底地や借地の買取相場はどのような計算式によって求められるのか?

底地や借地がいくらで売れるのか調べたい!

底地や借地は、地主の許可を取れば売却することができます。みなさんは、底地や借地はいくらで売れるのか知っていますか。底地や借地を売ろうと思っても、いくらで売れるのかがわからないと売却するという決断ができません。そこで、今回は底地や借地の買取相場とはどのような方法で計算できるのかについて説明していきます。

底地と借地とは何か

そもそも「借地」と「底地」とは何なのでしょうか。まずは、借地と底地について説明します。借地とは、地主から借りている土地のことです。借地を借りた「借地人」は、その土地を利用することができます。その権利のことを「借地権」といいます。一方、底地とは、地主が保有している土地のことです。底地を保有する権利のことを「底地権」といいます。つまり、借地では、土地を保有している人と利用できる人が異なっているのです。このように、借地は権利の面で一般的な不動産とは異なっています。そのため売却しようとしても買い手がつきにくいことがあります。

底地や借地は売却できるのか

底地や借地は売却することができます。しかし、そのためには地主の許可が必要だと民法で定められています。もし地主に相談せずに借地を売却してしまうと、地主との関係が悪化し、借地権を失ってしまう可能性があります。そのため、借地を売却するときには必ず地主に相談してからするようにしましょう。しかし、地主が喜んで売却を許してくれるとは限りません。それは、地主は借地から地代収入を得られるからです。借地人が借地権を手放してしまうと、地代収入がなくなってしまうのです。それでも地主に借地売却を認めてもらうために、借地人は承諾料を支払うことがあります。承諾料とは、借地を売却することを地主に許可してもらうために支払う費用です。承諾料を支払い、地主が売却を認めてくれたら、借地人は借地を売却することができます。

底地や借地の買取相場を求める計算方式とは

底地や借地は売却できるということがわかりました。それでは、もし売却した場合、その買取相場はどれくらいになるのでしょうか。底地や借地の買取相場を求めるには、「路線価方式」と「倍率方式」という方法があります。それぞれについて紹介していきます。

路線価方式

底地や借地の買取相場を求める一つ目の方法は、「路線価方式」です。多くの人にとってはこの「路線価」は、あまり馴染みがないものでしょう。路線価とは、土地を評価するための指標で、道路に面している宅地1平方メートル当たりの価格を示しています。国税庁は毎年「路線価図」を発表しています。それを見ると道路の価格と借地権割合がわかります。路線価方式とは、土地の価格に借地権割合を掛けることで借地の相場を求める方法です。つまり、路線化方式では借地権の買取相場は「借地の相場=路線価によって算出した更地価格×借地権割合」という式から求めることができます。これが路線価方式による借地の買取相場の求め方です。

倍率方式

しかし、どの土地にも路線価が定められているとは限りません。都市郊外など、中には路線価が定められていない場所もあるのです。そのような場合には「倍率方式」という方法で借地の価格を求めます。倍率方式では、路線価が決まっていない代わりに「評価倍率表」を参考にします。国税庁は地域ごとに倍率を定めており、倍率は毎年見直されています。その値は、評価倍率表を見るとわかります。それを固定資産税評価額にかけることで、借地権の価格を調べられます。つまり、その計算方法は、「借地の買取相場=固定資産税評価額×評価倍率」という式になります。

底地や借地の相場はどれくらいなのか

ここまで、借地の相場価格の求め方について説明してきました。それでは、実際にはどれくらいの価格になることが多いのでしょうか。底地を売却したときの相場価格は、実は借地の売却方法によって異なってきます。

借地を売却する方法としては、不動産会社に買い取ってもらう方法と、借地人に買い取ってもらう方法があります。まず、不動産会社に買い取ってもらう場合は更地価格の10〜15%くらいが相場です。普通、不動産を売却する際には不動産会社に依頼して買い手を探します。しかし、借地は買い手がつきにくいため、もし第三者の買い手が見つからなかった場合には不動産会社に買い取ってもらうのです。借地の売却ではこの方法を取ることが多いです。不動産会社に買い取ってもらうことで、買い手探しが必要なくなるので早く売却することができます。しかし、その代わりに借地の相場は更地価格の10〜15%くらいに安くなってしまうのです。

また、借地人に買い取ってもらう場合の相場は、更地価格の50%くらいになります。それは、借地人が借地権を買い取ればその土地を自由に利用できるようになり、運用の幅が広がるからです。このように、不動産会社に買い取ってもらうよりも借地人に買い取ってもらう方が相場は高くなります。しかし、必ずこれくらいの価格で買い取ってもらえるとは限りません。借地をいくらで買い取るのかは借地人と地主が話し合って決めることになります。地主が借地買取に積極的でない場合は、更地価格の50%よりも低い価格で買い取られてしまうこともあるかもしれないので注意しましょう。

なぜその価格になるのか

底地の買取価格は、その底地が更地だった場合の価格の10〜15%くらいに安くなってしまうことが多いのですが、なぜそのように更地よりも安くなってしまうのでしょうか。その理由を説明していきます。

底地権と借地権がわかれているから

一つ目の理由は、底地権と借地権がわかれているからです。底地権とは土地を保有する権利のことで、借地権とはその土地を利用するための権利でした。つまり、底地権だけでは借地を利用することはできないし、借地権だけではその土地を完全に所有しているとはいえないのです。

そのような権利は購入しても使いづらいので買い手がつきにくいです。そのため、一般的な土地よりも価格を下げることで買い手がつくようにしているのです。

地代は固定的だから

二つ目に、借地から得られる地代収入が固定的だからという理由が挙げられます。借地権を持っていると、地主は借地を第三者に貸し、自由な利用を認める代わりに毎月地代収入を得ます。しかし、そのときに地代として得られる金額は固定的です。市況に合わせて値上げしたりすることはできません。このように、収益性が低いという点で底地や借地は不動産としての価値が下がってしまうのです。

長い間借地を貸すことになるから

三つ目の理由は、借地は長期間に渡って貸すことになるからです。借地契約を結ぶと借地人はその土地に戸建て住宅を建設するなどして利用します。そうするとすぐに借地を返してもらうことはなかなかありません。むしろ、半永久的に借地人の土地となってしまうのです。そのように、せっかく自分が保有している土地であるのに、自分の好きなようにその土地を利用することができないため、借地を持つことにメリットを感じない人も多いのです。そのため、買い手がつきにくく、借地の価格は下がってしまうのです。

査定を受けて相場価格を調べてみよう!

今回は、路線価方式や倍率方式という、底地や借地の売却価格を調べる方法について説明してきました。しかし、これらの方法は少々手間がかかって面倒です。底地や借地の価格を求めるには本当にこのような計算をしなければならないのでしょうか。実は、不動産会社に依頼すると、もっと簡単に借地の価格を調べることが可能になります。不動産会社は、売却を検討している不動産を査定し、その不動産を売るとしたらいくらで売ることができるかという予想金額を出してくれます。このことを「査定」といいます。しかし、底地や借地の場合、どの不動産会社でも査定に対応してくれるとは限りません。それは、これらの土地は売買のためにコツがいるからです。底地や借地の買取実績がある不動産会社を選ぶことが大切です。そして査定を依頼すれば、簡単に借地の価格を見積もってもらえます。査定を受けるためには、不動産会社のウェブサイトにアクセスして専用のフォームに不動産の情報を入力すると、数日以内に結果が電話やメールで送られてきます。査定は無料で受けられます。もし査定を依頼しても必ず売却しなければいけないというわけではないので、気軽に査定を申し込んでみましょう。

まとめ

今回は、底地や借地の買取相場とはどのような計算式によって計算できるのかについて解説してきました。実は、底地の買取価格には明確な相場があるわけではありません。そのため、売却するタイミングや売買を依頼した不動産会社によって相場価格は大きく変わることがあります。もし底地や借地の売却価格が気になった場合は、路線価方式や倍率方式を利用するとおおよその価格を調べることができます。しかし、自分で路線価方式や倍率方式で求めるのは少し面倒です。そこで、不動産会社に査定を依頼すると、簡単に価格を調べられるのでおすすめです。

【参照】
国税庁「路線価図の説明」
https://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm