大阪府大阪市西成区ってどんなまち?不動産投資を始めたい方へ、その魅力を解説しました!

大阪府大阪市西成区は、あまり治安の良いイメージを持たれていない区ですが、実際に住んでいる人々にとってどのようなところが魅力的なのでしょうか。
今回は、現在の西成区について治安なども含めて調査し、西成区ならではの魅力をまとめてみました。また、賃貸経営の情報についてもご紹介します。
不動産投資を始めたい方や、大阪市西成区で投資物件をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

西成区ってどんなまち?

人口・面積

西成区の2023年2月1日現在の推計人口は、105,345人です。
また、面積は7.37㎢と、市内の24区の中では16番目の大きさです。

位置など

大阪市西成区は、大阪市の中心よりも若干南側に位置しています。隣接する区は、大正区・浪速区・天王寺区・阿倍野区・住吉区・住之江区です。

北側にある浪速区には、なんば駅や大国町駅があります。また、天王寺区には天王寺駅を中心に、あべのハルカスなどの観光名所があるため、市内の中心部へのアクセスが抜群に良い立地となっています。

治安について

西成区は、あいりん地区や飛田新地の印象が強く、治安があまり良くないというイメージを持たれがちですが、実際はどうなのでしょうか。
大阪府警察が発表しているデータ「令和4年中の犯罪統計 (確定値)」のうち、「刑法犯罪種及び手口別発生市区町村別認知件数」によると、大阪市全体の件数は33,705件でした。

そのうち、一部の区ごとの犯罪発生件数は以下の通りです。

  • 大阪市西成区:1,981件
  • 大阪市北区:3,995件
  • 大阪市中央区:5,121件
  • 大阪市住之江区:1,051件
  • 大阪市住吉区:1,300件
  • 大阪市阿倍野区:1,143件
  • 大阪市西成区:1,981件
  • 大阪市大正区:594件

数字だけ見るとやはり多く感じますが、中央区や北区と比べても件数自体は少ないほうで、現在はかなり安全なまちと変わってきているようです。

近年、自治体や大阪府警察も治安を良くする活動に力を入れており、今後も改善が期待されます。

具体的な対策としては、自治体が大阪府警察と協力して街頭防犯カメラの設置を進めています。とくに大通りやあいりん地区内を重点としていますが、その他のエリアに防犯カメラを設置したい場合も、区が補助金を出してくれます。

そのほか、ひったくり防止カバーの無料配布や月1回のひったくり防止デーなど、日常的に個人の防犯意識を高める対策も行っています。

また、特殊詐欺の専用相談窓口の設置や「青色防犯パトカー」によるパトロール強化、徒歩及び自転車でのパトロール強化なども効果を発揮していると言えます。

ほかにも、大阪市や健康福祉局によってホームレス対策・あいりん対策が策定されています。ホームレスや生活保護受給者への特別措置法が規定され、自立支援・雇用支援・健康支援などをすることによって、路上生活をせず更生に導けるよう活動しています。

こうした地道な活動により、地域全体の防犯意識も高まってきつつあるため、木尾の勢いでかつての西成区の「危ないまち」というイメージを一新したいところですね。

西成区の魅力その1:交通アクセス抜群!

なんといっても、西成区は交通アクセスが良いことが魅力的です。

JR大阪環状線・JR関西本線・阪堺電気軌道阪堺線・大阪メトロ御堂筋線・大阪メトロ四つ橋線・大阪メトロ堺筋線・南海線・南海高野線の8つが通る西成区は、電車移動がたいへん便利なまちです。

大阪環状線を使えば、大阪市内を全て回れるため、通勤・通学にも困らず、休日もさまざまな場所へ移動できる充実した環境となっております。

御堂筋線を使えば、新大阪駅・梅田駅〜なんば駅まで行けます。四つ橋線を使っても、梅田駅・本町駅・なんば駅まで電車1本で行けるという抜群のアクセス環境です。

しかも、御堂筋線の「動物園前駅」は、朝も混雑せずスムーズに利用できます。本町や淀屋橋などのオフィス街で務めている方も、座って通勤できます。

動物園前駅・新今宮駅付近は、繁華街や観光地で人通りも多いため、一人暮らしの人も多く住んでいるエリアです。一方で、南側の岸里駅や玉出駅付近は、ファミリー層や新婚カップルも多く、閑静な住宅街となっています。

西成区の中でも北側に位置する、四つ橋線の花園町駅は、駅周辺に24時間営業のスーパーやドラッグストアなどがあるとても便利なエリアです。また、飲食店も多く、単身者が利用しやすいマクドナルドや牛丼屋、お弁当屋もあります。

南海高野線の津守駅は、下町の情緒漂う無人駅です。汐見橋線の中間駅としては、最も利用者が多い駅となっています。駅前にある「西成公園」は、敷地が広いためのんびりとした時間が過ごせます。また、駅周辺には「津守商店街」や、24時間営業のスーパーもあるので買い物も便利です。

大阪市メトロ堺筋線・南海本線・南海高野線の「天下茶屋駅」は、交通の便も良く、3つの路線が利用可能です。一日平均乗降人数も多く、南海特急「ラピート」も停車するため、旅行や出張で関西空港に行くときにも快適です。また、駅前にはスーパーマーケットやドラッグストアに加え、天下茶屋駅前商店街もあります。駅前の再開発により、高層マンションやスポーツ施設も建設されており、非常に便利なエリアです。

南海高野線の西天下茶屋駅は、大正時代に設立された、レトロな駅舎が特徴的な駅です。駅周辺は、都会の大阪市内にあるとは思えないほど、のんびりと落ち着いた雰囲気が漂っています。

また、天王寺駅も近くにあるため、交通アクセスを求める方にとって、西成区で生活することはメリットも大きいと言えるでしょう。

西成区の魅力その2:激安のまち

大阪市西成区といえば激安スーパー「スーパー玉出」が有名で、食料品がとても安く買えるイメージがあります。区内に7店舗あり、そのほとんどが24時間営業なのも非常に便利です。最近は現金を持たない人も増えてきましたが、キャッシュレス対応もしているので、コンビニ感覚で立ち寄れてとてもありがたいスーパーなのです。

また、安いのはスーパーだけではなく、数々のB級グルメが揃う「激安グルメの聖地」でもあります。

居酒屋では、1品100円前後の激安グルメでセンベロでき、ワンコインでお腹いっぱいになる丼ものやカレーまで、たくさんの激安飲食店が並びます。

そして、激安で泊まれる宿も多く、一泊1500円のところもあるほどです。

さらに、まちを歩くといたるところに激安自販機が設置されています。30円や50円でジュースが買えるのにはビックリですよね。

西成区の家賃相場・利回りなど

大阪市西成区の、家賃相場や利回りについてまとめてみました。不動産情報サイトの「LIFULL HOME’S」のデータをもとにしています。

家賃相場

  • ワンルーム/1K/1DK5.4万円
  • 1LDK/2K/2DK7.1万円
  • 2LDK/3K/3DK9.6万円
  • 3LDK/4K/4DK11.7万円

家賃相場は、大阪市内でも比較的安価な傾向で、ワンルームなど5万円前後です。
広めのアパートやマンションでも11万円台で借りられるのは魅力的ですね。

利回り

  • すべての物件9.0%
  • 区分マンション7.6%
  • 一棟アパート9.5%
  • 一棟マンション7.7%

利回りは、近隣の区と比較して高めになっています。

空室率

  • 21.5%

空室率は、近隣の区と比較してやや高いですが、空き家も多いため、上手く運用すれば空室のリスクも最小限にできるでしょう。

土地代

西成区の2023年現在の公示地価は、平均18万5785円/㎡で、坪単価では平均61万4167円/坪です。また、前年からの変動率は+2.50%です。

西成区の2022年時点での基準地価は、平均17万8400円/㎡で、坪単価では平均58万9752円/坪です。また、前年からの変動率は+1.21%です。

1983年から40年分のデータを見ると、公示地価の最高値は1991年の112万7909円/㎡で、最低値は16万6714円/㎡です。また、双方の落差は6.77倍です。
基準地価の最高値は1990年の125万0000円/㎡で、最低値は2014年の15万1733円/㎡です。また、双方の落差は8.24倍です。

2022年時点での宅地の平均地価は18万0400円/㎡で、坪単価では59万6363円/坪、その変動率は+0.56%です。
また、商業地の平均地価は27万6000円/㎡で、坪単価では91万2396円/坪、その変動率は+0.91%です。

西成区で最も高価格な地点は「大阪市西成区鶴見橋1-3-10」で、38万8000円/㎡、最も低価格な地点は「大阪市西成区津守3-6-27」で、8万1000円/㎡です。

西成区と同じ鉄道路線における、土地相場の比較として、西成区は御堂筋線沿線の平均地価である116万1969円/㎡を下回っています。そして、南海本線沿線の平均地価である39万0381円/㎡を下回っています。また、南海高野線沿線の平均地価である60万7767円/㎡を下回っています。

なお、西成区内の基準点は、御堂筋線・南海本線・南海高野線の駅に近いほど、地価が高い傾向にあります。

売り出し価格

「LIFULL HOME’S」に登録されている、売出し中の流通物件の価格相場についてご紹介します。

2023年3月1日時点でのマンション(70㎡換算)の売り出し価格は2620万円で、一戸建て(100㎡換算)だと2534.3万円です。また、土地は1坪あたり86.6万円です。

まとめ

大阪市西成区は、交通アクセスが抜群の立地で、なおかつ生活費を安くおさえたい人にとってはとても魅力的なまちです。

気になるのはやはり治安ですが、近年は改善されてきていることもわかりました。

なお、投資物件を選ぶ際には、空室のリスクに備えてより治安が良く需要の高いエリアの物件を購入したほうが良いでしょう。

とくに、南海電車の「天下茶屋駅」から地下鉄の「花園町駅」あたりがオススメです。

日常生活にも困らず、治安が比較的良いエリアなので、単身向けの間取りでも空室のリスクをおさえられます。アパートなど物件も多くあります。
現在の花園町は、ビルが立ち並ぶ都会的なまちに発展してきています。一本裏路地へ入ると長屋もまだ残っており、商店街などもあって、昭和の雰囲気も残る場所です。

また、元来のイメージから入居希望者の物件選びも慎重になると考えられます。そのため、セキュリティ対策が整った物件にすることはもちろん、街灯・防犯カメラのあるかどうかなど、現地に足を運んでの調査をオススメします。

【参照】

https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/

https://toushi.homes.co.jp/owner/osaka/

https://ieagent.jp/blog/eria/nishinaritian-219430

https://tochidai.info/osaka/osaka-nishinari/