「分譲マンション」とは一体、何?意味やメリットなどを徹底解説!

「分譲マンション」とは、どんな意味?

住居の確保には、あらゆる選択肢があります。賃貸を借りるか・購入するか、一戸建てか・マンションか…などなど、現在では色んな方法で住まいを構えることができますね。今回はその中の一つである「分譲(ぶんじょう)マンション」について、詳しく解説していきたいと思います。住宅情報を眺めていると、よく目にするワードだと思いますが、実はその意味をよく知らないという方には、ぜひ本記事をご参考いただければと思います。

まずは、そもそもの「分譲マンション」の意味についてご説明します。通常、マンションは、一棟、二棟といったように、「棟(むね)」を1つの単位として数えます。一般的な戸建住宅を一戸、二戸と数えるのに対し、マンションなどの集合住宅では、一定範囲を1つのまとまりとして捉え、「棟」と表現するようになっているのです。規模の大きなマンションの場合には、一号棟(いちごうとう)、二号棟(にごうとう)といった具合に、各棟ごとに番号で管理しているところもあるでしょう。こうした棟単位で扱われているマンションを、さらに一住戸ごとに分割して販売されるマンションのことを「分譲マンション」と呼ぶのです。「分譲」とは、「分割譲渡」を略したものにあたります。投資などの目的で、マンションをまるごと一棟分購入するようなケースを除き、ごく一般的には「マンションを購入する」という場合には、「分譲マンション」が対象となります。

また、「分譲マンション」と似た表現には、「分譲戸建住宅」があります。こちらは、統一されたデザインの戸建住宅が、同じ区画内にまとまって販売されているものを意味します。通常の戸建住宅は、一つの敷地に対し一軒の住宅を建てるものになりますが、「分譲戸建住宅」の場合には、ある一定の土地を分割し、そこに統一性のある住宅を並べ建てる形になります。

さらに、「賃貸マンション」との違いを述べますと、貸主であるオーナーが一棟まるごとを所有して一戸ずつ貸し出す形が「賃貸マンション」の定義となりますので、一戸を自らが購入する「分譲マンション」とは大きく異なります。

「分譲マンション」を購入するメリット

「分譲マンション」を購入する際には、主に以下のようなメリットが挙げられます。

長く住むことができる

購入後に、長く住むことを想定して建てられている分譲マンションは、設備はもちろんのこと、建物自体も高いグレードが保たれているため、定住するにはもってこいの住居です。建物の管理や、傷んだ部分の修繕も計画的に行われ、セキュリティも十分配慮されたところが多いでしょう。また、ロビーなどの共有施設が充実している物件もあり、暮らしのグレードを保つ面ではメリットを感じるところが多い点も特徴です。まだ定住先が決まっていない場合や、気軽に引っ越したい方には、賃貸物件の方が都合が良いかもしれませんが、定住地を求めているのであれば、分譲マンションはおすすめできる選択肢の一つです。

自分好みの内装にしやすい

あくまで「借りている」状態にある賃貸物件の場合には、内装の変更に制限が設けられていますが、分譲マンションの場合は異なります。自分の持ち家となるわけですから、規約の範囲内であれば、壁紙を替えることも、間取りを変えることも、リフォームを施すことも、自由に行うことができるのです。結婚や出産、子どもの成長といったライフスタイルの変化に応じて、家の模様を変えやすいという点は、分譲マンションの大きなメリットです。また、分譲マンションの中には、ペットを飼うことができる物件もありますので、動物と一緒に暮らしたい方にもおすすめです。

計画的に住居費を支払うことができる

継続的に家賃を支払い続けなければならない賃貸マンションに対し、分譲マンションでは住宅ローンなどの支払いには終わりがあるため、住居にまつわる費用の支払いを計画的に進めることができます。もちろん、管理にまつわる費用や固定資産税など発生する支出もありますが、場合によっては賃貸を借り続けるよりも、住居費の支出を抑えられる可能性もあるのです。特に固定資産税に関しては、マンションの場合、課税対象となる土地面積が戸建よりも小さくなるため、戸建を所有するよりも費用を抑えられる可能性が高いです。

資産として運用することができる

賃貸マンションとの大きな違いが、この点です。売却して現金化することはもちろん、賃貸に出すことで家賃収入を獲得することも一手でしょう。特に、後者に関しては見込まれる家賃収入と同額程度で住宅ローンを組むことができる場合には、メリットが期待できることでしょう。

こうした利点もかんがみながら、分譲マンションの購入についてご検討いただければと思います。

「分譲マンション」を購入する際の注意点

前項の通り、メリットも多い分譲マンションではありますが、ご注意いただきたいポイントもいくつかあります。

購入時にまとまったお金を用意する必要がある

マンション購入時には、「頭金」の支払いが必要になることが多いでしょう。「頭金」とは、契約の申込時に一定の金額を先に用意することを言います。頭金を用意することで住宅ローンの借入金額を少なくすることができるため、将来的な返済計画を調整することができるのです。一般的には、頭金の相場は、物件の価格に対して10〜20%程度が目安と言われています。その他、諸費用を求められる場合もありますので、購入時にはそれなりの金額を事前に用意しておく必要がある点は、お含みおきいただければと思います。

共有部分の維持・管理にまつわるお金が必要になる

前述の通り、共用部分の充実もメリットの一つに挙げられる分譲マンションですが、その利点を保つための「管理費」や「修繕費」を求められるケースが多いです。特に、「修繕積立金」といった、将来的なマンションの大規模な修繕工事に備えた積立金が必要な場合もあります。これらの費用に関しては、住み続ける限り継続的に支払う必要がありますので、ぜひ契約時には確認するようにして下さい。

転居しづらい

気軽に引っ越しができる賃貸マンションと比べ、長期居住を念頭に購入した分譲マンションは、おいそれと転居しづらい面があるでしょう。とは言え、ライフステージの変化などに伴って引っ越しを余儀なくされるケースもありますので、そうした際には「売却」や「賃貸」に出すといった方法が考えられます。ただし、これらを行うためには時間や手間がかかりますので、判断の際には、十分に検討する必要があるでしょう。

「分譲マンション」の購入方法

この項では、具体的に分譲マンションを購入する際の、主な手順について説明します。場合によって多少の差異はあるかもしれませんが、基本的には、以下が大きな流れとなるでしょう。

1. 資金繰り・支払い計画についてプランを練る

住みたい理想の部屋のイメージを固める前に大切なことは、現実的にどのくらいの購入予算であれば購入することができるのか、きちんと計画を立てることでしょう。現在の収支状況から、今後のライフプランなど、現時点で予想できうる内容を一度まとめてみることからおすすめします。そこから、マンション購入に充てることができる資金額や、住宅ローンの計画を立てていくと良いでしょう。ここでは、親や親族などからの資金援助の可能性も踏まえて確認することも一手です。自己資金をどこまで増やすことができるかも、重要なポイントの一つです。

2. 物件情報を収集する

お金にまつわる計画を立てたら、次は予算に応じて希望に即した物件を探してみましょう。現在ではインターネットを介して、かなり詳細な住宅情報を検索することができます。住まいの場所や間取り、お好みの条件に合わせて調査を進めてみましょう。また、現在のお住まいから近い場所での物件をご希望の場合には、ポストに投函されている住宅情報のチラシも意外に参考になるかもしれません。デジタルとアナログを上手く使い分けながら、あなたの希望に合った物件を探してみて下さい。

3. 物件を見学する

新築の分譲マンションの場合には、「モデルルーム」の見学を行うことができます。「モデルルーム」とはその名の通り、実際の部屋と同じ間取りやデザインの内装を確認できる場であり、暮らしのイメージが湧きやすいように家具なども配置されています。各会場には担当者が在籍しているため、建物に対する詳しい情報も聞くことができます。見学をスムーズに行うために、事前に予約をしておくことも良いでしょう。モデルルームでイメージを掴んだら、実際に物件界隈を散策してみることもおすすめです。駅からの距離や買い物のしやすさ、学校までの距離感などを確認してみましょう。

4. 購入の意思を表明し、住宅ローンの「事前審査」を受ける

めぼしい物件が決まったら、申し込みを進めます。その際、希望する「住宅ローン」を利用できるか否かを、「事前審査」する流れが一般的です。ローンを受ける人物の職業や収入・過去の借入実績などを元に、金融機関の審査が行われます。基本的には、住宅ローンの審査が行われるタイミングは、売買契約締結後であることが多いのですが、締結後に審査に落ちてしまう事態を避けるために、事前審査を受けるケースが大半です。また、購入の意思を表明するにあたり、「購入申込書」の提出と、場合によっては1〜10万円ほどの「申込証拠金」の支払いが必要になりますので、ご確認下さい。

5. 不動産売買契約を締結する

「重要事項説明書」を元に、宅地建物取引士からの説明を受け、疑問点などがあればその場で質問をし、解消しておきましょう。確認が完了し、内容に問題がなければ売買契約を結びます。

6. 住宅ローンの「本審査」を受ける

本審査にあたり、本人確認書類などの提出が必要になりますので、確認しておきましょう。書類によっては取得に時間がかかるものもありますので、計画的に準備を進められるように工夫してみると良いでしょう。

7. 「内覧会」に参加する

新築マンションであれば、入居前にマンション内部を実際に見ることができる「内覧会」の機会が設けられるケースがあります。室内設備などに不具合がないか確認をしたり、部屋の寸法を確認して、家具の設置やカーテンの取り付けに備えると良いでしょう。

8. 残代金決済の後、引き渡し

マンションの購入金額から、手付金などの諸経費を差し引いた残りの費用を支払って、残代金の決済を行います。その後、鍵の受け渡しが行われ、引っ越しの日を迎える流れとなります。

まとめ

マンション内の一住戸を分割譲渡されているものを購入する「分譲マンション」には、様々なメリットが存在します。ライフスタイルに合わせて、暮らし方を調整できる自由度の高い分譲マンションは、人気の住まいの一つと言えるでしょう。
本記事が、分譲マンションについて理解を深める一助となれば幸いです。