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投稿⽇時

2024/07/29

最終更新⽇時

2024/07/29

家を売っても住める

  • 不動産買取

今回の記事は、このような方にオススメです!

「家を売ろうとしている方」
「家を売っても住み続けたい方」

この記事では、家を売っても住めることについてわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

家を売っても住み続けるには

 現在では、家を売っても住み続けることができます。その方法は「リースバック」というものです。

「リースバック」とは

 リースバックは、家を売った後でも所有者が住み続けられる仕組みです。家の所有権を失っても「借主」として住み続けられますが、利用するにはリースバック会社と契約を結ぶ必要があります。

 利用する際は、最初に自宅を売却します。売却金としてまとまったお金を手にすることができます。

 売却した後は、新しい所有者(リースバック会社)と「賃貸借契約」を結びます。このとき、買主を貸主、売主を借主とします。

 リースバックを利用して所有権を手放しても、数年後に買い戻しができるケースがあります。

住宅ローンが残っている場合

 住宅ローンは、リースバックで売却するまでに完済しなければいけません。しかし、住宅ローンの返済中でもリースバックを利用できる可能性があります。それは、家が住宅ローンの残債務より高い価格で売れる場合です。

 例えば、売却価格が3,000万円で住宅ローンが2,000万円残っていたら、売却金でローンを完済し、残りの1,000万円が手元に残ります。この場合はリースバックが利用できます。

 しかし、売却価格が1,500万円で住宅ローンの残りが2,000万円の場合、家を売ってもローンの完済ができません。この場合はリースバックが利用できないと言えますが、不足分の500万円を用意できれば、リースバックの利用が可能となります。

家を売っても住み続けたい人にはリースバックが最適

 家を売った後は所有者ではなくなり、家に住めなくなってしまいますがリースバックを利用すると賃貸権を取得して住み続けることができます。また、再売買で家の所有者に戻れる方法もあります。

このように家を売っても住み続けたい場合、リースバックは最適な手段だといえます。

リースバックの相場

【売却価格】

 リースバックで自宅を売却する価格の相場は、一般的な市場価格の70〜80%ほどになるケースがほとんどです。しかし、買い取る不動産会社によって売却価格が異なる場合があるので、まずは一度、リースバック会社に相談してみましょう。

相場計算式

売却価格 = 市場価格 × 70〜80%

【家賃】

 賃貸借契約を結んだ後は、家賃を毎月支払います。リースバックの家賃は、「期待利回り」を基準に定められることが多いです。「期待利回り」は通常、年間7%〜12%で設定されます。

家賃計算式

年間の家賃 = 売却価格 × 期待利回り(7%〜12%ほど)

毎月の家賃 = 年間の家賃 ÷ 12

家賃の計算例

売却価格が1,800万円で、期待利回りが10%とされた場合、毎月の家賃は15万円となります。

1,800万円 × 10% = 180万円

180万円 ÷ 12=15万円

【買い戻し】

買い戻しにも相場があることを覚えておきましょう。価格は、概ね市場価格と同等になります。

買い戻し価格計算式

買い戻し価格(市場価格) = 売却価格 × 1.1〜1.3

リースバックの流れ

① リースバック会社の選定・連絡

 まずは、インターネットなどでリースバック会社を調べ、希望のリースバック会社に問い合わせをします。このとき、リースバックの概要や手続きの流れについて説明があるので、しっかり聞いておきましょう。加えて、物件状況や希望売却価格などの条件についても確認される場合があります。問題がなければ仮査定の申し込みをしましょう。

② 簡易査定

 早ければリースバック会社へ連絡した日、もしくは2〜3日後に簡易査定が行われます。

 簡易査定は、現地を訪問しての調査ではありません。物件の所在地や土地の面積、建物の面積、築年数、間取り、近隣の相場などの情報で評価します。そのため、売買価格と家賃が目安で算出されます。

③ 訪問査定

 簡易査定に問題がなかったら、リースバック会社が現地訪問をして、査定を行います。

このときに、物件の内外の状態や修繕の必要性、周辺などを確認したり、図面との照らし合わせをしたりします。その後、売買価格と家賃が決まります。

④ 契約条件・内容の確認

 訪問査定の結果をもとに、リースバック会社から契約の詳細が提示されます。売却価格や家賃、リースバックの期間などの条件を確認しましょう。所有者として、提示された条件が自分の将来に合っているかどうかを確認することが大切です。

会社によっては、調整ができることもあるので、希望があれば伝えてみましょう。

⑤ 契約

 条件に納得したら、契約の締結に進みます。リースバックの契約書は「売買契約書」と「賃貸借契約書」の2種類です。

 「売買契約書」とは、売買内容を記載した書類です。物件の売買価格や引き渡し日などを決めます。売買契約書の内容に沿って進めていくので、認識に違いがないかの確認をしましょう。

将来、確実に買い戻ししたい場合、買い戻し期間や買い戻し価格など「買い戻し」に関する特約を確認する必要があります。

 「賃貸借契約書」とは貸主が所有する物件を借りるために作成する書類です。物件の名称や契約期間、家賃、契約の種類などを記載します。

リースバックは、物件の売買契約と賃貸借契約を同時に結ぶので、どちらの書類も必要です。

⑥ 契約成立

 契約を結んだ後は、早いと1週間以内に代金が支払われます。支払いが完了すると賃貸借契約も同時にスタートするので、物件の引き渡しもこのタイミングです。

これで手続きは完了となります。

リースバックのメリット

  • 住み慣れた自宅に住み続けられる
    隣人との関係性や近くの施設、店舗へのアクセスなど、住み慣れた場所には大きな価値があるので、自身の生活圏や地域との繋がりを保つことは心理的な安定にも繋がります。
  • 所有者としての税金負担がなくなる
    毎年かかる固定資産税、都市計画税は不動産の所有者が負担します。また、自然災害による破損などもリスクを負う必要がなくなります。
  • 周囲の人に家の売却を知られにくい
    居住者は変わらないので、近所の人などに家の売却を知られたくない人にメリットがあります。
  • 年齢制限がなく、保証人も不要
    一般的な借り入れには年齢制限がありますが、リースバックには年齢制限がありません。保証人も不要なので、多くの人が利用しやすくなっています。
    短期間でまとまったお金を手に入れられる
    経済状況や生活環境が急変して大きな資金が必要になったとき、自己資金を調達する方法は限られています。
  • お金の使い方は自由
    リースバックで手に入れたお金は好きなように使えます。

 リースバックは多くの人にメリットがあります。特に「資金の調達」と「暮らしの安定」の2つは大きなメリットです。資金操りと生活の安定を同時に実現することができます。

リースバックのデメリット

  • 自宅が所有資産でなくなる
    リースバックを利用すると、自宅の所有権が第三者にわたり、新しいオーナーが決めたルールに従って生活することになります。特別な制限が設けられることはほとんどなく、基本的にはこれまで通りの生活を送れます。
  • 物件を自由に使えなくなる
    リフォームや増改築などは許可が必要です。また、ペット不可、楽器不可などの制限が設けられる可能性もあります。
  • 家賃を払う負担が生じる
    家賃を払えずに滞納すると、退去させられます。最悪の場合は、裁判や強制退去になるので、注意が必要です。
  • いつまでも住み続けられる保証がない
    リースバック契約は2〜3年の期間で賃貸借契約を結ぶことが多いです。契約更新をするとき、業者側の都合により拒否されてしまったら、退去しなければいけません。
  • オーバーローンの場合は利用できない
    残債との差額を他の方法で調達できる場合は利用できますが、難しい場合は任意売却などの方法を検討する必要があります。

 自宅を売却してまとまったお金を手に入れつつ、そのまま住み続けられるリースバックですが、やはりどのサービスにもデメリットは存在します。

検討するときは、メリットとデメリットの両方を知った上で判断・選択することが大切です。

リースバックを利用するときのポイント

①複数のリースバック会社に相談する

 各リースバック会社によって、提示される契約条件は異なります。複数の会社に相談して、自分のライフプランに合った条件・手法にしましょう。

②条件・内容を理解する

 しつこい勧誘をしたり、売却を煽ったりする会社もあります。それに合わせず、契約意思を決める前に落ち着いて確認をしましょう。

サインや押印を求められても、安易に応じず、家族などと相談をして、契約内容をしっかり理解してから応じましょう。

③支払いの計算をする

 リースバックは、毎月家賃を払うことで住み続けられるものです。契約の前に、「受け取る金額」と「家賃として払う金額」のどちらが高いか計算して、手元に残るお金があるか確かめてみましょう。

④修繕についての確認

 リースバックすると、変わらず住むことはできますが、自由に使うことはできません。設備が壊れたら修繕費を払うのはどちらか、直すのはどちらか、新たに設備を設置して良いのかなどを確認しましょう。

 また、リースバックの期間中に亡くなった場合、家族・親族が相続人として原状回復などの契約上の責任を負うこともあるので、気をつけましょう。

⑤買い戻しについての確認

 買い戻しを希望するなら、本当に買い戻せるかどうか契約前に確認しましょう。口約束ではなく、書類に具体的な内容が記載されているかも確認して検討することが重要です。

おわりに

 今回は、家を売っても住めることについて解説しました。

家を売ろうか迷っているときなどは、この記事を参考にしてみてください。

 また、住み続ける方法として「リースバック」についてもご理解いただけたと思います。リースバックを利用したいときは、今回記載したポイントを理解して、自分にとってメリットとデメリットのどちらが大きいかなどを、事前にしっかりと考えましょう。