リースバックでトラブルになった場合の相談先は?
リースバックを利用していて、トラブルに遭ったことはありませんか。リースバックの利用は最近広まったばかりであり、正しく理解しないままに契約を結んでしまうという人も多くいるのではないでしょうか。さらに、サービスの利用者ばかりではなく、不動産業者側が正しくリースバックの仕組みを理解できていないこともあるのです。そのせいでトラブルも数多く発生しています。
みなさんもリースバックを利用していて、何かトラブルに遭ったことはありませんか。そのようなときはどこに相談をすれば良いのでしょうか。
今回は、リースバックに関する相談窓口の情報をまとめていきます。
Contents
リースバックでのトラブル
リースバックの利用件数は増加しており、それに伴ってトラブルの発生も増加しています。例えば次のようなトラブルが報告されています。
- 家を買い戻そうとしたら断られてしまった
- 再契約に応じてもらえなかった
- 勝手に家を売却されてしまった
- 契約締結時にリースバック業者と条件の折り合いがつかない
- セールスに押されて契約してしまった
- 解約を申し出たら、解約料を請求された
- リースバック業者が倒産してしまった
みなさんはこのようなトラブルに遭ったことはありませんか。s
リースバックに関するトラブルの相談先
リースバックを利用している間に何かトラブルに巻き込まれてしまう可能性は大いにあり得ます。もし実際に何かトラブルに遭ってしまったときにはどうすれば良いのでしょうか。リースバックに関する相談をする際の連絡先をいくつか紹介していきます。
【相談先①】消費生活センター
1つ目は消費生活センターです。消費生活センターは全国にたくさんあるため、いちばん自分の身近にある消費生活センターに相談することになります。
消費生活センターでは、消費活動に関わるあらゆることを専門の相談員に質問することができます。消費生活センターは平日しか開いていない場所が多いですが、同じ電話番号にかけると休日は国民生活センターが消費者ホットラインで対応してくれます。国民生活センターでも同じように相談を受けてもらうことができます。
消費生活センターでは、電話での相談のほかにも、ウェブサイト上にも参考になる情報がたくさんあります。過去に実際に発生したトラブルや、それに関する注意点が記載されているので、それらもぜひ参考にしてみましょう。s
消費生活センターの連絡先
【消費者ホットライン】
電話番号 188
【国民生活センター】
電話番号 03-3446−1623(平日 10時~12時、13時~16時)
電話番号 188(土日祝日、10時~16時)
.問い合わせの仕方s
まず、いちばん近くにある消費生活センターを都道府県別一覧から探します。そしてその情報をもとに、最寄りの消費生活センターの消費生活相談窓口に電話をかけます。
都道府県別一覧を見てもどこの消費生活センターに相談するべきかわからない場合は、先に消費者センターの「消費者ホットライン」に相談をします。「消費者ホットライン」に電話をかけると、最寄りの消費生活センターの消費生活相談窓口を教えてくれます。 消費者ホットラインの電話番号は「188」です。局番なしで全国統一の番号となっています。実際に電話をかけてみると、アナウンス音声が流れます。郵便番号を押すように指示され、入力すると、最寄りの消費生活センターを案内してくれるという仕組みになっています。vs 消費者ホットラインへの電話には、通話料金は発生しますが、相談料金はかかりません。
消費生活センターへの相談事例
次のようなときには消費生活センターに相談してみましょう。
- リースバックに際して何かトラブルに遭って困っているとき
- もうすぐ契約を結ぶというときに、不安に思うことがある場合
- 住宅を購入する際のトラブル
- 賃貸住宅に入退去する際のトラブル
- 家の修理に関するトラブル
消費生活センターでは、トラブルに遭う前にも何か聞きたいことがあれば相談をすることが可能です。消費生活センターには多くの消費者からさまざまな苦情や問合せなどが集まってきているため、相談すると有効なアドバイスをもらうことができるでしょう。
相談するときは、どのようなトラブルかを詳しく説明できた方が効果的なアドバイスをもらうことができます。そのため、どのようなトラブルに遭ったのか、いつ遭ったのかなどの内容を詳しく残しておきましょう。
裁判外紛争解決手続(ADR)を利用する
リースバックのトラブルは「裁判外紛争解決手続」でも解決することができます。
裁判外紛争解決手続(Alternative Dispute Resolution)とは、裁判は起こさずに、民事上の問題を解決するための手続きです。不動産賃貸借のみならず、原状回復費用のトラブル、相続問題などを対象とすることができます。
裁判外紛争解決手続(ADR)について詳細はこちらをご参照ください。
⇒ 「話し合いによるトラブル解決、トラブル相談かいけつサポート」
【相談先②】国土交通省
2つ目の有効な相談先は国土交通省です。国土交通省はリースバックのガイドラインづくりを推進するなど、安全なリースバックの利用に努めている機関です。
国土交通省への相談先は、該当する免許行政庁ホームページで検索して行います。
相談の流れ
国土交通省への相談の流れは次のとおりです。
- ①建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで免許行政庁を検索する
- ②「地方整備局に関する窓口」または「都道府県に関する窓口」から電話番号を検索する
- ③「宅地建物取引業免許(知事免許)に関する窓口」に電話をする
リースバックに関して何か被害を受けた際には、まず国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、被害の原因であるリースバック業者の免許行政庁を検索します。免許行政庁が各地方整備局等の場合は「地方整備局に関する窓口」から、免許行政庁が都道府県名の場合は「都道府県に関する窓口」から電話番号を探して、「宅地建物取引業免許(知事免許)に関する窓口」に相談します。
国土交通省への相談事例
次のようなことがあったら国土交通省に相談してみましょう。
- 長時間にわたって勧誘してきて迷惑である
- 何度断っても電話をかけてくる
- 深夜や早朝に電話をかけてくる
- 自宅に押しかけてまで勧誘してくる
- 勧誘文句がまるで脅迫のようである
- 契約を決めるまでに時間の猶予を一切くれなかった
- 強引に契約させられた
- 受けた説明が嘘であったと後でわかった
近年ではこれらのような悪質な勧誘が行われるケースが増えてきています。国土交通省では、不動産取引に関するさまざまな相談を受け、不動産業者による迷惑な勧誘行為を禁止しています。少しでも迷惑行為を受けたと思ったら、国土交通省に相談してみましょう。
賃貸借契約に関してのトラブルの場合
国土交通省では、定期借家契約に関するトラブルを扱ってくれます。国土交通省住宅局参事官の連絡先は 【国土交通省住宅局参事官(マンション・賃貸住宅担当)の連絡先】
電話 :03-5253-8111
です。
リースバックに関するトラブルの中でも特に賃貸借契約の内容にトラブルがあったときは、国土交通省の住宅局参事官へ相談してみましょう。
国民生活センターからの注意喚起
現在、リースバックは利用者数が増えるに従って、トラブルの件数も増加しています。特に、高齢者の間での被害が多く、内容を十分理解しないうちに契約してしまう高齢者が多いようです。リースバックのトラブルに関しては国民生活センターからも注意喚起がされています。
国民生活センターでは、リースバックの利用に関して次のような注意点を挙げています。
資産を売却するときの注意
実は、一度契約を結んでしまうと契約を解除することは困難です。そのため、望まない契約であったとしても一度結んでしまうと変更や解除はできなくなってしまいます。
さらにリースバックでは、自宅を売却すると相場よりも低くなってしまうことが多いです。後から調べてみたら相場より売却価格が低かったことに気づくという人ことになりかねません。
賃貸借契約を結ぶときの注意
リースバックでは、賃貸借契約によって売却した自宅にそのまま住み続けます。
賃貸借契約を交わし、家賃を支払う必要があります。家賃を支払えば希望する間はいつまででも住み続けられると思っている人が多いようですが、そうとは限りません。実際は契約期間には制限があり、ずっと住み続けられるわけではありません。また、契約期間の更新も必ずできるとはいえません。
また、賃貸借契約の家賃は相場より高いことが多いです。また、契約期間を延長してもらう場合には家賃を値上げされることがあり得るのです。
これらはリースバックの仕組みであり、不動産業者による詐欺などではありません。
リースバックにはこのような注意点があるということを知らない方は多いのではないでしょうか。リースバックを利用する際は契約を結ぶ前に、これらの注意点を理解しておくようにしましょう。そうすれば、悪質な不動産業者に誤った情報を言われても惑わされないようにすることができます。
トラブルに遭ってしまったときは
国民生活センターの注意事項を心に留めていても、リースバックのトラブルを完全に防ぐのは難しいかもしれません。もしトラブルに巻き込まれてしまったら、落ち着いて次のような情報を残しておきましょう。
- 被害に遭った日時
- 被害の原因である会社の情報
- 被害の原因である会社の担当者
- 被害の原因である会社の担当者
このような情報を残しておけば、相談したときにより有益な情報を提供することができます。焦らずに相談窓口で相談してみましょう。
まとめ
リースバックに関してトラブルに遭った場合は消費生活センターや国土交通省に相談してみましょう。相談をしても個人情報が漏れることはないし、相談料もかかりません。ためらわずに相談すれば、解決策を提案してもらえるでしょう。
また、トラブルに遭わないために注意することも必要です。リースバックについてよく知り、複数の不動産会社を比較してからサービスを利用するようにしましょう。
【参照】
国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」
https://etsuran.mlit.go.jp/TAKKEN/
国土交通省「地方整備局に関する窓口」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000018.html
国土交通省「都道府県に関する窓口」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000019.html
独立行政法人国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210624_1.pdf
独立行政法人国民生活センター「全国の消費生活センター等」
https://www.kokusen.go.jp/map/index.html
法務省「裁判外紛争解決手続(ADR)について」
https://www.moj.go.jp/KANBOU/ADR/tetsuzuki.html