住宅ローンが残っている家の自宅売却

目次

  1. 住宅ローンが残っていても自宅売却はできる?
  2. オーバーローン状態での対処法
  3. 買い替えの場合、売り先行が良い
  4. 住宅ローンが残っている家を高く売却するためには
  5. 諸費用にはご注意を
  6. まとめ

住宅ローンが残っていても自宅売却はできる?

 自宅の売却をしたくても、まだ住宅ローンが残っているから…と諦めモードになってしまう方もいると思います。でもご安心ください、結論から言いますと、住宅ローンが完済されていなくても自宅の売却をすることは可能です。では、具体的にどのような方法があるのでしょうか、順を追って説明します。

 まず、第一に理解しておかなければならないのが、住宅ローンが残っている家の売却は可能ですが、売却時にはローンの完済で抵当権を抹消できることが条件です。抵当権とは、住宅ローンなどを利用する際、債権を担保するため、土地・家などに設定する権利のことで、個人だけでなく、会社が金融機関に融資を受ける際も土地や建物に抵当権を設定します。これを設定することで債務者がローンを返済出来なかった際、債権者は担保になっている土地や家を競売等の方法を使って換価し、優先的に弁済を受けることが出来る権利を持ちます。一般的な取引において、抵当権が抹消できない物件は売買契約が難しくなってしまいます。不動産の所有者が変わったとしても、一度設定した抵当権が抹消されることはありません。

 そのため、まずはローンの残債を調べるところから始めます。ローンの残債に関しては、固定金利であれば借りたタイミングで発行されますが、変動金利だと金融機関が毎年送ってくれる返済予定表で確認をします。万が一、これをなくしてしまった際は、残高証明書をその金融機関から発行してもらえば直近の残債の確認が可能です。

 一般的には、自宅の売却金額をローンの返済に充てる方が多いので、次にそれを調べます。信頼できる不動産会社に査定の依頼をして、売却金額を調べていきます。査定とは、不動産会社などが土地建物の状態や周辺環境、家の立地などといった様々な条件を考慮して、周辺の不動産相場と照らし合わせながら、現在の不動産価値を算出することです。

 売却金額を調べたら、その金額でローンを完済できるかどうかを確認します。もし、売却金額で無事ローンの完済ができる場合(アンダーローン)、その代金の中から金融機関がローンの残り分を引き落として、返済の設定をしてくれます。必ずしも査定額で売れるとは限らないため、そこからやや下の金額で売却されると仮定し、そこからさらに仲介手数料などの諸経費分を差し引いた金額がローンの残債を上回っているのであれば売却の手続きを進めて良いでしょう。これによって金融機関の抵当権が抹消され、家の買い手側が住宅ローンを組めるようになります。一方、売却金額ではローンの返済が困難な場合(オーバーローン)、売却資金で不足しているローン返済分の差額を補填する必要があります。特に建物が木造の戸建ては、建物の劣化などからその価値が案外早く落ちてしまうので、住宅ローンの残高が減るスピードよりも住宅の資産価値が落ちるスピードの方が早い傾向があるため注意が必要です。
 では、オーバーローンになってしまった際は一体どうすれば良いのでしょうか、その対処法を次の項目で説明します。

オーバーローン状態での対処法

オーバーローン状態の家を売却するための3つの方法を説明します。

⑴任意売却を検討する

 任意売却とは、住宅ローンの返済ができなくなった時に、金融機関から特別な合意を得て不動産を売却する方法です。特に、売却資金だけではローンが完済できない際は、金融機関と売却後のローン残債の返済のことなども合意しなければなりません。金融機関に相談して、ローンの返済が困難と判断された場合、任意売却が認めてもらえる可能性があります。任意売却のメリットは、競売ほど売却金額が下がる可能性が低い点、競売と違って差し押さえがなく、売却完了まで近隣にわかる心配がない点などが挙げられます。一方デメリットは、銀行の許可が降りなければ売却が出来ない点、不動産会社の中でも任意売却を得意とする業者にお願いをしなければならない点などです。住宅ローンの滞納をしている場合、返済が滞ってからおよそ半年で差し押さえ手続きに入り、その後競売の手続きが開始されます。最終的に競売開始決定が裁判所によってなされると任意売却が困難になってしまいます。任意売却自体は、競売の入札が始まる前までは活動することが出来ますが、売却期間が短いほど売りにくくなってしまうので、任意売却の際の相談は早めに行い、金融機関から許可をもらったら即座に売却活動に入るようにすると良いです。

⑵住み替えローンを利用する。

 住み替えローンとは、家の買い替え時に購入する物件の住宅ローンに、返済出来なかったローン残債を上乗せして借りることの出来るローンです。こちらのメリットは、融資条件によっては、従前の住宅ローンよりも低金利になる可能性がある点、従前の住宅ローンを返済するための手持ち資金がない場合でも住み替えが出来る点などが挙げられます。一方デメリットは、融資の審査基準が厳しい点、借入額が増えてしまう点などが挙げられます。住み替えローンは対応していない金融機関もあるので、事前に利用する金融機関に確認をとっておくと良いです。

⑶手持ち資金で補填する

 基本的には、自分の預貯金などの自己資金内で支払えると良いですが、どうしても自己資金ではどうしようもない場合は家族相談、あるいは金融機関から無担保ローンを借りることになりますが、融資の審査も非常に厳しく、たとえ借りられたとしても高金利で借りることになってしまいます。住宅ローンの返済に目途が立たない状態で売却希望する場合、ある程度の覚悟が必要になるでしょう。
 これらの方法であれば、オーバーローンになってしまっても対処することが出来ます。次の項目では、住宅ローンが残っている家の買い替えについて説明します。

買い替えの場合、売り先行が良い

 ローンが残っている状態で買い替えを行う場合、所有する家を先に売ったあと次の家を買う「売り先行」と、新居を先に買ってから現在の自宅を売る「買い先行」の2種類があります。売り先行だと、引越し代が2回分かかってしまったり、新居が見つかるまでは仮住まいでいなければならない、などのデメリットがありますが、ダブルローンにならなかったり、焦らず落ち着いて売却活動が出来るため、比較的安心して資金計画を立てることが出来ます。特にローン残高が大きいほど、売り先行でまずは売ってからゆっくり探す方法がおすすめです。

 また、もし買い先行を行い、自己資金が不足してしまった場合、「つなぎ融資」という方法を用います。これは、購入と売却のタイミングがずれ、タイムラグが発生してしまった際に、その期間だけお金を借りる融資制度です。まず、つなぎ融資を受けて新居を購入して、過去の家が売却できたらその売却金を使ってつなぎ融資を一括返済します。これならば、ローンの返済中でもなおスムーズな買替ができて、仮住まいも必要なく、引越しを1回で済ませることが出来ます。ただし、買い替えローンに比べて費用が高くなってしまうことが多い点や融資の期間は6ヶ月〜1年程度に限定される点などには十分に注意をしてください。
 次の項目では、住宅ローンが残っている家を高く売却するためのポイントを説明します。

住宅ローンが残っている家を高く売却するためには

 住宅ローンが残っている家を高く売却するためのポイントを2点説明します。

 1点目は、写真にこだわることです。内覧者数が増えればその分売却出来る可能性が増えるので、まずは内覧者数を増やすための工夫をする必要があります。内覧したい、と思わせるコツは、広角カメラを利用したり、なるべく明るいタイプの照明を使用したりと、とにかく魅力的な写真を準備して数多く掲載することです。そうすれば、多少相場より高い金額で販売したとしても内覧希望者を集めることができるでしょう。

 2点目は、価格交渉に事前に慣れておくことです。物件の内覧の増加に伴い、価格交渉の回数も増えていき、ここで負けてしまうと全てが水の泡になってしまいます。その際のコツは、残りの返済金額を下回る金額で購入を希望してきた場合、すべて断ることです。それでも内覧者が多ければ、いつか値引きなしで購入希望してくれる人がきっと現れるので慎重にいきましょう。ただ、残りの返済金額と値引き交渉の金額が絶妙なラインならば、値引きを許可することも検討して良いかもしれません。

 このポイントを踏まえて、高額売却を目指しましょう。次の項目では、住宅ローンが残っている家の売却の際、注意しなければいけない点を説明します。

諸費用にはご注意を

 住宅ローンが残っている自宅の売却の際にも、通常の不動産売却同様諸々の諸費用が発生する点に注意してください。物件の売却の仲介を頼んだ際には、その不動産会社への仲介手数料が発生します。他にも、印紙税・抵当権抹消抹消登記費用・司法書士への報酬・住宅ローン返済手数料・所得税など、場合によって様々な費用が発生します。残債は完済出来たのに、諸費用を払う資金が足りなくなってしまう、といった事態を避けるためにも、住宅ローンの返済を計算する際には、売却費用として家の売却額の5%程度の費用を見込んでおくと良いです。

まとめ

 住宅ローンが残っていても自宅の売却は可能ですが、そのためには抵当権を抹消する必要があります。売却代金でローンの返済が出来ればそのまま売却できますし、返済できなかった場合も、住み替えローンなどの方法で対処することができます。売却では諸費用もかかるので、ローンの返済の計算をする際は、売却費用として売却額の5%程度の費用を見込んでおくと、最悪の事態を避けることができるでしょう。住宅ローン返済中の物件の売却を検討される時は、是非この記事を参考にしてみてください。


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