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2024/06/05最終更新⽇時
2024/06/05新築住宅のローン控除、いくら戻る?申請方法と条件完全ガイド
- 融資・ローン

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住宅を購入し、住宅ローンを組んだ際に受けられる住宅ローン控除でいくら戻ってくるのか気になる方も多いのではないでしょうか。よく耳にはするものの、実際のところいくらほど還付されるのかよくわからない方もいるかと思います。
そこで今回は、新築住宅の確定申告をしたらいくら戻ってくるかをご紹介します。住宅ローン控除の基本的な仕組みや計算方法、申請を忘れた際の対処法などを詳しく解説します。実際に新築住宅を購入した方や検討している方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。住宅ローン控除を利用できるかどうかで購入できる住宅の予算や選び方が変わります。
住宅ローン控除とは?基本的な仕組みとメリット
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、毎年のローン残高の0.7%を最大13年間所得税から控除できる制度を指します。住宅を持つための支援として作られた国の制度で、住宅ローン減税・住宅借入金等特別控除などという場合もあります。
簡単に説明すると、「住宅ローンで借り入れした金額に応じて税金が安く抑えられる」と考えておきましょう。入居する時期や購入する家に応じて、住宅ローン控除を受けられる借入額の上限が変わってきます。一般的には、新築住宅・買取再販の場合は控除期間は13年、既存住宅の場合は10年間の控除期間となります。しかし、住宅ローン控除に関する制度は頻繁に更新されるため、実際に住宅を購入する際は最新版を確認しておくことが望ましいです。
控除を受ける最初の年は確定申告が必要なものの、2年目以降は年末調整で控除を受けられるため手間はかからないと言えます。住宅ローン控除は住宅の購入以外にも、リフォームなどをした場合でも対象となるのがポイントです。
住宅ローン控除の還付金額を計算する方法
ここからは、住宅ローン控除の還付金の計算方法を見ていきます。所得税の計算方法:所得税 = (課税所得 − 所得控除)× 所得税率。納める税金は、所得税から税額控除(住宅ローン控除など)を引いた額になります。所得税は通常、給料から天引きされますが、住宅ローン控除が適用される額は含まれていないため、過剰に支払った税金が還付される仕組みです。
そのため、住宅ローン控除がわかると戻ってくる金額もわかります。住宅ローン控除額=年末の住宅ローン残高×控除率0.7%。控除額はこのような方法で計算することが可能です。還付金はあくまでも納め過ぎた税金が戻ってくる制度。納めていない場合や、控除額よりも納めた税金が少ない場合は還付されないので注意しましょう。
住宅ローン控除を受けるために必要な条件とは?
住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
住宅ローンの返済期間が10年以上であること
住宅ローン控除を受けるには、住宅ローンを組む必要があります。そもそも住宅ローン控除の仕組みは、「支援」が目的なので返済が短期のローンを組んだ場合は対象外となります。
住宅ローン控除の対象となる住宅ローンは、金融機関から借り入れたものであることが求められます。家族に借りた場合も対象とならないため、注意が必要です。住宅ローン控除は、新築や中古住宅を購入するほかに、リフォームなども対象になるので参考にしてみてください。
合計所得が2,000万円以下であること
住宅ローン控除を受けるには所得での制限もあります。年間の所得が2,000万円を超える場合、住宅ローン控除を受けることができません。また、所得は給与に限らず配当所得や退職所得金額なども対象となるので覚えておきましょう。
床面積50㎡以上の自己居住用住宅であること
床面積が50平方メートル以上かつ、床面積の半分以上を自身の居住のために使用していることも条件のひとつです。床面積は登記簿に表記されている数値が採用されます。あくまでも自分が住むための家を購入する方が対象となるため、事業用や投資用の住宅を購入した場合は対象外です。なお、事業用であっても店舗兼住宅で半分以上が私有地であれば対象となります。
ほかにも、贈与された住宅でないこと、控除を受ける者が引き渡しから6か月以内に入居すること、中古物件の場合は新耐震基準に適合する建物であることなどの条件も挙げられます。
住宅ローン控除の還付金はいつ受け取れるのか?
住宅ローン控除の還付金を受け取るためには、確定申告が必要です。申告期間は毎年2月16日から3月15日までの約1か月間です。住宅ローン控除の確定申告は、入居した翌年におこなうことが多いです。
住宅ローン控除は初回の確定申告後、毎年勤務先の年末調整で手続きが可能となります。還付金は指定した口座に期間にもよるもののおおよそ1か月半までには振り込まれます。
税務署等で申告をおこなわず自宅でe-taxを使えば3週間ほどで振り込まれるので、なるべく早く還付金の受け取りを希望する方は、ネットでの申請がおすすめです。
還付金額が少ない理由とその原因とは?
住宅ローン控除の割合は残高の0.7%ですが、6,000万円で42万円の還付が得られるわけではありません。理由としては、ローン控除のローン残高には上限4,000万円の制限があることが挙げられます。そのため、4,000万円以上借りた場合でも、還付金は最大4,000万円×0.7%となるので、28万円。13年間還付される場合では364万円までが限度となります。
このことから、自分の還付金が思っているよりも少ない現象が起きます。ただし上限の4,000万円は省エネルギー基準を満たしているかつ新築住宅の場合のみ。省エネルギー基準を満たしていない場合の上限は3,000万円になります。
逆に、省エネルギー基準を超える住宅の場合、借入額上限が4,500万円(ZEH基準)、5,000万円(低炭素住宅)に引き上げられます。
住宅ローン控除はあくまでも所得税の還付制度。納税していない場合やすでに納めた所得税以上の金額は還付されない点に注意しましょう。
住宅ローンを組むと借りた金額に応じて還付金が受け取れるものの、実際に還付される金額は納めた所得税額により差が生まれます。確定申告の際は申告書で還付金が計算できるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
住宅ローン控除の申請を忘れた場合の対処法
申告を忘れた場合でも、原則5年間遡って控除を受けることができるため、安心です。手続きに関しては国税庁のホームページにて記載されているので、チェックしてみましょう。
住宅ローン控除額の決まり方とは?
住宅ローン控除額を決定する主な要素として、「住宅ローンの年末残高」、「住宅の種類」、「建築確認を受ける期間」、「入居時期」の4つが挙げられます。
住宅ローンの年末残高
住宅ローン控除の基本的な仕組みとしては、控除を受ける年の年末時点で残っている住宅ローン残高の0.7%が還元されます。仮に年末時点でローンが2,000万円残っている場合、税金が14万円安くなるという仕組みです。
減税分は所得税から差し引くため、源泉徴収されている場合は差し引かれた金額がのちに還付されます。所得税のみで差し引ききれない場合は、翌年の住民税から差し引かれます。また、住民税は還付される仕組みではなく、納税額が抑えられる制度なので覚えておきましょう。
住宅の種類による違い
住宅の種類は上記でも紹介した通り、新築住宅、中古住宅、買取再販など住む家の種類を指します。どの家を選ぶかにより借入額が異なるため、購入する際は頭に入れておきましょう。
新築住宅や買取再販の場合、控除期間は13年になり、より長く資金が還付されます。また、中古住宅などの既存住宅の控除期間は10年で、新築住宅などに比べると3年短いのが特徴です。
住宅の種類のほかにも、住宅の性能によっても控除額が変わることがあることも留意しておきましょう。一般的には性能が高いほど上限額が大きくなります。住宅ローン控除を受ける際(令和6年以降に入居する場合)、省エネ基準適合住宅以上の性能を持つ書類の提示が必要になります。
長期優良住宅(長く快適に過ごせる住宅と判断された)・低炭素住宅(二酸化炭素の排出を抑える住宅として認定を受けた)の場合の借入額上限は5,000万円、ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅の場合の借入額上限は4,500万円、省エネ基準適合住宅の借入額上限は4,000万円、省エネルギー基準を満たしていないその他の住宅の借入額上限は3,000万円となります。
建築確認を受けた期間
建築確認とは、着工する前に建築基準法を守った建物になっているかどうか確認することを指します。従来の流れとしては、工務店などの施工会社が申請、自治体が指定した検査機関がおこないます。
建築確認を受ける期間によっては、住宅ローン控除の条件を満たさない場合があるため注意しましょう。税制改正の影響を受ける可能性もあるため、年や年度をまたぐ際は気を付ける必要があります。
入居時期の影響
住宅ローンを組み、家に入居するタイミングによっても借り入れ限度額は変わります。新築住宅、買取再販住宅の場合は2023年までに入居した場合よりも、2024、2025年に入居する方が借り入れ限度額が低くなる(一定の条件を満たせば対象外となる)ことを覚えておきましょう。
住み始めた時期によっても控除額が変わるので、入居する時期も見極めるのがおすすめです。
まとめ:住宅ローン控除を最大限に活用するためのポイント
新築住宅の確定申告をしたらいくら戻ってくるかをご紹介しました。住宅ローン控除を活用すると所得税が還付される制度です。適応できる条件、上限などが決まっているので住宅を購入した方は一律ではない点に注意しましょう。また、申告の際は申告書にて還付金の金額を確認できるため、あらかじめ把握しておくのがおすすめです。
また、ローン控除期間が終了すると還付が受けられなくなるため、住宅ローンの負担が大きく感じる方も多いかと思います。そういった場合は、不動産の売却も検討しながら生活の負担が大きくなりすぎないような対策を考えてみましょう。