【老人ホームを売りたいとき】老人ホームはリースバックできるのか?

リースバックという言葉を聞いたことがありますか。リースバックは資金調達方法の一つです。個人が持ち家をリースバックするだけではなく、経営難に陥ってしまった企業が利用することもあるのです。企業は自社ビル、事業所、工場などをリースバックすることがありますが、老人ホームであってもリースバックできるのでしょうか。
今回は老人ホームをリースバックすることが可能かどうかについて説明していきます。

目次

  1. 老人ホームを手放したいとき
  2. 老人ホームをM&Aするには
  3.  M&Aとは
  4.  M&Aのメリット
  5.  M&Aのデメリット
  6. 老人ホームをリースバックできるのか
  7.  リースバックとは
  8.  リースバックできる資産とは
  9. 老人ホームをリースバックするメリット
  10.  老人ホームをこれまで通り使うことができる
  11.  資金を調達できる
  12.  経営が落ち着いたら買い戻すことができる
  13. 土地をリースバックして老人ホームを運営する
  14.  「建設協力金方式」とは
  15.  「建設協力金方式」のメリット
  16. まとめ

老人ホームを手放したいとき

老人ホームを運営するのは簡単ではありません。老人ホームを所有していてもいつか手放したくなるときがあるかもしれません。
例えば、経営が赤字になってしまったときです。老人ホームを運営するには経営ノウハウが必要です。知識がなければ集客したり、ホームを管理したりすることはできません。老人ホームを運営していて赤字になってしまったというときには売却して新たな経営者に委ねるのも一つの手です。
また、人手不足のせいで事業が回らないことがあるかもしれません。日本は超高齢化社会であるにもかかわらず、介護業界は常に深刻な一手不足に陥っています。そのせいで老人ホームを運営していくことができず、売却を考えるのです。
もしくは、複数の事業を抱えているため、老人ホーム事業からは撤退したいと考えることもあるかもしれません。複数の事業を持つことにもメリットはありますが、事業を絞って一つの事業に集中した方が経営しやすくなります。
このようなとき、老人ホームを手放すことを検討するかもしれません。
老人ホームを手放すにはM&Aをするのが一般的でしょう。

老人ホームをM&Aするには

老人ホームを売却するのは個人が戸建てを手放すのとは訳が違います。事業用不動産を扱っている不動産会社や、M&Aのコンサルティング会社に依頼をするのが一般的でしょう。

M&Aとは

そもそもM&A(Merger And Acquisition)とは、事業を合併したり、買収したりすることです。老人ホームの事例の場合、買い手としてはすでに老人ホームを営んでいる会社も、今のところは老人ホーム事業に携わっていない会社も、どちらもあり得ます。

M&Aのメリット

①立ち上げるコストがかからない

新たに老人ホーム事業に携わろうとしている会社が老人ホームをM&Aをすると、事業を立ち上げる手間が要らないというメリットがあります。M&Aではすでに運営のシステムができあがっている状態で老人ホームを購入することができます。もし自分で老人ホームを作ろうとするならば時間もコストもかかってしまうし、立ち上げのための知識を一から身に付けなければなりません。そこでM&Aをすることで簡単に老人ホーム事業に参入できるようになるのです。このようにM&Aをすれば成長スピードを上げることができます。

②事業を成長させることができる

すでに老人ホーム事業を持っている会社がM&Aをした場合にもメリットがあります。それは、別の老人ホームを買うことで自社に足りない部分を補うことができるのです。例えば、集客力が弱い老人ホームでは、集客に成功している老人ホームをM&Aすることでノウハウを得ることができます。また、設備が劣化してきている老人ホームであれば、建設されて間もない老人ホームをM&Aすれば最新設備を使用できるようになります。このように、M&Aによって事業をより良く、より大きくすることができるのです。

③廃業後のトラブルがなくなる

さらに、もし廃業した場合もさまざまなトラブルが起こり得るのです。例えば、もし老人ホームを売却してしまうと従業員や入居者が路頭に迷うことになります。もし事業を畳んでしまうと、従業員の働き口はなくなり、入居者も新たな老人ホームへ移動しなくてはなりません。しかしM&Aすると従業員の雇用が守られ、入居者はそのまま老人ホームで生活することができます。加えて、廃業するための手続きも煩雑で面倒なのです。
M&Aをすればそのような心配事がなくなるというメリットがあります。

M&Aのデメリット

M&Aをするデメリットは、事業を譲渡してしまうとそこに関わっていけなくなる可能性があることです。譲渡後も何かしらの形で関わっていきたいと考える人も多いかもしれません。しかしそのためには譲渡先と交渉する必要があるのです。もし断られてしまったら関与し続けることはできません。

老人ホームをリースバックできるのか

老人ホームを手放したいときにはM&Aという手段があるということがわかりました。しかし、不動産を売却するには「リースバック」という方法もあります。

リースバックとは

リースバックとは、不動産を有効活用して資金を調達できる仕組みです。個人の持ち家や企業の自社ビルを売却し、売却益を受け取ります。その後には賃貸借契約を結びます。それによって、売却した不動産をこれまで通りに使うことができるのです。

リースバックできる資産とは

それでは、リースバックできるものにはどのような資産があるのでしょうか。例えば、個人であれば、住んでいる戸建てやマンションをリースバックすることができます。このような不動産リースバックの事例は特に高齢者の間で年々増加してきています。リースバックにはこのような個人向けのサービスだけではなく、企業向けのものもあります。事務所を兼ねる家、社員の自宅等、自社で所有しているビル、本社ビル、事務所、オフィス、店舗、寮のような不動産を対象とすることがあります。その中には老人ホームも含まれているのです。このように、リースバックではさまざまな資産を対象とすることができます。
さらに、ホテル、土地、工場、倉庫もリースバックすることができます。その説明に関してはこちらを参考にしてください。
⇒ ホテルをリースバックすることはできるのか
⇒ 【事業者向け】土地をリースバックすることはできるのか?
⇒ 【製造・物流の関係者は必見!】工場や倉庫をリースバックできるのか?

老人ホームをリースバックするメリット

リースバックではさまざまな資産を対象にできるということがわかりました。ここからは老人ホームをリースバックするメリットについて見ていきましょう。

老人ホームをこれまで通り使うことができる

一度老人ホームを売却するにも関わらず、これまで通りに使い続けられるというのは大きなメリットです。一般的には不動産を売却したら移転しなくてはなりません。しかし、リースバックでは売却した不動産を賃貸として利用し続けることができるので、移転する必要はありません。それによって、入居者の生活を守ることができ、従業員もこれまで通りに働くことができます。
また、外見上も以前と変わることはないため、資金繰りに困っていたのだとしてもその事実を周囲に知られることはありません。
このように、移転しなくて済むというのは数々のメリットをもたらしてくれます。

資金を調達できる

リースバックをすると資金を調達できます。老人ホームを一旦売却することになるため、売却益を手にします。業績が悪化した場合や事業投資を行いたい場合にはやはり資金が必要になるでしょう。リースバックでは最短で2週間から1ヶ月で資金を手にすることができ、早急に資金が必要になっても対応することができます。

経営が落ち着いたら買い戻すことができる

リースバックでは売却した不動産を買い戻すことができます。そのため、資金繰りに余裕ができたときに売却した老人ホームを買い戻します。そうすれば本当にこれまで通りに事業を行っていくことになるのです。

土地をリースバックして老人ホームを運営する

老人ホームをリースバックする場合には、「建設協力金方式」という仕組みを利用することもできます。
「建設協力金方式」とは、土地をリースバックし、その土地に好きな建物を建てて良いという仕組みです。つまり、土地をリースバックしてその土地に老人ホームを建設し、運営することができるのです。

「建設協力金方式」とは

まず、アクターは土地の所有者と物件を探している事業者です。土地の所有者は、土地を活用したいけれど、建物を建設する資金を持ち合わせていません。一方、物件を探している事業者は、テナントを出す場所を探している状態です。この両者が出会ったとき、リースバック(建設協力金方式)が行われます。
まず事業者は、土地の所有者に「建築協力金」を支払います。土地の所有者はこれをもとに建物を建設します。そして事業者はその建物を使用して事業を行います。
これが「建設協力金方式」の仕組みです。
土地のリースバックは、コンビニ経営、福祉施設経営、駐車場経営、アパート経営、テナント経営などさまざまな目的に利用されます。これらのうち何を建設するかによって依頼する業者が異なります。もし老人ホームを建設する場合はハウスメーカーかゼネコンに相談しましょう。

「建設協力金方式」のメリット

土地をリースバックすることでこれらの施設を建設するメリットは、経営ノウハウが必要ないということです。老人ホームを経営するのは知識がない状態ではとても難しいです。しかし、土地のリースバック方式をとれば、老人ホームを建設することができ、運営に関しては借り手である事業者に任せることができます。このように、経営の方法がわからなくても施設を建てて、事業を運営させ、賃料収入を得るためにリースバック方式を行うことができるのです。

まとめ

今回は、老人ホームをリースバックできるのかについて説明してきました。老人ホームでもリースバックが可能だということがわかりました。リースバックでは、老人ホームの他にも個人の自宅や自社ビル、倉庫、工場などさまざまな資産を現金化することができるのです。
さらに、老人ホームに関しては、老人ホーム自体をリースバックするばかりではなく、土地をリースバックしてそこに老人ホームを建設して運営するという方法もあります。 不動産を有効活用する方法はたくさんあります。もし不動産をうまく利用できていないと感じる場合は、まずはリースバックについて調べてみましょう。


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