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最終更新⽇時

2025/11/21

損益通算について徹底解説〜自宅売却の損失の対応と税金対策〜

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

損益通算とは?基本概念と計算方法を徹底解説

「損益通算」とは、異なる所得の赤字と黒字を相殺する計算方法です。具体的には、赤字の所得を他の所得の黒字と合わせて計算し、税金を算出します。

所得の計算は、1年間の収入金額から、必要経費を引いて計算します。
計算結果がプラスであれば黒字、マイナスであれば赤字ということになります。黒字になった場合に税金がかかるのですが、所得税の場合は少し話が複雑になってきます。
所得税の計算では、所得を給与所得、事業所得などと10種類に区別して計算しているのです。その結果、給与所得は黒字だけど事業所得は赤字だった、というケースもあります。この場合は「損益通算」でけ計算し、赤字の事業所得と黒字の給与所得を合わせて計算し税金の計算をします。

損益通算の基本:対象となる所得とは?

損益通算は、すべての赤字が相殺できるわけではなく、対象となる所得は限られています。
赤字を他の所得と損益通算できるのは、以下の4種類です。

1つ目は「不動産所得」で、土地や建物の貸付による所得。

2つ目は「事業所得」で、各事業所を営むことによる所得。

3つ目は「譲渡所得」で、建物、土地、株式、ゴルフ会員権などの資産の譲渡による所得(ただし、不動産や株式には制限があります)。

4つ目は「山林所得」で、山林の伐採や譲渡による所得です。

損益通算できない所得とは?注意が必要なケース

不動産所得で赤字の場合、損益通算ができないケースが2つあります。1つ目は、別荘など、主として娯楽や趣味、保養または鑑賞の目的で所有する不動産の貸付に関するものです。2つ目は、不動産所得の計算上、必要経費に含めた土地の取得にかかる負債の利子部分で、これは収支内訳書や青色申告決算書の1ページ目に記載されている部分です。

譲渡所得の損益通算制限:どのような場合に通算できないのか?

建物や土地、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生じる所得は「譲渡所得」と呼ばれます。譲渡所得の中でも、以下の3つのケースでは、他の種類の所得と損益通算することはできません。

①生活必需品以外の資産

  • 競走馬、その他射こう的行為(一般的にはパチンコ、競馬、競輪、競艇や宝くじの購入)の手段となる動産
  • 主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産別荘など
  • 主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産
  • ゴルフ会員権など
  • 生活の用に供する動産で、1個又は1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨とう等

②確定申告分離課税の株式や投資商品

  • 申告分離課税の株式等の譲渡で赤字が出た場合でも、原則として株式等の譲渡以外の所得と損益通算することはできません。さらに、株式等の中でも、上場株式等と一般株式等の間では原則として損益通算することはできません。

なお、申告分離課税とは確定申告で所得税を計算する際に、一定の所得については他の所得と別計算で税額を計算する方式のことをいいます。(一方で、事業所得や給与所得など、各所得を合計して所得税を計算する方式を総合課税といいます。)

ただし、上場株式等に係る赤字については、上場株式等の配当所得や利子所得と損益通算することが可能です。また、上場株式等の赤字は3年間繰越して控除を受けることができます。

③土地や建物の譲渡所得

土地建物等の譲渡で赤字が出た場合でも、原則として土地建物等の譲渡以外の所得と損益通算することはできません。ただし、マイホームの譲渡で一定の場合には損益通算できる特例があります。また、他の所得の赤字を土地建物等の譲渡による黒字と損益通算することもできません。

山林所得の赤字で損益通算できない場合

山林所得は、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得をいいます。
ただし、山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合は、山林所得ではなく事業所得か雑所得になりますので、事業所得の場合は赤字を損益通算でき、雑所得の場合はできないということになります。

また、山林を山ごと譲渡する場合の土地の部分は、土地等の譲渡所得になりますので、赤字は損益通算できません。
上記で挙げた不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得以外のもので、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得、一時所得、退職所得については、赤字になったとしても、他の種類の所得と損益通算することはできません。

なお、同じ種類の所得内での損益通算は可能ですが、一定のものについては相殺の対象が限定されます。
申告分離課税の先物取引に係る雑所得等(FX取引など)の赤字は、先物取引に係る雑所得等以外の所得と損益通算することはできません。
ただし、赤字については3年間の繰越控除を受けることができます。

引用:弥生│確定申告お役立ち情報

損益通算が可能な所得一覧

  • 不動産所得の損失・事務所所得の損失・譲渡所得の損失・山林所得の損失

損益通算ができない所得

  • 配当所得の損失・利子所得・給与所得の損失・退職金の所得・一時所得の損失・雑所得の損失・非課税所得の損失・生活に必要でない資産の所得の計算上生まれた損失(マイホームに対しては特例あり)・株式等の譲渡所得の損失・先物取引の雑所得の損失

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損益通算の注意点:理解しておくべき重要ポイント

損益通算は、黒字の所得と赤字の所得がある際に使用する計算方法です。そのため、基本的なルールがある計算方法なのでメリットやデメリットは存在しません。
しかし、納税者が選択できる特例については、メリットとデメリットを理解して検討しなければなりません。

場株式等の損益通算:計算方法と特例

上場株式などの譲渡所得については、特定口座で「源泉徴収あり」を選択すると確定申告不要とすることができます。
複数の口座があり、赤字の口座と黒字の口座がある際は、確定申告をすることで通算することができます。また、上場株式等の配当所得についても源泉分離課税を選択すればことらも通算のすることができます。
メリットとしては、赤字になった分だけ譲渡所得が減ります。そのため、源泉徴収された税額が還付されます。通算して赤字が残ってしまった場合には、譲渡損失の繰越控除制度も受けることができます。

上場株式などの譲渡所得を損益通算して黒字になった場合はデメリットになる場合があるので注意が必要です。特定口座で確定申告不要としている場合は、上場株式などの譲渡所得の黒字は国民保険の計算に反映されませんが確定申告で譲渡所得を申告した場合にはその計算は対象に入ります。そのため、損益通算をすることで還付される税金より保険料の方が上がってしまうことがあります。窓口負担が増えてしまう高齢者の方は注意が必要です。

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自宅売却で損失が出た場合の対処法と税制特例

次にここでは、マイホームを売った際に損失が出てしまった場合にどうすればいいのかについて書いていきたいと思います。
マイホームを令和3年12月31日までに売却して、新たにマイホームを買った場合に、前のマイホームの譲渡による損失が出てしまった時は、一定の要件を満たすと譲渡損失はその年の事業所得や給与所得などの他の所得から控除することができます。
また、控除しきれなかった譲渡損失は翌年以降3年内に繰越して控除することができます。

対象となる人は、マイホームを売却して譲渡所得が発生した方で新たにマイホームを買った人です。以下の要件のすべてを満たすことが必要です。

マイホーム売却時の損失控除の条件と適用要件

  • ①1998年1月1日から2023年12月31日までに譲渡の年の1月1日現在において、土地建物の所有期間がいずれも5年を超えていること
  • ②譲渡した年の前年の1月1日から譲渡した年の翌年12月31日までの間に、住居を買い換えること
  • ③取得をした年の翌年12月31日までの間に居住の用に供した、あるいは供する見込みであること
  • ④資産の譲渡にかかわる損失が生じていること
  • ⑤買い換え資産を取得した年の年末、または繰越控除の特例の適用を受けようとする年の年末において、「買い換え資産」にかかわる住宅ローン(償還期間10年以上)があること

譲渡資産に関する要件と注意点

  • ①譲渡する年の1月1日において所有期間が5年を超える住居
  • ②①の家屋でその個人の居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるもの
  • ③譲渡する個人の(1)の家屋が災害により滅失した場合においては、その個人が家屋を引き続き所有していたら譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えることとなる、その家屋の敷地の用に供されていた土地等(ただし、災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る)

買い換え資産に関する要件と特例の内容

  • ①居住用の床面積が50㎡以上であるもの
  • ②独立部分を区分所有する場合は、その床面積のうち、居住の用に供する部分の床面積が50㎡以上であるもの

適用除外項目とその影響

  • ①損益通算をしようとする年の前年以前3年以内に他の居住用財産の譲渡損失について損益通算の特例の適用を受けている場合
  • ②譲渡した年の前年または前々年において行った資産の譲渡について以下の特例の適用を受けている場合
  • ③譲渡した年またはその年の前年以前3年以内に3-1「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例」の適用を受けている場合・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
    ・居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除(2-1の特例)
    ・特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例
    ・特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例
  • ④譲渡損失が生じた年の翌年以後3年以内の各年分のうち、合計所得金額が3,000万円を超える年分については繰越控除の対象外(損益通算の特例は利用可能)

特例の内容

  • ①譲渡損失について、給与所得などの他の所得との損益通算が可能
  • ②翌年以後3年以内の各年分の総所得金額の計算上、譲渡損失を一定の方法によって繰越控除することが可能

なお、適用期限は2023年12月31日の譲渡までで、適用を受けるには必要書類をそろえて、確定申告する必要があります。また、住宅ローン控除との併用が認められています。
引用:https://www.fudousan.or.jp/tools/tax/sale03.html

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損益通算に関する専門家への相談の必要性と方法

損益通算の計算は、赤字と黒字がある場合に使用する計算方法です。単純に計算する場合は簡単ですが、所得の種類によっては赤字を切り捨てたり、特例が出てくる場合が必要です。費用はかかってしまいますが、税務署や税理士などに相談することで安心が得られると思います。

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損益通算まとめ:重要ポイントと役立つ情報

数十年前、「バブル時代」と呼ばれていた頃は、不動産を持っていれば、価値は段々とあがり、売ると、利益が相当出て、儲かる話となっていました。
しかし、バブル景気は終わり、次々に来る不況と、物価の値上がりとそして人口の減少ということから、不動産の価値は購入した時と売却した時では、さほど変化はなく値上がりすることはほとんどありません。物件周辺が再開発により、便利になったことにより、土地の値段が大きく上がっていれば、話は別ですが、ほとんどの物件は、時間が経つにつれて価値が、下がっていきます。
今回は損失を少なくするために税制面での優遇処置を記事にしたので参考になればと思います。

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