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2025/11/21自宅を売却したい被保佐人必見!手続きのポイント
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株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
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Contents
被保佐人とは?被保佐人とは?基本的な理解と定義
「被保佐人」とは、精神障害により判断能力が著しく不十分な状態であり、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた人を指します。精神障害には、知的障害や認知症など、さまざまな精神疾患が含まれます。
民法では、精神障害によって判断能力が低下した人を、その度合いに応じて「後見」「保佐」「補助」の3段階に分類しています。後見は「常に判断能力がない」とされ、保佐は「判断能力が著しく不十分」、補助は「判断能力が不十分」と定義されています。
これらの判断能力の低下が見られる人を支援する法定代理人は、それぞれ「成年後見人」「保佐人」「補助人」と呼ばれます。そして、支援を受ける人は「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」と呼ばれます。
被保佐人は判断能力が著しく不十分な状態にあるため、判断能力が低下した状態で契約などを行うと大きな損失を被る可能性があります。そのため、被保佐人が一人で行える法律行為の範囲は制限されています。
民法第13条では、保佐人には被保佐人が行う法律行為の一部に対して同意権および取消権が認められています。これに該当する法律行為については、被保佐人は一人では行うことができません。具体的な行為は以下の通りです。
- (1)元本を領収し、又は利用すること。
- (2)借財又は保証をすること。
- (3)不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
- (4)訴訟行為をすること。
- (5)贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
- (6)相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
- (7)贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
- (8)新築、改築、増築又は大修繕をすること。
- (9)第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。
- (10)前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
(引用:民法第13条 第1項)
この項では、被保佐人についての解説を行ってきました。次の項からは、実際に被保佐人が本人で自宅を売却する際の注意点や、保佐人が被保佐人に代わって、自宅を売却するための方法について、解説していこうと思います。
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被保佐人が自宅を売却する際の重要な注意点
前項でも述べた通り、被保佐人は一部の法律行為について保佐人の同意を得る必要があります。自宅の売却は「不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為」に該当するため、保佐人の同意を得た上で進める必要があります。
では、保佐人の同意を得ていない状態で自宅を売却した場合、売買契約が成立し、買主に家を引き渡していても、その契約を取り消すことができます。法律行為は行った時点にさかのぼって無効となります。契約が無効になるということは、売主は買主に対して、家を売却することで得た代金を返し、買主は売主に対して、家を返すということです。
原則、被保佐人は、保佐人の同意を得た上で法律行為を行うことが理想的ですが、上記のようなケースもあるというのが現状です。買主としては、せっかく購入した家を失う可能性があり、いつ契約を取り消されるか不安なまま過ごすのはストレスを感じてしまうでしょう。
民法では、契約の相手に法律関係を早期に安定させる手段として「催告権」が与えられています。これを行使することで、被保佐人側に対して1カ月以上の期間を設けて追認するかどうかを催告できます。被保佐人側は「取消」か「追認」のいずれかを期間内に返答する必要がありますが、期間内に返答がない場合についても民法で定められています。
催告をする相手によって、返答がない場合の結果が異なります。相手が「保佐人」の場合は「追認したもの」と見なされ、契約が結ばれた状態で確定します。一方、相手が「被保佐人」の場合は「取り消されたもの」とみなされ、買主と売主の双方が契約成立前の状態に戻す必要があります。
契約が取り消された場合、代金や引き渡しなどが元通りにできれば良いですが、そうならないケースもあります。契約が取り消されると、法律上の原因がないのに得た利益(不当利得)として返還請求の対象となりますが、民法では被保佐人などの制限行為能力者に対して不当利得返還義務に制限が設けられています。
民法121条では、「制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う」と定められています。どういうことかというと、不当利得は通常全て返還しなければならないのですが、制限行為能力者は「現に利益を受けている限度」(現存利益)だけを返還すれば良いということになります。
現存利益とは、利益を「そのまま保有している」、または、「形を変えて保有している」ということを意味しています。例えば、被保佐人が受け取った売買代金をそのまま保有していたり、借金の返済に使用したり、生活費に使ったりしても、現存利益はあると判断されるため、買主に対して売却代金の返還義務が生じます。しかし、被保佐人が売却代金を、ギャンブルに使うなどで浪費した場合には、その使ってしまった支出分は、現存利益に含まれず、返還の対象から除外されることになります。浪費に使ったものを返還しなくて良いというのは理不尽であると思われるかもしれませんが、浪費は利益が残らないと見なされるものであるため、利益の形が変わって保有しているということにはならないというのが結論です。
このように、契約を取り消された場合には、契約相手は被保佐人から不当利得の返還を正当に受けられない可能性があります。上記のようなことが起こらないよう、被保佐人との取引においては、保佐人の同意を得ているかどうか注意しておく必要があります。
被保佐人自身は、保佐人の同意を得てから、自宅の売却を進めるようにし、保佐人は被保佐人が一人で勝手に自宅を売却しないように注意を払うようにしましょう。また、買主として、被保佐人とやりとりを行う際は、保佐人の同意の上で、売却を行っているかどうかを前もって確認しておけば安心して家を購入することができるでしょう。
ただし、制限行為能力者(被保佐人など)が、完全な行為能力があると信じさせるために、書類を偽造するなどの詐術を用いた場合には、保佐人であっても取り消すことはできません。
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保佐人が被保佐人に代わって自宅を売却する方法
被保佐人が、自身で売却する際の注意点に関して解説してきました。
この項では、保佐人が被保佐人の代理で家の売却を行うことはできるのかということを解説していきたいと思います。
保佐人は原則代理権をもっていない
保佐人は、被保佐人の特定の法律行為に関して「同意権」と「取消権」を持っていますが、被保佐人の代わりに法律行為を行う「代理権」は原則持っていません。
ただし、同意権・取消権の対象行為については、事前に家庭裁判所へ申請し許可をもらえたら、保佐人に対して代理権が付与される場合があります。
財産上の行為や、介護・保険の契約などの法律行為については代理権の付与が認められていますが、婚姻や子供の認知、遺言などについては、代理権の付与は認められていません。
また、代理権の付与は、法律行為の項目ごとに許可してもらう必要があります。
保佐人は、代理権を付与されたからといって、同意権・取消権の対象となる法律行為全てに代理権を持つわけではないということに注意しましょう。
保佐人に不動産売買の代理権が付与されたら
保佐人に不動産売買の代理権が付与されると、被保佐人名義の不動産の売買を保佐人が代理で行うことができます。
ただし、保佐人が勝手に売却してもいいということではありません。被保佐人の居住用不動産を売却する際には家庭裁判所へ許可をもらう必要があります。単なる財産の処分とは異なり、居住用の不動産を売却することは、本人の生活環境や心身に大きな影響を与える可能性があるため、保佐人とはいえ一人の意見だけで決められないようになっています。
基本的には、通常の不動産売買と変わりませんが、以下の2点には注意してください。(1)保佐人として、被保佐人名義の不動産を売却する旨を不動産会社へ伝えること。(2)売買契約の中に、「停止条件付取引」の条項をつけること。
保佐人として、被保佐人名義の不動産を売却するときは、不動産会社が作成する書類が通常の不動産の売却と異なります。あとで、作成し直さなければならないという状態にならないようにあらかじめ伝えておきましょう。
また、売買契約の中に「停止条件付取引」の条項は必ずつけてください。
裁判所の売却許可が出た場合に限り、締結した契約が有効になるという特約になります。もし、許可が下りなければ正式な契約として成立しないということに両者が同意するものになりますので、後でトラブルになることを防ぐためにつけるようにしましょう。
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まとめ:被保佐人の自宅売却に関する重要ポイント
被保佐人は、保佐人の同意の元、自宅を売却することができます。もし、保佐人の同意を得ずに、被保佐人が独断で自宅の売却を進めてしまった場合は、保佐人によって契約を取り消すことが可能です。
買主にとって、契約を取り消されることは不安に感じてしまうため、被保佐人として自宅の売却を検討している際は、保佐人の同意を得た上で、売却活動を進めるようにしましょう。
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