三木市におけるリースバック

三木市の概要(土地・交通・人口)

三木市(みきし)は、兵庫県の中南部、神戸市の北西に位置しています。北部には田園地帯が広がり、南には新興住宅地が広がり、人口も多く見られます。

美嚢川(みのうがわ)とは、加古川水系の支流で兵庫県南東部を流れる一級河川です。
1970年代以降にはニュータウン開発が始まり、神戸電鉄粟生線(あおせん)の北側の山林を中心として、住宅地が開発され、人口が急増しました。現在では、隣接する神戸市のベッドタウンとして機能しています。

地理的特徴としては、平野部を囲むように河岸段丘となだらかな丘陵が広がっています。三木市内は瀬戸内海式気候のため、温暖で、平均気温が毎年15度前後となっています。内陸部であるため、降水量は比較的少なく、このことから三木市では、ため池がよく見られます。

市制が施行された1年後となる1955年の住民基本台帳を元に見た人口は、3万9530人であり、その後も大きく変動することはなく、1970年時点では4万1678人でした。しかし、阪神間のニュータウンとして、緑が丘町・自由が丘などの大規模な住宅工事が完成すると、若年世帯の入居により人口は急激に増加し、1980年時点で7万人ほどになりました。その後も志染町青山の開発などによって人口の増加は続き、1996年の吉川町の編入合併前には、最高の7万8661人を記録しました。

しかし、1990年代以降に顕著となった都心回帰により、人口は1997年より減少傾向となりました。現在は社会動態、自然動態ともに人口減少が進行中で、年間で平均約0.6%の減少率を記録しています。

近年は、人口流出を防ぐために、事業施策と宅地開発を推進しています。吉川町との合併時の人口は8万3931人でしたが、合併後は減少が続き、2012年には推計人口が8万人を割りました。そして2021年の人口は、約7万4000人となっています。

年齢別の人口分布を見てみると、高齢者の割合が増加しており、生産年齢人口は減少していることが分析できます。さらに、近年では少子化が目立ちはじめ、今後も少子高齢化が進行する可能性があると思われます。高齢化率は、志染町青山地区が一番低く、緑が丘地域が一番高い傾向にあります。

人口減少は公共施設の統廃合にも繋がり、学校などの教育機関や大病院などの医療機関へ通いやすいエリアと通いづらいエリアができ、不動産価格に大きな差が生じる可能性があります。

また、住宅需要の高い30代〜40代が減少することで、不動産の価値は、需要と供給のバランスが大きく変化します。今後、大幅に人口が増加することは難しいと懸念されているため、売却をお考えの方は、早めの行動を検討すると良いでしょう。

アクセス面では、神戸・三宮や大阪まで40分で行くことができます。山陽自動車道、中国自動車道の2つのICもあるため、市内全域からすぐに高速道路にアクセスすることができます。また、神戸電鉄粟生線が通っており、電車でも神戸や大阪に通うことができるため、交通の面で不便なことはあまりないでしょう。

三木市の地区のそれぞれの特徴

三木地区

播磨平野に位置する旧市街地であり、東から西に流れる美嚢川沿岸・三木城跡の城下町に沿って、街が形成されています。大塚には湯の山街道や上の丸町に滑原商店街(なめらしょうてんがい)などの歴史的な町並みが残っており、金物関連の企業が軒を連ねています。

また、三木合戦で有名な三木城跡や、毎年10月に「三木秋まつり」の舞台となる播州三木大宮八幡宮・岩壺神社もこの地域にあります。その一方で、新しく整備された三木山の中腹に位置する上の丸町・旧城下町の本町には、三木市役所・三木市文化会館・三木市立図書館などの行政・文化施設や、兵庫県立三木山森林公園・三木山総合公園の公園が揃っています。その三木山の南側には、さつき台と呼ばれる新興住宅地があります。交通に関しては、小野市との境にある山陽自動車道三木小野インターチェンジ が国道175号に接続しているため、比較的郊外にも出やすくなっています。

歴史的な町並みや、三木市の特産物でも有名な金物企業が揃っており、市の中でも特に賑わっていることが伺えます。図書館などの文化施設だけではなく、公園も揃っており、とても住みやすいため、リースバックをお考えの際には、安心して売却をおすすめしたい地域の1つです。

久留美地区

久留美地区は、美嚢川中流域に位置しており、また、志染川(しじみがわ)下流に挟まれた合流地帯であることから、全体的に平坦な土地で生活がしやすいところがポイントです。久留美地区はその地区内で、丘陵地の場所もあれば山間部であったり、場所によっては土地の状態が異なる特徴があります。都市計画により、商業施設「イオン三木店」など多くの大規模店舗が出店していることから、買い物がとてもしやすいため、ファミリー層には人気のある地域です。

別所地区

播磨平野に属し、美嚢川下流に位置しており、大部分は田園地帯となっています。国道175号三木バイパス沿いには、「三木ホースランドパーク」があり、その近くに三木工場公園・市営住宅(朝日が丘)が設置されている。また、金物関連の企業も多いほか、別所町興治には牧場があります。2008年4月1日までは三木鉄道三木線が通っていましたが、廃線となった現在では、神姫バスが代替となる路線バスを運行しています。

志染地区

志染川沿岸の農村地帯であり、奈良時代から平安時代にかけて、志深郷と呼ばれていました。丘陵地は1970年頃から、神戸電鉄粟生線の北側で緑が丘・自由が丘・青山の順にニュータウンが次々と開発され、現在では神戸市など、阪神間のベッドタウンとなっています。また、観光名所も多く集まっており、千体地蔵や御坂サイフォンなどがあります。観光名所ではありませんが、市として有名な廣野ゴルフ倶楽部があるのは志染地区になります。また、神戸市との境にある呑吐(どんと)ダムは、灌漑・上水道を供給しています。

交通については、道路では山陽自動車道三木東IC や神戸淡路鳴門自動車道方面への分岐点である三木JCTがあり、鉄道では神戸電鉄粟生線が東西に通っています。これらの駅の北側がニュータウン地域として開発が進められています。

吉川地区

市内の北側に位置しており、全体的に起伏の少ない丘陵地の間に盆地が広がる町です。美嚢川と北谷川の流域沿いにある田園地帯で、中世には吉川上荘・下荘・大播荘が存在していました。三木市で有名な酒米である山田錦の産地でもあります。観光資源としては「吉川温泉よかたん」や「山田錦の郷」が有名なほか、広い土地を活かしたゴルフ場が多数あります。

近年では、新興住宅地「みなぎ台」の開発により、地区内の人口が急増しています。
観光資源もあり、住宅地の開発により都市化が進んでいることから、今後も発展が期待される地域です。

三木市の経済や産業状態

産業

三木市の主要産業は金物であり、「金物のまち」として全国的に知られています。主にノコギリや、やすりなどの機械工具などを中心とした製品が多く生産、開発されています。三木金物製品の特徴は伝統に培われた、優れた技術を生かした品質、性能の高さであり、国内でも高く評価されています。「日本で最初の金物のまち」と言われるほど三木市は金物に歴史的にも特化した町です。その起源は、5世紀中頃までさかのぼります。戦国時代の別所氏と織田氏による三木合戦の後、三木金物はさらに発展し、現在まで受け継がれてきました。

また、ゴルフ場が、阪神地区の近郊都市かつ丘陵地にあり、高低差が少なく開発が容易であることから数多く設立され、西日本一を記録しています。三木市の数あるゴルフ場の中でも、「廣野ゴルフ倶楽部」は有名で、世界のゴルフコースランキングにランクインしているほど、日本のゴルフ場の中でもトップクラスといわれています。ゴルフコースとして適していることはもちろん、それだけ三木市の土地が広大だということがわかります。

農業

農業面では、小規模農家が多く、水稲栽培を中心に行なわれています。
三木市で有名な農産物に山田錦があります。こちらは日本酒造りに用いられる酒米の種類で、数種類ある主米の中でも最高級とされ、「酒米の王様」と呼ばれています。三木市では、この山田錦の生産が質・量ともに日本一として有名です。江戸時代には「金谷米」の生産が行われていましたが、昭和時代からは「山田錦」の1大産地となっています。

市の中でも吉川町地区は、山田錦発祥の里として知られています。主に肥料持ちや水持ちが良好な、神戸層群が位置する別所町・細川町・口吉川町・吉川町で生産されており、北海道・関東地方・四国地方に日本酒米用として出荷しています。

三木市の支援制度

三木市の施策の1つに、「子育て支援」があげられます。
まず、国民健康保険加入者の方は、出産祝い金として、出生児一人につき42万円を受け取ることができます。また保育料支援として、3〜5歳児の保育料が無償化され、0〜2歳児の保育料も半分に減額されます。子供が大きくなっても、中学3年生までは医療費が無料になるなど、かなり手厚い助成を受けることができます。いずれも所得制限がなく適応されるところが嬉しいポイントですね。

その他にも、一般不妊治療費助成や、住宅取得支援として、若者・子育て世帯が市内に住宅を新築(購入)する際に課税される固定資産税と都市計画税相当額の一部を助成する定住促進事業など様々な支援を行っています。

アクセスや住環境といった条件が他の検討中である地域と変わらず、新しい居住先を迷っている方には、こういった支援があるメリットをアピールすると良いでしょう。
支援制度があったとしても、条件によっては受けることができないことがありますが、三木市はそういった厳しい縛りが少ないため、若者世帯にもおすすめできる町です。

まとめ

三木市は地区によって町の特徴が変わる側面があります。しかし、地形や気象は比較的どこも落ち着いており、全体として穏やかで過ごしやすい地域です。
神戸市のベッドタウンとして、住居も開発が進んでおり、産業面では「ひょうご情報公園都市」によって新たな情報や産業の拠点となっています。
町の発展が見られる三木市ですが、注意点があるとすれば、人口減少があげられます。近年、日本国内で少子高齢化が問題とされていますが、三木市もその対象に含まれます。人口の減少によって、不動産の需要が下がることも懸念されますので、リースバックのタイミングや、将来のことを考えて準備をしていくことが大切となります。
三木市ならではの特徴は多くありますので、そこを上手くアピールして、リースバックに繋げていきましょう。