自宅売却後の国民健康保険保険料の値上がりを防ぐ方法を完全解説!

今回ご説明するのは、自宅を売却した際の国民健康保険料についてです。保険料には所得や収入が関係していますが、自宅を売却した際の利益はどのように影響するのでしょうか。保険料の仕組みや計算方法などについてもご説明していますので、参考にして頂けると嬉しいです。

目次

  1. 健康保険について
  2. それぞれの健康保険における自宅売却後の影響
  3. 国民健康保険料の計算方法
  4. 国民健康保険料の値上がりを防ぐには?
  5. まとめ

健康保険について

健康保険には主に4つの種類があります。今回ご説明するのは国民健康保険についてですが、それぞれの健康保険についても知っておくことで、より国民健康保険の特徴を理解して頂けるのではないかと思います。

①健康保険

サラリーマンなどの民間企業に勤めている方、またはその家族が加入する保険です。この保険は、被保険者と事業主が保険料を負担し合うことで成り立っています。

②共済保険

公務員などが定期的に資金を出し合うことで、事故や病気などのリスクに備えるという保険です。

③国民健康保険

国民健康保険とは、自営業者が加入する保険です。保険者は、都道府県や市町村になります。

④後期高齢者医療保険

75歳以上(障がいのある方は65歳以上)で加入する保険です。保険者は国民全員で、1割は医療費から、4割は若い世代が加入する医療保険から、5割は国・都・区によって負担されています。

それぞれの健康保険における自宅売却後の影響

①国民健康保険

国民健康保険に加入している方は、自宅を売却する際に注意する必要があります。なぜなら国民健康保険の保険料は、自営業者などの所得総額をもとに決められているからです。そのため、自宅を売却することで所得が増えたことになり、保険料が上がってしまう可能性があります。しかし自宅の売却価格が低かった場合や、自営業における所得が下がっている場合は、自宅を売却しても所得総額が増加したとみなされず、保険料が上がらないことがあります。このような場合を考慮し、まずは売却しようとしているご自宅の査定をしてみるとよいかもしれません。

②健康保険

健康保険の保険料は、サラリーマンなどの給与をもとに決められています。そのため自宅を売却したとしても、給与所得が上がったわけではないため、保険料に影響はありません。しかし保険者の扶養に入っている方が自宅を売却した場合、年間収入が130万円を超えたとみなされると、扶養から外れ保険料が高くなってしまう可能性があります。

③共済保険

共済保険も健康保険と同様、公務員などの給与を基準として保険料が決められています。そのため、自宅を売却しても給与所得が変化することはなく、保険料が増えることはありません。

④後期高齢者医療保険

後期高齢者医療保険は、前年の所得に応じて保険料が決まります。後期高齢者の場合、働いて得る収入はないと思われますが、年金収入や自宅を売却して得た利益も所得として計算されます。そのため自宅を売却して利益を得ると、次の年の保険料が高くなってしまうことがあります。

つまり自宅を売却した際、その利益が所得とみなされ、保険料の増加が懸念されるのは国民健康保険後期高齢者医療保険ということになります。

国民健康保険の計算方法

国民健康保険料は各自治体ごとに定められており、計算する際に用いる税率が異なります。しかし計算方法や仕組みはほとんど同じですので、ここでは簡単にご説明します。

まず、国民健康保険は「医療分」「後期高齢者支援分」「介護保険分」の3つを足し合わせて計算します。

また「医療分」「後期高齢者支援分」「介護保険分」のそれぞれは、所得割・均等割・資産割・平等割の4つの要素から成り立っています。

所得割とは所得額をもとに算出されるものであり、均等割は世帯当たりの加入人数により算出されます。

また、資産割は固定資産税の額により算出され、平等割は自治体により定められており、全ての人が一定の額を納めなければなりません。

では、実際に江戸川区の税率で国民健康保険料を計算してみましょう。
江戸川区では

国民健康保険
(①医療分+②後期高齢者支援分+③介護保険分)
所得割額均等割額

となり、①・②・③のそれぞれの内訳は

①医療分 =所得金額×7.95%+43,200円×加入者数
②後期高齢者支援分
所得金額×2.63%+14,400円×加入者数
③介護分
所得金額×2.87%+18,300円×該当者数(40歳~60歳の方)

というようになります。
よって、所得金額が600万円で40歳以上の方お一人であれば

600万円×7.95%+43200円=520,200円 ②600万円×2.63%+14,400円=172,200円 ③600万円×2.87%+18,300円=190,500円

①+②+③=882,900円
すなわち、この方の国民健康保険料は882,900円と算出することができます。

【参照】国民健康保険料の計算方法-江戸川区
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e053/kurashi/iryohoken/kokuho/hokenryou/keisan/hokenryo_kimarikata.html

国民健康保険料の値上がりを防ぐには?

ここまでそれぞれの健康保険の仕組みや、保険料の計算方法についてお話してきました。
では実際に自宅を売却するとき、保険料を安く抑えるためにはどうすればよいのでしょう。

みなさんは自宅を売却する際、「3000万円の特別控除」があることをご存知ですか?
この制度は、自宅を売却した際の譲渡所得から3000万円を引いた額が0円以下となる場合、保険料の値上がりを抑えることができるというものです。
譲渡所得とは、収入金額から取得費と譲渡費用を引いた金額です。

収入金額とは自宅を売却した際の売却価格であり、取得費は自宅購入時の費用や必要になった経費のことです。また譲渡費用とは、売却に要した仲介手数料などの費用のことを指します。

たとえば、4000万円で購入した自宅を6000万円で販売すると、譲渡所得は2000万円になります。
この場合、譲渡所得から特別控除の3000万円を引くとマイナスになるため、保険料が高くなることはありません。

しかし、特別控除の適用を受けるためには以下のような条件があります。

また、次のような場合には特別控除が適用されません。

つまり、自宅を売却する際は特別控除を適用することで、保険料を安く抑えることができます。そのために譲渡所得を事前に計算し、手続きなどについても調べておくことをお勧めします。

まとめ

今回は、自宅を売却した際の国民健康保険料についてご説明しました。結論として、国民健康保険料は所得総額によって決定されるため、自宅を売却すると保険料が上がってしまう可能性があります。しかし、売却する自宅の価値や保険加入者の経済状況によっては、保険料が上がらないこともあります。また、譲渡所得が3000万円以下であった場合、特別控除の適用を受けることができ、保険料を安く抑えることができます。そのため、これから自宅を売却しようと考えておられる方は、まずご自宅の査定金額を確認されるとよいと思います。そして譲渡所得を計算し、特別控除の適用を受けられるのであれば、活用することをお勧めします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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