兄弟が自分の家を売却することは可能?売却のポイントを解説

目次

  1. 兄弟が自分の家を売却することは可能なのか?
  2. 代理人に売却手続きを委任する際のポイント
  3. 委任状を書くときの注意点
  4. まとめ

兄弟が自分の家を売却することは可能なのか?

結論:委任状を用いることで代理人に売却してもらうことが可能なため、代理人に兄弟を指定することで、兄弟に自宅を売却してもらうことが可能。

不動産売買を行う場合は、原則として売却したい不動産を所有している売主と購入を希望している買主双方の本人が立ち会うことが必要です。しかし、自分が売主でどうしても立会いができないといった、やむを得ない事情があるときは、第三者を代理人として選任し、委任状を作成し代理権を付与することにより、その代理人が本人に代わって不動産の売却手続きを行うことができます。

代理権を第三者に付与すれば、確かに売却手続きを委任することができますが、注意しなければ、自分が想像していたのと異なる結果になってしまうかもしれません。

そうならないために、本記事では、第三者に代理で売却を依頼する際のポイント、委任状の書き方などについて、解説していきます。よく読んで、正しい知識を身につけた上で、代理人へ依頼して売却手続きを進めていきましょう。

代理人に売却手続きを委任する際のポイント

この項では、代理人に売却手続きを委任する場合のポイントについて解説していきます。

代理人を選任するためには、代理権委任状が必要となる

代理人に不動産の売却手続きを依頼するには、代理権委任状を作成する必要があります。委任状を作成することによって、代理人が不動産売買において本人の代理で行う権利を持つことを証明できるようになります。

また、委任状は、不動産売買においてどこまでを委任するのかという範囲を明確に規定するという役割もあります。

代理人は意思能力者であれば、誰でも選任できる

代理人として選任する人は、意思能力者であれば、委任状を作成することで、誰でも選任することができます。意思能力者とは、法律行為を行なった際に、自己の権利や義務がどのように変動するかを理解するだけの精神能力を持っている人になります。民法第102条にて、未成年や成年被後見人などの成年制限行為能力者であっても、代理人となることが可能と規定されています。

制限行為能力者が、代理人として依頼した本人のためにする行為は、本人に効果があるだけで、代理人である制限行為能力者には影響がありません。そのため、制限行為能力者が代理人としてやった法律行為に関しては、行為能力の制限を理由とする取消しの対象になりません。制限行為能力者と知って代理人に選任することを選択したのであれば、その不利益も覚悟の上で選任することになります。

ただし、委任状を作成したとしても、代理人を選任できないケースもあります。委任状を作成することで、代理権を付与された人を「任意代理人」というのに対して、未成年者や成年被後見人の代理人などの、法律の規定に基づいて選任される人を「法定代理人」といいます。依頼主が未成年や成年被後見人の場合は、原則として法定代理人が行うことになりますので、委任状を作成しても、代理人を選任できませんので、注意が必要です。

やむを得ない事情がある場合を除き、制限行為能力者でない、信頼できる人を代理人として選任するようにしましょう。

代理人に自宅売却を依頼したとしても、本人確認は必要となる

不動産売買において、委任状があれば代理人が本人の代わりに進めることが可能です。不動産の売却が完了し、必要書類を揃えて法務局に申請をすれば、登記書類は受理されます。

しかし、この一連の売買行為が、本人に成りすました誰かが行うことができたら怖いと思いませんか。第三者の手によって、委任状を作成して、取引を行うことができてしまうと、本人の知らないところで、不動産が売却されてしまうことになります。そのため、登記手続きを行う司法書士は、基本的に登記申請前に、不動産の所有者本人と面談をして、本人確認と売却の意志確認をすることになっています。

委任状を書くときの注意点

委任状を作成して、代理人に不動産売買を依頼する際のポイントについて説明してきました。この項では、委任状作成時の注意点について、解説したいと思います。注意点は以下の6つになります。

それぞれの注意点に関して、詳しく見ていきましょう。

(1)委任状の形式は自由であること

委任状の形式には、規定や制限などがなく、自由に作成することができます。例えば、メモ用紙などに自筆したり、パソコンで記載して印刷したりもできますし、縦書きや横書きなども自由です。どのような媒体にどのように記載されても、委任状として有効になります。何らかの形式要件を満たさないと無効になるものではないため、慎重に書かなければ、後でトラブルになってしまう可能性が高くなってしまいます。特に、不動産売買に関しての専門知識のない人が書いても有効となりますので、代理人に不要な権限を与えないようにすることが重要となります。

(2)本人と代理人の氏名と住所を記載すること

委任状には、本人と代理人の氏名と住所を記載するようにしましょう。世の中には、同姓同名の人も存在するため、名前だけの記載にしてしまうと特定することが難しくなってしまいます。本人と代理人を確実にするためにも、氏名に加えて、住所も記載するようにしましょう。

(3)委任する行為の範囲を明確にすること

委任状に基づいて、代理人が行った契約行為は、本人が契約を行った場合と同等の効力を持つことになります。そのため、委任状は、代理人の権限を制限するために、委任事項を限定することが重要です。
では、どういった内容を記載すればいいのかということですが、一般的には以下の項目を記載します。

まず、対象となる物件に関して、登記事項証明書や登記済権利証と相違がないように正確に記載します。売却価格や引き渡し日の時期なども明記しておけば、代理人がその場で値引きに応じたり、引き渡し日を遅らせるといったような勝手な判断ができないように制限することができます。

次に、代理人に委任する範囲が、明確になっているかどうかを確認します。第三者が見ても委任する範囲が理解できるかどうか、曖昧な部分がないかどうかも確認しましょう。曖昧な表現としては、「自宅売却に関する一切の件を委任する」のように記載してしまうと、自宅売却に関する代理人の権限は、拡大解釈できるようになってしまいます。

また、委任状の項目で空欄になっているところが無いかどうかも確認するようにしましょう。項目が空欄になっている委任状を「白紙委任状」と呼び、委任の範囲を定めていないため、後にトラブルを招く可能性があります。委任状を作成した後、空欄項目がなく、ちゃんと記載されているかどうかを念入りに確認するようにしてください。

最後に、第三者による委任状への追記を防止するため、委任状の終わりは「以上」と締めくくります。自分の意図していない委任行為を行われないようにすることは、自分を守ることになりますので、必ず書くようにします。

(4)委任した日付を記載すること

委任状には、「委任した日付」を記載しましょう。委任開始日を明確にしておくことで、代理権がいつから行使されているのかを明らかにすることができます。不動産の売買契約の有効性を証明することができるため、記載しておきましょう。

(5)実印を用いて印鑑証明書も添付すること

委任状には、実印の印鑑証明書も添付するようにしましょう。上述した通り、委任状は書式が自由であるため、実印でなく三文判で押印していても、印鑑証明書も添付しなくても有効な書類になります。しかし、三文判は偽造できてしまうことも考えられますし、高額な取引が行われる不動産売買では、実印による押印と印鑑証明書の添付まで求められることが多いです。簡素過ぎる委任状は、買主への不信感へも繋がるため、本項の注意点を確認し、作成するようにしましょう。

(6)捨印を押印しないこと

委任状には、絶対に捨印を押印しないようにしましょう。捨印とは、文書に誤りが見つかった際に修正できるように「訂正印をあらかじめ押しておく」ハンコのことを指します。つまり、捨印を押してしまうと、委任状の委任事項に誤りがあったとして、第三者が自由に訂正できてしまうため、新たな委任事項を加えることもできてしまいます。勝手に売買条件も変更できてしまうため、想定外の契約を結ばれないように、捨印は絶対に押さないようにしましょう。

まとめ

委任状を作成すれば、不動産の売却を代理人に委任をすることができます。つまり、兄弟であっても、自宅を売却できるようになります。

代理人は意思能力があれば、誰でも選任することができますが、自宅売却という大きな取引を任せるため、信頼できることと、商談を進める力があることを満たす人を選任したいものです。信頼はできるが、商談を進める力が足りなかった場合、売却自体が滞ってしまうという可能性も考えられます。代理人として選任する人物は、慎重に検討するようにしましょう。

また、委任状を作成するにあたっての注意点も解説してきました。委任状には、決まったフォーマットがないため、適当に書いても有効な文書となってしまいます。その委任状に基づいて、代理人が自宅売却を行うため、権限を与えすぎてしまうと自分の意図していない契約を結ばれるリスクがあります。しっかりと内容を精査し、曖昧な部分がないことを確認した上で、代理人に依頼するようにしましょう。


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