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最終更新⽇時

2026/04/22

農地を売却する方法と費用のリアル!再利用の選択肢も解説

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

日本の土地利用と農地の重要性

日本の国土は、北海道・本州・四国・九州といった比較的大きな島々と、その他の小さな島々で構成されており、総面積は約37万8000㎢です。また、日本は環太平洋造山帯の一部にある火山列島のため、国土が山がちで、およそ70%が森林におおわれています。

また、日本列島は南北に長く弓なりの形状をしているため、北海道は亜寒帯、沖縄は亜熱帯といった幅広い気候を観測できることが特徴です。育成する植物の種類や植生にも大きな違いがあり、例を挙げるとソメイヨシノの開花時期などがあります。九州地方では3月中旬、北海道では5月中旬と、同じ国内でも開花時期に2か月ほどの差が生まれます。さらに、本州の中心部には山脈が広がっており、西側と東側(太平洋側と日本海側)で気候や植生に大きな差が生じることもあります。

国土全体が豊かな自然に恵まれた国ではありますが、同時に日本は世界でも自然災害が多い国のひとつです。台風や大雨・大雪・洪水・土砂災害・津波・火山噴火などの災害が発生しやすく、土地利用や売却を考える際にはそういった面も考慮して計画を立てる必要があります。

とはいえ、日本は長い都市の歴史を持ち、特異な気候や自然災害の下でも柔軟に文化を形成してきました。現に日本の国土のうち農地に分類されるものはおよそ13%にのぼり、これは森林を除けばもっとも広い土地利用にあたります。広大な面積を有し、人の手の入った土地でもある農地は方法次第で様々に活用できると考えてよいでしょう。

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農地の定義と権利

日本の国土の約13%を占める農地は、その利用方法に応じていくつかの種類に分類されます。主に田・普通畑・果樹園・茶畑・桑畑・その他の果樹畑・牧草地として利用されている土地が「農地」にあたります。

また、日本の農地法において農地の定義は、「耕作の目的に供される土地」です。耕作とは、土地に労働や資本を投じ、所有者が肥培の管理を行って作物を栽培することです。人の手によって耕耘・整地・播種・灌漑・除草等の管理作業を行い、作物を栽培するために整備された土地が農地と呼ばれます。特に農地として運営されるためには、直接耕作により整備されている土地であることが必要です。例えば田畑や果樹園はもちろん、草地を造成して牧草が栽培される採草放牧地は農地に含まれますが、人の手による肥培管理を行わずに飼料用の植物を採取することができる野草地は農地に含まれません。この定義によれば、肥培管理やそれに伴う整備・整地等が行われている場合、はす池等も農地ということになります。

その土地が農地であるかどうかを判断するのは現況(現況主義)によるもので、土地利用の事実状態に基づき客観的に判断されます。つまり、土地の位置や環境、利用の経緯を含めた現況で判断されるということです。基本的には、工作用地として使用されている場合、登記簿上で宅地や山林などと記載されていても、「農地」として認められることになります。ただし、宅地等の一部を利用して耕作している家庭菜園・教育目的の農園等は農地に含まれません。

また、現在耕作に利用されていない土地でも、「耕作しようと思えばいつでも耕作できる土地」も農地として扱われることを覚えておくとよいでしょう。「使用していない建物があり、取り壊して農耕地にする予定の場所」などはまだ農地として数えることはできませんが、休耕地や不耕作地等、すぐにでも耕作することのできる状態にある土地は現況として作物が植わっていなくても農地であると考えられています。

登記簿上が森林である耕作地や休耕地も、売却の際には農地として分類されることを覚えておくと良いでしょう。

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土地売却の手段

まず、農地を売買する際には農業委員会の許可が必要です。もちろん、農地を勝手に別の用途に変更することは禁止されています。また、農業として合理的な土地利用を促進するため(住宅や工場の無計画な建築による農業環境の悪化を防ぐ目的)、農地を農地以外に転用する場合や農地転用のために権利を移動する場合は、都道府県知事または農林水産省の許可が必要です。

というのも、農地は農業を営む上で不可欠な基本的な生産基盤だからです。前述のように国土の3分の2を森林が占めるという自然条件の下では、食料・飼料等の安定的な供給を図るために、適切な農地を確保し、効率的に利用していかなくてはなりません。このため、農地法では、土地の適切な利用を妨げるような農地権利の移動を制限し、農地が効率的かつ生産的に利用されることを促進しています。とはいえ現在はこの取り決めにより、自分で消費する野菜だけを作っているような遊休農地や休耕地を合わせると、かなりの面積の農地が有効活用されずに放置されているともいわれています。農地を売却する際は、その行く末をしっかりと考慮した上で検討することが重要です。

一般的に土地を売買する場合には、売り手と買い手とが売買契約を締結し、買主の支払った代金を売主が受領することで土地の所有権が移動することになります。この土地が「耕作目的の農地」であった場合、農地法第3条に基づいた許可が必要になってきます。農地の売却を考える際は、適切な利用や金額を検討するだけでなく、農業委員会または都道府県知事の許可を受けることを忘れないようにしておきましょう。それさえ守っておけば、あとは通常の土地と同じように売買することが可能です。

また、この許可が下りるか否かの判断基準としては、農地の買主が農地を効率的に利用することができるかどうかという点が挙げられます。これは買主の農業経営状況や経営面積等を調査して判断されるため、場合によっては許可が下りないことも考えられます。

しかし逆に考えれば、すでに農地を運営している個人・団体や、意欲的に農地開発に取り組もうとしている相手であれば、かなりスムーズに取引が進むということでもあります。もし特に売り渡したい相手が決まっていない場合は、前者の農業経営者にあたる買主を探すとよいでしょう。また、牧場等の経営者も選択肢の1つとして考えられます。近年は特に食料自給率の低減が懸念されている日本でも、過疎地の観光地化などを目的に大規模な牧場などが作られることもあり、その場合には飼料用の牧草栽培が可能な農耕地も大量に買い入れられることになります。

農地を売却する場合は、土壌や周辺環境に応じて耕作可能な作物を確認しておくとともに、収穫物の運版に使える交通環境なども合わせてデータにしておくとよいでしょう。

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農地の利用・再利用

現在、農林水産省では、農地の有効利用の促進を行っています。「担い手への農地の利用集積の促進」「耕作放棄地の発生防止・解消に資する施策」「農地の効率的利用のための新規参入の促進」「優良農地の確保のための計画的な土地利用の推進等」の4方針が立てられており、いずれも国内の農地の有効活用・農業の安定的な発展を目的としたものです。1961年ごろのピークを境に年々減少傾向にある日本の農耕地面積ですが、食料自給率の向上や自然環境の改善のため、よりよく活用していこうと注目を集めている土地のひとつでもあります。

1つ目の「担い手への農地の利用集積の促進」は、農地管理者・耕作者といった農業の担い手の育成・確保を一層加速化させることを主目的とした方針です。担い手の事業を効率的かつ安定的な農業経営へと発展させるため、農地の整地や集積といった対応を通して、コストダウンにつながるまとまりある農地を形成します。これは細切れになった農地の一括買い入れや整形を推進する方針であり、インターネット上に農地マーケットを形成するなど、たとえ規模が小さくとも農地を売却したいと考える人の強い味方になってくれます。

2つ目の「耕作放棄地の発生防止・解消に資する施策」はその名の通り、耕作地を無駄なく活用していくことを目的とした方針です。地域における耕作放棄地の実態調査や、援農ボランティアによる活動・土地条件整備への支援を行うとされています。そのままでは買い手の付きづらい休耕地や不耕作地を所有しているという方は、売却前に協力を要請してみてもいいかもしれません。売却前に土地を整備しておく、もしくは売却後に整備してもらえる当てをつけておくことで、農地の売却は格段にスムーズになります。

3つ目の「農地の効率的利用のための新規参入の促進」も文字通り、近年特に縮小傾向にある日本の農業を再活性化させるための方針です。こちらは農業の新規参入者を増やすための取り組みにあたり、すでに耕作地となっている農地の売却に関してはあまり有効ではないかと思われるかもしれません。ですがこの方針により、農地売買の際に必要な許認可が得られやすくなることが考えられます。すでに安定経営を行っている農業経営者以外の相手にも、農地を売却しやすくなるかもしれません。

最後の「優良農地の確保のための計画的な土地利用の推進等」は、都道府県などによる農耕地の整備を推進する方針です。これにより、個人所有の小規模な農地も公的な整備の手が入って発揚されやすくなる可能性もあります。

いずれの方針も「農地の有効活用」を様々な方向から推進するものであり、農地を売却する際は最大限に利用していくことがおすすめです。

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農地の売却に関する総括

今回は田畑や果樹園・牧草地・休耕地といった「農地」の売却について、土地の定義や権利・利用といった観点から解説してきました。年々減少していっているといわれる日本の農地ですが、だからこそ需要の拡大が試みられており、売却には有利であるということもできます。特に都道府県や農林水産省といった大規模な公的機関が、農耕地の整備・有効活用を促進していることは注目に値します。農地は現代においても、需要のある用途用地であるといえるでしょう。

農地の売却を考えている方は、こういった公的機関の動向や周辺の農業環境の推移なども視野に入れ、前向きに検討していただければと思います。

*参考:国土交通省 国土利用の現状(データ)
   :国土技術研究センター
   :関東農政局
   :農林水産省 土地取得にかかる基礎知識
   :国税庁 土地の地目の判定‐農地

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
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