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2024/06/07最終更新⽇時
2024/06/07農地の固定資産税はいくら?納税猶予を徹底解説!
- 不動産の知識


農地を所有している方で今後どのようにしていくのか検討しているのではないでしょうか。農地とは、耕作の目的で使用されている土地を指します。地方に伺うと広い農地を見渡せます。農地ですが、土地や建物と同様に固定資産税が毎年発生してしまうのです。
今回は農地の固定資産税はいくらになるのか。農地における相続や生産緑地・特定生産緑地について紹介していきます。農地の固定資産税について正しく理解して、今後どうするのか親族で話し合って決めましょう。
農地の固定資産税はいくらになるのか?
農地の固定資産税はいくらになるのでしょうか?まず、固定資産税の概要について説明します。固定資産税とは不動産の所有者に、所在地の都道府県が課税する税金です。納税義務のある方として、その年の1月1日に固定資産税を所有する個人や法人に支払い義務が発生します。固定資産税は「固定資産税評価額」に基づき、3年に1度評価される仕組みです。3年ごとに評価額が下がれば、支払いは安くなり上げれば支払いは高くなります。また、固定資産税を求める際の計算式は以下のとおりです。
固定資産税評価額×1.4=固定資産税
上記を用いて計算できます。たとえば、固定資産税評価額が150万円の場合、2,1000円です。しかし、農地によっては全額非課税になる場合もあります。それは、農地の固定資産税が発生しない要因として、農地にかかる固定資産税の儲けがないからです。農地を所有している個人もしくは法人の固定資産税評価額が30万円以下の場合、固定資産税の支払いが免除されます。また、津波や地震による災害や自己破産をして生活保護を受けている場合も、非課税の対象です。このように非課税の対象になるケースがあるため、土地を所有している方は各市町村に相談してみましょう。
農地における相続税
ここでは、農地における相続税について詳しく見ていきます。農地の評価に対して苦手意識を持っている方も多いかもしれません。一般的には市街地の農地や調整区域の農地と分かれています。調整区域での農地は、倍率で評価するため実はそれほど難しいものではありません。しかし、市街地の農地は宅地並みの計算をしなくてはいけないため評価が上がってしまうため難しいものになるのです。宅地基準で評価した際にどのようにして農地の評価を下げられるのか、増税費を引いたり地積規模の大きな宅地の評価を使ったりする必要があります。納税猶予を簡単に受けてしまうと、受けた後に農業を廃止してしまった際、猶予税額を利子付きで支払わなくてはいけないため、慎重に活用しましょう。
農地における相続問題として、固定資産税評価額は低いにもかかわらず、相続評価額は以上に高いケースがあるのです。また、減額要素が漏れていたため、相続税を多く支払ってしまう問題が起こります。固定資産税と相続税の評価には大きな差があります。たとえば、宅地が200平米の場合、評価額は約2,000万円です。一方で、農地の場合は、固定資産の評価はかなり低いものになっています。農地1,000平米の場合でも、評価額は25万円です。しかし、調整区域にある場合は大きく異なります。固定資産税の評価額に一定の倍率をかけて評価するのです。市街地にある農地の場合、自宅の評価に準じて評価しなくてはいけません。200平米の宅地と同じエリアにある場合、1,000平米の農地は1億円になってしまうのです。そのため、市街地にある場合は大きく異なってしまいます。
簡単に農地は売却できないため、どのような対策を取ることが有効なのでしょうか。それぞれ詳しくみていきましょう。まず、宅地造成費の控除です。これは国税庁のホームページから拝見できます。控除の内容によって評価を下げられるのか各項目に分かれています。たとえば、整地費用は、東京都では1平米あたり800円です。伐採や板根する場合は1平米あたり1,000円です。たとえば、1,000平米の農地の場合、80万円を控除できます。二つ目に、市街地周辺農地に該当すると、2%割引きできます。これは、路線価図の評価倍率表に「周比準」と記載されているのです。
三つ目に、地積規模の大きな宅地の評価額の評価減です。これは、一般的に宅地で使うことが多くなります。宅地に準じて評価をして、市街地農地でも使用できるのです。また、3大都市圏であれば500平米以上、それ以外の場合は1,000平米以上の農地を所有しており、条件に該当していれば2%割引になります。調整区域にある場合、都市計画法の34条に記載されている10号もしくは11号に該当して宅地分譲が可能であれば使用できます。これに該当しない場合は、使用できないため注意しておきましょう。使用する際は、各市町村の都市計画課に確認する必要があるのです。四つ目に、貸し付けられている農地の評価減です。耕作権等の貸し付けをしている際の土地について評価減を取れます。耕作権については、50%まで下がるため、非常に多くの減額が期待できるでしょう。
生産緑地と特定生産緑地の概要
生産緑地や特定生産緑地という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。生産緑地とは、税務上の特徴がある都市部の農地のことです。「どのような特徴があるの?」と思った方がいると思います。たとえば、農地を所有している場合、毎年固定資産税を支払います。支払っている固定資産税が免除されたり、農地を所有している方が死亡した際における相続税評価が優遇されるのです。ただし、すべてを生産緑地として利用できるわけではありません。さまざまな条件があります。条件として、30年間営農する代わりに、農地にかかる固定資産税を引き下げることです。
なぜ営農することで固定資産税が引き下げられるのでしょうか。これは、1970年代頃に都市部の開発が進むにつれて農地が減少してしまったのです。この際に政府は「開発が進むと都市部の農地を失ってしまうのではないか」と恐れたことで生産緑地という制度が進んだのです。しかし、土地や農地が高い価格で売却され、土地に建物が立つため固定資産税の価格が大幅に引き上げられてしまいます。引き上げられることにつられ、農地を所有している方の固定資産税も引き上げられ農業を守れないという理由がありました。そのため、生産緑地として30年間営農する代わりに固定資産税や相続税の負担を減らし都市部の農業を守ってきたのです。
この生産緑地ですが、どのような地域を対象にしたのでしょうか。対象となる事項を詳しくみていきましょう。対象になった地域は、市街化区域です。市街化区域と市街化調整区域として分られます。市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域および、おおむね10年以内に優先的や計画的に市街化を図るべき区域を指します。一方で、市街化調整区域とは、市街化を抑制すべきとして指定されている区域です。田舎にある田んぼや畑を守っていこうという仕組みが市街化調整区域にはあります。また、対象面積として500平米以上の田んぼや畑を対象として利用できたのです。たとえば、小さく営農している農地に関しては対象外になっています。500平米以下の農地であっても市町村によっては許可が降りることもあったのです。
次に買取の申出についてです。生産緑地の対象となると、30年間営農しなくてはいけません。いつのタイミングで買取の申出ができるのでしょうか。それは、指定から30年以上経過した際になります。また、農地を所有していた方が死亡した際も、買取の申出ができるのです。
特定生産緑地
30年後を過ぎた後も、固定資産税の引き上げを受けられる方法があります。それは、特定生産緑地という方法です。特定生産緑地とは、生産緑地の指定を延長したい方のための制度です。特定生産緑地の指定日に関しては、一般的に申出基準日までに指定が可能です。たとえば、30年の生産緑地が過ぎた後、農地を所有している方が「延長させてください」とお願いする形になります。ですので、市町村が勝手に延長することはないため、延長する際は手続きしなくてはいけないのです。延長期間は10年ずつと決まっており、その時に延長できるため自分で申出しましょう。
ここまで理解すれば、生産緑地の評価方法を求められます。計算式は以下のとおりです。
通常の評価×5%=評価額
上記を用いて計算できます。30年営農を続けたことにより、5%割引が受けられるのです。たとえば、固定資産税評価額が150万円の場合、固定資産税は2,1000円であり、5%割引となると1,9950円となります。ごく稀に、5%割引にできないケースがあるのです。それは、買取の申出ができない生産緑地です。たとえば、農地を所有していた本人が買取を依頼してきた際は、買取の申出ができない場合があります。このような場合は、通常の評価額から10〜30%の割引になるケースがいいのです。固定資産税が2,1000円の場合、1,8900〜1,4700円となります。10〜30%の割引となぜこのような幅があるのかというと、買取の申出が残り何年になるのかによって、割合が異なるのです。しかし、一般的には生産緑地の評価するにあたって通常の評価×5%=評価額で計算することが多いのです。
このように土地を長い間利用することで、優遇制度を受けられることがあります。土地は、なくてはいけないものなんです。
まとめ:農地の固定資産税・相続税の理解を深めるために
今回は農地の固定資産税はいくらになるのか。農地における相続や生産緑地・特定生産緑地について紹介してきました。農地の固定資産税の計算方式は、固定資産税評価額×1.4=固定資産税で求められます。各場所で固定資産税の費用は異なるため一概に明記することはできませんが、固定資産税評価額が30万円以下の場合、固定資産税の支払いが免除されるため、覚えておきましょう。また、津波や地震による災害や自己破産農地における場合もあるのです。農地のおける相続税は、宅地造成費の控除や市街地周辺農地の評価減をすることで相続における税金を減額することが可能です。農地は所有しているだけで税金が課せられます。そのため、使用しない際は売却して現金にしたりして有効に活用しましょう。使用する際は、個人で行うことは難しいため、各市町村に伺い、相談してみることが必要になります。