自宅売却での必要書類

自宅売却の必要書類

自宅を売却するために必要な書類って、想像もつかないし、名前もややこしくて良くわからない、揃えるのも大変そう、というイメージを少なからず抱いていると思います。 そのイメージを少しでも変えるために、その情報をこれからお伝えしていこうと思います。

まず、自宅売却の際に必要な書類は以下の通りです。

  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 身分証明書
  • 間取り図
  • 建築確認済証、検査済証
  • 地積測量図、境界確認書
  • 管理規約、使用細則
  • 重要事項に関する調査報告書
  • 固定資産税納税通知書
  • 実印、印鑑証明
  • 固定資産評価証明書
  • 預金通帳

このように、必要書類だけでも延べ10個はあるし、初めて名前を聞くようなものも少なくないと思います。
補足で、登記済権利証に関しては、法改正によって、2005年3月7日以降は、登記済権利証に代わって「登記識別情報」が導入されており、登記名義人には12桁の符号が記された通知書が送付され、この符号から本人確認ができるようになったので、書面ではなく符号を提示するだけで済むようになりました。

建築確認済証、検査済証に関しては、売却する持ち家が一戸建ての場合、地積測量図、境界確認書に関しては土地の場合、管理規約、使用細則・重要事項に関する調査報告書に関してはマンションの場合、それぞれの書類は必要です。
この中のいくつかの書類の使用用途を説明します。
登記済権利証は、所有権取得の登記が完了すると法務局から発行される書類で、「権利証」とも呼ばれます。

仲介業者と媒介契約を結ぶ際、販売活動の依頼主が間違いなくその不動産の所有者であるかを確認するための必要書類となっております。
また、無事に売却できた際には、不動産の所有者を売主から買主に変更する、「移転登記」が必要です。
移転登記を代行してもらう司法書士に登記済証を渡すことが、不動産の引き渡し時には必要となってきます。

売却しようとしている一戸建てが、建築基準法に従っているか、というのは売却価格や買い手の付きやすさに大きな影響を及ぼすので、媒介契約時に仲介会社から提示を求められます。

地積測量図、境界確認書は、隣地トラブルを未然に防ぐ安心材料として必須になる、土地の面積や隣接する他の土地、道路との境界の位置を証明する書類です。
代々引き継いできた土地などでは、そもそも測量自体が実施されていないというケースや実施時期が古くて精度が低く、現況にそぐわないといったケースがあります。その場合、新たに測量することになるのですが、書類が整うまでは数ヶ月程度を有するので、おおよその数値で販売活動を開始し、並行して測量活動を進めることも。

固定資産税納税通知書は、その不動産に応じた固定資産税と都市計画税が記載されたもので、1月1日時点の所有者に対して、毎年春頃に役所から届けられます。
これは、一般的に不動産の売買では、引き渡しの時期に応じて税額を売主と買主で按分するのですが、それぞれの負担額を算出する、という目的で仲介会社に提示しなければいけません。

必要書類だけ見ても、数が多く、難しそうなものばかりです。
加えて、必須ではありませんが、あると更に良い推奨書類もあります。
次の項目ではそちらを説明しようと思います。

自宅売却の推奨書類

自宅売却の際、あると便利な推奨書類は以下の通りです。

  • 新築販売時の広告やパンフレット
  • 建築設計図書・工事記録書
  • 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
  • 地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書
  • ローン償還表
  • 住民票の写しもしくは戸籍附表

上記の、ローン償還表・住民票の写しもしくは戸籍附表に関しては、要求された場合、契約時に手元に用意できないと家の売却が出来なくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

この中のいくつかの書類の使用用途を説明しようと思います。
建築設計図書・工事記録書は、工事のための図面と仕様書のことを指し、工事記録書とは、文字どおり工事の実施内容を記録した書類のことです。
必須ではありませんが、特に売却対象が一戸建ての場合は、買い手にとってあると安心材料になります。

また、買取り側が間取り変更を伴うリフォームを検討する際にもあると便利です。
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書は、新耐震基準が導入される以前のような古い物件を売却する際に提出が求められるケースがあります。
書類がないと売却が出来ない、というものではありませんが、トラブル回避のためにあると便利です。

これを準備する際には、耐震診断・アスベスト使用調査を依頼するようにしましょう。
このように必要書類・推奨書類合わせて20個近くはあります。
では、これらの書類がそれぞれどのタイミングで必要になってくるのか、次の項目で説明しようと思います。

不動産売却時・買主への引き渡し時においての必要書類

2ケースに分けて、それぞれの必要書類を説明します。

⑴不動産売却時

必要書類と推奨書類は以下の通りです。

必要書類

  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 間取り図
  • 建築確認済証、検査済証
  • 地積測量図、境界確認書
  • 管理規約、使用細則
  • 重要事項に関する調査報告書
  • 固定資産税納税通知書
  • 固定資産評価証明書

推奨書類

  • 建築設計図書・工事記録書
  • 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
  • 地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書

登記済権利証・間取り図・固定資産税納税通知書・地積測量図、境界確認書など、物件価格の決め手になる書類に関しては、物件の正しい情報を伝えるため、また、大体の相場を知るために、不動産会社への査定依頼前に準備しておくと良いでしょう。

⑵買主への引き渡し時

必要書類と推奨書類は以下の通りです。

必要書類

  • 身分証明書
  • 実印・印鑑証明
  • 預金通帳

推奨書類

  • 新築販売時の広告やパンフレット
  • ローン償還表
  • 住民票の写しもしくは戸籍附表

印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものが必要になります。
基本、お住まいの市区町村で発行出来ますが、自治体によってはコンビニで交付することも可能です。

印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものが必要になります。
基本、お住まいの市区町村で発行出来ますが、自治体によってはコンビニで交付することも可能です。

ただし、コンビニで発行する場合はマイナンバーカードが必要です。
さて、このように自宅売却の際のタイミングによって必要な書類が変わってきます。
ではこれらの書類はどこで入手できるのでしょうか?次の項目で説明しようと思います。

入手方法と紛失時の取得方法

主な書類の入手方法と紛失時の取得方法について説明します。

⑴登記済権利証・登記識別情報

これに関しては、不動産の所有登記をした時点で取得しているはずのもので、売却するにあたって改めて入手するものではありません。 万一、紛失してしまった場合は、司法書士などの資格者代理人に本人確認を行ってもらう手段や、登記所に事情を説明して「事前通知」を送付してもらう手段などがあります。

⑵建築確認済証、検査済証

これに関しては、基本その物件を購入したときに施工業者やハウスメーカーから受け取っていて本人が保管しているものです。
紛失した場合、再発行はできませんが、管轄の役所にて同様の内容が記載された「建築計画概要書」や「建築確認台帳記載事項証明書」を有料で取得することもできます。

⑶地積測量図、境界確認書

これに関しても、基本的に物件購入時に受け取っているものです。
紛失してしまった場合でも、地積測量図が作成されている場合は法務局に保管されているので 取得することが出来ます。
ただし、境界確認書に関しては、測量した会社がわからないと紛失の際の再入手が出来ず、改めて測量が必要になります。

⑷管理規約、使用細則

物件がマンションの場合、共用部の使用方法などのルールが管理規約や使用細則として書面にまとめられています。
これは、手元に見当たらない場合でも、マンションの管理会社が保有しているので、頼めば仲介会社が手配してくれます。

⑸固定資産評価証明書

役所が把握している不動産の評価額が記載されている書類で、基本役所で入手することが可能ですが、売主の委任状や媒介契約書があれば、仲介会社に入手を依頼することも可能です。
どちらが手配するのかをきちんと確認しておくことが大事です。

まとめ

土地・戸建・マンションなどの不動産売買は、ほかの物品の売買とは異なり法律上の手続きが関係してくるため、揃えなければならない書類が多くあり、これらを全部覚えるのは大変でしょう。

ですが、中には登記済権利証・登記識別情報や建築確認済証、検査済証などの必要書類もあれば、耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書や地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書などの、最悪なくても契約はできる推奨書類もあります。

それに、契約した不動産会社に聞けば、その都度必要な書類を教えてもらうことが可能ですし、基本的な書類は仲介会社にお願いすれば用意してくれます。
また、書類を紛失している場合でも、大体のものは再入手もできるので、さほど心配する必要はありません。
必要書類の多くは、物件購入時に最初から受け取っているものになるので、将来売却する可能性も考慮して、それらの書類は無くさないよう大切に保管しておきましょう。