別居中に自宅売却?注意点は?

目次

  1. 別居中に自宅売却できるのか?
  2. 別居中の自宅売却のタイミングは?
  3. 別居中の自宅売却の方法
  4. 本当に売却は必要?
  5. まとめ

別居中に自宅売却できるのか?

結論:自分の共有持分だけであれば、相手の同意なしで売却できます。しかし、家全体を売却するのであれば、相手の同意を得る必要があります。

現在、別居していて離婚することを検討している夫婦にとって、自宅をいつ売却すればいいのかということは悩ましい問題です。売却するタイミングを検討しないと、財産分与を考えることが難しくなってしまうケースがあります。また、夫婦で共有名義の家であれば、家全体を売却するためには配偶者の同意を得る必要があり、自分の意思だけでは売却することができません。ただし、自分の共有持分のみの売却であれば、相手の意思に関係なく、売却することができます。別居中の相手と連絡を取り合う必要がないため、共有名義の家で、相手から売却の同意を得られなければ、自身の共有持分のみを売却することも検討しましょう。

しかし、共有持分の売却は普通の不動産会社では対応してもらえないことが多いです。そのため、専門の買取業者に依頼する必要があります。共有持分の売却に対応してくれる不動産業者を調査し、複数の業者に査定を依頼し、相談することをオススメします。
本記事では、別居中の家売却について、売却のタイミングや注意点などを解説していきます。

別居中の自宅売却のタイミングは?

冒頭でも記述した通り、別居をしていて自宅売却を検討している時は売却するタイミングに注意しないと、財産分与を検討する際に難しくなってしまうケースがあります。まずは、何を基準にタイミングを検討すれば良いのかを見ていきましょう。

売却するタイミングとしては、「住宅ローンが残っているかどうか」を見て判断することが多いです。

住宅ローンが残っているなら「別居中」、住宅ローンを完済しているなら「離婚後」に売却する方が良いでしょう。
特に、夫婦の収入の合計から見積もって、住宅ローンを組んでいるのであれば、「別居中」に家を売却した方が良い場合が多いです。離婚後まで売却を先延ばしにして、住宅ローンの支払いが残っていると、どちらかがローンの返済を滞納したり、連絡が取れなくなったりすると、住宅自体が差押えとなってしまうリスクがあります。そうなると、売却自体ができなくなってしまいます。
一方が連帯保証人になっている場合も、夫婦二人の名義で住宅ローンを組んでいる場合も、離婚するまでに家を売却しなければ、上記のリスクがつきまとってしまいますので、注意が必要です。そのリスクを回避するためにも、住宅ローンが残っている場合は「別居中」に家を売却することをオススメします。

では、住宅ローンが完済している場合はというと、これは「離婚後」の売却の方が良いです。
1番のメリットとしては、「贈与税がかからない」ということになります。共有名義の家など結婚している間に築いた財産は、離婚後に財産分与することになります。この財産分与では贈与税がかかりません。
しかし、離婚前に家を売却して、売却して得たお金を夫婦で分けてしまうと、「贈与税」がかかってしまいます。贈与税は、最大55%もかかるほどの税率が高い税金になります。これによって、せっかく築いてきた財産を税金として納めなければならないのはもったいないと思いますよね。不動産を売却するタイミングはよく検討して、慎重に決めるようにしましょう。
もう1つのメリットが、離婚後の自由なタイミングで家を売却できるということです。自分のタイミングで売却できるので、高い価格で売却することもできるかもしれません。離婚調停など、お子さんがいるのであれば、親権をどうするかなどという話し合いに時間や労力をかけてしまうことになるため、なかなか不動産売却に割く時間を捻出できないという問題があります。そのため、売却時期を自由にできる離婚後に売却活動を行うことで、高い価格で売却できる可能性が高まります。

別居中の自宅売却の方法

別居中に不動産を売却する方法としては、以下の3つが考えられます。

それぞれの方法に関して、詳しく見ていきましょう。

(1)家全体を売却する

共有名義の不動産を売却するにあたって一番高値での売却は、もちろん家全体を売却した時になります。家を売却して得た金は、それぞれの持分割合に応じて分けるのが一般的です。例えば、3分の2、3分の1などで均等に持っている場合は、不動産を3,000万円で売却したとき、2000万円と1000万円で分けることになります。

売却を進めていく場合は、窓口となる代表者を決めておくことで売却をスムーズに進めることができます。「いくらで売るか」「値引きにどこまで対応するか」「この買主に売って良いか」など、相談しなければいけません。夫婦が別居していない時は、直接相談すればいいですが、別居してなかなか連絡を取れない場合は夫婦での意見が食い違っていて売却を進められない恐れがあります。そのため、代表者にある程度の裁量権を持たせて、売却をすすめていくと良いでしょう。一番揉める問題としては、「売却価格」です。お互いの売却価格の考えを聞き、最低価格を決めておくことも必要でしょう。

ただし、この方法は共有名義である夫婦双方の同意があることが前提になります。相手の同意が取れない場合は、別の方法で売却することを検討しなければなりません。それは、次で説明します。

(2)自身の共有持分のみを不動産会社に売却する

自分の持分だけであれば、相手の同意を得られなくても売却することができます。ただし、共有持分の売買は特殊な取引となるので、一般的な不動産会社では売却できないケースが大半です。そのため、共有持分の売却は専門の買取業者に相談しながら進めていくことがオススメです。専門の買取業者は自社で共有持分を買い取ってくれるため、取引がスムーズなのが特徴です。

ただし、買主としては制限の多い不動産の共有持分を購入することになるので、売却価格は安くなってしまうことが多いです。また、相手にとっては、共有持分権者に、第三者が入ってくることになるため、トラブルに発展する可能性もあります。もし、自分の持分を売却することを検討しているのであれば、相手に一言声をかけておく方が後で問題として揉めることを避けることができるでしょう。

(3)自身の共有持分を相手に買い取ってもらう

自分の持分は不動産会社のような第三者だけでなく、他の共有者にも売却することができます。例えば、夫が妻に持分を売却すれば、住宅を妻の単独不動産とすることができます。どちらかが家全体の売却に反対している場合は、共有持分の買取を持ちかけてみるとよいでしょう。持分を買い取った方は住宅を単独名義で所有でき、売却した方はまとまったお金が手に入るのでお互いにメリットがあります。どちらかが今と同じ家に住み続けたいと考えている場合に有効な方法です。

この方法を選んで売却をする際は、当事者間で価格を自由に決めることができます。ただし、相場と乖離した低価格で売買してしまうと、「贈与」とみなされて贈与税が発生するので注意が必要でしょう。

本当に売却は必要?

売却の方法の3つ目として、自身の共有持分を相手に売却することができます。同じ家に住み続けたいと考えている方も多い現状にあります。「住み続ける」理由としては、「子供の生活環境を変えたくない」といった、環境が理由になることが多いです。

そのため、家を売却しないでもいいケースというのも検討しましょう。住宅ローンを借りている人の名義で、持ち家に住み続けながらローンの支払いを続けるというシンプルなパターンもあれば、相手が住宅ローンの連帯保証人になっていて、その相手が家に住み続けるパターンもあります。前者であればあまり問題もないのですが、後者であると相手がローンの返済を遅延してしまうと、相手に支払いの催促がいくことになります。最悪の場合、家を競売にかけられ、強制退去ということにもなりかねません。そういった状況にならないように、新しい連帯保証人を決めて、連帯保証人の変更手続きを行っておくと安全でしょう。また、ローン返済が遅延した場合に備えるために、公正証書を作成しておくことをオススメします。公正証書は、全国にある公証役場で作成することができますので、もしわからなければ役場で相談しましょう。

まとめ

別居中に自宅の売却を考える際は、家を売却するタイミングに注意しましょう。タイミングを判断する基準としては、「住宅ローンが残っているかどうか」で判断することができます。住宅ローンが残っている場合は「別居中」、住宅ローンが完済できている場合は「離婚後」に売却することをオススメします。
住宅ローンが残っている場合は、返済が滞ることで家を差し押さえられてしまう可能性があります。相手と連絡が取りづらい状況であることから早めに売却を進めていくことを検討しましょう。

住宅ローンが完済されている場合は、離婚前の「贈与」とみなされないように、離婚後の売却を検討しましょう、贈与とみなされてしまうと、贈与税がかかってしまい、せっかく築いてきた財産が減ってしまうため、注意が必要です。
売却の方法としては、「家全体を売却する」「共有持分を不動産会社に売却する」「共有持分を相手に売却する」の3つがあります。
家全体を売却する時は、相手の同意が必要。共有持分の売却に関しては、不動産会社のような第三者に売却するとトラブルになるケースがあります。不動産業者に相談する前に相手の方が買い取ってくれないか相談するようにしましょう。
そもそも、家を売却するかどうかというところも検討の余地はあるでしょう。
s 自身にとっても相手にとっても、望ましい形で自宅の売却が進むことを願っています。


【関連記事】

コロナ禍における自宅売却

自宅を売却するとき、火災保険はどうなる?必要な手続きとは

自宅を売却する際にかかる期間

被保佐人は自分で自宅を売却できる?

自宅売却での値下げ交渉

兄弟が自分の家を売却することは可能?売却のポイントを解説s

自宅を「買取」で売却って実際どうなの?

自宅売却の際にかかる様々な費用

別居中に自宅売却?注意点は?

相続した家を売却するときの注意点は?