自宅売却を試みる様々な理由

目次

  1. 自宅売却を試みる主な理由(一般的)
  2. 自宅売却を試みる主な理由(ネガティブ)
  3. 売却理由が及ぼす影響と注意点
  4. まとめ

自宅売却を試みる主な理由(一般的)

「なぜこの人は家を売りたいと思ったのだろう?」購入希望者の立場なら誰しもが思うことでしょう。その購入する家がとても綺麗だったり住みやすそうだったりしたならばなおさらだと思います。一方、売り手側もそれぞれに理由があって自宅を売却する決断をします。一般的な売却理由として挙げられているものを、何点か説明していきましょう。

⑴相続管理のため

 相続とは、被相続人(死亡した個人)が所有していた財産上の権利義務を相続人(配偶者や子など)に承継させることで、実際このタイミングで売却を行う方が多くいらっしゃいます。親やきょうだいなどの家族が亡くなって、マンションや戸建を相続したものの、自身では別の住宅に住んでいる場合には、相続した家は空き家になってしまいますし、物件が遠方にあるならその管理をするのも難しい状況です。

そこで相続した家を売却する、といったケースはとても多く見られます。また、現在日本の相続税はとても高額で、相続人が複数いる場合などは、自宅を売却して現金化して財産分与をする、というケースも少なくはありません。その中でも、財産を平等に分配するためや溜まっている相続税を支払うため、正直相続後には住む予定がないからなどの細かい理由が挙げられております。

上記の、溜まっている相続税を支払うためでの売却に関しては、相続開始の翌日から10ヶ月以内と決められていて、相続税の支払い期日までにお金を用意しなければならないため、売り急いでいる可能性が高いです。ただし、現状は相続した家がなかなか売れず、困っている方も非常に多い状態ですが、それに関しては、家を売る理由が相続であったからではなくて、家の状態が古くてかなり傷んでいることが原因であることが考えられます。購入後に大規模の修繕やリフォームが必要で、費用がかかってしまう家は敬遠されがちなので、相続した家を売却するには、それなりの対策が必要です。

⑵転勤・転職のため

 転勤や転職といった、仕事の関係で自宅を売却するという方も多く見られます。転職の場合、売却を計画的に考えることができるので、売却資金を新居の購入費に充てるため引越し日の近くまでそこに住みながら売却を行う方が多いです。一方、転勤の場合、急に言い渡されることが多いため、急遽引越しをしなければいけない、というケースが往々にしてあります。

勤めている会社から転勤を命じられ、それを拒否することができず、泣く泣く購入した家を手放して転勤に応じる方もたくさんいます。俗に「マイホームを買うと転勤が決まる」と都市伝説的にいわれたりもしますが、せっかくマイホームを手に入れた矢先に転勤が決まってしまった場合、「単身赴任するか、賃貸に出すか、それとも売却するか……」と悩むものです。賃貸が難しい場合には、家族そろって新天地での生活をスタートするため思い切って家を売るといったことが多いでしょう。

築年数の非常に浅い物件が売りに出されていた場合、急な転勤があったと考えられます。特に、マイホームを購入する方も増えるが、同時に転勤も増えていく30〜40代の方に多く見られる傾向です。戻ってくる予定がない転勤で、持ち家を手放さなくてはいけないという場合は、購入希望者が特に問題を感じることはありませんし、築年数が浅い物件は買い手が付きやすいので、この理由は比較的売却がしやすいと考えられます。

⑶より良い住まいに住み替えるため

 持ち家を売却して資金を確保し、その資金で新居を購入するといった、「住み替え」を行うケースもよく見られます。転勤同様、売却資金を新居の購入資金に充てるといった方もいるため、引渡し日の近くまで住んでいるまま売却を行うことが多いです。その時のライフステージによって理想の住まいはどんどん変化するため、臨機応変に住み替えをすることによって快適な暮らしを実現させることができます。これは、単純に家をグレードアップしたいという30〜40代の方や、子供の独立のために小さな家へ引っ越しを検討する50〜60代の方に多く見られます。
 上記に挙げたのは、一般的、いわば比較的ポジティブな理由です。次の項目では、これとは反対にネガティブな理由で自宅売却を検討されるものを説明しようと思います。

自宅売却を試みる主な理由(ネガティブ)

自宅売却を試みる主な理由(ネガティブ)

⑴離婚のため

 離婚してしまった際の家の行方として、どちらか一方が家に残る場合か、財産分与や住宅ローンの一括返済のために売却する場合の2パターンが一般的に挙げられます。ちなみに、結婚してから5年間は離婚率が高い傾向にあり、中でも結婚2年目に関しては離婚率が最も高い傾向にあります。離婚が目的の売却となる場合、離婚率の統計から考えても転勤同様、築年数が比較的浅い物件が売却されるケースが多く、住宅取得から2年目に売却するケースが多く見られました。

⑵住宅ローンの支払いが難しくなったため

 何らかの理由で収入が大きく減少してしまったり、想定外の出費が発生してしまい、家を売却しようとするパターンが多いです。誰しも「せっかく苦労して手に入れたマイホームを売却するのは嫌だ」という思いを抱くものですが、冷静に状況を見つめ直した結果、ローンの返済が困難であれば売却するという選択肢を取るのは賢明な判断と言えるでしょう。ただ、住宅ローンが残っている不動産には基本抵当権が設定されているため、売却するには「売買代金+預貯金」で住宅ローンの残額を完済する必要があり、それではカバーができない場合、債権者に条件付きで許可をもらい、抵当権を抹消して売却活動を行う、任意売却という方法を用いることが多いです。

⑶お金が無くて困っているため

 老人ホームの施設費用の支払い目的など、急遽どうしてもすぐにまとまったお金を作る必要が発生してしまった際、持ち家という資産を持っていれば、それを売ることで現金化できるので手法として用いる人もいます。
また、ネガティブな理由だと売却に大きな影響を及ぼしてしまう場合もあります。次の項目ではそれを説明しようと思います。

売却理由が及ぼす影響と注意点

 売却理由によって生じる影響や注意点を説明します。まず、査定額が下がってしまう恐れがあります。「ご近所トラブル」「立地が悪い」などの理由は、新しく住む方にも引き継がれてしまう要素のため、査定額にマイナスの影響を及ぼしやすいです。加えて、殺人・自殺などがあった事故物件では、査定額が大幅に下がります。

 そして、それらのことは宅地建物取引業法の第47条で定義されている、告知義務に含まれる情報であれば必ず本人に伝えなければなりません。もしこれを破ってしまうと、売主の契約不適合責任により、減額請求や補修請求、場合によっては損害賠償請求や契約解除等の対応をすることになってしまうので注意が必要です。告知義務に該当する瑕疵は、悪臭、騒音などの「環境的瑕疵」・シロアリ被害や雨漏りなどの「物理的瑕疵」・再建築不可物件などの「法律的瑕疵」・先ほど例にあげた、事故物件などの「心理的瑕疵」の4種類あります。瑕疵とは、物件にある欠陥や不具合など、本来の品質・機能・性能・状態が備わっていないことです。

 ただ、告知義務に含まれない情報であれば、全部が全部正直に答える必要はなく、多少濁した方がいいケースもあります。例えば、ネガティブな理由であげた離婚の場合、全く気にしない方もいれば、縁起が悪いといって気にされる方もいらっしゃいます。そうなると、買い手が見つからなくなったり、無理やり値引き交渉させられる、といった影響が出てしまうので、この時には、「家族構成が変わったから」や「家族の都合で」などと伝えるのがいいです。住宅ローンの返済が厳しくなったからが理由の際は、「住み替えをするため」や「経済的な理由で」みたいに伝えれば大丈夫です。

 自宅を売却する際の理由の伝え方のポイントは、視点を変えて、デメリットをメリットとして伝えることと、その対策をしっかり考え、解決策も一緒に伝えることです。そうすることで買い手側は多少の不安はなくなり、売却もしやすくなるでしょう。

まとめ

 自宅売却を試みる理由には、グレードアップしてより良い家に住みたいから、といったポジティブな理由もあれば、住宅ローンの返済ができずやむを得ず、といったネガティブな理由もあります。ポジティブな理由の場合、そのまま買い手側に伝えて問題ありませんが、ネガティブな理由だと、査定額が下がってしまったり、買い手が見つからず、売却期間が伸びてしまったりと、マイナスの影響が出てしまう場合があります。しかし、告知義務に含まれる情報に関しては本人に伝えないと違反になってしまうので注意が必要です。一方、含まれない情報であれば悪い印象を与えないよう多少濁して伝えると売却はしやすくなります。買主に対して、契約の時の話と違うと思われない範囲で説明することが大切です。


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