の同意が必要です。法定相続人とは、その人が死亡した場合にその資産を相続すると予想される人で、通常は配偶者または子供です。
相続人のいない人がリバースモーゲージを利用すると、死亡後の返済手続きを金融機関が代行してくれます。
子どもがいないからといって、リバースモーゲージが利用できないということはありません。実際は、リバースモーゲージは子供がいない人にも適しています。ただし、相続人が家を残したければ現金での一括返済を行わなければいけないので留意しておきましょう。
一つ例としてあげると以下の通りです。
65歳の独身女性が、リバースモーゲージを利用して、老後の生活費を補うことを検討しています。この場合、子どもがいないため、相続人の同意は必要ありません。また、仮に亡くなった後に家を残したければ、現金での一括返済を行う必要があります。
なお、金融機関によっては相続人の同意を求めないケースもあります。詳しくは、各金融機関にお問い合わせください。
また、住宅ローン残債があってもリバースモーゲージは利用可能です。リバースモーゲージは借り入れであるため、ほかの借り入れがあるかどうかも審査の対象となります。そのため、住宅ローン残債があると審査に通らないのではないかと心配する方もいるかもしれません。
しかし、実際には住宅ローン残債があっても、リバースモーゲージは通常通り利用できる場合が多いです。リバースモーゲージは、住宅ローンの残債を一括返済するために利用することもできます。
リバースモーゲージは、生きている間は利息分のみの返済であるため、住宅ローンの元本を返済しなくても、毎月の返済額を大幅に抑えることができます。
ただし、リバースモーゲージで調達できる資金は、担保物件の価値に左右されます。そのため、担保物件の価値が住宅ローン残債を下回っている場合は、リバースモーゲージを利用しても住宅ローンを完済できない可能性があります。
住宅ローン残債があっても、リバースモーゲージは利用できるケースが多いです。ただし、担保物件の価値が住宅ローン残債を下回っている場合は、利用できない可能性があります。
一つ例としてあげると以下の通りです。
65歳の夫婦が、住宅ローン残債が100万円ある自宅を担保に、リバースモーゲージを利用した場合、年金や預貯金などの収入から利息分のみを返済すれば、毎月の返済額は数万円程度に抑えられます。
リバースモーゲージの借り換えを検討する際は、金融機関に相談することをおすすめします。
リバースモーゲージ審査が難しい場合の選択肢:リースバックのメリットとデメリット
リバースモーゲージの審査では、子供や住宅ローン以外にも多くの要素が考慮されます。万が一審査に通らなかったり、審査中に問題が発生したりした場合には、リースバックを検討してみると良いでしょう。リースバックとリバースモーゲージは似た融資手段ですが、両者には重要な違いがあります。
リースバックは、自宅を売却して現金を手に入れる一方で、その後は賃貸借契約を結んで住み続けることになります。借り入れや返済は発生しないため、まとまった資金を調達したい人や、引越しの手間を省きたい人にオススメです。
リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けるため、借り入れや返済は発生しません。ただし、毎月利息を支払う必要があるため、利用年齢や対象物件、使途に制限があります。
どちらのサービスが適しているかは、利用者の状況によって異なります。以下に、それぞれのサービスのメリットとデメリットをまとめました。
リースバックの仕組みと特徴
メリット
- 借り入れや返済が不要
- 利用年齢や対象物件、使途に制限がない
デメリット
- 自宅の所有権を失う
- 賃料を支払い続ける必要がある
リバースモーゲージのメリットとデメリット
メリット
- 借り入れや返済が不要
- 毎月の返済額を減らすことができる
デメリット
- 利用年齢や対象物件、使途に制限がある
- 毎月利息を支払う必要がある
リースバックとリバースモーゲージのどちらを利用するかは、ご自身の状況やニーズに合わせて検討することが大切です。
リースバックとは、自宅を売却して現金を得た後、その家を借りて住み続ける仕組みです。
リースバックを利用すれば
- 自宅を売却してまとまった資金を得る
- その後、その家を借りて住み続ける
という2つのプロセスを経ることになります。
1. 自宅を売却してまとまった資金を得る
リースバックでは、自宅を売却して現金を得ることができます。この現金は、老後資金や住宅ローンの返済、事業資金など、さまざまな目的に利用することができます。
2. その後、その家を借りて住み続ける
自宅を売却した後も、その家を借りて住み続けることができます。リースバック会社や個人の不動産投資家から家賃を支払うことになりますが、借り入れや返済は発生しません。
具体例を挙げて説明します。
- 老後資金が必要な高齢者が、自宅を売却してリースバックを利用することで、まとまった資金を得て安心して老後生活を送ることができます。
- 住宅ローンの返済に困っている人が、自宅を売却してリースバックを利用することで、住宅ローンの返済を終えて家賃負担を減らすことができます。
- 事業資金が必要な起業家が、自宅を売却してリースバックを利用することで、事業に必要な資金を調達することができます。
まとめ:リバースモーゲージとリースバックを選ぶポイント
いかがでしょうか。リバースモーゲージの評価は、担保となる不動産の価値、利用者の収入、他のローンの返済能力が重要なポイントです。 審査は金融機関によって異なりますが、一般的に2週間程度かかります。
子どもがいなくても、住宅ローン残債があっても、リバースモーゲージは利用可能です。 万が一審査に通らなかった場合は、リースバックを検討してみると良いでしょう。
リースバックとリバースモーゲージは、どちらも自宅を担保に資金を調達する手段ですが、借り入れや返済、利用年齢や対象物件、使途などに違いがあります。 ご自身の状況やニーズに合わせて、適切な方法を選択することが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。