戸建てとマンションはどちらがいい?住み心地や維持費を徹底比較

マイホームの購入を検討している方にとって、「戸建てかマンションか」という選択肢は大きな悩みどころです。

「マンションを買いたいけど、管理費や修繕積立金が高いって本当?」

「子どもがいるから戸建てにしたいが、防犯や耐震性が心配……」

戸建てとマンションには、それぞれメリット・デメリットがあります。また、風通しの良さやセキュリティ設備など、何を重視するかによっても選ぶべき物件は変わるでしょう。この記事では、戸建てとマンションの違いをさまざまな観点で比較します。マイホーム購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

戸建てとマンションの違い

戸建てとマンション、それぞれの特徴

まずは、戸建てとマンションにはどのような違いがあるか見てみましょう。次の表は、それぞれの特徴をまとめた一覧表です。

 戸建てマンション
立地エリア駅から離れるにつれ物件が増えていく繁華街や駅周辺に近い物件が多く、商業施設などの近くに居住可能
風通し・日当たりの良さすべての方角に窓を設置できるため、風通し・日当たりともに優れた物件が多い窓の向きや数が限られるほか、部屋数によって異なる
セキュリティ公道と面していることから、十分なセキュリティ対策が必要となるエントランスと玄関の二重セキュリティとなっているため充実している
騒音建物が独立しているため物件内での騒音はないが、車のエンジン音など外部の音は入ってきやすい外の音は遮断できるものの、上下階の部屋から物音が響く物件も存在する
管理者管理会社には委託せず、所有者がすべて管理する必要がある管理費を支払うことで、ごみ出しや清掃・修繕作業を管理会社に委託できる
リフォームの可否自由にリフォーム可能規約により制限されるケースがある
資産価値耐用年数は短いものの、土地の価値は残る耐用年数が長く、価値はゆっくりと下落していく
維持費およそ15年に一度、外壁塗装や防水工事が必要となる修繕積立金と管理費が月々2~3万円ほどかかる

戸建てとマンション、それぞれのメリット・デメリット

次に、戸建てとマンションのメリット・デメリットをそれぞれ見てみましょう。

〈戸建てのメリット・デメリット〉

メリットデメリット
完全なプライバシーを確保できるセキュリティ設備に不安が残る
修繕積立金や管理費が不要水回りの動線が複雑になりやすい
騒音を気にすることなく生活できる所有者がすべての管理を行う必要がある
近隣住民との交流を深められる立地条件が悪い物件がある

戸建ては建物が独立しているため、マンションに比べるとプライバシーが確保されます。生活音を気にする必要もありません。また、自由にリノベーションやリフォームができることも大きなメリットです。近隣住民との交流も深めやすいため、小さな子どもがいる家庭などは安心して暮らせるでしょう。

マンションのメリット・デメリット

メリットデメリット
セキュリティ設備が充実している専有面積が狭い
立地条件のいい物件が多いリノベーション・リフォームに制限がかかる
建物の清掃や修繕を管理会社に委託できる住宅以外にかかる費用が高い
水回りの動線をまとめて配線できるプライバシーや生活音に配慮が必要

マンションは繁華街や駅周辺に建っていることが多いため、立地条件が良い物件が多いです。好条件の物件ほど価格は高くなりますが、利便性を重視する方は住みやすいでしょう。また、一般的な戸建て住宅と違い、オートロックや監視カメラなどのセキュリティシステムが充実している点も魅力の1つです。

戸建てとマンションの住み心地

戸建てとマンションとでは、住み心地がいいのはどちらでしょうか。ここでは、住み心地を判断する要素を「敷地面積」「風通し・日当たり」「設備」「セキュリティ・耐震性」に分けて考えてみましょう。

敷地面積

同じ予算で戸建てとマンションを購入する場合、敷地面積にはどのような違いが生じるのでしょうか。ここでは、予算3,000万円で購入した戸建てとマンションを比較します。

予算3,000万円で購入できる中古マンションは、敷地面積60~80平米未満が最も多い割合を占めます。一方、同額の戸建ての場合は敷地面積80~100平米未満または100平米以上が主流です。つまり、敷地面積の広さで物件を選ぶのであれば、戸建ての方が優れていると言えるでしょう。また、敷地面積だけでなく空間や間取りをうまく活用できているかどうかも、物件を見極めるポイントとなります。

風通し・日当たり

マンションは建物の構造上、部屋ごとの窓の数や方角が制限されてしまいます。一方、戸建てはすべての方角に窓を設置できる上、数の制限もありません。そのため、風通し・日当たりの良さで物件を選ぶのであれば、戸建ての方が優れていると言えるでしょう。ただし、マンションでも中高層階であれば、周囲に障壁となる建物がないため、戸建て以上の風通し・日当たりの良さを期待できます。

設備

設備に関しては、戸建て・マンションいずれも有料でさまざまなオプションを付けられます。

その種類も、年々幅広くなってきています。近年では、複層ガラスを利用した高断熱物件や宅配ボックスなど、マンション特有の設備が一戸建てにも採用されるようになりました。ただし、どのような設備であっても、一戸建ては所有者が設備費用を負担しなければいけません。一方で、マンションは物件によってゲストルームが共用部に付いていたり、無料インターネットが完備されていたりします。入居と同時にオプション設備を無償で利用できるのは、マンションの大きな魅力と言えるでしょう。戸建て・マンションの設備に関する特徴をまとめると、次のようになります。

戸建て

オプション設備を自由に取り付けられるが、費用は所有者が負担しなければならない

マンション

無償で利用できるオプション設備がある一方で、マンションの規約上、自由に設置できない設備も存在する

また、人気の高い設備には次のようなものがあります。

食器洗浄乾燥機家事の労力と時間を大幅に削減できる。また、節水・節電機能に優れた商品も多く開発されている。
床暖房エアコンやストーブと違い、快適な湿度を保ったまま部屋を暖められる。リビングに標準仕様が多い。
ディスポーザー生ごみなどを粉砕してそのままシンクに流せるため、ごみ捨ての労力と時間を大幅に削減できる
浴室換気乾燥機暖房や換気ができるため、浴室に窓が設置されていない場合に有効。また、雨の日の洗濯乾燥にも活用できる。
複層ガラス2枚のガラスを重ねることで、窓の断熱性を高められる。外気の影響を受けにくいため、室温の維持に有効。

セキュリティ・耐震性

多くの巨大地震を踏まえ、建物の耐震基準は1981年に「旧耐震基準」から「新耐震基準」へ見直されました。そのため、戸建てもマンションも、築40年以内であれば震度6強~7ほどの耐震性の高い構造で建てられています。それ以前に建てられた物件でも、改修工事を終えていれば問題ないでしょう。

特に、マンションでは耐震構造だけでなく、災害発生時の備蓄倉庫や自家用発電などの設置も進んでいます。そのため、災害対策の性能・設備においてはマンションが優れているでしょう。しかし、地震発生時に重要なのは「すみやかに外へ逃げて建物から離れること」です。マンションの高層階に住んでいる場合、地上へ降りるまでに多少のリスクが発生します。一方、戸建てはすぐに外へ出られるため、「地震発生時の身の安全」という点では優れているでしょう。

セキュリティ面では、戸建てもマンションも年々システムが強化されています。マンションではオートロックが当たり前と言われるほどです。物件によっては、24時間体制でエントランスに警備員を配置しているケースもあります。また、駐車場やエレベーターの監視カメラも必要不可欠な設備です。これらが当たり前とされているマンションに比べると、戸建てはすべての設備を自費で賄う必要があります。

また、国内で過去に侵入窃盗が発生した場所の割合は次のようになります。

発生場所割合
戸建て住宅34.5%
中高層住宅(4階建て以上)7.8%
その他の住宅15.5%
飲食店12.4%
会社・事務所10.5%

戸建てとマンションの維持費

戸建てとマンションの維持費には、どのような違いがあるのでしょうか。まずは、共通して必要な維持費を見てみましょう。

共通の維持費

戸建てとマンションの両方に必要な維持費には、「固定資産税」と「火災保険料」が挙げられます。固定資産税はすべての不動産が課税対象となりますが、戸建ては減税措置を受けられる土地上に建っていることが多いです。また、資産価値が年々下落しやすい木造住宅であることから、戸建ての方が固定資産税額が安くなる傾向にあります。

一方で、火災保険料はマンションの方が安いです。戸建てに採用されやすい木造住宅と比べて、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が多いマンションは火災のリスクが低くなります。そのため、月々の火災保険料も低額で済むのです。

戸建てに必要な維持費

戸建てに必要な維持費には、「建物の修繕費」が挙げられます。マンションと違い、戸建ては毎月の修繕積立金を支払う必要がありません。その分、すべての修繕費を自費で賄い、必要に応じて修繕を依頼することになります。そのため、修繕が必要な場所や設備によっては、数十万~数百万円単位の費用がかかるでしょう。経済的に余裕があれば、万が一のために修繕費用を確保しておくことをおすすめします。

マンションに必要な維持費

マンションに必要な維持費には、「修繕積立金」「管理費」「駐車場費用」の3つが挙げられます。

マンションの管理人は、建物の修繕工事や設備交換にかかる費用を入居者から毎月徴収します。これが修繕積立金です。10年単位で必要となる大規模修繕工事などで、この修繕積立金が利用されるのです。管理費や駐車場費用についても同様です。一部のマンションでは、これらの費用が家賃に含まれているケースもありますが、多くの場合は家賃とは別に支払い義務が生じます。毎月のローンの支払いもあるため、毎月の支出は数十万円に上ります。マンションを購入する際は、支出を把握した上で資金を調達することが重要です。

戸建てとマンションの資産価値

戸建てとマンションの資産価値には、どのような違いが生じるのでしょうか。一般的に、どのような物件も築年数が長くなれば資産価値は下落していきます。ここで重要なのは、物件の種類によって下がり方が異なることです。マンションの資産価値は、築年数が長くなるにつれ徐々に下落します。一方、戸建ての資産価値は、築20年を経過したところでゼロになりますが、土地の価値は下がりません。

寿命が長いのはどちらか

国土交通省の調査によれば、鉄筋コンクリート造のマンションの耐用年数は120年とされています。適切な管理方式を取っていれば、急激に資産価値が下落することはないでしょう。そのため、たとえ築50年のマンションでも、相場と同等の価格で売り出されることも少なくありません。

一方、木造が主な戸建ての場合、建物の耐用年数は20年前後で急降下します。しかし、土地の価値は変わりません。そのため、築年数が長く経過すると、マンションとの資産価値が逆転するケースも見られます。

建物の寿命、つまり「何年その家に住み続けられるか」という点では、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で建てられたマンションの方が優れていると言えるでしょう。

売却しやすいのはどちらか

不動産を売却しやすいかどうかは、つまり「買い手が見つかるかどうか」です。さらに、買い手が見つかるかどうかは、「建物に資産価値があるかどうか」が重要になります。その点では、住宅としての耐用年数が長く、資産価値を保ちやすいマンションの方が売却しやすいと言えるでしょう。しかし、戸建ては建物の価値がなくなっても、土地の価値は残り続けます。そのため、立地条件がよければ「建物を解体して土地のみを高値で売却する」ことも1つの手です。

ただし、建物の資産価値は立地条件や都市開発などの影響を少なからず受けます。そのため、一概にどちらが売却しやすいかは断言できません。しかし、同じ立地条件・築年数であれば、マンションの方が売却しやすいと言えます。

今回は、戸建てとマンションの違いをさまざまな観点から解説しました。一概にどちらが良いとは言えませんが、それぞれのメリット・デメリットを把握しておくことで、物件選びをスムーズに進められるのではないでしょうか。物件を探す際は、築年数や立地条件をしっかり確認しましょう。また、建物の維持費や修繕費、住宅ローンなどを合算して、毎月の支出を推測しておくことも重要です。