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2025/11/21家の財産分与と住宅ローンの扱い方【離婚時のポイント】
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
離婚時の財産分与とは?—基礎知識と重要ポイント
財産を共有し、共に生活していた夫婦が離婚を選択した場合、共有財産を正当に分割する「財産分与」が行われます。トラブルを避けるためには、正しい手続きと公正な分割を行うことが重要です。法律でも、「離婚時に相手方に財産の分与を請求できる(民法第768条1項)」と定めています。円満に事が運ぶ場合もありますが、離婚調停中はトラブルが起こりやすく、迅速な対応が求められます。夫婦の共有財産について適切な取り決めを行わず、受け取れるはずの財産を失わないように、法律に従った対処が必要です。
財産分与には、大きく分けて3つの種類があります。どの種類も分与額や割合が決まっているわけではないため、それぞれの事情や主張を考慮して検討する必要があります。
1つ目は「清算的財産分与」です。一般的に「財産分与」とは、この「清算的財産分与」を指します。婚姻中に築いた共有財産を、各自の貢献度に応じて分配する方法です。この方法では、「婚姻中に形成された財産は二人の公平な共有財産である」と考えるため、離婚原因を作った側の請求も認められます。分配額も、単純に収入に依存して決定されるわけではありません。
2つ目は「扶養的財産分与」です。これは、離婚時に夫婦の一方が生活困難になる場合、その生計を補助するために財産が分与されることを指します。離婚時に一方が病気や専業主婦(主夫)、高齢である場合に適用されます。経済的に優位な配偶者が、他方に対して扶養的配慮から定期的に一定額を支払う方法が一般的です。
3つめは「慰謝料的財産分与」です。不倫やDVなど、離婚原因が明確な場合に慰謝料の意味を含む財産分与が行われます。一般に財産分与と慰謝料は別物ですが、区別せずにまとめて相手に渡すことを指します。
これらの区分は内容ではなくその方針によっているため、どの場合でも家や土地などの不動産の行方は考える必要があります。次項からは、財産分与における不動産関係財産の取り扱いについて解説します。
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財産分与における不動産の取り扱い:家や土地をどう分ける?
夫婦が結婚中に築いた財産は名義に関わらず「共有財産」とみなされ、すべてが財産分与の対象となります。当然、家や土地、部屋などの不動産も含まれる可能性があります。
家やマンションなどの住居を財産分与する際は、まず「その住居が分与対象か」を確認しましょう。「夫婦共同で購入したもの」または「結婚中に購入したもの」は分与の対象となります。「どちらかの親から相続した」「どちらかの独身時代の貯金で購入した」などの物件の場合は、分与対象ではなく片方の所有と考えられるパターンもあります。これらは機械的に判断しても大丈夫ですが、難しい場合やトラブルになりそうな場合は弁護士など、プロに相談するようにしましょう。
住宅不動産を分与対象とする場合、1番簡単に対処できるのはその物件を売却して現金化してしまうことです。離婚した2人がどちらもその土地を離れ、別の場所で生活していく場合などに有効です。
また売却以外の方針としては、片方がそのまま住み、転居する方に住宅の価値に対応して現金を渡すということも考えられます。この場合はまず、固定資産税の納税通知書を確認するなどして住まいの価値を調べます。算出が難しい場合には、不動産鑑定士などに依頼してもいいでしょう。そこで算出された評価額の半分を片方(転居する方)が現金で受け取り、もう片方が住まいを引き取るという方法です。通勤や通学のためにその場に残りたい場合、この方法が取られることも多いです。
ただし、後でも解説しますが、いずれの場合も対象となる物件にローンの支払いが残っていた場合はそれぞれ検討が必要になります。家の状態や2人の方針を鑑みて、トラブルの起こらない選択を心がけましょう。
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住宅ローンの取り扱い:離婚時に知っておくべきこと
財産分与で家を対象とする場合、まずはその物件に住宅ローンが残っているか否かを確認しましょう。残っていない場合は、売却するにも片方が所有するにも、特に難しい対処は必要ありません。住宅にはそのものの固定資産価値しかないので、単純に評価額が分与対象金額となります。
では、家を売却する場合にローンが残っていた場合はどうすべきでしょうか。この場合は、ローン残高によって「アンダーローン」「オーバーローン」の2種類の状況が発生することになります。アンダーローンとは家の査定額がローン残高を上回る状態のことで、この場合はそのまま売却して現金化してしまうことができます。アンダーローンであれば、物件を売却したお金でローン残額を返済し、残った分を財産として2人で分割します。ただし、不動産売却を行う場合は、物件に買い手が付くまでは財産分与が終わらないという点に注意しましょう。すぐに売れてしまえば問題はありませんが、個人間の売買などで取引が長引いた場合には、離婚調停自体が長引くことも考えられます。
対してオーバーローンとは、家の査定額がローン残高を下回る状態のことです。この場合は単純に家を売却するだけでは現金化ができないため、「家を売却してローン残高を自己資金で清算する」「任意売却によって家を売る」といった方法を取ることになります。自己資産で残りのローンを支払う場合には、その支払いの分割にも協議が必要になりますから、きちんとした話し合いが必要です。また「任意売却」とは、債権者の同意のもと、ローンの残債がある状態で不動産を売却する方法のことです。一般に、ローンの債務責任が付いている不動産を買い取ってもらうことは難しいため、不動産の売却額をローン返済に充てる場合がほとんどです。不動産を売却してもローンが完済しない場合は貯金を充てたり、借り換えをしたりなどして不動産を売却します。このパターンは財産の分与というよりは、今ある負債を離婚前に解消するといった意味合いが強くなります。任意売却自体は、ローンを提供している金融機関にとって、当初の予定通りにローンを完済しない「金融事故」となるリスクがあるため、任意売却の現金化は慎重に検討しましょう。
次に、家を売却せずにどちらかが住み続ける場合です。このときは、主に「債権者(名義人)が住み続ける場合」「債権者が出ていく場合」「夫婦共同でローンを組んでいる場合」の3パターンが考えられます。
1つ目の「債権者が住み続ける場合」は最も手続きが簡単になります。これは離婚時にローンの名義人となっている方が、そのまま持ち家のローンを支払い続けるだけです。ただしこの場合、転居する方がローンの連帯保証人になっていると、ローン返済が滞った際に支払い命令が出されてしまうこともあります。このような事態を避けるため、連帯保証人の変更手続きを検討しておくとよいでしょう。
2つ目の「債権者が出ていく場合」は、通勤や通学の都合があるときや、債権者でない方が次の住まいを探しづらいときなどに考えられるパターンです。基本的には、家を出ていく方が変わらず債権者としてローンを支払っていくことになります。この場合だと家に残る方が有利に見えますが、ローンの返済が滞った場合などに家が競売にかけられ、立ち退きを要求される恐れもあります。そうならないよう、円満かつ安定的な解決を進めるのがベストですが、万が一に備えて公正証書(私的な法律関係を明文化し証人を立てるための文書)を作成しておくことがおすすめです。
最後の「夫婦共同でローンを組んでいる場合」は最も処理が煩雑になります。なぜなら、夫婦共同で住宅ローンを借りていた場合は返済前に片方が出ていくと契約違反になってしまうためです。夫婦で家を購入する際によくとられる手段でもあるため、離婚の際に単独名義に変更したいと望む夫婦は少なくないといわれてます。ところが、基本的にローン返済中の名義変更は認められません。そのため、どうしても単独名義に変更したい場合などはローンの借り換えも視野に入れていくとよいでしょう。
このように、住宅ローンが残った状態の家の財産分与はやや煩雑になります。当人同士や金融機関・不動産会社との不要なトラブルを避けるためにも、適切な対処を行えるように気を付けておきましょう。
*参考:法務省「公証制度について」
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財産分与で家を取り扱う際の注意点:トラブルを避けるために
家の財産分与を行う際には、上記以外にも気を付けておきたいポイントがいくつかあります。例えば、住宅ローンに関係して言えば、「不動産とローンの名義はそれぞれ独立」であることに気を付けておかなくてはいけません。債権者が出ていき、ローンの借り換えなどで債務権を変更した場合には、家自体の名義も忘れず変更しておきましょう。
また、財産分与請求する際にはその請求期限にも留意しておかなくてはいけません。財産分与の請求期限は「離婚から2年以内」と定められており、その期間を過ぎてしまえば、どんなに正当な理由があっても請求が認められないことになってしまいます。とはいえ、定められているのは「請求期限」ですから、2人が相談して合意のもとに分与を行いたいと考える場合には、この限りではありません。
家という大きな不動産を財産分与にかける場合は、その分大きな手間と時間がかかります。当人同士できちんと話し合いの場を持ち、全ての問題にきちんと対処していくように努めるとよいでしょう。
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家の財産分与に関するまとめ:円満離婚のためのポイント
今回は離婚する際の財産分与における、家の分与方法や取り扱いについてまとめてきました。基本的に、住宅ローンが残っていない物件に関しては、売却にしても片方が住み続けるにしても大きな手間は発生しません。不動産の所有権などを移し替える必要がある場合には、忘れずに名義変更を行いましょう。
今回は離婚する際の財産分与における、家の分与方法や取り扱いについてまとめてきました。基本的に、住宅ローンが残っていない物件に関しては、売却にしても片方が住み続けるにしても大きな手間は発生しません。不動産の所有権などを移し替える必要がある場合には、忘れずに名義変更を行いましょう。
おそらく人生の中で最も大きな買い物であり財産である家を分与する際には、その資産価値の大きさを正しく見積もり、正しい方法で権利を分割する必要があります。不要なトラブルを避けるためにも、この記事を参考に、場合によっては専門家の手も借りながら協議を進めていきましょう。
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