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2025/11/21耐震基準の改正ポイントと新旧基準の違い
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株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
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Contents
建築基準法で改正された耐震基準とは
中古の一戸建てやマンションを探す際には、建物の耐震性能を確認することが重要です。特に地震が多い日本では、建物がどの程度の地震の揺れに耐えられるかが家選びの大きなポイントとなります。
ただし、建築の専門家でないと性能を正しく評価するのは難しいため、一般の方でも評価しやすいように耐震基準が設定されています。
この記事では、建築基準法や耐震基準について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
建築基準法の基本概念
建築基準法とは、建物を建てる際に国民の生命や健康、財産を守るための最低限の基準を定めた法律です。日本において建物を建築する際のベースとなる法律で、1950年に制定されました。
建築基準法は、個別の建物の安全性を確保するための規定と、計画的な都市づくりを実現するための規定から成り立っています。都市計画法や宅地造成規制法、消防法などとも関連し、規定を定めているのが特徴です。
建築基準法の適用範囲は、建築物や構造、敷地はもちろん、設備や用途まで多岐にわたります。着工前におこなう建築確認や建築工事中の中間検査、工事完了後におこなう完了検査、さらに違法ケースへの是正勧告に至るまで、すべての工程に規定が定められています。
耐震基準の概要と歴史
耐震基準とは、建物を設計する段階で建築予定の構造物に最低限度の耐久能力があることを証明し、建築の許可をする基準のことをいいます。1981年に建築基準法が改正された際に、耐震基準についても改正がおこなわれました。
そのため、1981年6月以前の基準は旧耐震基準、新たに設定された基準は新耐震基準と呼ばれています。実際に、1981年6月以降の建築物は新耐震基準に則って設計、建築がおこなわれています。
改正の要因は、1978年に宮城県沖地震で甚大な家屋損壊があったことです。宮城県沖地震の規模はマグニチュード7.4で、最大震度は仙台市で震度5でした。
この地震によって住民が倒壊したブロック塀や家屋などの下敷きになり、人的被害が及んだため、二度と同じ被害を繰り返すことのないようより厳しい基準が設けられました。
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建築基準法における耐震基準の違い
この項目では、新・旧の耐震基準の違いや、どちらの基準で建てられたかを確認する方法をご紹介します。
耐震性能基準
まずは、耐震性能基準についてです。
旧耐震基準では、震度5の地震でも建物が倒壊または崩壊しないことが基準とされていましたが、震度5以上の地震は考慮されていませんでした。
一方、新耐震基準では、震度5強の地震では家屋が損傷せず、震度6強から7程度の地震でも倒壊または崩壊しないことが基準とされています。したがって、旧耐震基準と比較すると、新耐震基準では被害をより小さく抑えられます。
マンションの耐震基準
続いては、マンションの耐震基準についてです。
1995年に阪神・淡路大震災が発生し、旧耐震基準にて建てられた建物が集中的に被害を受けました。これを受けて、旧耐震基準の耐震改修を促進する目的で、同年に耐震改修促進法が施行されています。
阪神・淡路大震災では、旧耐震基準で建てられた建物のうち、無被害や軽微な被害で済んだのはわずか3割程度で、残りの4割は中小破、3割は大破以上といわれています。一方、新耐震基準の建物は、大破以上が1割弱で中小破も2割弱、7割強は無被害もしくは軽微で済んだとのことです。
また、2006年には耐震改修促進法が改正され、緊急輸送道路などの避難経路沿いに建っているマンションは道路閉鎖が起こる可能性があるため、耐震診断の実施が義務付けられました。
さらに、2013年には耐震改修促進法の一部が改正され、旧耐震基準のすべてのマンションにおいて耐震診断の努力義務が課せられています。
新・旧の確認方法
最後に、新・旧の耐震基準を確認する方法をご紹介します。
新耐震基準を満たしているか否かは、建築確認日を確認することで判断できます。基本的には建物を着工する前に、法律に沿っているかの審査を受ける必要があるため、1981年6月1日以降に建てられた物件は、新耐震基準を満たしているといえるでしょう。
また、耐震性の上限は設定されていないことから、旧耐震基準の時代の建物であっても新耐震基準を満たしている建物も存在します。たとえば、壁式構造の低層マンションは、分厚い壁が使用され平面的な形状の建物であるため、耐震性が高く新耐震基準を満たしているものも多いでしょう。
新耐震基準を満たしている場合、専門家に耐震診断を依頼することで耐震基準適合証明書が発行されます。
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耐震基準未満の建物の補強方法
この項目では、新耐震基準を満たしていない場合のマンションと一戸建ての耐震補強について、ご紹介します。
マンションの耐震補強
まず、マンションの耐震補強ですが、分譲マンションの耐震補強工事をおこなう場合は、所有者同士の総会で工事の合意、承認が必要となります。耐震改修工事の耐震補強をおこなう場合も同様です。
工事を進めるには、一般的に所有者全体の2分の1もしくは4分の3の同意が必要ですが、この割合は工事個所や変更度合いによって異なります。
分譲マンションの場合、大規模な工事が難しいことがあるため、バルコニーを撤去せずに補強部材だけを取り付けるアウトフレーム工法が注目されています。アウトフレーム工法は、振動や騒音を抑えられるため、工事中の住民への負担も軽減されるでしょう。
分譲マンションの補強工事をする場合、居住者全員が家を空けることは困難であるため、日常生活を続けながら工事をおこなうのが一般的です。工事期間は内容や規模によって異なりますが、数か月以上かかるケースもあるでしょう。
一戸建ての耐震補強
続いて、一戸建ての耐震補強をご紹介します。
一戸建ての耐震補強工事は一般的に後付けで行います。地盤の緩みがあっても、耐震工事は建物の強度を高めることを目的としています。
一戸建ての補強工事は建物の大元から建て直すことは難しく、基礎や接合部分の補強が中心です。
屋根の重さや壁の厚さも耐震性に影響するため、瓦屋根を金属屋根に変えて重量を減らしたり、壁の強度が低い場合は耐力壁の加工などをおこなえば、耐震強度が上がるでしょう。
建物が古い場合は、耐震工事と同時期に建物自体を断熱仕様に変更するのもオススメです。
また、使われていない部屋やスペースがある場合は、2階を減築リフォームなどで耐震性を高めるなど、思い切って大規模リフォームをおこなったり暮らしやすいように改修をするのも方法のひとつです。
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耐震基準以外の安全対策
この項目では、耐震基準以外で備えるべき2つのポイントについてご紹介します。
耐震等級の理解と選び方
耐震等級とは、住宅性能表示制度に基づく指標で、建物の地震に対する強度を示します。等級には1から3のランクがあり、ランクが上がるほど耐震性が高くなります。
耐震等級1では、建築基準法にて定められた最低限の耐震性能を満たしています。性能は、数十年に一度発生するような震度5の地震でも著しい損傷はなく、数百年に一度発生するような震度6強から7の地震でも倒壊しないレベルです。
実際に、熊本地震や東日本大震災のような規模の地震であっても、人命にかかわる倒壊はしないよう設計が施されています。しかし、柱や梁といった主要構造部分は大破する可能性もあるため、建て直しが必要になることも少なくないでしょう。
耐震等級2では、等級1の1.25倍の耐震強度があるといわれ、震度6強から7の1.25倍までは倒壊しないことをあらわしています。長期優良住宅の認定を受ける場合は、耐震等級2以上が必要で、災害時の避難場所とされる学校なども、耐震等級2以上の確保が定められています。
耐震等級3は、等級1の1.5倍の耐震強度があるといわれています。これは、住宅性能表示制度のなかでももっとも耐震性に優れたレベルです。
建物構造の種類とその特徴
続いては、建物構造についてご紹介します。
地震に強い耐震構造のなかには、耐震、制振、免震の3つの種類があります。
耐震構造とは、頑丈な柱や梁で建物を支え、地震の揺れに対して倒壊しないように設計された構造です。耐震構造となっている建物は基盤から頑丈に組み立てられているため、倒壊などの大きな被害を避けられます。ただし、地震発生の際には直接建物に揺れが伝わるため、壁などが損傷を受ける可能性があり注意が必要です。
制振構造とは、地震によるエネルギーが直接建物に伝わらない構造のことです。建物のなかに錘やダンパーを設置しているため、風にも強く建物全体の揺れが軽減されます。
免震構造とは、制振構造と同様に地震によるエネルギーが直接建物に伝わらない構造のことをいいます。建物と地盤の間に特殊なゴムを設置し、そのゴムによって揺れを吸収し軽減してくれる仕組みです。
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まとめ
この記事では、建築基準法における耐震基準の違いや、基準を満たしていない場合の耐震補強、耐震基準以外で備えるべきポイントについてご紹介しました。
旧耐震基準では、震度5の地震でも建物が倒壊しないことが基準でしたが、新耐震基準では震度5強の地震で家屋が損傷せず、震度6強から7程度の地震でも倒壊しないことが基準とされています。
耐震補強工事をおこなう場合、分譲マンションでは所有者の合意や承認が必要になるため注意が必要です。一戸建ての耐震補強工事は、揺れに対する強度を高める工事であるため、建物に対してのみおこなわれます。
耐震性について考える場合は、耐震基準だけでなく耐震等級や建物構造にも着目するとよいでしょう。
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