借地権の買取請求権とは?借地上の建物を買い取ってもらえる?!

目次

  1. 借地権を更新しないと、建物はどうなるのか
  2. 借地権とは
  3. 普通借地権と定期借地権とは
  4. 借地権の買取請求権とは
  5. なぜ買取請求権が認められるのか
  6. 地主は買取請求権を拒否できるのか
  7. 借地人が買取請求権を行使するには
  8. 地主が契約更新を拒める正当な理由とは
  9. 建物はいくらで買い取ってもらえるのか
  10. まとめ

借地権を更新しないと、建物はどうなるのか

借地に建物を建設して利用することには様々なメリットがあります。そのため、借地を利用したいという人は多いです。しかし、借地権は更新できないことがあります。その場合、借地上に建てた建物はどうなるのでしょうか。手放さなくてはならないのでしょうか。実は、その建物を地主に買い取ってもらうことができるのです。そのための権利を「買取請求権」といいます。今回は、借地権の買取請求権とはどのようなものかについて説明していきます。

借地権とは

「借地」とは、土地の保有者から借りている土地のことです。そして、その借地を使う権利を「借地権」といいます。借地権があると、建物を建てるなど、その土地を自由に利用することができるようになります。例えば、戸建て住宅を建てる場合には、土地を購入してそこに建物を建てるのが一般的です。この場合、土地と建物の両方に所有権が及ぶことになります。一方、借地権を利用すると、土地は購入せずに建物だけを建てることになります。そうすることで、土地の購入費用が浮き、建物を建てるまでの費用を少なくすることができるのです。この方法は特に土地の価格が高いエリアに建物を建てるときにお得だといえます。

普通借地権と定期借地権とは

借地権には「普通借地権」と「定期借地権」という二つの種類があります。まず普通借地権とは、契約満了になったときにはほとんどの場合で契約更新が可能な権利です。地主が契約更新を拒否するには、相当な理由が必要になります。そのため、地主が土地の権利を回収するのが難しくなっています。このように、普通借地権では借地人に対してかなり有利な契約なので、普通借地権はあまり利用されていません。

一方、定期借地権は、契約更新ができないというのが特徴の一つです。そのため、普通借地権とは異なり、借地権を半永久的に借地人に利用されてしまうということが起こりません。それゆえ地主はこちらの契約を結ばせることが多いです。

借地権の買取請求権とは

みなさんは「買取請求権」という言葉を聞いたことがありますか。
買取請求権とは、借地人が地主に対して建物の買取を依頼できるという権利です。
借地人は借りている土地に建物を建てて利用していることがほとんどです。しかし、契約が満了になったり、地主から契約更新を断られたりしたら、その土地を地主に返却しなければなりません。その場合、借地の上の建物を利用できなくなってしまいます。そのため、契約更新が行われない場合は、借地上の建物を地主に買い取ってもらうように請求することができるのです。これが「買取請求権」です。

なぜ買取請求権が認められるのか

買取請求権は、借地人にとって有利な権利です。それは、土地を立ち退くのであれば建物は解体して更地の状態で返却するのが普通なのに、解体する必要がないうえに、建物を地主に買い取ってもらうことができるからです。地主にとってこの買取請求権は、土地を返してもらうために建物の代金を支払わなければならず、しかもその建物は自分が建てたものではないというデメリットがあります。

なぜこの権利が認められるのかというと、それには二つの理由があります。一つ目は、借地人を保護するためです。借地人は借りた土地に自分で支払って建物を建て、生活したり事業を営んだりしています。しかし、契約満了に伴ってその建物を利用できなくなると、せっかくの建設費は無駄になるし、これまでの生活もできなくなってしまうのです。それに納得する借地人は少ないでしょう。そのため、少しでも納得してもらえるように、買取請求権が認められているのです。

二つ目の理由は、建物を解体するのはもったいないからです。借地人が物件を引き渡すのは建物が劣化してきたからではありません。まだ住み続けられる状態である場合がほとんどです。それなのに解体してしまうのは社会的にも損失になります。そのため、建物は解体せずに借地を地主に返す方法として買取請求権が認められるのです。

地主は買取請求権を拒否できるのか

地主にとっては買取請求権を行使されるのは嬉しいことではないでしょう。それは、自分が建てたわけではない建物を買い取らなくてはならないからです。地主は、借地人が買取請求権を行使してきたら拒否したくなるかもしれません。しかし、それは不可能です。たとえ契約で「建物買取請求権は認めない」などと取り決めたとしても、それは無効になってしまいます。地主は借地人に対して買取請求権を認めなくてはならず、もし行使されたら対応しなければならないのです。

借地人が買取請求権を行使するには

買取請求権はどのような場合でも行使できるわけではありません。買取請求権を行使するには、

といった要件を満たす必要があります。つまり、借地に建物が残っていない場合や、契約期間の途中である場合、事前の通知がない場合などには買取請求権は行使できません。もしこの権利を行使したのに地主が対応してくれない場合は、借地人は土地の明け渡しを拒否することができます。

地主が契約更新を拒める正当な理由とは

普通借地権では、基本的に契約の更新が可能です。しかし、地主が契約更新を拒否できる場合があります。それはどのような場合なのかを説明していきます。

借地人が契約に反する行為をとった場合

借地人が契約を破った場合は、地主は契約更新を拒否することができます。契約に反する行為とは例えば、地主に言わずに借地権を第三者へ譲渡したり、支払うべき地代を滞納したり、契約時とは違う内容に土地を利用したりといった行為です。このような行為は契約不履行とみなされ、地主が契約を解除するための正当な理由になります。また、このような形で契約が終了した場合は、借地人は現状回復しなければなりません。原状回復とは、不動産を借りたときと同じ状態に戻して返却することです。不動産を借り、返却するときには、借り手に対して原状回復義務が課せられるのが一般的です。借地を借りて、契約不履行によって契約更新がなされない場合にも、借地人は原状回復義務を負うことになります。

地主が土地を使用したいとき

地主がその土地を使用したいと主張すれば、借地の契約更新を拒否することができます。その際は、土地の利用用途に制限はありません。例えば、居住目的で住宅を建てたり、事業目的でビルを建設したりと、どのような目的であってもよいのです。土地の保有者である地主が土地を必要としていることが何よりも優先されるので、借地の更新を拒否できます。そして、借地人側は、契約更新の拒否に対して、買取請求権を行使することができるのです。

借地上に建っている建物の状態が劣悪な場合

借地上に建っている建物が劣化していたり、災害によって破損していたりする場合、地主は契約更新を拒否できます。しかし、この「劣悪」な状態を測る具体的な指標があるわけではありません。建物が劣悪に見えても、「まだ住める」とみなされてしまうと、契約更新を断る正当な理由として認められないことがあるので注意が必要です。

建物はいくらで買い取ってもらえるのか

借地人が買取請求権を行使してきたとき、地主はその建物をいくらで買い取ることになるのでしょうか。結論を言うと、借地上の建物は時価で買い取ることになります。つまり、借地上の建物の値段はそのときの売却相場や建物の築年数によって変わるのです。そのため、建物の築年数が経っていると、あまり高い価格では買い取ってもらえないのです。一般的に借地権の契約期間は長いので、契約が満了するときには借地上の建物はかなり築年数を経ていることが多いです。つまり、借地上の建物を高い価格で買い取ってもらうことは期待できないと考えた方がよいでしょう。

まとめ

今回は、借地権の買取請求権とはどのようなものかについて解説してきました。
買取請求権とは、借地の契約が満了するとき、借地人が地主に対して建物の買取を依頼できるという権利です。
しかし、買取請求権を行使するには、借地権の契約が満了になるタイミングであること、地主側に正当な理由があって契約更新を行わないこと、借地人が買取請求権の行使を事前に地主に伝えることなどの用件をクリアしなければなりません。

借地上の建物は時価で買い取られることになりますが、あまり高い価格での買取は期待できません。しかし、買取請求権を行使すれば、建物を解体せずに済むと言うメリットがあります。

地主は、買取請求権を行使された場合にはそれに応じなくてはなりません。もし買取請求に応じないと、借地を返してもらえなくなってしまいます。地主にとって買取請求権とは、自分が建てたわけではない建物を買い取らなければならないので不利益のように感じるかもしれません。しかし、買取請求に対応しないことで借地人と揉め事を起こすと、最悪の場合裁判に発展し、かえって手間や費用がかかってしまうことがあります。そうならないように、地主側も借地人側も契約内容はしっかりと守るようにしましょう。


【関連記事】

【わかりやすい】借地権の売却利益には特別控除を受けられるのか?

借地権を売却したときの所得税はどのような計算式で求めるのか?

【必読】借地権を売却するには地主の許可や承諾料が必要なのか?

借地権の買取請求権とは?借地上の建物を買い取ってもらえる?!

底地の買取交渉とは?交渉を専門会社に依頼するメリットを解説!

借地権はお得?取得するために支払う費用について徹底解説!

借地権を売却したら確定申告が必要?!税金はいくらかかるのか?

【わかりやすい】借地権買取とは?流れやメリットを徹底解説!

【必見!】底地や借地は売却、または購入したら税金がかかるのか?

借地権の売却には消費税がかからない?例外的なケースを徹底解説!