【リースバックの譲渡所得】売却益、売却損にかかる税金はいくらになる?

リースバックとは資金を調達する仕組みです。所有している資産を一度売却することで資金を手にすることができます。そのときに売却益が出た場合、どれくらいの税金がかかるのでしょうか。売却損が出た場合はどうなるのでしょうか。 今回は、リースバックで得た収益に対して税金はどの程度かかるのかについて解説していきます。

目次

  1. リースバックの流れ
  2. 譲渡所得とは
  3. 収入金額の決まり方
  4.  仮査定
  5.  本査定
  6.  売却価格に影響を与えるもの
  7. 取得費の決まり方
  8. 譲渡費用の決まり方
  9. 特別控除額の決まり方
  10. 譲渡所得税はいくらかかるのか
  11. 売却損が出た場合
  12. まとめ

リースバックの流れ

まずリースバックの流れについて説明します。リースバックをしてみようと思ったら、まずはどのリースバック業者に依頼するかを決めます。複数の業者に相談に行って見積もりを出してもらい、それを比較するようにしましょう。
リースバック業者を決めたら資産を査定してもらいます。その査定内容に合意したら、契約を締結します。契約には「売買契約」と「賃貸借契約」の二種類があります。まずは売買契約を結び、家を売却します。次に、賃貸借契約を結びます。賃貸借契約とは、一度売却した家を賃貸として使い続けるという契約です。賃貸借契約を結んだ後は、賃貸料を支払って不動産を利用していくことになります。

譲渡所得とは

このように、リースバックをすると資金を得ることができます。これは「収入金額」です。リースバックをすると税金がかかりますが、課税対象となるのは取得費ではありません。「売却益」に対して「譲渡所得税」が課せられるのです。 国税庁によれば譲渡所得とは、

「譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。
ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはなりません。」

というものです。譲渡所得は

「収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額」

という式で求められます。まずは課税対象となる金額の決まり方について理解するために、収入金額 、取得費、譲渡費用、特別控除額の決まり方をそれぞれ見ていきましょう。

収入金額の決まり方

リースバックにおいて収入金額とは、家を売却することで受け取る売却価格のことです。収入金額は査定の結果で決まります。

仮査定

まずは仮査定が行われます。仮査定は無料で依頼することができます。仮査定では、家の売買価格と家賃を知ることができます。氏名、住所、年齢のような基本情報と物件情報が分かれば仮査定を行うことができます。この段階は「机上査定」と呼ばれるように、現地に行って調査をすることはありません。そのため、仮査定には時間がかかりません。最短で1〜2日以内におおよその自宅の売却価格と売却後の家賃がわかり、電話やメールで教えてもらうことができます。このスピード感はリースバックのメリットの一つです。
仮査定の結果に納得し、リースバックを検討しようと思った場合は本査定に進みます。もし仮査定の結果に納得できなかった場合や、他の業者に依頼したいと思った場合は、ここで手続きを終了します。

本査定

仮査定の結果に納得した場合は、次に本査定を行います。仮査定は現地に行かずに行う査定でしたが、本査定は現地調査となります。仮査定ではわからなかった結果が判明することもあります。仮査定の結果はあくまでも概算であるため、本査定の結果とはズレが生じることがあります。本査定を依頼した結果、全く違う売買価格や家賃を再提示される可能性もあるので注意しましょう。

売却価格に影響を与えるもの

売却価格には築年数、物件の状態、市場での需要、貸借期間、家賃負担によって影響を受けます。売却したときにすぐに買い手がつきそうな優良物件であると高く買い取ってもらうことができます。しかし、売却価格は家賃と連動しており、家賃負担を少なく抑えたいために売却価格をあえて低く設定してもらうケースもあります。
買取価格の相場はだいたい市場価値の7割から9割ほどです。売却価格が市場価格より低くなることが多いのは、不動産業者は物件を売り手以外に貸すことができないからです。リースバックではこれまでと同じ人が物件を利用し続けることになります。それはつまり、物件の価格が下落するリスクを長期間抱えるということなのです。不動産業者にとっては自由に売買、貸借した方が利益を生み出すことができます。不動産業者はそのような制約を抱えることになるので、買取価格は少し低く設定されるのです。

取得費の決まり方

国税庁によると、取得費とは

「取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。」

という費用です。リースバックの場合には登録免許税、不動産取得税、印紙税などがこれにあたります。
登録免許税とは、登記情報を変更するときにかかる税金です。不動産を売買すると、住所や家の名義が変わります。そのため登記の情報を変更する必要があるのです。さらに、家を購入するときに住宅ローンを組んで抵当権がついたのであればそれも登記に載るし、住宅ローンを完済して抵当権が外れた場合は登記上でも抵当権を抹消します。その手続きをするために登録免許税が必要になるのです。これらの手続きは法務局で行います。登録免許税は不動産一件に対して1,000円がかかります。
また、印紙税とは、さまざまな契約書を作成するときにかかる税金です。リースバックでも印紙税が課されます。印紙税の金額は家の売却価格によって異なり、売却価格が高ければ印紙税も高くなります。印紙税は一般的に5,000円〜30,000円くらいかかります。具体的には、売却価格が1,000万円〜5,000万円であった場合は印紙税は1万円かかります。

譲渡費用の決まり方

また、譲渡費用とは、

という費用です。リースバックの仲介手数料は売却額の3%+ 6万円がかかります。しかし、不動産業者が仲介役ではなく、直接買い取る場合は仲介手数料がかかりません。また、不動産業者によっては仲介手数料を最初から無料にしている場合もあります。

特別控除額の決まり方

土地や建物を譲渡したときには特別控除が適応されることがあります。リースバックでもこれが適応されます。
リースバックでは、「3000万控除」という特別控除があります。マイホームを売却するときに、売却価格が3000万円以下であると譲渡所得税がかからなくなるのです。 しかしこの節税方法を利用するためには条件があり、売買する相手が親子関係にあると3000万控除は適応できません。売り手と買い手が親子関係や夫婦の関係でないことが条件になっているのです。また、3000万控除は自分で確定申告の手続きをしないと適応されないので、注意が必要です。

譲渡所得税はいくらかかるのか

リースバックをしたときに家の売却価格が購入価格を上回る場合、譲渡所得税が発生します。「譲渡所得税」とは住民税と所得税の総称です。譲渡所得税が課されるのは

「収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額」

という式で出される課税譲渡所得金額に対してです。
譲渡所得税は物件を何年間所有していたかによって変わります。5年以上所有していた場合は長期譲渡所得として所得税が15%、住民税が5%かかります。5年以下の場合は短期譲渡所得として所得税が30%、住民税が9%かかります。

しかし、実際のところは先ほどの「3000万控除」という特例のおかげで譲渡所得税はかからないことが多いです。リースバックでは売却価格が3000万円を超えることは少ないのです。つまり、リースバックでマイホームを売却する場合は譲渡益課税は実質のところかからないことが多いです。

売却損が出た場合

リースバックでは、家を売却することで売却損を得ることがあります。その場合は、その損失分を所得から繰越控除することができます。
例えば、年収が250万円の人が1,000万円の不動産を500万円で売却したとします。その場合、1,000万円―500万円で500万円分の損失が出ます。そのとき損失は2年分の収入に等しいので、2年分の収入がなかったことにしてもらえるのです。それによってさまざまな税金を非課税にすることができます。しかし、この繰越は譲渡後3年間までとなっており、繰越控除のためにも確定申告の手続きが必要になります。

まとめ

今回は、リースバックで得た収益に対して税金はどの程度かかるのかについて説明してきました。
まず課税対象となる金額は「収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額」という式で求められます。売却予定の不動産を何年所有していたかによってそれぞれ譲渡益課税がかかるのですが、リースバックでマイホームを売却した場合は3000万控除のおかげで譲渡益課税はかからないことが多いです。
リースバックをしたときにかかる税金に関してはこちらも参考にしてください。
⇒ 【リースバックの税効果】リースバックは税的に得?節税の仕方とは?
【参照】
国税庁「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
国税庁「譲渡費用となるもの(土地や建物を譲渡したとき)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm
国税庁「取得費となるもの」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm


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