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みなさんは「再建築不可物件」という言葉を聞いたことがありますか。再建築不可物件とは、建築基準法の接道義務に違反している土地に建つ物件のことを指します。再建築不可物件には新しく建物を建てたり増築したりすることができないため、「再建築不可物件」と呼ばれています。それは、建物を建てるには建築確認が必要となるのですが、再建築不可物件では行政から許可が降りないからです。
今回は、この再建築不可物件の売却をする際の注意点やポイントを説明していきます。
それでは、再建築不可物件を売却するための流れについて説明します。まずは、不動産業者に問い合わせをします。電話やメール、または直接業者を訪問し、再建築不可物件の売却について相談します。不動産業者はその情報をもとに、現地調査や役所での調査を行い、査定額を提示してくれます。査定の結果に納得したら、売買の条件についてすり合わせていきます。引渡しの時期や支払い方法などを話し合って決め、売買契約を締結します。その内容に基づいて残金の決済と引渡しが行われます。このようにして再建築不可物件の売買が成立するのです。
再建築不可物件を売るとすると、だいたいいくらになるのでしょうか。実は、再建築不可物件の売却価格は一般的な不動産を売るより3〜5割ほど低くなってしまうのです。しかし、価格がいくらになるのかについては一概には言えません。その物件の劣化状態や所在地によっても異なるので、正しい価格は不動産業者の査定を受けて判断しましょう。とはいえ、安くなってしまうことは大半の場合避けられないでしょう。
実は、再建築不可物件を売るのは難しいと言われています。ここからは、再建築不可物件の売却が困難な理由について説明していきます。
再建築不可物件は建て替えられないため、買い手がつきにくいのです。普通、不動産が劣化してきたら建て替えてしまえばよいでしょう。しかし、再建築不可物件では建て替えができないので、物件が劣化してきた場合もそのまま住み続けるしかありません。このように、再建築不可物件を買ってしまうと、買い手は建て替えができないというリスクを背負うことになります。これが、再建築不可物件に買い手がつきにくい理由の一つです。
再建築不可物件では建て替えはできないけれどリフォームは可能です。しかし、そのリフォーム費用はかなり高額になることが多いです。建物の作りがしっかりとしていれば簡単なリフォームですむかもしれません。しかし、再建築不可物件は古くに建てられた場合が多く、基礎がしっかりしていないことがあります。そのような不動産のリフォームは通常よりも割高になってしまう可能性が高いです。このように、再建築不可物件の売却が難しいのはリフォームにかかるコストもその一因です。もし売却できたとしても、相場より低い価格で取引することになってしまうでしょう。
再建築不可物件を購入しようとすると、銀行から融資を断られるケースがあります。それは、再建築不可物件は資産価値が低く、融資にリスクが伴うからです。もし借りられたとしても金利が高くなってしまうでしょう。
再建築不可物件を売るうえで注意するべきことは、不動産業者の中には再建築不可物件を買取の対象としていない業者があるということです。それぞれの業者には取り扱える物件が決まっています。中には、戸建て住宅しか扱っていない業者、マンションを専門としている業者などがあります。どの不動産業者でも再建築不可物件を買い取ってもらえるわけではないので、相談に行く前にその業者が取り扱える物件を確認するようにしましょう。
再建築不可物件を売るときには、再建築不可物件を買い取った実績がある業者を選ぶようにしましょう。再建築不可物件の取り扱いに関しては特別なノウハウが必要です。取り扱い実績のない業者に買取を依頼してしまうと、好条件で売却できない可能性があります。普通、不動産を売るのであれば、できるだけ高く売却したいと思うでしょう。よい条件で売るためにも、過去に再建築不可物件の買取を行って実績がある業者を選ぶとよいでしょう。
再建築不可物件は不動産業者に仲介してもらって売却することが可能です。しかし、その方法をとると価格は相場より3割ほど安く、ひどい場合には相場の半分ほどになってしまうこともあります。それは、再建築不可物件には買い手がつきにくく、値下げして売るしかないからです。そのため、再建築不可物件を売るときにはあまり高い価格では売れないことを覚悟して売却しましょう。
一般的に、不動産業者は物件を所有者から買い取ったら、その物件を解体して新しい用途として再販します。しかし、再建築不可物件では、買い取った後に新たな建物を建てることができません。そのため、建て替え以外の方法を取ることになるのですが、その物件があまりにも劣化しているとどのような用途にも利用できなくなってしまいます。そうならないように、再建築不可物件はできるだけ早く売却した方がよいのです。劣化や不具合が発生する前に売却してしまえば、少しでも高く売ることができます。
このように、再建築不可物件は売るのが難しいということがわかりました。再建築不可物件を売り始めても、もしかしたら売れ残ってしまうかもしれません。そのような場合はどうしたらよいのでしょうか。ここからは、なかなか売れない再建築不可物件をどうにかして売るためのポイントを紹介していきます。
再建築不可物件に買い手がつかないのは、新たな建物を建てられないことが原因の一つでした。それはつまり、再建築ができれば買い手がつくようになるということです。再建築ができない物件を再建築可能にするためには、隣の土地を購入するか、借りてしまえばよいのです。再建築不可物件の接道義務とは、道路の幅員や道路に接する間口が狭いことが原因なのです。そのため、隣の土地を購入または貸借すれば、接道義務を果たすことができ、再建築不可物件から外れるのです。そうすれば再建築が可能となり、書いてもつきやすくなります。この方法をとるためには、隣の土地を所有している人に相談してみましょう。
二つ目の方法は、特定行政庁の許可をとって再建築を可能にするという方法です。建物の周りに空きがあって安全を確保できるのであれば、接道義務には違反していても再建築が認められます。そのためには、特定行政庁に申請して、物件の安全性を認めてもらわなければなりません。また、申請しても許可を得られないこともあるので注意が必要です。
再建築不可物件がどうしても売れない場合は不動産業者に買い取ってもらうとスムーズです。一般に不動産を売るときには仲介という方法が用いられ、買い手となる第三者を探すことになりますが、買取という方法では不動産業者が買い手となって売買契約を成立させます。再建築不可物件では第三者の買い手は見つかりにくいけれど、不動産業者が買い取ってくれるのであればその場で売買を成立させることができます。そのため、再建築不可物件がなかなか売れない場合や、一刻も早く売却したい場合などには不動産買取を依頼してみましょう。
再建築を可能にしたり買取を依頼したりしてみても売却できなかった場合は、収益物件をして利用してみましょう。収益物件とは例えば、シェアハウスとして利用するなどの方法があります。そうすれば再建築不可物件はそのままで家賃収入を得ることができます。さらに、再建築不可物件にかかる固定資産税は少なくてすむのでお得です。もし売却が叶わなかった場合はこのように自分で活用してみるのも一つの方法です。
今回は、再建築不可物件を売却する場合の注意点やポイントを解説してきました。再建築不可物件は、不動産の建て替えができない、リフォームにかかる費用が高い、銀行からの融資を借りにくいという特徴があるため、なかなか買い手がつきません。そのため、売却するためにはいくつかのポイントがあります。例えば、隣の土地を購入、または貸借することで接道義務違反を解消したり、特定行政庁からの許可を得て再建築を可能にしたり、再建築不可のまま不動産業者に買い取ってもらったりすると、売却がスムーズになるかもしれません。