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居住用不動産(マンションや戸建てなど)を売却する場合、10年以上の所有期間であれば譲渡所得に対して軽減税率が適用されます。
通常なら、譲渡所得税や住民税などを合わせ、約20%の税率になります。しかし、特例を使えば14.21%まで税率が下がりますので、約6%もの差がでます。
軽減税率が活用できるのは譲渡所得のうち6,000万円以下の部分ですが、仮に2,000万円の譲渡所得があった場合、一般税率と軽減税率では納税額に120万円以上の差が出ます。
さらに、別の特例と併用すればさらに節税効果は高くなるので、所有した自宅を売却する時にはぜひ利用したい制度ですよね。
次に、特例の適用条件と、別の特例を併用した場合をみていきましょう。
自宅売却した際の軽減税率は以下の条件で使えるため、売買契約書や登記事項証明書で所有期間などを確認しておいてください。
軽減税率の特例は譲渡所得(売却益)に対して適用できるので、以下の計算で利益が出たかどうかを確認します。
譲渡所得(自宅を売って得た利益):売却額-(取得費+諸経費)
※取得費とは自宅の購入費用で、諸経費には不動産会社に支払う仲介手数料などが含まれます。
※計算結果がプラスであれば利益が出ている状態ですので、譲渡所得税などの税金が課税されます。
支度売却に関する特例で知名度が高いのが、「3,000万円の特別控除の特例」です。 そしてこの特例は、なんと軽減税率の特例と併用が可能です。 同種の特例には併用できないものが多いため、税制的には出血サービスともいえますが、3,000万円の特別控除がどのような特例なのでしょうか? 3,000万円の特別控除は、自宅売却に関する優遇税制であり、自宅売却の際にはよく使われている特例です。 さらに、3,000万円までの譲渡所得には課税しない制度なので、自宅売却する際には税率を低くする措置ではないので、強力な節税効果を発揮します。 主な適用条件は以下のとおりですが、マイホームの所有期間に制限はありません。
よく使われる住宅ローン控除(自宅購入時の特例)ですが、軽減税率の特例との併用はできません。
新居に住み始めた年と、その前後2年間(計5年間)に軽減税率の特例を使っている場合は適用除外になります。
軽減税率の特例を利用する場合、その他の特例とどちらが有利になるか十分な検討が必要でしょう。
日数のカウントには気を付けてください。軽減税率の特例を使う場合、自宅の所有期間が10年と思っていたところ、実は日数が足りなかったというケースがあります。
また、自動で適用される特例ではないため、確定申告も忘れずに行っておきましょう。
国税庁のHPでは、軽減税率の適用条件を「売った年の1月1日において、売った家屋や敷地の所有期間がともに10年超であること」記載されています。
わかりやすく言うと、自宅が11回以上、お正月を迎えていること(年越し回数が11回以上)になるので、所有期間の数え方を間違えないようにしてください。
また、住んでいた期間(居住期間)ではないので注意してください。10年を超える条件は所有期間に対するものです。
各種特例を適用する場合は、原則として確定申告が必要です。 軽減税率も同様であり、売却した翌年の2月16日~3月15日の間で確定申告を確定させてください。 なお、確定申告の際には必要な申告書を作成し、以下の書類も添付します。
・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】
・売った居住用家屋やその敷地の登記事項証明書
※譲渡所得の内訳書は国税庁ホームページからダウンロード可能です。
また、売却した自宅が居住用に使われていたことを証明する証拠も必要ですので、申告の際に漏れがないよう事前に税務署に問い合わせておくとよいでしょう。
少ない税負担で売買できるような自宅売却には様々な特例があります。その中でも軽減税率について説明しました。
特例の意図には不動産取引の活性化を促すためでもあり、古い建物から新しい建物へ世代交代できるようにバックアップできるようになっています。
ただし、特例を使って売却する場合は適用条件が重要であり、損をしてしまう可能性もあります。
また、確定申告に不慣れな場合は期限ギリギリになってしまうケースもあるため、あらかじめ不動産や税務の専門家に相談しておくとよいでしょう。損しない自宅売却をするため、軽減税率の特例を活用しましょう。