自宅売却後の確定申告!不要なのはどんなとき?無申告のペナルティとは?

自宅売却後の確定申告。「そもそも必要なのか?」「確定申告をしないとどうなるの?」と疑問を持っておられる方は多いと思います。仕組みや手続きの方法などは、複雑で分かりにくい内容となっていますが、確定申告をしないでいると大きな損失を受ける可能性があります。今回はできる限り分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にして頂きたいと思います。

目次

  1. 確定申告とは
  2. 自宅売却後に確定申告が必要な理由
  3. 自宅売却後に確定申告が不要な場合
  4. 特例を使った場合の確定申告
  5. 確定申告をしないとどうなるのか
  6. まとめ

確定申告とは

ここでは、「そもそも確定申告とはどのようなものなのか」についてご説明します。

会社員の方やアルバイト経験のある方であれば、「源泉徴収」や「年末調整」といった言葉をご存知だと思います。この「源泉徴収」というのは、年間にかかる所得税をあらかじめ計算し、事業者が給与から差し引くことをいいます。また「年末調整」とは、源泉徴収で差し引いた税金を年末に再計算し、過不足分を調整する仕組みのことです。

つまり会社に勤めている方であれば、「源泉徴収」や「年末調整」によって自動的に所得税が納められているのです。これによって、「確定申告」を行う必要がありません。

要するに「確定申告」とは、個人事業主が所得税を納めるために、自分のその年の所得を確定させ、税務署に報告することをいいます。

自宅売却後に確定申告が必要な理由

確定申告がどのようなものなのか理解して頂けたと思いますが、それではなぜ自宅売却後に確定申告が必要なのでしょうか。

それは、自宅を売却することによって得た利益が所得として計算されることがあるからです。
自宅の売却で発生した利益は、「譲渡所得」といいます。譲渡所得を簡単に表すと、次のようになります

譲渡所得=自宅の売却価格-(取得費+譲渡費用)

このときの「取得費」とは、自宅購入時の費用や必要になった経費のことです。また「譲渡費用」とは、売却に要した仲介手数料などの費用のことを指します。

この譲渡所得は給与とは関係なく発生するので、会社に勤めている方であっても、個人で確定申告をしなければならないのです。

自宅売却後に確定申告が不要な場合

自宅を売却したからといって、必ず所得税が発生するわけではありません。
例を挙げるとすると次のような場合です。

「自宅を5000万円で購入したが、3000万円で売却した」

このとき3000万円で自宅を売却しても、結果として譲渡所得は-2000万円となり、所得が増えたと見なされません。そのため、所得税を納める必要はないのです。

このように、譲渡所得が0円以下になった場合は確定申告をする必要がありません。

特例を使った場合の確定申告

ここまでの内容で、譲渡所得がプラスであれば確定申告が必要で、マイナスになれば不要だとご説明しました。

しかし、いくつかの特例を利用した場合は、たとえ譲渡所得にかかる税金を納める必要がなくても、確定申告を行わなければなりません。

確定申告が必要となる特例は、以下のようなものです。

3000万円の特別控除

この特例は、もし自宅を売却した後に譲渡所得がプラスになったとしても、それが3000万円以下であれば税金を納めなくてもよいというものです。

10年超所有軽減税率の特例

売却する自宅を10年より長く所有していた場合、譲渡所得にかかる税金の税率が軽減されるという特例です。

特定居住用財産の買換え特例

この特例はマイホームを買い換える際、売却する家にかかる所得税と住民税の課税を、次の家を売却するときまで先延ばしにしてくれるものです。自宅を売却したことで得た利益を、そのまま次の家を購入する資金にすることができるというメリットがあります。

居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

これは譲渡損失(=前述した例のように、譲渡所得がマイナスになった場合)が生じた際、源泉徴収額が戻ってくる特例です。

居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

この特例も譲渡損失が生じた場合に、その譲渡損失を他の所得から控除することができる制度です。

つまり、本来なら譲渡損失が生じると所得が増えたとみなされず、確定申告をして税を納める必要はありません。しかし、譲渡損失を他の所得と合わせて損益通算する特例を利用した場合、確定申告をしなければなりません。

確定申告をしないとどうなるのか

確定申告がどのような手続きかお分かり頂けたと思いますが、この確定申告を行わなかった場合、さまざまな不利益を被ることになりますので、注意が必要です。

まず確定申告をしなかった場合、税務署に調査される可能性が高いです。税務署は銀行の口座や取引先との会計帳簿などをチェックしており、大きな金額が動いているのに確定申告が行われていなければ、無申告や隠蔽を疑って調査に入ります。

もしそこで無申告や隠蔽と判断されると、税務署が決定する課税額で税を納めなければなりません。その課税額は多くの場合、個人で確定申告をしたときより高くなってしまいます。

次に、確定申告をせず納税の期限を過ぎてしまうと、「延滞税」が追加で課されることがあります。延滞税は納税期限から2ヶ月まで約7%、2ヶ月以降は約14%の税率で課税されます。納税期限を過ぎれば過ぎるほど、納める金額も増えていきますので、延滞してしまった場合はできるだけ早めに精算することをお勧めします。
※ただし、延滞税は1000円未満であれば、免除されます。

また、そもそも確定申告を行わなかったことに対して「無申告加算税」が課されます。これは、本来納めるべきであった税額によってが変わりますが、50万円までの部分に15%、それ以上の金額に対して20%の税率で課税されていきます。

例えば、100万円の税を無申告のままにして納めていなかったとすると
50万円×15%+50万円×20%=17万5000円
の無申告加算税を支払わなくてはなりません。

しかし、税務署から調査される前に事前申告をすることによって、無申告加算税を5%に軽減することができます。

また一定の条件下において、無申告加算税が課されない場合があります。それは次のような場合です。

①正当な理由がある場合

災害に見舞われ、どうしても確定申告をすることが困難であるときには、無申告加算税を納める必要はありません。ただ災害の程度が小さい場合には免除されませんので、注意しなければなりません。

②期限内に申告する意思があったと認められる場合

期限内に申告する意思があったと認められるためには、次のような条件を満たしている必要があります。

③無申告加算税が少額である場合

延滞税と同様に、無申告加算税も5000円未満であれば免除されます。これは少額であるためにわざわざ徴収しないとされているだけであり、この免除を受けるためにわざと確定申告をしないという手段を取ることはお勧めいたしません。

そして、意図的に確定申告をしなかったり、所得額の隠蔽や偽装を図ったとみなされた場合、「重加算税」が課されることになります。重加算税はこれまで登場した税の中で、最も重い課税率となっており、未納額×35%で徴収されます。また、無申告加算税と合わせて課税される場合、納めなければならない税額は未納額×40%となります。さらに、過去5年以内に無申告加算税あるいは重加算税を課されていると、先ほどご説明した税率に10%上乗せされてしまいます。

まとめ

自宅売却後の確定申告は、譲渡所得が発生した場合と特例を利用した場合に行う必要があります。そして譲渡損失が発生した際に、その損益通算をする特例を使わなかった場合は、確定申告を行う必要がありません。しかし、自宅売却後の多くの場合は確定申告の必要があると思われますので、納税の延滞や無申告などでペナルティを受けないよう、慎重に手続きをしてください。最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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