自宅を売却するとき、火災保険はどうなる?必要な手続きとは

目次

  1. 自宅を売却すると火災保険はどうなる?
  2. 火災保険を解約するにはどうする?
  3. いくら返ってくるの?
  4. 火災保険を解約する際の注意点
  5. まとめ

自宅を売却すると火災保険はどうなる?

住宅を購入した際、火災保険の加入を勧められて、入られた方も多いのではないでしょうか。その名の通り、火事の際大切な家を守ってくれる火災保険ではありますが、詳しい内容はわからないけど、とりあえず入っておこうと考える方も多いと思います。
火災保険の加入は、法律で義務付けられているわけではないため、入るかどうかは自分で決めることはできるのですが、一般的にはみなさん入られているのではないでしょうか。

では、この火災保険に入っている自宅を売却した場合、どうなるのかご存じでしょうか。「残った保険期間にかかってくる保険料はどうなるのか?」と疑問に思われている方もいらっしゃるかと思います。もし、自宅を売却したら、保険を契約している本人が、自分で保険会社に連絡を入れて「解約手続き」を行うことにより、加入している火災保険の残った保険期間にかかる保険料が返ってくるかもしれません。
そこで本記事では、「火災保険を解約する際の手続き」と「返金額の目安」について解説します。

火災保険を解約するにはどうする?

家を売却するからといって、火災保険が自動で解約されることはなく、不動産会社から火災保険をどうするか尋ねられることもほとんどありません。そのため、保険に加入した本人が、自分で申請して解約手続きを進める必要があります。
解約の手続きは、シンプルで簡単なので、安心してください!

損保会社への連絡を行う際に、契約者本人でないと受け付けてもらえないことがあるため、注意が必要です。

解約返戻金は解約手続きが完了した後で、指定口座に振り込まれるのが一般的です。営業店に行き、店頭で保険の解約手続きをしても、その場で返戻金を受け取れないことが多いので、気になる方は前もって確認するようにしましょう。

また、返戻金の振り込まれるまでの期間は、解約日、契約内容等によって異なります。解約の手続きが完了した後、1週間〜10日間を目安としておくと良いでしょう。ただし、解約手続きの完了は、保険会社から郵送されてくる書類に必要事項を記入して返送した後、保険会社での解約手続きが終わったタイミングになりますので、注意が必要です。

時期によっては、保険会社から書類が届くのに10日以上かかってしまうこともあります。正確な日付が知りたい場合は、解約の旨を電話した際に確認するようにしましょう。

いくら返ってくるの?

保険期間の途中で解約した際は、残った保険期間分の保険料を返してもらうことができます。返金額は、保険会社ごとに設定されている「未経過料率係数」を使って算出され、「保険料×未経過料率係数」で求めることが可能です。

未経過料率係数とは、保険契約した時点から経過した年数によって決まる返金額を計算するための特殊な係数です。

この係数の具体的な数値は、各保険会社によって異なるため、ご自身の契約している会社に個別に問い合わせる必要があります。

例えば、損保ジャパンであれば、保険期間が10年タイプのもので、3年目の6ヶ月までに解約すると65%、7年目の3ヶ月までに解約すると28%のように、解約するまでの経過年数と経過月数で細かく決められています。

10年タイプのベーシック(I型)のプランであれば359,850円ですので、65%で約24万円、28%で約10万円が返戻金として、指定の口座に振り込まれることになります。

火災保険を解約する際の注意点

火災保険を解約する手続きはシンプルであると、上記でも述べましたが、家の売却が決まったからすぐに解約してしまおうと考えている方は、ここでの内容を参考にしてください。

注意点としては、以下の4点になります。

では、それぞれの注意点に関して、具体的に見ていきましょう。

(1)解約するタイミングに気を付ける

火災保険を解約するタイミングとしては、買主に住宅を引き渡した後に解約することをオススメします。
なぜ、引き渡した後に解約することをオススメするかというと、火災保険を解約した後に火災に見舞われてしまうと、保険による補償を得ることができなくなってしまうため、住宅の売却が白紙に戻ってしまうというリスクが潜んでいるからです。

売却を予定している住宅から、新居へ引越しすることが決まった段階で、火災保険の解約手続きをすることを考えている方もいらっしゃるとは思いますが、家の売却が決定し、物件を買主に引き渡してから解約するようにしましょう。

もしかしたら、売買契約後にシロアリ被害や設備不良などが発覚し、瑕疵担保責任を負うこととなり、買主との売買契約の破棄に繋がってしまうことも考えられます。そうなると売却が振り出しに戻ってしまうため、改めて売却活動を行う期間、火災保険がない状態になってしまいます。そういった状態で、火災に自分の売却予定の家が巻き込まれてしまい、売却できなくなってしまっては目も当てられません。
解約するタイミングは、「買主に住宅を引き渡した後」と覚えておきましょう。

また、保険会社によっては、解約日を指定できるところもあります。
保険法によると、契約者は好きなタイミングで損害保険契約を解約できると定められています。ただし、保険会社との契約によっては、この限りではない可能性もありますので、契約している保険会社へ確認してみましょう。

火災保険を解約する際は、不測の事態に備えて、未加入の期間をつくらないことが大切です。

(2)保険を使って修繕しておくべき箇所があれば解約前にしておく

多くの火災保険は、自然災害による被害に対応しています。地震や水害、台風などによる被害で、雨漏りや浸水による床被害がある場合は、保険に加入している間に修繕しておくことがオススメです。

買主に家を引き渡した後に、それらの不備が発覚すると、売主であるあなたに自己負担で修繕することを求められる可能性があります。保険を使用したとしても、返金額に影響が出ることはありませんし、あとから余計なお金を使わないためにも、売却活動を行なっている間に修繕できるように、しっかりとチェックするようにしましょう。

(3)買主へ火災保険を引き継がない

火災保険は自動で解約されないのと同様に、不動産名義が変更されたとしても自動的に引き継がれることはありません。ただし、申請すれば新しい入居者に名義を変更することができ、引き継ぐことは可能です。

引き継ぐことで、不要な手続きを避けられると考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、保険の種類などによっては手続きがより面倒になってしまうケースもあります。

保険の内容なども、契約者ごとにどこまで補償してもらいたいかということも変わってきます。保険内容やプラン、保険期間など、どこまで必要か考えるのは買主に任せて、売主が契約していた火災保険は解約することがオススメです。

(4)金融機関の質権を設定している場合は金融機関へ報告する

火災保険に金融機関の質権を設定しているのであれば、解約前に別の手続きを行う必要があります。質権の設定とは、住宅ローンの借入先の金融機関に対して、火災保険の保険金を受け取る権利を担保として渡すことです。火災などの災害で、家がなくなってしまった場合でも、住宅ローンの支払い金を確保するために行われます。

金融機関の質権を火災保険に設定しているときは、損保会社へ解約の電話をかける前に、金融機関に対して、火災保険を解約することを報告します。金融機関が火災保険の解約を許可すると、「質権消滅承認請求書」が送られてきて、必要事項を記入して返送すると、「質権抹消書類」をもらうことができます。

この質権抹消書類を手に入れてからでなければ、解約することができません。解約する時は契約から時間が経っていると思いますので、自身の契約内容を見直し、確認した上で、適切な手続きを行うようにしましょう。

まとめ

本記事では、自宅売却の際に、火災保険をどうするのかということを解説してきました。
火災保険は多くの方が加入していると思いますが、自宅を売却する場合、不動産の名義が変更になったからといって、火災保険は自動的に解約とはなりません。契約者が、解約の旨を損保会社へ連絡することで、解約の手続きを行うことができます。

火災保険はまとまった期間分をあらかじめ一括で支払うという形式が多いため、火災保険の期間に売却を行うと、保険期間の未経過分の保険料を多く支払っていることになるため、保険解約時に返金してもらうことが可能です。いくら返金されるのかは、保険会社ごとに、残りの保険期間に合わせて未経過料率係数というものが設定されています。保険の契約金額に未経過料率係数をかけた金額が指定の口座に振り込まれる形で返金されます。営業所で保険解約の手続きを行なったからといって、その場で返金してもらえないケースもありますので、あらかじめ確認するようにしましょう。

また、解約する際には、解約のタイミングにも注意が必要です。売却した家を引き渡す前に解約してしまうと、火災保険の未加入期間が生じてしまいます。この期間に火災などによる損害を受けた場合、補償を受けられなく、自己負担になってしまうため、必ず引き渡し後に解約するようにしましょう。


【関連記事】

認知症の親の不動産を売ることはできるのか。

銀行は自宅売却の相談先にできる?

終活するうえでの不動産の整理方法、必要事項まとめ

自宅を売却して、マンションの住み替えを考える!

成年後見人が住宅を売却するには?

保佐人は家を売却できるのか?

家を売却する時の相場はいくら?どうやって計算する?

別居中に自宅売却?注意点は?

リフォームしても家は売れる?売値は上がる?

不動産売却の際の司法書士について