高級住宅街・文教地区がある愛知県名古屋市の昭和区に注目!
今回は愛知県 名古屋市 昭和区に注目して、エリア情報と不動産情報についてまとめて紹介します。
昭和区は文教地区と高級住宅街があることが特徴で、ある程度需要が固いエリアです。
よって、昭和区の不動産投資では上記のエリアに該当するファミリー層や1人暮らしの学生をターゲットにすることをオススメします。
今回の記事では、それらに注目して不動産投資の目線でも書いているのでぜひチェックしてください。
Contents
概要
どんな街?
昭和区の面積は10.94㎢と、名古屋市内で4番目に小さな地区です。
市内の中心に位置しており、平坦な地形で区の中央を流れる山崎川を挟んで東部にかけては緩やかな丘陵地となっています。
また、都心に近いものの、鶴舞公園・隼人池・興正寺公園などの自然環境が多く残っています。
昭和区の地域性としては、まず東部は住宅街・西部は工業地帯として発展していることが挙げられます。
区内における住宅用地率は 43%強を占めており、市内では瑞穂区の45.01%の次に高い数値です。
また、西部の新堀川沿いの工業地帯も近年では中高層のマンションが建設され、住宅・商業地区へと変化しつつあります。
次に挙げられる地域性として、市内でも有数の文教地区であることです。
大学なども数多く名古屋市の特別用途地区とされています。
これに関しては後述している項目でじっくり解説していきます。
交通性
区内には、地下鉄鶴舞線・桜通線・名城線・名港線など多くの路線が開通しており、さらにJR中央線・基幹バスが東郊通(とうこうとおり)を走行しているなど、都心に近いながらも非常に交通利便性の高い街であることが分かります。
川名駅から名古屋駅までは22分、栄駅までは20分と名古屋市内へのアクセスも良好です。
歴史
昭和区は1937(昭和12)年に誕生しました。
以後、1944(昭和19)年に一部の区域が瑞穂区として分離、1955(昭和30)年に愛知郡天白村の編入、1975(昭和50)年に天白区の分区独立を経て、現在の区域となりました。
区民の声
昭和区は、「住みやすい街」であることがデータにも出ています。
まず、令和4年度の昭和区区民アンケートでは、昭和区に「住み続けたい」と回答した人が96.0%でした。
その理由として、上から「交通の利便性が良い」「街の景観が良く、清潔な街である」「犯罪や交通事故が少ない」「教育環境が良い」「自然環境が豊か」という意見が多く上がっています。
次に令和元年に実施された民間の「街の住みここち」に関する調査においても、昭和区は東海三県(愛知県・三重県・岐阜県)下の自治体ランキングで1位、全国で5位を獲得し住みやすい街であるという評価が下されています。
続いて、人口と世帯数を見ていきましょう。
(1)昭和区の人口推移
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
109,596人 | 110,436人 | 107,599人 | 107,659人 | 108,129人 | 107,857人 |
※昭和区公式ホームページより
(2)昭和区世帯数推移
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
57,244世帯 | 57,804世帯 | 55,059世帯 | 55,230世帯 | 55,958世帯 | 55,714世帯 |
※昭和区公式ホームページより
区全体を見ていくと、人口・世帯数ともに年々減少傾向が見られます。
人口減少の傾向は、不動産投資において家賃や売却価格の相場を下げる点として挙げられ、デメリットと言えます。
しかし、昭和区は「直ぐに売却した方が良い」とオススメするエリアではありません。
次項の相場についてもしっかり読んでみてください。
ちなみに、令和4年の時点で昭和区の1世帯当たりの人員は1.93人となっており、名古屋市全体の平均値2.01人とはあまり大差ありません。
1世帯当たりの人員が1〜2人であるならば、ワンルーム〜1LDKのマンションに投資物件を絞って経営することも可能です。
良好な住環境と高い交通利便性を有した街で、区の人口密度は市内2位となっています。
また、近年は新築マンションの建設が相次ぎ、15 歳未満人口の割合は増加傾向にあります。
15歳未満となると小中学生の子供を持つファミリー層からの需要も狙えそうです。
昭和区の家賃と売却価格の相場
家賃と売却価格の相場は、売買の前に必ず確認しておきたい内容です。
(1)昭和区と周辺地域の家賃の相場
ワンルーム | 1K/1DK | 1LDK/2K/2DK | 2LDK/3K/3DK | 3LDK/4K~ | |
---|---|---|---|---|---|
名古屋市昭和区 | 3.5万円 | 5.2万円 | 7.3万円 | 9.3万円 | 11.0万円 |
名古屋市瑞穂区 | 4.5万円 | 5.1万円 | 6.9万円 | 8.7万円 | 9.9万円 |
名古屋市千種区 | 5.2万円 | 5.7万円 | 7.9万円 | 9.7万円 | 12.2万円 |
名古屋市中区 | 6.0万円 | 6.1万円 | 8.9万円 | 12.2万円 | 13.0万円 |
※物件情報サイトSUUMOより
(2)昭和区の売却価格の相場
- 2018年:228,000〜377,000円/m²平均275,500円/m²
- 2019年:232,000〜380,000円/m²平均285,083円/m²(昨年度から約3.48%上昇)
- 2020年:233,000〜381,000円/m²平均288,333円/m²(昨年度から約1.14%上昇)
- 2021年:227,000〜381,000円/m²平均283,833円/m²(昨年度から約1.56%下落)
- 2022年:227,000〜381,000円/m²平均285,333円/m²(昨年度から約0.53%上昇)
- 2023年:231,000〜381,000円/m²平均294,583円/m²(昨年度から約3.24%上昇)
※国土交通省地価公示・都道府県地価調査より住宅地の公示地価のみの調査価格
昭和区の家賃相場は、名古屋市内・名古屋県内の双方において比較的安価であると言えます。
同等の他エリアには、名古屋市守山区・南区・春日井市・丹羽郡などが挙げられます。
また、公示地価の平均額としては上昇傾向にあり、2018〜2022年の4年間でなんと19,083円も上昇しています。
人口減少の傾向が見られるエリアでは、通常不動産の需要が減るため相場も落ちやすいですが、昭和区では反対に売却価格の相場が上昇傾向にあります。
区内で毎年公示地価が1番高いエリアは「昭和区南山町23番12外」でいりなか駅から徒歩7分ほどの辺りです。
区内で毎年公示地価が1番低いエリアである「昭和区円上町306番」とでは約150,000円の差が開いており、同じ区内でもどこの物件を選ぶかでかなりキャッシュフローに影響があります。
なぜ?人口減なのに売却価格上昇する理由【2選】
①文教地区がある
まず、一番の理由として挙げられるのが「文教地区である」ということです。
文教地区とは、住宅地のうち大学や研究所などの教育研究施設や図書館・美術館・博物館等の文化施設がある程度まとまった地区のことです。
文教地区では、パチンコ店・商業施設などの建設が教育・研究・文化活動をする上での悪影響とならないように制限されています。
そして、昭和区の文教地区に当たるのが東部にある川名中学校の学区の一部です。
その一帯は名古屋市の特別用途地区として文教地区に指定されています。
名古屋市では住所に基づいて通学する小中学校が決定します。
そのため。
家を借りたり購入したりする際には学区を重要視する家庭も多いほどです。
小中学生を持つ親は、一度住居を構えると高校・大学の入学を迎えるくらいまでは同じ住居に留まる傾向があります。
そのため、家賃収入も安定して得られる可能性が高いのです。
また、高等教育機関が多いことも挙げられます。
区内の18歳〜25歳の人口比率は名古屋市の全体よりも高く、昭和区は学生・留学生が多く集まる街です。
実際に、区内にある大学・短期大学の数は市内1位(5校)、大学・短期大学に通う学生の人数は市内1位となっています。
昭和区に住む留学生の人数は市内3位で、区内の外国人のうち49%が留学生です。
区内にある大学には以下の学校があります。
- 中京大学 名古屋キャンパス
- 名古屋工業大学
- 南山大学 名古屋キャンパス
- 名古屋柳城女子大学
1人暮らしの学生も同じく、卒業を迎えるまで同じ住居に住み続ける人が大半です。
小中高生を持つファミリー層だけでなく、1人暮らしの大学生や短期大学生をターゲットとした経営もできそうですね。
②高級住宅街がある
昭和区の高級住宅街には、南山町(みなみやまちょう)・八事(やごと)があります。
実際、前述した売却価格の相場が一番高いエリアも南山町でした。
また、前述した家賃相場はマンションの価格でしたが、一戸建て・3LDK/4K〜の家賃相場を見てみると16.6万円と名古屋市内でもかなり上位の金額です。
八事では、明治期にお寺を中心とした一帯が別荘地として評価されました。
その結果、昭和にかけて著名人の邸宅が建ち並び、現在はそうした旧別荘地を生かした宅地開発が行われています。
さらに、八事は第一種低層住居専用地域に指定されています。
「第一種低層住居専用地域」とは、良好な住環境を保護するために高さや外壁の後退距離制限などが設けられる地域です。
特徴として、上記の制限によって1〜2階建ての低層住宅が多い点があります。
さらに、第一種低層住居専用地域の対象の用途建物に店舗や事務所が含まれないため買い物や通勤にはやや不便でもあります。
まとめ・一定数の需要が固い
今回は昭和区に注目して紹介しました。
昭和区の人口・世帯数はともに減少傾向にあるものの、売却価格の相場は上昇傾向にあります。
それには、①文教地区があること②高級住宅街があることが理由として考えられます。
また、今回紹介した家賃相場は名古屋市内でも比較的安価であることが分かっていますが、高級住宅街に需要がある広めの一戸建てに着目すると昭和区でも高い家賃収入が得られます。
昭和区では一定数の需要が固いため、売買の際にはターゲットを定めた上でそれに合った物件を選んだり設備を整えたりしましょう。
【参照】