底地の処分はどうすればいいか?売り方や注意点などを徹底解説!

今回は底地の処分について紹介していきます。底地を相続したけど売買したいかたや、不動産投資の一環で購入したけどやっぱり売りたいというかたには読んでいただきたい記事になっています。
Contents
底地の処分とは
底地の処分とは端的に言えば、底地を売却することを指します。底地を売却することで不要な底地を処分しつつ、現金化することができます。しかし底地は借地権が設定されている土地のため、購入者は土地を自由に利用することができません。そのため底地は通常の土地よりも購入希望者が少なく、売却先が決まりにくいです。底地を売却するにはしっかりとした準備をする必要があります。
底地を売却する手段は4つある!
では次に借地権を売却する方法について紹介していきます。
売却方法は主に4つです。
借地人に売る
借地人に底地を売却するという選択肢が一番うれしく、メリットのある売却方法です。底地を借地権者に売却すると、借地権者は地代や更新料、承諾料などを支払う必要がなくなります。また底地が売却されることで、借地権者は底地を自由に利用することができます。たとえば建物を建て替えたり、増改築したり、売却したりすることができます。
底地は土地と建物の所有者がわかれています。権利関係が複雑のため、ローンは組みにくいです。しかし売却することで借地人のみの土地になるため、借地権者が土地の購入資金のローンを組みやすくなります。これは金融機関が借地権者を借地人ではなく、土地と建物の完全所有者として評価するためです。そのため借地権者は、底地を借地権者から購入する際に、金融機関からローンを受けやすくなります。
第三者へ底地を売却
底地を第三者に売却する場合、地代を収入源として購入する投資家がターゲットとなります。しかし地代収益が低い場合、投資家は土地の固定資産税や都市計画税などの支出を差し引いた利回りを考慮します。そのため地代収入が多く、支出が少ない底地の方が投資家から好まれます。
底地のメリットは、維持管理費がマンションや戸建て投資に比べて少ないことです。マンションや戸建て投資では、建物の修繕費や管理費がかかりますが、底地では土地を借りているだけなので、これらの費用はかかりません。そのため底地投資は、初期費用が抑えられ、長期的に収益を上げやすいというメリットがあります。
また底地は借地権者が土地を借り、そこに建物を建てて住むため、20年、30年以上の安定した地代収入を得ることができます。これはマンションや戸建て投資では、借り手が退去したり、建物が老朽化したりした場合に、家賃収入が減少する可能性があるため、底地投資に比べてリスクが高いと言えます。
また一般的な不動産投資物件は空室率が悪い分損をします。しかし底地は借地人と長期的な契約を結ぶため、空室率の心配がほとんどありません。
底地も借地権も同時に売る
底地と借地権を同時に売却することで、購入者は土地をまるごと得ることができます。これは底地を単体で売却した場合よりも多くの利点があります。
底地を単体で売却した場合だと、購入者は土地の上に建っている建物の所有権は取得できません。そのため査定面で低く評価され、高く売ることは難しいです。
一方底地と借地権を同時に売却した場合、購入者は土地と建物の両方の所有権を取得することができます。そのため建物が老朽化したり、借地権者が退去したりした場合でも、土地を売却することで利益を得ることができます。
しかし底地と借地権を同時に売ることは簡単にはできません。借地権は底地の所有者ではなく借地人が持っているため、借地人の同意が必要になります。
底地の専門業者に依頼し売却する
底地は普通の不動産業者に依頼してもなかなか売却が難しいものです。しかし底地専門の業者に依頼すると、売却する際に生じる手間が省け、買取金額も高くなるケースが多いです。
また底地の活用や売却実績を持っている不動産業者に依頼すると、通常よりも速く土地の査定を行うことが可能になります。
底地の処分をすぐにでもしたい方や、個人間で交渉などをするのが億劫なかたはこの方法が一番良いと考えられます。
底地処分で注意して欲しいところ
底地は先述した通り、土地の所有者と建物の所有者が違います。そのため底地売却はトラブルが起きやすいです。このようなトラブルを未然に防ぐために、いくつか注意して欲しい点があるため、紹介していきます。
売却する際に事前に借地人に報告を行う
底地を売却する際、借地人に言うべきかどうか悩む人は多いです。しかし法律的には借地人に同意を求めることや、事前通告はしなくても大丈夫です。
理由としては底地の売却は、地主の権利を売却するものであるため、借地権者の権利に影響を与えるものではないためです。ただし借地権者とのトラブルを避けるために、事前に借地権者に売却する旨を伝えておくことをオススメします。
底地を共有している場合は全員の同意をとる必要がある。
底地を相続した場合、兄弟や親戚などと一緒に相続することがあります。この場合1人が売却をしたいと言っても、共有者全員の同意がないため売ることができません。底地は共有物であるため、共有者の意思はすべて尊重されなければならないからです。
底地を共有名義で所有していると、税金の費用や管理費の支払いなどについてトラブルが起こりやすい傾向にあります。そのため共有名義の底地を売却したい場合は、できるだけ早く共有状態を解消することが重要です。
共有状態を解消する方法としては、他の共有者から共有持分を買い取る、または共有者全員で共有持分を売却するなどがあります。共有持分を買い取る場合は、他の共有者との交渉が必要となりますが、共有持分を売却する場合は、仲介業者に依頼することができます。
共有状態を解消した後、底地を単独名義で売却することで、売却手続きをスムーズに進めることができます。また売却価格も高くなる可能性があります。
底地を共有名義で所有している場合、他の共有者の同意を得なくても、自分の共有持分は売却することができます。そのため他の共有者や専門の買取業者に共有持分を売却して、共有状態を解消することができます。
そのため底地を共有名義で所有している場合は、自分の共有持分を売却して、共有状態を解消することを検討してみてください。
底地を売却し利益が生じた場合、譲渡所得税の納税義務が生じる
所有している土地、建物、株式、貴金属などを売って得た利益のことを、「譲渡所得」といいます。譲渡所得には所得税と住民税がかかります。これらの税金を総称して「譲渡所得税」と言うこともありますが、正式名称は「所得税」と「住民税」です。
譲渡所得税は以下の計算式で求めます。
譲渡所得税={売却価格-(取得費+売却にかかった費用)}×税率
譲渡所得税率はその土地をどのくらいの期間持っていたかによります。
不動産の所有期間が5年超の場合(長期譲渡所得):所得税:30.63%、住民税9%
不動産の所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得):所得税:15.315%、住民税5%
底地の売却価格の相場と計算方法を知ろう!
底地の価格は、更地の時価から借地権の価格を差し引いた金額が一般的です。更地の時価とは、実際に市場で取引が成立した価格を基に、その時々で算出される価格です。
不動産は全く同じ土地というものは存在しません。そのため時価はその地域の評価や利益が見込まれるか、その時代の景気など評価指標は物件によってさまざまです。また立地条件や建物の築年数、周辺の環境などによっても、時価は大きく異なることがあります。
売却価格相場の計算方法が一つあるため、紹介していきます。
底地を路線価から求める
この方法は、財産評価基準による評価ともいわれます。この方法は主に相続税や贈与税を計算するときに使用されます。
また財産評価基準による評価では、路線価と借地権割合を参考に、底地の価格と借地権の評価額を求めることができます。
借地権は土地を借りる権利です。この権利は相続税や贈与税の計算においては、一定の評価を付与する必要があります。
借地権の評価額を算出することで、相続税や贈与税を正確に計算することができます。
路線価の見方と底地の計算方法
国税庁のホームページから見ることが可能な路線価図には、土地に含まれる借地権の割合が記載されています。借地権割合は、路線価図に記載されているA、B、Cなどのアルファベットによって表されます。
A = 90%、B = 80%、C = 70%、D = 60%、E = 50%、F = 40%、G = 30%
借地権割合は、土地の立地条件や借地契約の条件によって異なります。
例として挙げると、路線図に「300B」という数字があったとします。路線図に書かれている数字は一平方メートル辺りの路線価は千円単位です。そのため300とありますが、実際は30万円となります(300×1000)。このことから、路線価と借地権割合が求められます。
まず路線価と奥行価格補正率を掛けて、地積で割ると、自家用地の評価額を計算することができます。
そして、自家用地の評価額に借地権割合を掛けると、大まかな土地の借地権評価額を算出することができます。
具体的には、以下のような計算式になります。
自家用地の評価額 = (路線価 × 奥行価格補正率) × 地積
借地権評価額 = 自家用地の評価額 × 借地権割合
計算例をだすと、路線価が100万円、奥行価格補正率が0.9、地積が100平米の場合、自家用地の評価額は900万円となり、借地権評価額は720万円となります。
このように一応調べることは可能ですが、かなり時間がかかってしまいます。そのため次の方法をオススメします。専門業者に依頼し、売却を査定してもらうことで、スムーズに価格を知ることができます。
また査定するだけで売却しないという方法も取れますので、今すぐ売る気がない人にも安心です。
最後に底地の売却価格の相場についてですが、先述した通り売却先は借地人、投資家などの第三者、専門業者となります。
借地人は多くの使用料を払っており、負担が多いため、底地の権利を買うことはメリットが多いです。そのため借地人に売却する際は高く買ってもらうことが多いです。
しかし権利関係にない第三者に底地を売却する場合、底地を活用できるケースが少ないため、買主がみつからず売却自体が難しいという問題があります。
そのため不動産買取業者に底地を売却することがほとんどとなります。
専門の業者は、底地をすぐに買い取ってもらえますが、売却価格は更地価格の10~15%ほどの値段になることが多いです。
このことから、高く売りたい場合は借地人に売却をしてもらうよう促し、素早く売りたい人は専門業者に依頼することをオススメします。
まとめ
今回は底地の売却について詳しく紹介していきました。底地の売却については権利関係が複雑なため、個人のみでやるには多くの時間と不動産に対する知識が必要です。そのため売却する際には専門業者に依頼を行いましょう。
いかがでしょうか。この記事を参考にして、底地の処分を検討してみていただけたらと思います最後までお読みいただきありがとうございました。