マンションの外廊下と内廊下はどちらを選ぶべき?メリット、デメリットを解説!
マンションを選ぶ際に重要視する点はどこでしょうか。部屋の広さや間取り、キッチンやお風呂などの設備を重要視する方が多いでしょう。
部屋の広さや間取りは非常に重要ですが、マンションの共用廊下にも注目してください。
共用廊下は外廊下でも内廊下でもどちらでも同じだと考える方もいるかもしれません。しかし共用廊下が外廊下なのか内廊下なのかによって、防災面や防犯面などのメリット、デメリットが異なります。
部屋と同様に毎日使う部分になりますのでメリット、デメリットを把握して自分に合ったマンションを選びましょう。
Contents
外廊下の特徴
外廊下とは、建物の外側にある廊下のことです。玄関を開ければすぐに外に出られるようになっており、外の廊下が露出しているので、開放廊下と呼ばれることもあります。
外廊下のマンションは、多くの部屋が同じ方向を向いていることが特徴です。たとえば、外廊下が北側にある場合は、部屋は南向きになっています。
多くの部屋が同じ方向を向いているので、南向きの部屋は価格が高く、西向きの部屋は価格が安いなどの価格差が生じないことや、日当たりの条件などが同じことがあります。
築年数が経っているマンションに採用され、比較的安価な物件が多くあることが特徴です。
内廊下の特徴
内廊下とは、建物の内側にある廊下のことです。廊下が建物内にありますので、玄関を開けても屋内です。中廊下と呼ばれることもあります。
ホテルの廊下のようなつくりで、廊下の左右に部屋があります。外廊下のマンションと比べて、部屋数が多いことが特徴です。
外廊下のマンションのように、すべての部屋が同じ方向を向いているわけではありませんので、価格差や日当たりの条件などが異なります。
マンションの中には、内廊下を間接照明などを使用してラグジュアリーな雰囲気を出しているところもあり、高級感のあるマンションや高層マンションに多く採用されています。
外廊下のマンションと比べて価格が高めであることも特徴です。
外廊下のメリット、デメリット
前項では、外廊下と内廊下の特徴をそれぞれ解説しました。ここでは外廊下のメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
メリット
外廊下のメリットは、通気性の良さが挙げられます。廊下が外にあるので湿気やニオイがこもることはありません。
外気にさらされているので、新型コロナウイルスや、インフルエンザなどのウイルス対策にも効果的です。
マンションの住人しか通らない場所ですが、多くの住人が歩く廊下のウイルス対策は重要でしょう。
外廊下が通気性に優れていることはもちろんですが、部屋の換気に対しても外廊下は有効です。外廊下側の部屋に設置されている窓と、バルコニー側の窓を開放することで、風の通り道が生まれ、部屋の換気を効率的に行えます。
部屋の明るさが取れることも、外廊下のメリットのひとつです。外廊下があれば、外廊下側の部屋に窓をつけられますので、採光が可能になります。
角部屋であれば3面から採光が可能になり、角部屋でなくても2面から採光が可能です。日中は電気ではなく、太陽光で過ごしたい方におすすめです。
昼間は廊下の電気が不要であることも省エネルギーになり、環境に対してもメリットがあるでしょう。
マンションを管理していく上で重要になる、コスト面でも外廊下は安く抑えられます。外廊下は外にあるので、壁が不要です。壁がないのでメンテナンス費用がかかりにくく、管理コストが抑えられます。
修繕積立費も抑えられるので、大規模修繕費用が足りないというリスクを回避しながら、家計の負担が減ることもメリットでしょう。
デメリット
外廊下のデメリットは、外気にさらされているので天気の影響を受けやすいことが挙げられます。
雨や雪が降っているときは、風向きによっては外廊下に吹き込んでくる場合があるでしょう。玄関を開けてすぐに、傘をささなければならないこともあるかもしれません。
雨で外廊下が濡れてしまい、滑りやすくなっていることもありますので、注意が必要です。
さらに外気の影響も受けやすく、外廊下側の窓や壁から熱気や冷気が伝わりやすいデメリットもあります。室温の上昇や低下はもちろん、部屋と外の温度差で発生する結露の原因にもなってしまいます。
ポストがエントランスにあるマンションは、郵便物の確認のために部屋から移動しなければなりません。真夏日や真冬日にはエントランスに行くのも面倒に感じてしまうでしょう。
風で砂やホコリが運ばれ、外廊下が汚れてしまうこともあります。マンションによって掃除方法は異なりますが、大家さんが掃除する場合もあれば、清掃業者に掃除を依頼する場合もあるようです。掃除の頻度が少ないと、外廊下の汚れが気になってしまうかもしれません。
内廊下のメリット、デメリット
前項では、外廊下のメリット、デメリットを解説しました。ここでは内廊下のメリット、デメリットを解説します。外廊下との違いを比較してみてください。
メリット
内廊下のメリットは、天気の影響を受けにくいことが挙げられます。廊下が室内にあるので雨や雪が降っていても、傘をさすことなくエントランスまで行けます。
マンションによっては内廊下の空調が24時間完備されているところもありますので、マンション内は快適に過ごせるでしょう。
また、外廊下のように玄関を開けてもすぐに外に出られません。廊下側の部屋は外気の影響を受けにくい構造になっています。
部屋の壁から熱気や冷気が伝わりにくいので、真夏日や真冬日でも部屋で快適に過ごしやすくなるでしょう。
さらに廊下が外気にさらされておらず、天気の影響を受けにくいことは、廊下の床や壁が痛みにくいことにも繋がります。
外廊下のように雨風が吹き込むこともありませんので、劣化のスピードがゆるやかであり、砂やホコリで汚れにくいこともメリットです。
加えて内廊下にじゅうたんが敷かれていたり、間接照明があったりと、高級感のある内装も好まれるポイントでしょう。ホテルに住んでいるかのような気分にさせてくれます。
じゅうたんは高級感が出ることはもちろんですが、足音が響きにくいこともメリットです。住人の足音が気になって落ち着かないことや、自分の足音がうるさくないか気になってしまうことを防ぎます。
デメリット
内廊下のデメリットとして、湿気やニオイのこもりやすさが挙げられます。
マンションによっては、内廊下に窓が設置されていない場合がありますので、廊下の湿気やニオイが気になることもあるでしょう。
マンションには24時間換気システムの設置が義務付けられています。そのためまったく換気されないわけではありませんが、外廊下のように一気に空気を入れ替えられる通気性の良さはないでしょう。
また、部屋の通気性にも注意しなければなりません。廊下側に窓が設置できませんので、部屋を換気するときにはバルコニー側の窓だけを開けて換気をします。対角線上に窓がありませんので、通気性は劣ってしまうでしょう。
内廊下は、マンションの中心付近に作られることが多いので、太陽の光が届きにくく、昼間でも電気が必要です。
さらに空調が完備されていれば、その分電気代がかかり、管理コストがかかってしまいます。外廊下と違って、内廊下には壁が必要になりますので、建築コストもかかります。
もちろん修繕コストも多くかかりますので、修繕積立費が多くなってしまうこともあるでしょう。
防災面で優れているのは外廊下?内廊下?
防災面で優れているのは外廊下です。とくに火災時には、廊下に煙が充満しないことが大きなメリットでしょう。
火災は火炎よりも一酸化炭素中毒や、窒息が原因で命を落とすことが多くあります。内廊下の場合、通気性がよくありませんので煙が充満しやすく、視界が悪くなります。廊下からの避難が難しい場合は、バルコニー側に逃げるしかありません。
もちろん、安全面に十分配慮してマンションは設計されていますが、緊急時に廊下から避難できなくなってしまう可能性があることは、考慮しなければなりません。
外廊下であれば廊下は外にありますので、煙が充満することなく避難できるでしょう。避難経路も、廊下とバルコニーの2箇所を確保できます。
外廊下は外からも見えますので、助けを求める様子が伝わりやすいこともメリットです。
外廊下や内廊下にかかわらず、火災時の排煙対策や防火扉、避難経路を事前に確認しておくことは非常に重要です。
防犯面で優れているのは外廊下?内廊下?
防犯面で優れているのは、内廊下です。内廊下のマンションなら、エントランスに入ってしまえば、自分の部屋を特定されることなくマンション内を移動でき、帰宅可能です。
さらに内廊下のマンションは、外廊下のマンションと比べてグレードが高い傾向にあります。オートロックや防犯カメラが設置され、しっかりとした対策が取られているマンションが多く存在することが特徴です。
外廊下のマンションの場合、外から自分の部屋の玄関が丸見えです。帰宅時を監視されていれば、自分の部屋を特定されてしまうでしょう。
また、オートロックのあるマンションに住んでいたとしても、外廊下がある場合、1階の外廊下から直接入られてしまう可能性があります。
しかしながら防犯面に関しては、人によって考え方が分かれる項目です。内廊下は外から見えないことでプライバシーは守れるかもしれませんが、犯罪の死角が多くなります。
外廊下は外から丸見えですが、人の目が多くあり、不審者がいれば目立つでしょう。
自分がどのような設備があれば安心できるのかを考えて、マンションを選択することが重要です。
不審者や、ストーカーの被害が心配という方や、プライバシーを守りたいという方は、マンションの防犯も確認しましょう。
まとめ
マンションの外廊下と内廊下のメリット、デメリットを解説しました。マンションに求める条件は人によって異なります。
快適性を重要視するのか、防災面を重要視するのかは、住む方の性格や住む地域によって変わるでしょう。
マンションを決める際は、外廊下なのか内廊下なのかにも注目し、それぞれのメリット、デメリットを考慮して選択してみましょう。