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最終更新⽇時

2026/04/21

契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いをわかりやすく解説

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

「契約不適合責任」と「瑕疵担保責任」の基本を理解しよう

契約不適合責任と瑕疵担保責任についてお聞きになったことはありますか。これらの言葉は不動産を売却しようとしたときに見かけることがあります。しかし、これらがどのようなものであるかを知っている人は少ないかもしれません。契約不適合責任と瑕疵担保責任は類似している点もあるのですが、責任範囲など内容が少し異なる部分もあるのです。今回は、契約不適合責任と瑕疵担保責任とは何なのか、どのような点が異なっているのかについて説明していきます。

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契約不適合責任とは何か?

契約不適合責任とは、売り手が買い手に対して契約内容に合致しない物件を引き渡さない責任のことを指します。不動産を売却するとき、売り手は契約不適合責任を負っています。売り手には、売買契約に記載されている通りの種類、品質、数量の不動産を買い手に引き渡さなければならないという義務があります。もしこれを破ってしまった場合、売り手は買い手に対して次のような措置を認める必要があります。

追完請求

契約不適合があった場合、買い手は売り手に対して「追完請求」をする権利があります。追完請求とは、不動産を引き渡す際にその完全な状態を求める権利のことを指します。もし修理が必要な場合、修理費用や不足分を請求することができます。例えば、不動産が傾いている場合やシロアリの被害に遭っていることがわかった場合は、その修理費を請求することができます。

代金減額請求

次の権利は、代金減額請求です。これは、追完請求に応じてもらえなかった場合、買い手が売り手に対して不動産の代金を減額するよう依頼できる権利を指します。例えば、不動産に欠陥があった場合には追完請求を行いますが、売り手がそれに応じなかった場合、買い手は売り手に減額を依頼します。他にも、契約通りの面積が引き渡されなかった場合などにも代金減額請求ができます。一般的には代金減額請求をするためにはその前に追完請求する必要があるのですが、追完請求が不可能な場合、売り手が追完請求を拒否した場合、追完請求をしても買い手がそれに応じてくれないことが明らかな場合には、追完請求の前に代金減額請求を行うことができます。

契約解除

契約不適合責任では、引き渡された不動産が契約内容に合致していない場合、追完請求や代金減額請求に応じない場合には契約を解除することが可能です。
契約解除は、不動産の欠陥が軽微な場合には求めることができません。また、契約解除の前に、追完請求や代金減額請求を行い、それに応じる猶予を売り手に与えなくてはなりません。

例えば、不動産に雨漏りの被害が見つかった場合、買い手は売り手に対して修繕を依頼し、二週間程度の猶予を与えます。それでも売り手が対応しなかったら、契約解除を申し出て代金を返還してもらうことができるのです。
一方、売り手が事前に「契約解除には応じない」と明言している場合、猶予を与えずに契約解除が可能です。これを「無催告解除」といいます。

損害賠償請求

不動産に欠陥があることを知っていながら、そのことを伝えずに不動産を売却し、それによって買い手が損害を受けたときには、買い手は売り手に損害賠償を請求する権利があります。しかし、この損害賠償請求には、売り手が故意に不動産の欠陥を隠している必要があります。売り手自体も不動産の欠陥に気づいていなかった場合は損害賠償請求をすることは難しいです。

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瑕疵担保責任とはどのようなものか?

続いて、瑕疵担保責任について説明します。瑕疵担保責任とは、売却した不動産に瑕疵が存在した場合、売り手が買い手に対して負う責任を指します。不動産を売却する際、売り手は買い手に対して不動産の状態や居住に関する条件を説明し、理解を得た上で売却を行います。しかし、中には不動産を引き渡した後に、不動産の状態が契約内容通りでないことが判明することがあります。このように、契約後に発見された瑕疵に対して売り手が一定期間責任を負うことを「瑕疵担保責任」と呼びます。

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契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

ここまで、契約不適合責任と瑕疵担保責任とは何かについてそれぞれ説明してきました。それでは、この二つの違いは何なのでしょうか。実際、契約不適合責任は瑕疵担保責任が廃止された結果として生まれたものです。2020年4月1日に民法が改正され、それまでの瑕疵担保責任は廃止されました。そしてその代わりに契約不適合責任が導入されました。そのため、契約不適合責任には、瑕疵担保責任から受け継がれている点もあり、改正された点もあります。ここからは、契約不適合責任と瑕疵担保責任の相違点を5つ紹介していきます。

買い手が持つ権利

契約不適合責任と瑕疵担保責任では、買い手の権利が異なります。瑕疵担保責任では、買い手は契約解除と損害賠償請求の権利のみを有しています。一方、契約不適合責任では、これに加えて追完請求と代金減額請求を行うことが可能となっています。つまり、民法が改正されたことで買い手の権利の幅が広がったのです。

権利を行使できる期間

次の相違点は権利を行使できる期間についてです。実は、契約不適合責任や瑕疵担保責任に関しては、権利を行使できる期間に制約があるのです。瑕疵担保責任では、権利を行使できるのは不動産を引き渡してから1年間と定められていました。一方、契約不適合責任では、不動産を引き渡してから1年の間に通知しなくてはならないという決まりに変更されました。契約不適合責任を追求することを売り手に対して通知さえしていれば、一年が経過した後でも権利を行使することができるようになったのです。つまり、契約不適合責任では、買い手が権利を行使できる期間がわずかに延長されました。

損害賠償のための要件

瑕疵担保責任では、売り手が故意でなくても損害賠償を求めることができました。この概念を「無過失責任」と呼びます。しかし、契約不適合責任では、売り手に故意がないと買い手は損害賠償を請求できません。これによって、売り手はむやみに損害賠償を請求されることがなくなりました。つまり、契約不適合責任の導入により、買い手だけでなく売り手も保護されるようになったのです。

いつ瑕疵が発生したか

5つ目の相違点は、瑕疵が発生したタイミングに関してです。瑕疵担保責任のときには、契約時に既に存在する瑕疵に対してのみ、買い手は権利を行使することができました。一方、契約不適合責任では、契約時の瑕疵のみならず、不動産を引き渡すまでに発生した瑕疵について権利を行使することができるのです。それは、契約締結後、不動産を引き渡すまでに瑕疵が発生してしまうことがあるというのが現実だからです。契約不適合責任では、契約後に不動産に瑕疵が発生しても売り手に対して損害賠償などを請求できます。

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なぜ法改正されたのか

瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いは、2020年4月1日に民法が改正されたことによるものでした。それでは、なぜこの法改正は行われたのでしょうか。それは、古くにできた法律を時代に合わせる必要があったためです。実は、これまでの民放は明治時代に成立したもので、時代に適合しない点が多くありました。改正された点は主に三つです。一つ目は、「瑕疵」という言葉についてです。そもそも瑕疵という言葉は普通聞き馴染みがありません。それを、「瑕疵担保責任」を「契約不適合責任」にすることで、わかりやすいものにしました。二つ目に、柔軟な対応ができるように、内容の幅を広げました。従来の民法では損害賠償請求と契約解除しかできませんでしたが、それでは利用できる場面が限られるため、対象となる要件を広げたのです。三つ目に、買い手の権利を拡充しました。それによってより安全な取引ができるようにしたのです。このような三つの目的で、法改正が行われました。

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まとめ

今回は、契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いについて解説してきました。
契約不適合責任とは、不動産の売買において、契約内容に合っていない不動産が引き渡されないように売り手が買い手に対して果たす責任のことです。買い手は追完請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求を行うことができます。 瑕疵担保責任とは、売買した不動産に瑕疵が見つかったときに、売り手が買い手に対して取る責任のことです。
このように、契約不適合責任と瑕疵担保責任はとても似ていますが、買い手の権利の範囲、権利を行使できる期間、どのタイミングで発生した瑕疵に対して権利を行使できるのかといった点で違いがあります。
不動産を売買するときには契約不適合責任について知っておくとよいでしょう。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
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