【リースバックの闇】リースバックは違法なのか?〜不安を解消しよう〜

みなさんはリースバックについて聞いたことがありますか。おそらく多くの人にとってリースバックは聞き馴染みのない言葉なので、怪しいと感じる人もいるかもしれません。もちろんリースバックは違法な仕組みではなく、合法に資金を調達できる便利な仕組みなのです。
今回は、「リースバックは怪しい、違法だ」と感じる人に向けて、リースバックの不安を解消していきます。

リースバックについて

リースバックは怪しいと感じている人も、仕組みについて知れば不安が減るかもしれません。まずはリースバックの仕組みについて説明していきます。
リースバックとは、所有している物件を一度売却して、今度は賃貸として使用する仕組みです。
リースバックをしようと思ったら、まずは不動産会社に物件の査定をしてもらいます。査定の結果に基づいて、売買契約を結び、持ち家を売却します。続いて賃貸借契約を結ぶことで、売却した家を賃貸として使用することになります。
つまり、リースバックは売却と賃貸を同時に行うという仕組みなのです。

なぜリースバックをするのか

なぜ一旦売却した家を再度賃貸するなんてことをするのでしょうか。
それは、引越しがためらわれる理由があるからです。「資金が必要になったから家を売却することを考えたけれど、今すぐには引越しできない事情がある」という場合に、リースバックをするとメリットがあるのです。
引越しができない理由としては例えば、

  • 家に愛着がある
  • 引っ越すと転職、転校をしなければならない
  • 家の所有権を手放したくない

などの理由があります。

リースバックは以前から利用されていた!

日本では、政府による積極的な後押しもあって1960年代に多くのリースバック業者が設立されました。しかし、人々に広く利用されるようになったのは2010年以降のことなのです。近年になって、高齢化社会の中で老後に不安を感じる人が多く、老後の資金にするためにリースバックを利用する人が増えてきました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業績が悪化した企業が、資金繰りのために自社ビルなどをリースバックする事例もたくさん見られています。このような形でリースバックの利用者はどんどん増加しているのです。

リースバックの提供者は誰か

リースバックを行っている主体がわからないと不安になるかも知れません。
リースバックというサービスを提供しているのは主に不動産会社です。リースバックをしようと思ったら、例えば、

  • 穴吹興産株式会社
  • 株式会社センチュリー21・ジャパン
  • 一建設株式会社
  • スター・マイカ株式会社
  • 株式会社ハウスドゥ
  • 株式会社セゾンファンデックス
  • 株式会社インテリックス
  • 株式会社ムゲンエステート
  • SBIスマイル株式会社
  • 株式会社ミライエ

といった企業に申し込むことになります。これらはどれも大手のリースバック業者です。知名度があり、信頼してサービスを受けることができます。このような大手の業者以外にもリースバックを取り扱っている業者はたくさんあります。しかし、中小の業者になると信頼できるかどうかを見極めるのが難しくなってくるので、不安であればこれらの大手企業に申し込むと安心でしょう。

大手のリースバック業者の比較についてはこちらを参照してください。
⇒ 【厳選10選】大手リースバック業者まとめ〜迷ったらこれがおすすめ!〜

リースバックのデメリット

リースバックには

  • 短期間でまとまった現金を受け取れる
  • 家を引っ越す必要がない
  • 家を売却したことが周囲に知れ渡らない
  • 利用者や資金の用途に制限がないs
  • 将来は売却した家を買い戻すことができる
  • 不動産を所有しているとかかる負担が軽減される

などのメリットがあります。しかし、メリットしか強調されないと、かえって不安になってしまうかもしれません。そのためここではデメリットを見ていきましょう。

不動産の所有権がなくなってしまう

リースバックをすると、不動産の所有権が売り手から買い手に移行します。そのため、家の所有権を手放すことに抵抗を感じる人にはリースバックは向いていません。
また、所有権を手放すと家を相続することができなくなってしまいます。もし子供に資産として家を残したい場合にはリースバックをしてはいけません。

家賃の支払いが必要になる

リースバックをするまでは、持ち家に住んでいるのだから家賃は必要ありません。しかしリースバック後にはその家は賃貸になるので、家賃を支払うことになります。つまり、リースバック前にはなかった支出が毎月発生するのです。

買取価格が相場より低い

リースバックには、家を売却するときの価格が相場よりも安いというデメリットがあります。それは、買い手は買い取った物件を自由に売買することができないからです。買い手が家を貸す相手は借り手に決まってしまっています。しかし、本当は自由に売買することができた方が買い手にとっては利益となります。このように、買い手はリースバックの物件を購入すると不利な点があるため、その分買取価格が安くなってしまうのです。

毎月の家賃が割高である

リースバックでは相場に比べて家賃が割高に設定されることが多いです。その理由は家の売却価格が相場より低くなってしまうのと同じ理由です。買い手の不利を補うために家賃は高めに設定されます。家賃の負担が大きいことで、支払いを滞納し、退去に至ってしまう可能性も高くなります。

賃貸期間に2〜3年以内という制限がされている

普通の賃貸物件とは違って、リースバックでは多くの場合2〜3年しか借りることができません。リースバックで結ぶ定期借家契約には賃貸期間に制限があります。さらに、定期借家契約では契約を更新することができません。場合によっては新たな契約を再度結んでもらうことは可能ですが、断られてしまうこともあります。このようにリースバックは借り手が希望する間は永遠に住み続けられるというわけではないのです。

リースバックをするとブラックリストに入る?

融資を受けたり借金を滞納したりすることにはマイナスイメージを持つ人も多いでしょう。そのうちの一つとして「ブラックリスト」があります。リースバックをすると「ブラックリスト」に載ってしまうのでしょうか。 ちなみにブラックリストとは、ローンに関する事故情報が信用情報機関に登録されてしまうことです。ローンを組んだときなどに、3ヶ月以上返済を滞納したり、任意売却をしたり、自己破産したりすると、その情報が「ブラックリスト」に載ってしまいます。 結論を言うと、リースバックをしてもブラックリストに載ることはありません。それは、リースバックはただの不動産の売買と賃貸だからです。 このように、リースバックは借金をするわけではないので精神的な負担を感じることなく利用することができます。 このように、実はリースバックにはメリットばかりではなくデメリットもたくさん存在しているのです。

リースバックにはトラブルが多い?

リースバックにはトラブルが多いと言うイメージを持っている人も多いかもしれません。リースバックにはどのようなトラブルがあるのでしょうか。

悪徳な業者もいる

中には悪徳なリースバック業者もいて、嘘の説明で勧誘してくることがあります。特に高齢者を狙って不利な契約をさせるトラブルが多いです。例えば、根拠もないのに「この家は早く売った方がいい」などと言ってリースバックをすすめてくるのです。このような事態は契約をする前に複数の業者に見積もりを出してもらうことで防ぐことができます。それは、複数の業者に相談することで家の資産価値を正しく把握することができ、リースバックの仕組みそのものについても詳しく知ることができるからです。

オーナーチェンジで

オーナーが変わることで契約内容が変更されてしまうトラブルもあります。家が転売されたり、リースバック業者が倒産したりしたときには、家のオーナーが変わることになります。それによってリースバックの方針が変化し、予定より早く退去させられたり、急に家賃を大きく値上げされたりする危険性があるのです。
このトラブルも未然に防ぐことができます。オーナーが変わっても契約内容は引き継がれるということを契約書で約束させておけば良いのです。そうすれば急な退去も急な家賃の値上げも起こらなくなります。

買い戻しができなかった

買い戻しに関して、「買い戻せると聞いてリースバックしたのに、買い戻しを断られてしまった」、「聞いていたよりも買い戻し価格が高くなっていて買い戻しができなかった」、「結局買い戻せないのならば家賃の安い賃貸に移ればよかった」といったトラブルに遭うことがあります。
このようなトラブルも、契約時に気をつけていれば防ぐことができます。契約内容に買い戻しの条件を事前に記載しておくのです。口約束しかしていなくて後から条件を変えられてしまったということがないようにしましょう。

リースバックではこのようにトラブルの例もありますが、どの事例でも対策を取ればトラブルを防げたはずです。つまり、リースバック自体が危ない仕組みであるわけではないのだといえます。

まとめ

リースバックはただ売却と賃貸を同時に行っているだけであって、特に怪しい仕組みではありません。利用したところでブラックリストに載ることもありませんし、返済義務が発生することもありません。確かにトラブルもありますが、そのうちの多くは未然に防ぐことができるものです。仕組みを理解して利用すれば悪徳な業者に騙されることもありません。
資金不足に困ったときにはリースバックも検討に入れてみましょう。