転勤する際の自宅売却について

目次

  1. 選択肢は3パターン!
  2. それぞれのメリット・デメリット
  3. 転勤の際の自宅売却の流れ
  4. まとめ

選択肢は3パターン!

 「せっかく念願のマイホームを購入したのに転勤が決まってしまった」「単身赴任で家族と離れるのも辛いし…」このような悩みを抱える方は少なからずいると思います。転勤によって、自宅をどうするかに関しては、「売却する」「賃貸に出す」「空き家のまま所有する」の3パターンから選ぶことになるでしょう。とあるアンケート結果では、「賃貸に出す」「空き家のまま所有する」と回答した人がおよそ3割、「売却する」と回答した人がおよそ2割という結果になりました(出典:東急住宅リース・東急社宅マネジメント調べ)。転勤が決まったら、その限られた短い時間の中で3つのうちのどれにするかを決めなくてはなりません。では、どのようにして決めるのが良いのでしょうか?一般的な判断基準として用いられているのが、転勤期間です。それぞれについて詳しく説明しようと思います。

 まず、転勤期間が特に決まっていない、戻ってくる予定はあるけれどもいつになるのか見当がつかないといった場合は、「売却する」がおすすめです。転勤中も、住宅ローンや固定資産税、都市計画税が発生します。特に住宅ローンが残っている場合は、金融機関から賃貸に出す許可が下りたとしても、入居者が現れない空室期間のリスクを考えると、売却するほうが精神的にも楽だと言えます。3年程度で戻る予定だけれども、借り手を見つけるのが難しい、というケースでも売却を視野に入れておくのが良いでしょう。

 次に、転勤が1年以内と決まっている場合です。このケースでは、「空き家のまま所有する」がおすすめです。1年未満の短期で借りたい、と希望する人はなかなかいないため、借り手を見つけるのが大変になりますし、仮に見つかったとしても期間が短い分、家賃はさらに安くなってしまいます。なので、この場合は家具や家電を置いておき、空き家として維持しておくのが良いでしょう。しかし、適切な管理が行われていない空き家は、老朽化するだけでなく、周りの景観にも影響し近隣地域の住民の迷惑にもなるため、もし手放す気がないのであれば、庭の雑草の除去をする、こまめに家の換気を行う、郵便物を片付ける、通水しておく、といった適切な管理をする必要があります。

そして、転勤期間があらかじめ決まっており、数年程度で帰ってくる場合は、「賃貸に出す」を選ぶのがおすすめです。ただし、借りる人が現れなければ成り立たないので、賃貸需要が少ないエリアではあまりおすすめは出来ません。短期間の場合、借り手が見つかりにくいし、相場よりも家賃は安くなります。そして、これを選択する際には、「定期借家契約」で賃貸の期間を限定することと、住宅ローンの契約違反に注意することの2点に気をつけてください。1点目に関して、世の中の賃貸マンションや賃貸アパートのほとんどが、賃貸の期間を定めない「普通借家契約」で賃貸されているのですが、これで契約すると入居者が強力に保護されるため、「正当な事例」がない限り契約更新が可能になります。この時、「転勤から戻って再びそこに住みたい」というのは「正当な事由」には認められないため、入居者に退去してもらえないというケースが起こり得るのです。一方、「定期借家契約」であれば、契約の更新が設けられていないため、期間が過ぎて契約が終了すれば強制的に退去してもらえます。

ですので、「定期借家契約」で賃貸するのが良いでしょう。2点目に関して、住宅ローンを利用している場合は、事前に銀行に相談しておくと良いと思います。住宅ローンは、基本的に借りている人が自分で住むためのもので、一般の借り入れよりもだいぶ金利が低く設定されています。持ち家を勝手に賃貸に出すと銀行との契約違反になってしまい、ローンの種類が変わることで金利が上がってしまう可能性があります。一般的に事前に銀行に相談しておけば、転勤の間だけの賃貸ならと住宅ローンのままでも認められます。

 転勤の際はその期間によってパターンを選んでいくということがわかりましたが、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。次の項目で説明していきます。

それぞれのメリット・デメリット

「売却する」「賃貸に出す」「空き家のまま所有する」場合のそれぞれのメリットを説明します。

 まず、売却する場合のメリットは3点。1点目は、維持費の負担がなくなる点です。売却すれば、持ち家の固定資産税や住宅ローンの維持費を負担しなくてよくなり、持ち家がマンションであれば、修繕積立金や管理費の負担もしなくてよくなります。2点目は、自宅を売却してしまえば想定外の転勤期間の変動を受けなくて済むようになる点です。貸してしまうと、転勤期間が想定外に変動してしまった際、その調整が難しくなります。3点目は、売却によりまとまった現金を手に入れることが出来る点です。これは、次の物件を購入する際の頭金としても利用できるため非常に便利です。

 次に、賃貸に出す場合のメリットを3点挙げます。1点目は、家賃収入を定期的に得られる点です。ただし、転勤の際は定期借家契約がおすすめということは前述しましたが、その場合の物件の賃料は、普通借家契約の物件の賃料に対して50〜80%程度になるので、決して高い料金では貸せないということはきちんと把握しておいてください。2点目は、人に貸すことで、自然と建物管理も兼ねることができる点です。定期的に換気や排水を行わなければカビや悪臭が発生してしまい、資産価値を落としてしまいます。しかし、人に貸せばその住んでいる人が管理をしっかり行ってくれるので、自然と建物を維持することができます。3点目は、契約期間終了後、戻ってきた時に再びその家に住むことができる点です。こうすることで、売却や購入のコストを省くこともできます。しかし、普通借家契約で賃貸してしまうと、自分が戻りたい時に戻れなくなってしまう恐れが出てくるので十分に注意してください。

 最後は、空き家のまま所有することのメリットを2点挙げます。1点目は、自分の好きなタイミングで戻ることができる点です。好きな時に安心してくつろげる場所に帰れるという安心感を得ることができます。また、家族がいる場合でも一時的に住居を移して別荘のように使うことも可能です。2点目は、入居者とのトラブルが起きないで済む点です。他人に物件を汚されることもありませんし、心理的な不安を感じずに済みます。

 これらが、それぞれのメリットです。しかし、もちろんメリットがあればデメリットも存在します。それぞれの主なデメリットを挙げます。

 売却する場合の主なデメリットは、戻ってきた際、家を購入するのにコストと手間がかかる点です。中古住宅を購入すれば再度仲介手数料が発生しますし、所有権移転登記の登録免許税なども必要になってくるので面倒です。また、ローンが残った状態で売却すると、ローンの残債が売却額を上回ったり、二重で住宅費を支払うことになるので、そこも注意が必要となります。

 賃貸に出す場合の主なデメリットは、空室のリスクがある点です。入居者が見つからないと、家賃収入は入らず、ただ税金や管理費がかさんでいく、という最悪の事態になりかねません。また、この間は住宅ローン控除を受けられないため、所得税や住民税などといった支払いが多くなってしまうリスクも考えられます。

 空き家のまま所有する場合の主なデメリットは、定期的にメンテナンスしないと老朽化してしまう点です。長期的に空き家にする場合は、費用は多少かかるものの家を空けている間の劣化を防げるため、委託管理サービスを利用し業者に管理してもらうと良いでしょう。

 それぞれのメリット・デメリットを説明しました。次の項目では転勤の際の自宅売却の流れを説明しようと思います。

転勤の際の自宅売却の流れ

 実際の流れを説明していきます。まずは、不動産会社に売却査定を依頼し、査定額の提示を受け、気に入った会社と媒介契約を結びます。その時、査定額は不動産会社によって変動するので、複数の会社に査定をしてもらうのが良いでしょう。その後は、不動産会社による売却活動が行われます。広告活動や内見案内等は不動産会社が全て行ってくれるので、売主はこの間は特にやることはありませんが、内見日までに物件を徹底的に清掃しておくことがおすすめです。

 購入希望者が無事見つかったら、価格・日付などの条件交渉に入ります。ちなみに、売買契約は基本現地で立ち会うものですが、やり方によっては遠方からでも売買契約を結ぶことが可能です。どうしても現地で立ち会うのが難しい場合は、持ち回り契約・代理契約・司法書士に依頼するの3つの方法で解決することができます。

 購入希望者が無事見つかったら、価格・日付などの条件交渉に入ります。ちなみに、売買契約は基本現地で立ち会うものですが、やり方によっては遠方からでも売買契約を結ぶことが可能です。どうしても現地で立ち会うのが難しい場合は、持ち回り契約・代理契約・司法書士に依頼するの3つの方法で解決することができます。

まとめ

転勤によって自宅をどうするかは、「売却する」「空き家のまま所有する」「賃貸に出す」の3パターンから選ぶ形になり、その判断基準となるのが転勤期間です。一般的に、期間が決まっていない場合は「売却する」、1年以内の場合は「空き家のまま所有する」、数年程度で戻る場合は「賃貸に出す」を選ぶと良いとされています。また、賃貸に出す場合は、定期借家契約にすれば契約期間終了後、すぐに戻ることができるのでおすすめです。ただし、普通借家契約の物件よりは賃料が安くなってしまう点は覚えておいてください。実際の売却は、売却査定→媒介契約→不動産会社による売却活動→条件交渉→売買契約→住宅ローン決済→引き渡しの流れで行います。是非、ご検討されている方は参考にしてみてください。


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