【リースバックの仕組み】修繕費を支払うのは買い手か売り手か?

リースバックとは、所有している家を一度売却することで資金を調達する仕組みでした。リースバックをすると家の所有権を手放すことになってしますが、持ち家を売却した後も賃貸として住み続けることができます。長く住み続けてきた愛着のある家にこれからも住むことができるというのがメリットの一つでした。しかし、そのように長く住んでいると、家の劣化が目立つようになり、修繕が必要になることがあります。リースバックをした後は、家の借り手と家の貸し手のどちらが修繕費を支払うことになるのでしょうか。
今回は、リースバック後の家の修繕費は誰が負担するのかについて説明していきます。

目次

  1. リースバックのメリット
  2. 借り手の負担になる修繕費
  3.  リースバック前からついていた傷に対する修繕
  4.  小規模な修繕にかかる費用
  5.  家財の修繕に対する費用
  6.  家の修繕に対する費用
  7.  リフォームのための費用
  8.  建て替えのための費用
  9.  退去のときの原状回復費
  10. 貸し手の負担になる修繕費
  11.  物件に対してかける火災保険や地震保険
  12.  経年劣化の修繕費
  13.  リフォームや建て替えにかかる費用
  14. 修繕費の負担はリースバック業者によって違う?!
  15. マンションにかかる修繕費
  16.   管理費とは
  17.  修繕積立金とは
  18.  マンションをリースバックした場合、修繕費はどうなるのか
  19. 修繕費に関するトラブル例
  20. まとめ

リースバックのメリット

リースバックには、家を売却した後もこれまで通りの家に住むことができる、家を売却したことが周囲に知られずに済む、まとまった現金を一括で受け取れるなどのメリットがありました。
さらに、リースバックにはコストの面でメリットがあります。それは、借り手にとって固定資産税や修繕費が不要になるということです。
リースバックをすると、売買契約によって家の所有権が売り手から買い手へ移行します。固定資産税や修繕費、火災保険料は家を所有している人に支払いの義務があるため、リースバック後には家の買い手がこれらの費用を支払うことになります。このように、売り手にとってはリースバックをすることで修繕費などの支払いが減るというメリットがあるのです。

借り手の負担になる修繕費

それでは、修繕費に関してはどこからが借り手の負担で、どこまでが貸し手の負担になるのでしょうか。実際には、借り手にも負担しなくてはならない部分があるのです。
まず、借り手の負担になる修繕費を見ていきます。

リースバック前からついていた傷に対する修繕

家をリースバックする前からついていた傷に対する修繕費は借り手の負担になります。その際、修繕にかかる工事の大きさは問わず、全て借り手が負担します。カーペットの張り替えや畳の表替えのような小規模なものから、雨漏り対策、給排水管の工場、シロアリ被害の修繕といった大規模なものまで、自費で負担する必要があります。

小規模な修繕にかかる費用

小規模な修繕の中で、自身の過失でつけてしまった傷に対する修繕費は借り手が自分で負担することになります。
例えば、引っ越しのときについてしまった傷やペットが壁につけた傷などは小規模な修繕の対象であり、借り手の負担になります。

家財の修繕に対する費用

家財に修繕が必要になったときにも、借り手が負担します。家財とは例えば、

など、生活をする上で必要不可欠なもののことを指します。借り手はこの修繕費に備えるために家財保険に入ります。

家の修繕に対する費用

自分の過失によって家に何か損害を与えてしまったときにはその修繕費を負担します。火災、破裂・爆発、水ぬれなどを起こしたときがその一例です。借り手はこの修繕費に備えるために、契約締結時に借家人賠償責任保険に加入することになります。

リフォームのための費用

自分の過失によって家に何か損害を与えてしまったときにはその修繕費を負担します。火災、破裂・爆発、水ぬれなどを起こしたときがその一例です。借り手はこの修繕費に備えるために、契約締結時に借家人賠償責任保険に加入することになります。

建て替えのための費用

家を建て替えたいと思ったときは、リフォームの場合と同様、貸し手の許可を取れば建て替えをすることも可能です。そのとき、建て替えにかかる費用はもちろん自己負担となります。

退去のときの原状回復費

賃貸住宅から退去をするときは一般的に原状回復を行う必要があります。日焼けしてしまった壁、変色した畳、カーペットのへこみ、引越しの際についた傷などは修繕してから退去しなければなりません。
しかし、リースバックでは退去後に家を解体することが多いため、原状回復を行う必要がないことがほとんどです。そのため、退去者は原状回復費を負担する必要はありません。

もし、退去後に家が解体されない場合は、入居時の敷金が原状回復費に充てられます。つまり、借り手は敷金という形で原状回復費を支払っている場合があります。しかし、リースバック業者によっては入居時の敷金、礼金を無料にしてくれる業者もあります。その場合は原状回復費は支払わないことになります。

貸し手の負担になる修繕費

続いて、家の貸し手にかかる修繕費の負担について見ていきましょう。

物件に対してかける火災保険や地震保険

借り手が家財や貸し手に対して火災保険に入っているように、借り手は物件に対して火災保険に入っています。火災保険の負担は資産の所有者にあります。リースバックでは物件の所有者は貸し手であるので、火災保険料は貸し手が支払います。これによって、物件が火災、落雷、風災、震災による被害を受けたときに補償を受けることができます。

経年劣化の修繕費

借り手の過失による修繕は借り手の負担でしたが、経年劣化が原因の修繕は家の貸し手が負担することになります。雨漏り、給排水管の故障、シロアリ被害などがその一例です。

リフォームや建て替えにかかる費用

リースバック業者の中には、物件をリフォームしたり、建て替えたりする費用を負担してくれるサービスをしている業者があります。物件をリフォームしたり、建て替えたりした上で利用させてもらえるのです。これまでと変わらない場所に住むことができ、しかも設備が新しくなった家に住むことができるというメリットがあります。

修繕費の負担はリースバック業者によって違う?!

このように、リースバックをすると家の借り手には修繕費がかからなくなり、中にはリフォームや建て替えの費用を負担してくれるサービスもあるということがわかりました。
しかし、リースバック業者によっては、修繕費は全て借り手の負担だとする業者もあるのです。それには二つの理由があります。一つ目は、リースバック前も後も同じ借り手が住み続けるからという理由です。変わらず住み続けるのだからこれまで通り修繕費は自分で払ってほしいということなのです。二つ目の理由は、どのタイミングでついた傷かを追及するのが難しいからです。リースバックの契約を結んだ後にできた傷であれば家の所有者である貸し手の負担になりそうですが、本当にその傷が契約後についたものかを判断するのは難しいです。貸し手は、以前からあった傷に対しても修繕費を求められてしまうかもしれません。
そのため、修繕費は貸し手が負担するという特約になっているケースがあるのです。
修繕費をどこまで負担することになるかは、契約時にリースバック業者に確認を取る必要がありそうです。

マンションにかかる修繕費

マンションを購入した場合、毎月の費用として管理費や修繕積立金がかかります。管理費はマンションの日常的な修繕に使われ、修繕積立金は大規模な修繕のために支払うことになります。

管理費とは

管理費は、日常的に必要となる修繕に備えてマンションの借り手が管理会社に支払います。管理費は

といったことに使われます。

修繕積立金とは

修繕積立金は、長期的に見て必要になる修繕工事に対して使用されます。その使い道はおもに

などがあります。

マンションをリースバックした場合、修繕費はどうなるのか

マンションをリースバックすると、借り手は管理費、修繕積立金を支払う必要がなくなります。それは、戸建ての時と同様、リースバックを利用すると物件の所有権を手放すことになるからです。管理費や修繕積立金は所有者に請求されるため、マンションの借り手には支払いの義務がなくなるのです。しかし、管理費と修繕積立金の分の代金は実は家賃に含まれています。そのため「管理費と修繕積立金が不要になる」のではなく、正しくは「修繕費などの費用を家賃として一括で支払うことができ、修繕費として支払う手間がなくなる」だと言えそうです。とはいえ支払う金額が一つにまとまると、資金繰りがしやすくなるというメリットがあります。

修繕費に関するトラブル例

これまで見てきたように、修繕費を誰が支払うかというのは業者によって違う点もあり、曖昧です。そのため、負担義務の所在がはっきりしていないことでトラブルが発生してしまうこともあるのです。
例えば、リースバックした自宅で雨漏りの被害に遭い、貸し手に修繕を依頼したとします。リースバックをしているので修繕費はかからないと思っていると、後から請求書が送られてくることがあるのです。この場合、貸し手は「修繕費はずっと住み続けている入居人が支払う」と思っており、借り手は「家の所有者が支払う」と思っているということになります。リースバックではこのような、貸し手と借り手の認識の違いによるトラブルが多く発生しています。
このようなトラブルに遭わないように、契約を結ぶ際には修繕費の支払い義務について細かく確認し、契約書にその責任の所在を記載しておくと安全です。

まとめ

今回は、リースバック後の家の修繕費は誰が負担するのかについて説明してきました。
戸建ての場合、借り手が支払う分と、貸し手が支払う分があります。小規模な修繕は借り手が、大規模な修繕は貸し手が負担することになります。しかし、例外もあり、業者によって異なります。修繕費をどこまで負担することになるかは、契約時にリースバック業者に確認を取る必要がありそうです。
また、マンションの場合、借り手は管理費や修繕積立金を支払う必要がなくなります。しかし、それらの代金は支払う家賃に含まれているので、実質のところは支払っているのです。
修繕費の支払いがなくなることにメリットを感じる場合は、リースバックを検討してみると良いかもしれません。


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