タワーマンションの最適階数は?高層階と低層階の選び方
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タワーマンションの定義について
タワーマンションの定義は法律で明確にされておらず、一般的には高さが60m以上のマンションを指します。
高さ60mのマンションは約20階であるため、タワーマンションかどうかを判断するには階数を確認すると良いでしょう。
タワーマンションは超高層建築物に分類され、安全性や耐火性能、避難経路の確保などの審査を受け、国土交通大臣から認定されています。
そのため、タワーマンションでは安全性について十分に留意されながら建築されており、万が一の事態に備えてさまざまな工夫がされているケースがほとんどです。
タワーマンションでの理想的な階数は目的により異なる
タワーマンションでは、住む目的によって上層階でも低層階でも人によってはベストな階層になるでしょう。
しかし、どの階層に住むかについて決定するには、タワーマンション住民全員が受けられるメリット・高層階に住むメリット・低層階に住むメリットのそれぞれについて理解をしておかなければいけません。
また、中層階であれば高層階のメリット・低層階のメリット両方を受けられますが、どちらのメリットも半分程度の影響になると考えてください。
3つのメリットについて解説をするので、自分がどのような目的でタワーマンションに住むかを考える参考にしてもらえれば良いでしょう。
住民全員が受けられるメリット
1:共用施設やサービスが充実している
タワーマンションでは、一般的なマンションよりも共用施設が充実していて、トレーニングジムやラウンジ・ゲストルームなどさまざまな施設が併設されているのが特徴です。
どのような共用施設を併設しているかはタワーマンションによって異なりますが、基本的には住民全員が利用可能であり、事前に予約が必要なケースもあれば自分が好きなタイミングで使用できるケースもあります。
また、サービスも充実していてエントランスに設定されているフロントではコンシェルジュが在中していて、タワーマンション住民が快適に日常生活を送れるようにさまざまなサービスを提供しているでしょう。
タワーマンションによっては24時間コンシェルジュが対応してくれたり、共用施設の予約確認をしてくれたりとさまざまな業務に対応しています。
どのようなサービスを提供しているかはタワーマンションによって異なりますが、タクシーの手配や郵便物の受け取りだけでなく、クリーニングを依頼すれば自分でお店に行かなくてもフロントで対応してくれたりなどさまざまです。
共用施設やサービスについては入居をする前に確認ができるため、自分の趣味や生活リズムにあっている共用施設やサービスが整っている物件を探す方法もあります。
2:セキュリティが充実していて安全性が高い
タワーマンションでは多くの人々が住んでいるため、人の出入りが激しくセキュリティを充実させていなければ不審者の侵入を許すことにつながるでしょう。
不審者がタワーマンションに侵入できないようにセキュリティシステムには力が入れられているケースが多く、防犯カメラやセンサーだけでなくカギを持っていなければエレベーターが稼働できない物件もあります。
セキュリティシステムだけに頼らずに人の目で確認をするのも大切なので、フロントにいるコンシェルジュもセキュリティの役目を果たしているほか、特にセキュリティ意識が高いと警備員が定期的に見回りをしているなど安全性は高いです。
3:周辺環境が充実している
タワーマンションの多くは都心部など人が多い場所に建築されることが多く、周辺環境が充実しており、スーパーやコンビニなどの生活用品が購入できるお店から、病院や学校などの施設もあるケースは珍しくありません。
また、タワーマンションでは多くの人々が暮らしているため、最初は周辺環境が充実していなくてもタワーマンション住民をターゲットとして施設が集まってくる可能性も高いです。
そのため、遠くまで出かけなくてもタワーマンション周辺で生活に必要になるものは揃うことから、利便性が高いといえるでしょう。
物件にもよりますが最寄駅から直結されている場合もあり、雨の日などでも駅から濡れずに帰れるなどのメリットも挙げられます。
高層階のメリット
1:眺望が良く遠くまで見渡せる
タワーマンションの高層階は周辺の建物が少なく、眺望が優れ、夜景を楽しみながら食事ができるのが魅力です。
低層階ではまだまだ周辺に建物が多いことから、眺望は一般的な住宅と大きな差がないケースが多いといえるでしょう。
高層階に住みたいと考えている人の多くは、眺望の良さに惹かれている部分があり、毎日眺望の良さを味わいながらの生活ができます。
加えて周辺の建物がなくなるということは、部屋の中を覗かれる心配がなくなって、カーテンなどを設置しなくても十分にプライベートを守ることが可能です。
結果として、カーテンが邪魔で眺望が悪くなっていると感じているなら、カーテンを外して生活をしても問題ありません。工夫をしながら眺望を楽しむ方法を自分なりに見つけて、毎日の生活に美しい景色を取り入れるのがおすすめです。
どれくらいの眺望が確保されているかについては、内見をする際などにさまざまな時間の眺望を見てみるのが良いといわれています。
2:騒音が少なく落ち着いて生活ができる
一般的な住宅では道路などと距離が近いため、車の走行音や人の話し声などがどうしても聞こえてしまって気になる方も多いでしょう。
タワーマンションでも低層階では騒音が気になることがあり、高層階の方が騒音が少なく、落ち着いて生活できます。
しかし、高層階であれば道路などからの距離も遠く、近隣の建物からの騒音も聞こえないので落ち着いて生活ができます。
在宅ワーカーなどで日常的に家に居る時間が長いなら、騒音を気にせずに生活ができる高層階がおすすめです。
他にも、虫が部屋の中に侵入してこないため、さまざまな面から考えても在宅ワーカーなどが仕事する際の邪魔になる要素を大きく抑えられます。
低層階のメリット
1:利便性が高く災害時なども対応がしやすい
低層階であればタワーマンションから外に出るための時間が短く、思い立ったタイミングでスーパーやコンビニなどにも気軽に行けるでしょう。
高層階に住んでいると、エレベーターを待っている時間が長くなるのに加えて、忘れ物をした際には部屋まで取りに戻るのも大変なため、外出をするのが億劫になってしまうケースも珍しくありません。
また、災害によってタワーマンションの外に逃げなければならなくなっても、低層階であれば自分で階段を下りて避難が可能です。
小さな子供や足腰が弱っているご年配の方がいる世帯では、万が一の場合に備えて高層階ではなく低層階に住むのが良いでしょう。
タワーマンションが停電をしたとしてもエレベーターでの移動が階段になるだけで、大きな影響を感じずに日常生活が送れるのも大きなメリットです。
2:高層階よりも低価格で購入ができる
一般的にタワーマンションでは高層階ほど価格が高く、低層階は価格が安く設定されています。
とくに、タワーマンションでは最上階と1階では階数に大きく違いがあるため、物件によっても変わりますが最大で数百万円から数千万円価格の違いがあるのも珍しくありません。
しかし、低層階であってもタワーマンション住民が全員受けられるメリットは受けられ、共用施設の使用や充実した周辺環境などが目的でタワーマンションを購入するなら低層階でも十分といえるでしょう。
人によっては高層階に住んでしまうと災害時の避難が遅れたり、外出のためにエレベーター待ちの時間が長くなったりを避けるために低層階を希望するケースもあります。
中層階:バランスの取れたメリット
タワーマンションでは高層階と低層階の他にも中層階が存在していて、高層階のメリットと低層階のメリットの両方を得られる反面、どちらのメリットも最大限まで得られるわけではありません。
例えば、眺望も低層階に比べると良いですが高層階と比べると劣っていて、高層階と比べると低価格で購入できますが低層階と比べると高くなります。しかし、どちらのメリットも受けられるのが中層階の魅力であり、ある程度の眺望は欲しいけれど価格は抑えたいと考えている場合などにはおすすめです。
タワーマンションの中層階は一般的なマンションの最上階よりも高いことが多く、20階建てのタワーマンションでは、中間の3割で階数を考えると9階から14階くらいまでは中層階になります。
タワーマンションで階数に関わらず備えるべき災害対策
タワーマンションでは階数に関わらず、災害時に備えることが重要です。災害発生時には近隣環境が麻痺する可能性もあるため、備えが必要です。
そういった事態の対応策として普段から災害時用の水や食料などは確保しておいて、場合によっては住民同士で助け合いをしなければいけません。
特に高層階に住んでいる場合、停電や断水でエレベーターが使えなくなると、多くの階を階段で上り下りする必要があるため、水や食料の確保が重要です。
そのため、確保ができても部屋まで運ぶのに大きな労力がかかるため、数週間分の水や食料は確保して最低限の生活を維持できるようにするのが大切です。
体調や身体の状態によっては部屋まで水や食料を運ぶのが困難になるのも想定して、すぐに取り出せる場所などに災害時の蓄えを準備しておきましょう。
タワーマンションでの最適な階数選びのポイント
タワーマンションの最適な階は個人のニーズによって異なります。眺望を重視するなら高層階、共用施設や周辺環境を重視するなら低層階が適しています。
具体的にどこの階がベストということはなく、住みながらどのようにして自分の環境をベストなものに変えていくかが重要です。
タワーマンションの購入を検討しているなら、自分がどのような条件を求めているかについて整理をしてください。
そして、自分が求めている条件を確認して高層階が良いのか・中層階が良いのか・低層階が良いのかについて最終的な判断をしなければいけません。
自分にとっては何階がベストになるかを考える必要がありますが、現在だけでなく将来的に子供ができた場合などのさまざまなケースを想定して考えるのがおすすめです。