自宅は売却する?賃貸として貸し出す?

目次

  1. 自宅は売却した方がいい?賃貸に出した方がいい?
  2. 売却するメリット・デメリット
  3. 賃貸に出すメリット・デメリット
  4. まとめ

自宅は売却した方がいい?賃貸に出した方がいい?

結論としては、「売却」も「賃貸」も一長一短で、それぞれのメリットデメリットを理解した上で、慎重に選択する必要があります。

転勤や相続、住み替えなど様々な理由から、住まなくなった家ができると、「売却する」か、「賃貸として貸し出す」かどちらの方がいいのだろうと、悩まれる方も多いでしょう。実際、どちらの選択肢を選んでも、メリット・デメリットが存在します。そのため、十分に検討を重ねた上で、慎重に判断をしなければいけません。

最近は「Fire」や「不動産投資」という言葉も世間を賑わせているので、「賃貸に出す」ことを考えている方も多くいらっしゃると思いますが、賃貸に出すことで不労所得が得られるというメリットの部分を強く意識されており、デメリットの部分までなかなか意識されていない方がほとんどです。

この記事では、「売却」と「賃貸」の双方のメリット・デメリットを解説します。どちらを選択すればいいのかという参考にしていただけたらと思います。

売却するメリット・デメリット

まずは、自宅を売却するメリット・デメリットからみていきましょう。
自宅を売却するメリットとしては、以下のものがあげられます。

国土交通省の土地保有移動調査(平成28年)によれば、個人が不動産を売却する理由として多くを占めているのが「生活費に充てる」ということです。当然ですが、家を売却することで現金化することができます。この売却で得たお金は、生活費や、住宅の買い替え費用など様々な用途で使用することができます。この「まとまったお金を得ることができる」というのが、売却を行う一番のメリットでしょう。

不動産を保有していることで、固定資産税と都市計画税の2つが税金としてかかってきます。不動産を売却することで、これらの税金がかからなくなるため、家の維持費用として節税にもなります。また、家が古くなれば、雨漏りが発生したり、外壁の塗装が剥がれてしまったりと、何かと修繕費がかかってしまうものです。これらの修繕費に関しても、自宅を売却してしまうことで、費用を削減することができます。

これは、意外と知らない方も多いのですが、銀行で住宅ローンを組む際に加入させられた「火災保険の保険料」や「住宅ローンの保証会社に支払った保証料」などのお金は、不動産の売却をすることによって戻ってきます。自宅を売却した後に、申請を忘れないように注意しましょう。

自宅を売却した際のデメリットとしては、以下のものがあげられます。

一般的に、自宅の売却を行う際は、不動産会社に売却の仲介を依頼して売却します。そのため、不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料は、宅地建物取引業法で定められています。手数料は売買の価格によって変動し、4000万円で家が売却できたとすると、消費税なども含めて、およそ140万円ほどです。通常、売買契約時と引き渡し時に半額ずつ払うことになります。手数料の支払いのタイミングは事前に確認するようにしましょう。

また、売却代金を新居の購入費用に使用することもできますが、自宅の売却と新居の購入のタイミングを考える必要があります。家の買い替えは、今住んでいる家の売却を先行させる「売り先行」と、新居の購入を先行させる「買い先行」の2つの方法があります。ご自身の状況に応じて、適切な方法を選択することができれば、このタイミングの難しさはデメリットとして感じないかもしれません。

賃貸に出すメリット・デメリット

続いて、自宅を売却せず、賃貸に出すメリット・デメリットについて見ていきましょう。
自宅を賃貸に出すメリットとしては、以下のものがあげられます。

また、賃貸に出すということは、不動産の所有権はご自身が持ったままになります。売却してしまうと、不動産の所有権もなくなってしまいますが、賃貸住宅として保有し続けることで、将来的に今の家にもう一度住むということも可能です。これも、賃貸として貸し出すメリットの一つでしょう。

自宅を賃貸に出すデメリットとしては、以下のものがあげられます。

今暮らしている家のまま貸し出すことも可能ですが、すぐに借り手がつくとは限りません。そのため、借り手を見つけるために設備投資を行いますが、高額になってしまうこともあります。さらに、費用をかけたからといって、必ずしも借り手が見つかるわけでなはいというリスクもあります。場合によっては、設備投資にお金をかけただけで、利益を上げることができず、損をしてしまう可能性があることを理解しておきましょう。

また、定期的に住宅の維持管理の費用が発生します。入居者から苦情が入ると、貸し手であるあなたはそれに対処しなければなりません。そのための維持・管理コストもかかります。せっかく入居してくれた人がいても、満足できずすぐに退去されては利益が生まれません。入居者を逃さないために、家を常に最高の状態を保つための手間がかかることも意識しておきましょう。

家は今現在が一番価値のある状態です。年が経つにつれて、家が劣化していきますが、家の扱いが悪ければ悪いだけ、家の劣化は早く進んでしまいます。例えば、モラルがない方に貸してしまったことで、「タバコで壁紙が黄ばんだ」や「ペット臭が室内にしみこんでいる」といった話もよく聞きます。家に戻ろうと思っても帰ってきた時に臭いがついていたり、壁紙が破れていて修理が必要だと嫌な気持ちになりますよね。

その入居者が退去した際に、修繕費を請求することもできますが、自分が気に入っていた家を汚されていい気分の方はいないでしょう。賃貸の場合は、貸す相手のこともしっかり見極めた上で、入居を許可するかどうかを決定しましょう。

また、賃貸を行う上で一番のリスクはなんといっても、「空き家」のままになってしまうことです。せっかく初期投資や維持管理コストを支払っているのに、空き家のままであるがゆえに、家賃収入が入らない可能性があります。これではせっかく賃貸として出したのに、損をしてしまいます。特に賃貸の需要が少ないエリアの家であれば借り手を見つけることは困難でしょう。

住宅ローンが残っている住宅を賃貸として貸し出すには、「住宅ローンを完済する」もしくは「住宅ローンから賃貸住宅向けローン(またはアパートローン)にローンの借り換えを行う」必要があります。住宅ローンを自己資金で完済できる場合は、特に問題はありませんが、賃貸として貸し出すタイミングによっては、多額のまとまったお金が必要となるため、注意してください。

住宅ローンと賃貸住宅向けローンの大きな違いは「金利」です。住宅ローンは住むための住宅用のローンであるので、優遇され、金利が安く設定されています。金利はおよそ0.5%程度と比較的低金利でローンを組むことが可能です。

しかし、賃貸住宅向けローンを借りる際は、対象となる不動産が「生活する住居」ではなく「投資用不動産」という扱いになってしまうため、住宅ローンと比べて金利は高くなってしまいます。賃貸住宅ローンの金利はおよそ3〜4%以上と言われており、ローンを借り入れる金融機関によって幅があります。

住宅ローンを完済できず、ローンの借り換えを行う必要がある場合は、どこの金融期間から借り入れるかを慎重に検討した上で、決定しなければ、多くの損をしてしまうことになります。たかが1%と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、住宅などの大きな資産の場合はその1%が後々ご自身の首をしめてしまうかもしれません。複数の金融機関に相談し、検討するようにしましょう。

まとめ

本記事では、自宅を売却するのか、賃貸として貸し出すのかということについて、それぞれのメリット・デメリットを解説してきました。どちらの選択肢を選んだとしても、それぞれのメリット・デメリットが存在するということは念頭においておきましょう。
「売却」であれば、「まとまったお金」を得ることができる反面、「仲介手数料などの費用」を売却の仲介をしてもらった不動産会社に支払う必要があります。売却して得たお金に対して譲渡所得税が課税されるため、売却したお金を全て手に入れられる訳ではありません。

「賃貸」であれば、「継続的な家賃収入」を得ることができるが、「初期投資」「維持管理コスト」などの諸経費がかさんでしまう可能性もありますし、「空き家」になってしまうと、そもそも収入すら得ることができません。 家を売却することも賃貸にすることも、いずれも「不動産活用」です。単純な利益計算だけでなく、将来を考えてどうするかを検討するべきでしょう。独身である、パートナーがいる、子供がいる、定年前であるなど、ご自身の置かれている状況でも選択肢は変わってきます。どちらを選択するにしても、貴重な財産を後悔なく活用できることを願っています。


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