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最終更新⽇時

2025/12/05

マスターリース契約とは?サブリースとの違いと注意点を解説

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記事まとめ
  • 家賃保証で安定収入を得られるが収益最大化は難しい
  • サブリースと役割が異なり契約条件の確認が極めて重要
  • 修繕費負担や賃料見直しなどリスク把握が契約成功のカギ
記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

マスターリース契約の基本とは?

マスターリース契約」とは、不動産経営の一形態で、物件の所有者から物件を借りて、所有者の代わりに運営や管理を行う仕組みです。不動産経営の初心者にはなじみが薄いかもしれませんが、マスターリース契約を利用することで、安定した家賃収入を得ることができます。この記事では、マスターリースの基本から、そのメリットやデメリットについて詳しく解説します。

マスターリース」とは、建物の所有者から物件を借りて、所有者の代わりに運営や管理を行っていく不動産経営のことです。マスターリースをしたら、建物の所有者に毎月定額の賃料を支払います。運営者は、物件の立地を考慮して、テナントの誘致から収支の組み立て、定期的な管理や修繕まで幅広く行います。なぜ不動産の所有者は自分で経営しないのかというと、不動産を賃貸するのは手間がかかるからです。契約を結んだり、更新したり、解約したり、不動産の管理をしたり、緊急時に対応したりと、さまざまな業務をこなさなければなりません。そこで、マスターリース契約を結べば、これらの業務を行わずにすみます。それなのに家賃収入を得ることができるので、オーナーにとってもありがたい仕組みとなっているのです。所有者と運営者の契約の期間は10〜20年の定期借家契約を結ぶことが多いです。

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マスターリース契約を検討する際に押さえるべき実務ポイント

マスターリース契約を検討する際に、多くのオーナーが見落としがちなのが「契約実務の細部」です。契約締結前には大枠の条件にばかり意識が向きがちですが、実際のトラブルや収益の差が出るのは、細かな条文の解釈や運用ルールにあります。とくに、家賃保証の金額がどのように算定されるのか、どの時点で見直されるのか、また運営会社がどのような入居審査基準を用いているかは長期的な収益に直結する重要情報です。形式的な説明だけで判断せず、実際の査定根拠や運営体制を確認することが、後悔しない契約へとつながります。

また、契約期間中の運営体制にも注目する必要があります。マスターリース会社にとって収益を上げるためには、物件の稼働率と賃料水準を維持することが不可欠であり、そのためには現場レベルの管理スキルが問われます。入居者対応やトラブル処理、退去時の原状回復、定期点検など、日々の管理が適切に行われているかどうかで、物件の価値維持力は大きく変わります。契約前には、運営会社が実際にどのような管理プロセスを持ち、どれほどの実績や現場体制を備えているのかを確認しておきましょう。

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マスターリース契約の仕組みとメリット

マスターリース契約の仕組みは、直接不動産経営を行わなくてもオーナーが利益を得られる点にあります。オーナーは毎月、運営者から安定した賃料を受け取る一方で、運営者は物件を第三者に貸し出して収益を上げます。具体的には、オーナーが運営者に支払う賃料は固定されており、不動産経営がうまくいかない場合でも一定額が支払われます。その差額で運営者が利益を得る仕組みです。

そして、それでなぜマスターリース会社が儲かるのかというと、所有者から借りた物件を第三者に貸し出しているからです。その際、所有者に支払う賃料よりも、第三者に出し出す際の賃料を高く設定しておけば、マスターリース会社はその差額の分だけ儲かるという仕組みです。

  • 不動産ビギナーさん

    収入は本当に安定するのでしょうか?

  • 山口智暉

    家賃保証は安定しますが条件確認が必須です。

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賃料下落時のリスクと市場変動への対応を理解する

マスターリース契約で安定収入を期待するオーナーが多い一方、実際には市場賃料の下落によって契約内容が見直されるケースも少なくありません。とくに固定賃料型の場合であっても、空室率が地域全体で高まり、収益性が著しく低下している場合には、運営会社から賃料減額の交渉が行われることがあります。契約書に「見直しの可能性」が記載されている場合はもちろんのこと、記載が曖昧な場合でも、実勢賃料との乖離が大きくなるにつれて調整の対象となることは珍しくありません。

このような市場変動リスクに備えるには、自身でも市場動向を一定の周期でチェックすることが大切です。周辺エリアの家賃相場、競合物件の供給状況、新築マンションや賃貸需要の増減は、1〜2年の短期間でも変動することがあります。また、再開発の進行や新駅開業、大学や企業の移転など、地域要因によって賃料水準が上向く可能性もあります。マスターリース契約に依存するだけではなく、自身でも情報収集を行い、契約更新時に適切な交渉材料を持てるよう備えておくことが重要です。

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マスターリース vs サブリース: 主な違いとは?

「マスターリース」と「サブリース」は似ているようで異なる概念です。マスターリースは、不動産会社がオーナーから物件を借り上げる契約を指します。一方、サブリースは、その物件をさらに第三者に貸し出す行為を指します。つまり、マスターリース契約を結んだ不動産会社が、さらにその物件を他の人に転貸するのがサブリースです。両者の違いは契約の主体にあります。

マスターリースでは、不動産会社と不動産のオーナーが契約をします。一方、サブリースでは、不動産会社とその不動産を利用したい人(第三者)が契約します。つまり、マスターリースはサブリースを前提とした契約となっており、どちらか片方だけでは成り立たないのです。しかし、この一連の流れをまとめて「サブリース」と呼ばれることもあります。

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マスターリース契約を利用すべき人・避けるべき人

マスターリース契約は万能ではなく、向いている人・向いていない人がはっきり分かれる契約形態です。向いているのは、安定した収入を最優先し、空室リスクや管理負担を極力避けたいオーナーです。仕事が多忙で管理に手をかけられない人、遠方に不動産を所有している人、運営経験が少なくトラブル対応に不安がある人にとっては大きなメリットがあります。

一方、なるべく収益を最大化したい、エリアの成長性を見込んで賃料を積極的に引き上げたい、管理コストを最適化しながら運営したいというオーナーにはあまり向きません。市場価値が上昇しても賃料が固定されていると、せっかくの上昇幅を取りこぼすことになり、長期的な収益に大きく差が出るからです。自身が「安定型」なのか「高収益型」なのかを事前に認識しておくことで、後悔しない契約選択につながります。

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マスターリース契約のタイプと選び方

マスターリース契約には主に「賃料固定型」と「実績賃料連動型」の2種類があります。それぞれの特徴を以下に詳しく説明します。

賃料固定型

「賃料固定型」とは、不動産会社がオーナーに対し、物件の収益に関係なく一定額の賃料を支払う契約形態です。たとえ物件に空室があって収益が減少しても、契約に基づき毎月一定額が支払われます。この方式のメリットは、オーナーが安定した収入を確保できる点です。ただし、物件の価値が上がっても賃料が変わらないため、市場の相場よりも低い賃料設定のままになる可能性があります。

一方、賃料固定型にはデメリットもあります。それは、物件の価値が上がったとしても得られる賃料が変わらないという点です。市場の動向によってはより高い賃料を設定できるようになることがあるかもしれません。しかし、賃料固定型を選択してしまうと、途中で賃料を相場通りに上げてもらうのは難しいです。

実績賃料連動型

「実績賃料連動型」は、賃料が市場の動向に応じて変動する契約形態です。市場の家賃が上がれば、不動産会社がオーナーに支払う賃料も増加します。このため、家賃が上昇する状況ではオーナーにとって有利ですが、物件の価値が下がると賃料も減少する可能性があります。また、実績賃料連動型では賃料保証がないため、空室が続くと収益が減少し、オーナーが賃料の低下に直面することになります。空室リスク対策を自分で行う必要があるため、注意が必要です。

  • 不動産ビギナーさん

    固定型と連動型はどちらが有利ですか?

  • 山口智暉

    収益重視か安定重視かで最適は変わります。自分に合った方を選ぶことが重要です。

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マスターリース契約前に知っておくべきポイント

マスターリース契約を結ぶ前には、いくつかの注意点があります。

建物の修繕費がかかる

マスターリース契約では、不動産の運営や管理を不動産会社に一任できますが、修繕費や原状回復費用の負担が発生することがあります。契約時に誰がこれらの費用を負担するかを確認し、オーナーが支払う場合は資金を事前に準備しておくことが重要です。修繕費用についての取り決めは契約内容に明記されるため、契約前にしっかり確認しましょう。

誰が費用を負担することになるのか事前に契約内容を確認しておき、オーナー自身が支払う場合は延納せずすむように資金を用意しておくことが大切です。修繕費や原状回復費用は修理する箇所が多いと費用が上がるので覚悟しておきましょう。このように、マスターリース契約をしても、オーナーの負担がゼロになるというわけではないので注意が必要です。

契約内容は定期的に見直され、変更になる

マスターリース契約を締結すると、その内容は見直され、更新されます。一度結んだ契約内容のままでずっと取引するわけではありません。契約内容が更新されるのは、2〜3年に1度です。

固定賃料型の場合でも賃料が下げられてしまうことがあります。例えば、空室が多くて十分な収益を期待できない場合は、賃料の引き下げを要求されたり、最悪の場合は解約されたりしてしまう可能性もあるのです。不動産のオーナーは、収益低下によって契約を解除されないように、自分自身でも空室リスク対策を行った方が良いでしょう。

途中解約ができない

マスターリース契約は、原則として契約期間中にオーナー側からの途中解約ができない定期借家契約で締結されます。多くの場合、10〜20年という長期契約となるため、契約期間中に物件を売却したくなっても自由に解約できません。

また、契約後に
・賃料水準が相場より安くなった
・物件の収益性が低下した
・より良い条件の会社が見つかった
といった状況が起きても、期間満了までは契約に縛られ続けます。
そのため、マスターリース契約を締結する前には、「長期間、同じ条件で運用を続けられるか」を慎重に判断する必要があります。

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マスターリース契約を判断するための実践的チェックポイント

マスターリース契約は便利に見える一方で、「契約した後に思っていた条件と違った」「賃料が下がって後悔した」という声も少なくありません。安全に契約を進めるためには、契約書の細部や運営会社の実力を見抜くことが不可欠です。ここでは、契約前に必ず確認しておくべき実務的なチェックポイントを分かりやすく解説します。

①賃料保証の算定基準と見直しルールを確認する

マスターリース契約は「家賃保証=安心」というイメージが先行しがちですが、実際には契約内容によって将来の収支が大きく変わります。とくに注意すべきは、契約書に記載されている“保証賃料の算定基準”や“賃料改定のルール”です。多くの契約では初年度の賃料条件が魅力的に見えますが、更新時の減額幅や見直し頻度が実質的な収益性に影響します。
契約書には「市場賃料に応じて見直す」「周辺相場を基準とする」などの文言がありますが、どの水準を“市場賃料”と判断するかは会社ごとに異なります。査定データ、空室率の算定方法などに違いがあるため、根拠を必ず確認することが重要です。

②入居審査の厳しさと属性管理を確認する

収益性を左右するもうひとつのポイントが「入居者の属性管理」です。稼働率重視で入居審査が緩い会社の場合、 ・滞納リスク ・騒音トラブル ・退去時の原状回復問題 などが起きやすく、物件価値に直結します。審査基準を確認し、入居者の質を担保しているかを見極めましょう。

③管理品質と現場対応力をチェックする

管理会社によって現場レベルの対応力は大きく差があります。問い合わせ対応のスピード、清掃・巡回頻度、クレーム処理の質などは稼働率維持に直結します。
・管理担当者の人数
・外注体制の有無
・管理実績
・トラブル対応事例
をチェックすることで、契約後のギャップを防ぐことができます。

④契約終了後の出口戦略まで視野に入れる

マスターリース契約は長期契約が基本のため、終了時には築年数が進んでいます。築古化した状態で市場に出すと、賃料相場との差が広がり、売却価格や稼働率に大きく影響することがあります。 「契約満了後の活用方針を先に考える」ことが、長期的な資産形成では不可欠です。

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マスターリース契約の主なデメリット

マスターリース契約はオーナーにとって不動産経営にかかる手間がかからないというメリットがあります。しかし、メリットだけではなくデメリットも知っておくことが重要です。ここからは、不動産オーナーにとってのマスターリース契約のデメリットについて紹介します。

収益を最大化できない

マスターリースには、不動産による収益を最大化できないというデメリットがあります。一般的には、物件の家賃は地域の相場を鑑みて決定され、家賃収入から管理費や積み立て金を差し引いた金額が利益となります。一方、マスターリース契約では、毎月一定額の家賃収入を得られます。

これが「家賃保証」という仕組みです。この家賃保証のせいでオーナーは収益を最大化できないのです。例えば、家賃相場が月10万円の物件の場合、一般的な借家契約では入居者からオーナーに月10万円が入ります。一方、同じ物件でマスターリース契約を結ぶと、不動産会社からオーナーに対して支払われるのは月7〜8万円に下がってしまうのです。空室リスクや経営負担を負わずにすむというメリットがある一方、収益を最大化できないというのはマスターリースの最大のデメリットです。

敷金・礼金は受け取れない

オーナーは、マスターリース契約をすると敷金や礼金を受け取れないというデメリットがあります。一般的な賃貸借契約では契約時に入居者から敷金や礼金を受け取ることがあります。しかし、マスターリース契約では、敷金、礼金の支払い先はで不動産会社になります。そのため、オーナーは敷金、礼金を受け取ることはできません。

  • 不動産ビギナーさん

    デメリットの影響は大きいですか?

  • 山口智暉

    そうですね、賃料見直し等のリスク把握が重要です。

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まとめ:マスターリース契約の選び方とポイント

今回は、マスターリース契約とは何かについて説明してきました。マスターリース契約とは、不動産会社がオーナーから物件を借り上げて第三者に貸す、転貸を前提とした賃貸借契約のことです。不動産のオーナーにとっては、不動産経営にかかる業務を一任しながら、安定的な家賃収入を得られるというメリットがあります。しかし、収益を最大化できない、敷金や礼金は受け取れないといったデメリットもあります。マスターリース契約が自分に向いているのかよく検討する必要があるでしょう。また、マスターリースをするときは契約内容によって条件が大きく変わってくるので、契約締結時にはしっかりと確認してから契約しましょう。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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