不動産を売却した後の収益にかかる税金とは?消費税はかかるのか?

目次

  1. 不動産売却の収益にかかる税金とは
  2. 不動産売却に消費税はかかるのか
  3. 税金に関する特例
  4. 控除は併用できるのか
  5. まとめ

不動産売却の収益にかかる税金とは

不動産の売却には税金がかかるのでしょうか。もしかかるのであれば、どのような税金がいくらかかるのでしょうか。税金というと、多くの人にとって最も馴染みのあるものは消費税でしょう。不動産を売却したときにも消費税はかかるのでしょうか。不動産を売却する前に税金について知っておかないと、思っていたよりも売却益を得られずに後悔することになるかもしれません。そこで今回は、売却した後の収益に対してかかる税金はいくらなのか、また、消費税はかかるのかについて説明していきます。

印紙税

それでは、不動産の売却益に対してかかる税金について一つずつ紹介していきます。まずは、印紙税がかかります。印紙税とは、取引の際の契約書を作成するためにかかる税金のことです。不動産の売買においては、売り手と買い手が売買契約を締結します。その書類に対して税金が発生するのです。売買契約書を売り手と買い手で一通ずつ作成するときは、それぞれが印紙税を支払う必要があります。その支払い方法は、収入印紙を購入し、それを売買契約書に貼る形になります。
印紙税がいくらになるのかは、不動産を売却することで得た収益によって異なります。印紙税は、

となっています。該当する金額の収入印紙を購入し、売買契約書に貼ります。そのため、印紙税を支払うタイミングとしては、売買契約書を作成するときということになります。

譲渡所得税

次に、不動産を売却するとその収益に対して譲渡所得税がかかります。譲渡所得税とはその名の通り、譲渡所得に対してかかる税金です。しかし、譲渡所得とは何でしょうか。譲渡所得とは、不動産を売却したことで得られた利益のことです。実は、この譲渡所得とは、単に買い手から支払われた価格とは異なります。不動産を売って得た代金から、自分がその不動産を購入したときにかかった金額と、売却するためかかった金額を引いた残りが譲渡所得です。この譲渡所得に対していくらの税金がかかるのかは、その不動産を何年間所有していたかによって異なります。不動産の所有期間が5年以下の場合の譲渡所得税は39.63%(その内訳は所得税が30.63%、住民税が9%)で、5年を超えていた場合は20.315%(内訳:所得税が15.315%、住民税が5%)になっています。譲渡所得税は確定申告をした後に一括で支払います。

住民税

譲渡所得には住民税もかかります。住民税は譲渡所得税として支払います。その割合は先ほども説明した通り、不動産を5年以下の期間で所有していた場合、譲渡所得税39.63%のうち所得税は30.63%、住民税は9%で、5年以上所有していた場合は譲渡所得税20.315%のうち所得税が15.315%、住民税が5%となります。住民税の納付金額は確定申告をした後に決定され、実際に納付することになるのは不動産を売却した翌年の6月からです。

登録免許税

さらに、登録免許税が必要になります。そもそも登録免許税とは、登記手続きのために課される税金です。不動産を売却すると、その不動産の所有権が売り手から買い手へ移転します。そのことを不動産登記しなくてはなりません。その際の登録手続きのために登録免許税が必要になるのです。登録免許税の税率は、登記の種類によって異なるので、確認してみましょう。登録免許税を支払うタイミングは、登記申請を行うときです。収入印紙を購入して登記申請書に貼るか、金融機関で登録免許税を納付し、その領収書を貼り付けることで支払います。

復興特別所得税

最後に紹介するのは「復興特別所得税」です。これは、東日本大震災からの復興に使う財源を確保するために支払うことになった税金です。復興特別所得税の支払い義務は、所得税を納める全ての個人です。しかし、不動産の売却では、譲渡所得がプラスにならなければ復興特別所得税を支払う必要はありません。復興特別所得税を支払う場合は確定申告を必ず行います。この税金については認知度が低く、申告を忘れてしまう人が多いので注意が必要です。また、復興特別所得税はいくらになるのかというと、所得税の2.1%の金額を支払うことになります。

不動産売却に消費税はかかるのか

結論を言うと、不動産を売却する際には、消費税がかかる場合とかからない場合があります。消費税の課税対象となるかどうかは、売却相手が課税事業者かどうかによって異なります。

もし個人同士で売買するのであれば、売却相手は課税事業者ではないので、不動産売却に消費税はかかりません。しかし、不動産業者が売り手と買い手を仲介する場合は、不動産業者や司法書士という課税事業者を挟むことになります。そのため、仲介手数料や報酬が発生し、そこに消費税が課税されることになります。

注意点として、投資用の不動産など、家賃収入を得ることが目的であった不動産を売却する場合は売り手が事業者に当たるので、個人同士の取引であっても消費税がかかります。また、反対に、土地は消費の対象ではないため事業者を含む売買であっても消費税はかかりません。このように少しややこしい点があるので注意が必要です。

税金に関する特例

このように、不動産を売却するとその収益に対してさまざまな税金がかかります。しかし、可能であれば支払う税金は少ない方がよいでしょう。不動産に関する税金には、いくつかの特例があり、条件が合えば控除を受けられるのです。ここからは、その特例について紹介していきます。

3,000万円特例控除

一つ目に「3,000万円特例控除」という特例があります。これは、住むことが目的になっている不動産を売った場合には、譲渡所得の最大3,000万円分の税金が非課税になるという制度です。つまり、居住用の不動産を売却してその譲渡所得が1,500万円だった場合は、3,000万円特例控除が適用されるので譲渡所得税はかからないことになるのです。この3,000万円特例控除には不動産を何年間所有していたかは関係ありません。

10年超所有軽減税率の特例

次に、「10年超所有軽減税率の特例」というものがあります。これは、居住用の不動産を所有してから10年を超えたときにその不動産を売却すると、譲渡所得税が低くなるという制度です。 課税対象となっている譲渡所得が6,000万円までの場合、その金額に対して所得税が10.21%、住民税が4% 、合計で14.21%の税金がかかります。

この10年超所有軽減税率の特例は3,000万円特例控除と併せて利用することが可能です。しかし、この特例は確定申告を行わないと受けることができないので、忘れずに確定申告をしましょう。さらに、注意点として、この10年超所有軽減税率の特例は、前年とその前年に利用してしまっていると受けることができません。

特定居住用財産の買換え特例

さらに「特定居住用財産の買換え特例」という制度もあります。これは、マイホームを売却し、新たな家を買うときに適用可能となる特例です。売却した家の金額よりも購入した家の金額の方が高いとき、譲渡所得に対する課税の支払いを先延ばしすることができるという制度となっています。しかし、これは支払いの必要がなくなっているのではなく、後回しにしているだけなので注意が必要です。

また、この特例を利用するには、居住年数が10年以上であること、転居してから3年以内であること、過去2年以内に3,000万円特例控除や10年超所有軽減税率の制度を使用していないこと、国内にある不動産であること、売却代金が1億円以下であることといった条件があります。これらのうち一つでも当てはまらない場合は、特定居住用財産の買換え特例は受けられません。

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」とは、不動産を売却したことで譲渡所得がマイナスになってしまったときに受けられる特例です。この特例は、家を売ったことで得た損益分を他の所得と相殺することで、税金を引き下げるというものです。例えば、500万円の給与をもらっている場合に不動産売却によって100万円の損益があったとすると、課税対象は給与所得のうち500-100=400万円分だけになるのです。

この特例を利用するうえでは、不動産を売却した翌年〜3年間の所得までが繰り越しの対象になります。

居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

最後に、「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を紹介します。これは、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と類似していますが、違う点はオーバーローンのときに利用する特例だという点です。オーバーローンとは、住宅ローンの残債が不動産の売却価格よりも大きい状態のことです。

控除は併用できるのか

ここまで、税金面での様々な特例について紹介してきました。これらの控除は併用することができるのでしょうか。実は、不動産売却をするうえで利用できる特例には、併用できるものとできないものがあるのです。併用できないのは、住宅ローン控除の特例措置と3,000万円特例控除、また、住宅ローン控除の特例措置と特定居住用財産の買換え特例です。様々な特例措置がありますが、その全てを利用できるとは限らないので、その特例を利用できるかどうかは事前に確認する必要がありそうです。

まとめ

今回は、売却した後の収益にかかる税金にはどのようなものがあるのか、また、消費税はかかるのかについて解説してきました。結論として、不動産の売却益に対しては印紙税、譲渡所得税、住民税、登録免許税、復興特別所得税といった税金がかかります。しかし、控除措置もいくつかあるので、積極的に利用していくとよいでしょう。


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