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投稿⽇時

2024/06/05

最終更新⽇時

2024/06/05

家を手放す理由と方法、売却時の控除を詳しく解説

  • 不動産買取

引越しをするため家を手放さなければならない場合や相続で空き家を手にした場合、手放すにはどうすればよいのか考えている方も多いのではないでしょうか。空き家は長く放置していると維持管理費がかかり利点はないため、早めに売却や処分することが重要です。本項目では、どのように処分すればよいのか手放す際の注意点を詳しく解説します。

家を手放すべき理由とその重要性

近年、空き家問題が深刻化しており、全国的に増加しています。近隣住民に迷惑がかかる恐れや、長く放置していざ処分する際に費用がかさむ可能性があります。では、具体的にどのような影響が考えられるか下記を参考にしてください。

家を手放すべき理由

不要な家を長期間放置すると、維持費が増加し、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。家を手放す具体的な理由は下記のとおりです。

  1. 管理する必要があり維持費がかかる
  2. 不法投棄の恐れがあり苦情が発生する
  3. 固定資産税がかかる

空き家は住人がいないと、管理が行き届かず、劣化が早まります。空き家は定期的な管理が必要で、遠方に引っ越したり、忙しい場合は清掃やメンテナンスに赴く時間が確保しにくくなります。

万が一、管理を疎かにすると売却時に影響がでます。管理する内容は、リフォームや草木の除去、清掃などが必要となり放置しておくといざという時に大変な労力と費用がかかります。

また、空き家を放置したままだと景観を損ねたり不法投棄が増え近隣住民から苦情がくることもあるでしょう。さらに、害虫や害獣が住みついてしまい近隣住民の生活へ影響を及ぼすことも考えられます。

なお、空き家は所有しているだけで固定資産税や都市計画税が発生するため負担が増えてしまいます。そのため、早めに手放すことが得策です。

家を手放す方法:6つの選択肢

家を手放す方法は複数あり、多く利用される例は下記のとおりです。

  • 中古物件として売却する
  • 相続放棄する
  • 解体して土地を売却する
  • 不動産業者が直接買取る
  • 賃貸として活用する
  • 寄付する

中古物件として売却することや更地にして売却することなど、さまざま方法があります。下記にて詳しく解説します。

中古物件として売却する

周辺環境や立地、家の状態によっては買い手がみつかることがあります。また、少しでも利益を得たい場合は中古物件として売却することがオススメです。中古物件の購入を検討している人は下記のように考えている方が多くいます。

  • 新築するための土地を探している
  • リフォームやDIYできる物件を探している

新築する場合は解体費がかかり、リフォームやDIYを考えている方や賃貸にすることで、投資の利益を得たいと考えている方もいます。両者とも価格を抑えて購入したいと考える方が多い傾向です。

不動産売買は交渉されることが前提のため最初に設定する売却金額よりも、実際の取引価格は下がります。そのため、売却のポイントは売主の希望価格よりも多少高値に設定し交渉に備えることが大切です。

しかし、あまりにも高く設定すると買主がみつからない可能性があるため、適正価格にすることが重要です。また、売りづらい立地や周辺環境の場合は相場よりも多少価格を低くして早めに売却する方法もあります。

なお、売却は不動産業者にまかせることがオススメです。自分で売却する方法もありますが、不動産業界に精通している方でなければなかなか難しいでしょう。

不動産に直接売却する方法

物件の売却方法の一つとして、不動産業者に直接売却する方法もあります。直接売却する場合は短期間で資金の調達が可能です。しかし、不動産業者を仲介して買主を探すよりも売却金額が下がる傾向があります。

不動産業者は買取りしたのちに、リフォームや管理が必要になるためその分の費用を清算する必要があります。そのため、買取金額を下げてリフォームや管理費に支出するためです。

一定期間仲介して買主を探してもみつからない場合、不動産が直接買取りをする契約方法もあります。仲介して買主をみつける場合は、一般的に3カ月〜6カ月ほどで契約が完了します。

一方、買取りは早くて1週間ほどで売却が完了し現金化まで1カ月かからないことがほとんどです。買主がみつかる場合は仲介として利用し、売却しづらい土地や早急に資金が必要な方にオススメの手段です。

解体し更地にして売却する

家の劣化が激しい場合は、解体してから売却する方法も1つの方法です。通常、土地と建物をセットで売却した方が高値で取引されます。しかし、売却した後にリフォームや解体が必要と判断された建物がある場合は、売却金額が下がる傾向です。

また、売買契約は買主を守るために売主に対して契約不適合責任があります。リフォームや修繕する必要がある箇所を見落としてしまい、買主が後から気づいた場合は売主が責任を持ち対処しなければいけません。

そのため、リフォーム費用の支出が必要となり、売却金額で相殺できないと判断した場合は解体し更地として売却した方が賢明です。また、土地を活用したいと考えている方は建物が不要なため、立地によりどちらの傾向にあるか相談しながら決めるとよいでしょう。

解体して更地にした場合、翌年の1月1日を迎えると固定資産税の減税措置対象外となります。建物があった時の6倍の支払いが必要となるため長期間所有しないよう注意が必要です。

寄付する

不動産を売却する際に、資金が不要な場合は、自治体や法人への寄付、または隣家の人への贈与も選択肢です。

隣家の人は自分の土地面積が広くなるため買取る可能性があり、一度相談することも1つの手段です。贈与するときは、隣家の人には贈与税がかかるため伝えておくとよいでしょう。

寄付の場合は、売却と違うためまとまった資金は手にできません。しかし、管理費や固定資産税などがなくなるため、買主がみつからない場合は検討してください。相談先は自治体のホームページに記載されている窓口や不動産業者です。

相続放棄して売却する

家を相続したが不要で処分を検討している場合、相続放棄する方法もあります。相続されてから3カ月以内であれば相続放棄ができます。相続放棄することで、相続税やその後の固定資産税などがかからないため、費用の支出をおさえることが可能です。

しかし、相続放棄しても次に家を管理する方がみつかるまでは自分で管理する必要があります。また、長期間みつからない場合はその分管理費がかかるため早めに解決したい方は、ほかの相続人に活用方法や対処方法を相談しましょう。

なお、相続から3カ月以上経過すると相続放棄できないため注意してください。

賃貸する

ニーズがある地域や物件は、賃貸として利益を得る方法も1つの方法です。家賃収入が得られるため、管理費や維持費を賄える可能性があります。また、家が新しくリフォームや修繕の必要がない方は修繕費の支出が不要のためそのまま貸出しが可能です。

賃貸は入居者がみつからないと利益が得られないため、維持管理費がかかります。そのため、入居者をみつけるのが難しい土地や物件の場合は、ほかの手段を検討してください。

家を手放す際に受けられる控除と税制優遇

家を長期間放置すると、固定資産税や都市計画税が積み重なります。そのため、売却することで節税に繋がるうえ売却金額に応じて控除が受けられます。下記にて、それぞれの控除内容を参考にしてください。

3,000万円の控除

家を売却すると利益が出るため、売却金額に比例して所得税と住民税がかかります。ただし、条件に当てはまれば3,000万円まで特別控除が受けられます。条件は下記のとおりです。

  1. 現在、居住している自宅であること
  2. 転居や空き家の場合は、住まなくなって3年目の年末までの物件であること
  3. 解体してから1年以内であること
  4. 土地を賃貸していないこと
  5. 買主が家族や親族など特殊な関係ではないこと
  6. 売却した前年、前々年に3000万円の特別控除を受けていないこと
  7. 売却した年、前年と前々年に自宅の買い替えや交換の特例を受けていないこと

控除を受けるにはこれらの条件をすべて満たしている必要があります。1つでも条件に当てはまらない項目があった場合は適用外となるため注意してください。

これ以外にも細かい条件があるため、国税庁の「No.3302 マイホームを売ったときの特例」を参考に対象であるか確認しましょう。

なお、住宅ローン控除と併用が不可となります。どちらがお得かは税理士やファイナンシャルプランナーに相談し適切な方法を選択してください。

10年超所有軽減税率の特例

10年超所有軽減税率の特例とは、10年を超えて所有していた物件の売却が対象となる減税です。減税内容は下記のとおりです。

  • 6,000万円以下で14.21%の税率となる
  • 6,000万円以上で20.315%の税率となる

10年超所有軽減税率の特例は3,000万円の特別控除と併用ができます。計算方法は下記を参考にしてください。

売却金額計算式控除額
6,000万円6,000万円-3,000万円=3,000万円×14.21%426万円
6,500万円6,500万円-3,000万円=6,500万円×20.315%711万円

条件は3,000万円の特別控除と同様です。10年を超えた物件を売買する際は、適用になるか事前に確認しておきましょう。

空き家に対する特別控除

現在、空き家の場合も最大3,000万円の控除が受けられます。条件は下記のとおりです。

  • 売却金額が1億円以内
  • 昭和56年5月31日以内に建てられた物件
  • 戸建て
  • 相続前まで居住として利用し相続後に空き家
  • 行政から証明書を発行

建築した年月日や戸建てなどの条件が満たされると適用になります。また、相続される前は居住している必要があり、相続後は空き家となることも条件です。そのため、相続後に駐車場として貸し出すことや賃貸として利用した場合は対象外となります。

家を手放す前に知っておくべき注意点

家を手放す際は注意点がいくつかあります。売却前に相場を把握することや、家具や日用品をそのまま売却しないことなどです。それぞれの注意点を下記にて詳しく解説します。

家だけ相続放棄することはできない

相続放棄する際は対象の遺産をすべて放棄する必要があるため、家だけ放棄することはできません。たとえば、現金や車など不動産以外の遺産も放棄となり相続できなくなります。

ほか遺産を相続したい場合は、家を活用できるよう売却や賃貸、更地にして駐車場として貸し出すなど活用方法を検討しましょう。

売却時の敷地と宅内の整理

家を売却する際は、家財道具や日用品など廃棄となるものはすべて処分してください。売却時に残っていると売却金額が下がる可能性があります。理由は、買主が廃棄費用を負担しなければならなく手間と費用がかかるためです。

買主との交渉次第では残した状態のまま売却できることもあります。買主により家具が必要な可能性もあるため聞いておくとよいでしょう。

家具を残したまま売却する場合は、売却金額に家具代金を上乗せして交渉ができます。買主は撤去や家具を見繕う手間がなくなるため、双方にメリットがある方法です。

市場価格を調べておく

売却する場合は事前に周辺の市場価格を調べておくことが重要です。市場価格を知らないと市場と同等の価格で売れる物件が、相場価格以下で設定し売却してしまい損する可能性があります。

また、売却金額では維持管理費の回収ができず結果として利益が得られないこともあります。なお、市場価格以上で売却金額を設定すると買主がみつからない恐れがあるため注意してください。

市場価格の確認方法は、複数不動産会社からの査定結果や周辺物件の取引価格をチェックすることがオススメです。売り出し価格により売却期間に差が出るため、しっかりと事前に調べて適正価格で売却しましょう。

まとめ:家を手放す前に知っておくべき最重要ポイント

家を手放す手段はさまざまです。所有している物件の状態がよければ中古物件として売却すると利益が出る可能性があります。立地上、買主がみつかりづらい場合は不動産業者に直接売却するか寄付することも可能です。

不動産業者に直接売却ができれば多少利益を得られます。しかし、仲介して売却するよりも価格が下がる傾向のため、適切な方法かどうか担当者としっかり相談してください。

また、売却金額に応じて所得税や住民税がかかります。3,000万円の特別控除や10年を超えて所有している物件の場合は減税されるため、条件に当てはまるか事前に確認しておきましょう。

家を手放す場合は、複数の不動産業者に査定してもらうことが大切です。一社のみに見積もりをしてもらうと相場がわからず、適正金額であるか判断ができません。複数会社を利用することで相場がわかり、市場価格と乖離せず売却ができます。

家を売却するのは、手間がかかりますが放置しておくと固定資産税や都市計画税など維持管理費が発生するため早めに処分することが得策です。