不動産を担保にお金を借り入れる方法について
今回の記事は、以下のような方にお勧めです。
- 融資を受けたい方
- 不動産担保ローンについて知りたい方
Contents
不動産担保ローンとリースバックについて
まとまったお金が必要となるタイミングは突然訪れるものです。
例えば、子どもの受験や進学、家族のケガや病気、親の介護など、他にも想定外のお金が必要となる場面は、生きていれば多々やってきます。
日頃の備えや貯金だけでまかなえないこともあるでしょう。
そんな時の解決法として昨今注目を集めている仕組みが【不動産担保ローン】。
不動産担保ローンは、自分が持っている不動産を担保に入れることにより、融資を受けられるといった内容です。
一般的に、無担保ローン(担保なしでお金を借りられるローン)より金利が低いと言われています。
また、返済期間が長く設けられているため、月々のローン返済額も抑えられます。
不動産の評価次第では多額の借り入れも可能で、最大融資額が大きいという点も不動産担保ローンの魅力の一つです。
ただし、ローン返済が延滞したり滞納すると不動産が競売にかけられるリスクがあるので要注意です。
もう一つ、不動産を活用してまとまったお金を得る【リースバック】という仕組みもあります。
リースバックとは自宅を売却して現金化した後に、賃貸契約を結び自宅でそのまま生活できる仕組みです。
売却した際のお金が現金一括で受け取れることや、将来的に買い戻し可能なことなどが特徴として挙げられます。
リースバックと不動産担保ローンの共通点
最大の共通点とも言えるのが、自宅や物件を活用してまとまったお金を調達できるといった点です。
他には、契約時にまとまった現金を一括で受け取れる点や、同居人の制約がないので、推定相続人の同意が必要ない点も同じです。
二つの相違点
決定的な違いともいえるのが、リースバックは売却と賃貸を組み合わせた【不動産取引】で、不動産担保ローンは自宅などを担保に入れる【融資】である点です。
不動産担保ローンに関しては、万が一ローンの返済ができなくなった場合、担保に入れている不動産が売却されるリスクがあるので、きちんと理解しておくことが大切です。
今回の記事では、融資を受けたい方に不動産担保ローンという手段があることを知ってほしいので、詳しく解説していきます。
ローンの種類
不動産担保ローンにはいくつか種類があります。
【住宅ローン】、【リバースモーゲージローン】、【フリーローン】です。
以下では、それぞれの詳しい内容をご紹介します。
住宅ローン
ごく一般的で一番よく知られているローンではないでしょうか。
自分が住む家や土地を購入する際にお金を借りられるローンのことで、大きなくくりで見ると不動産担保ローンの一種となります。住宅ローンは、お金の使途があらかじめ決まっているので、セカンドハウスの購入などには利用できません。
住宅ローンの担保は、購入予定の家とその土地です。
リバースモーゲージローン
自宅を担保に入れ、そのまま住み続けながらお金を借りるローンです。
老後の生活資金に充てたりと、高齢者向けです。
詳細の条件は金融機関によっても異なりますが、毎月の返済は利息のみ。
借り手が亡くなったあとに自宅を売却してローンを完済するか、相続人が一括で払い終えるのが一般的です。
フリーローン
名前の通り、お金の使用用途に制限がなく、自由です。
住宅ローンやマイカーローンのように用途に制限がないので、旅行などの娯楽、冠婚葬祭や引越しなどの費用にお金を使うことができます。ただし、基本的に事業目的や投資目的での借入れは不可能です。
メリットとデメリット
不動産担保ローンは、不動産を所有する人や法人にとってはとても便利で有効な資金調達方法です。
以下では、メリットとデメリットについて説明していきます。
ローン返済期間が長期間である
無担保の個人向けカードローンや法人向けのビジネスローンなどに比べると、比較的、返済期間を長く設けているのが魅力です。
不動産は長い間、価値を持つ資産となるので、金融機関は担保価値が長期的に保たれると予想して、返済期間を長く設けるケースが一般的です。
これは借り手にとっては大きなメリットで、返済負担が軽減されるので、結果的に長期的な資金計画を立てることができます。
低金利で融資額が大きい
不動産を担保にするので、融資してもらえる金額が大きいのもメリットです。
無担保ローンよりもはるかに大きな融資を受けられます。
金利に関しては、個人向けの無担保ローンやビジネスローンの金利が3〜15%で、不動産担保ローンの場合は1〜5%。
低金利で借り入れできるので、借り手の経済的な負担を減らすことに繋がるので、長期的な資金計画をたてることも可能です。
お金をわりかし自由に使える
資金使途に制限がそこまでなく、自由度が高いことも特徴です。
事業用途や投資用途など幅広い使途があります。事業拡大や不動産投資など、自分の目的に最適な資金調達が叶います。
次に、デメリットについて説明します。
担保にした不動産を手放すさなければいけないリスク
ローンを返済できなくなってしまった場合、支払いが長い間滞ってしまった場合は、金融機関が売却して残債に充てるため、借り手は家を手放さなくてはなりません。
また、その後戻ってくることもありません。
このケースに陥ると自宅を担保にしていれば、住む場所を失うことになります。
諸費用が高い
印紙税や登記費用、火災保険といった必ずかかる費用があります。
これらは融資額が大きくなれば大きくなるほど高くなるため、当然高額融資が可能な不動産担保ローンは費用も高額になります。
金融機関によっては他にも様々な手数料がかかる場合もあるので、要注意です。
担保の価値と融資金額は決してイコールではない
担保にする不動産の価値は相場価格を参考にし金融機関が決めます。
融資金額は担保の市場価格と必ずしも同じというわけではなく、大半が市場価値の相場価格よりも低くなります。
申込から融資までに時間を要する
融資までの早さを売りにしているカードローンとは違って、不動産担保ローンは本人の審査に加え、不動産の査定もあるのでお金が手に入るまで時間がかかってしまいます。
審査や査定だけでなく、融資が決定した後も様々な手続きがあり、さらに時間がかかってしまいます。
メリットとデメリットを理解したうえで検討するようにしましょう。
どんな時に使うのか、使用する際の注意点
法人の不動産担保ローンはどのような時に使うのか?
前述でも触れましたが、不動産担保ローンはお金の使い道が比較的自由なので、法人の場合は経営状況をみながら活用することがおすすめです。
開業資金として使う際は、金融機関は、利用者の信用情報や不動産の価値、事業の将来性を踏まえたうえで判断して融資を行います。そのため、店舗拡大などの開業資金としても活用可能です。
そもそも融資金額が大きく、長期間借り入れ可能なので、キャッシュフローを安定させるための資金調達としても利用できます。
事業を行う時は、社会保険料や厚生年金保険料を払わなくてはいけないので、まとまったお金が必要になるシーンは非常に多いです。
運転資金や納税資金が厳しい場合、資金繰りを行い、事業が波に乗ってから返済することもできます。うまく利用すれば、事業成功にもつながります。
あとは、設備投資が必要なタイミングにも最適です。
設備や広告費に投資することによって、事業が繁栄する可能性があります。
手元にお金がないものの投資時期を逃したくない、ここにかけたい!と思えるチャンスがある場合に、新たな設備や広告費が必要な時は、不動産担保ローンはおすすめです。
次に、不動産担保ローンを使用する際の注意点についても触れておきます。
不動産担保ローンは計画的に利用することがとても重要です。
注意点を理解しておかなければ、不動産を処分される恐れがあるので、しっかりと確認していきましょう。
まず、重要なのが返済計画をしっかり立てること。
前述でも触れましたが、万が一返済不能になると、担保不動産は売られてしまいます。
住んでいる家の場合、住む場所を失くしてしまうので、目先のお金だけを考えるのではなく無理のない返済計画をしっかり立ててから、使用するようにしましょう。
次に気を付けてほしいことが、審査の際は正直に答えること。
融資をする際の審査は、借り手の信用力や不動産の価値を基にして総合的に判断すると伝えましたが、現状の収入はもちろん、過去のローン返済状況なども調べられます。
以前、滞納履歴がある方などは特に要注意です。
金融機関は、融資するのにふさわしい人物であるかを審査するので、担当者からの質問には嘘をつかず正直に答えてください。
また、申し込み情報に嘘を書いたとしても、金融機関は徹底的に調べるので、結果的にばれてしまいます。記載に虚偽があれば当然、信用を失います。そうなれば、審査が通らないのはもちろんですが、今後の申し込みにも影響してしまう恐れもあります。
最後に
不動産を活用してまとまったお金を手に入れることができる不動産担保ローンとリースバック。
両方ともそれぞれメリットがあり、状況によっては本当に最適な手段となるでしょう。
今回の記事では、不動産担保ローンに焦点をあてて説明してきました。
不動産担保ローンは、まとまった金額を低い金利で借り入れることが可能です。
借入金の使い道は自由。しかし、借入額が大きくなると返済期間が長くなるので借り手の収入面に変化が起こり、追加担保が必要になったりするリスクもあるので要注意です。
万が一ローンの返済が滞った場合は、担保の不動産を処分されるリスクがあるので、本記事でも解説していた不動産担保ローンのメリット・デメリットや注意点を理解して、賢く無理のないように活用してください。
リースバックも同じく資金調達などの有効な手段ではありますが、決して全員にとって適している訳ではありません。あくまでも、リースバックは、不動産を売ることであることは忘れないようにしましょう。リースバックと不動産担保ローンの特徴や内容を踏まえたうえで、自分に適した手段かどうかを慎重に検討し、信頼できる業者に相談することが大切です。