不動産投資に限らず、キャッシュフローを改善させるには、「収入を増やす」「支出を減らす」の2点を達成することが大事です。
とてもシンプルな結論ですが、不動産投資においてこれを達成するには、どんなポイントに気を付ければいいのでしょうか?
目次
最初に考えたいのは、収益をあげられる物件を選ぶことです。
次の3つのポイントを満たす物件かどうかをチェックしてください。
いい物件に巡り合うためには、やはり、いい不動産会社を選ぶのがとても大事になります。基準として考えたいポイントを3つご紹介しましょう。
最初は1つの物件から不動産投資をスタートしたとしても、慣れてきたら物件数を増やしてみるのをおすすめします。
1つの物件で収益をあげられるようになれば、そのノウハウを使って他の物件でも収益をあげられるようになる確率が高いからです。
さらに、金融機関へ不動産投資ローンを申し込む場合でも、最初に審査を受けるときよりは、いい結果になることが多くなります。
ここで考えておいていただきたいのが、複数物件を保有する場合の物件を選ぶ基準です。
不動産投資を行う以上は、物件の状態を定期的に見回る必要がありますが、各物件が離れすぎていないほうが、効率的に回れます。また、地域の特性を考えた戦略を考えやすくなるため、できれば隣接したエリアから優先的に物件を選ぶようにしてください。
不動産投資の成否は、入居者に住み続けてもらえるかどうかも大きなポイントになります。
次の3つのポイントを念頭に、メンテナンスとセキュリティ対策に取り組んでみてください。
人に任せた方が効率的なことと、自分でやった方が効率的なことをしっかり区別し、できることから取り組んでいけば、支出はかなり減らせます。
実践してもらいたいポイントをまとめました。
不動産投資を行う場合、金融機関からの融資をどう扱うかも、支出を減らす上で重要なポイントになります。
多額の資金を借り入れる場合、ちょっとの利息の差でも、将来の返済額が大きく異なってくるため、融資を申し込む金融機関を厳選するようにしてください。
また、書類の記入押印漏れなどの不備、収益性の説明の不備などがあった場合、審査には確実にマイナスです。
事前の準備を怠らないようにし、できれば不動産会社の担当者に同席してもらうといいでしょう。
不動産投資である程度の収益をあげられるようになったら、法人化も検討しましょう。
法人化の最大のメリットは、人件費を経費に算入できることです。
個人事業主の場合でも、青色専業専従者給与という形で家族に給料を出すこと自体はできますが、他に職業を持っている場合は経費に算入できないなど制約が厳しいため、活用しにくいのが現状です。
しかし、法人化すれば、家族に法人の役員として仕事を手伝ってもらう形をとれば、支払う給料を役員報酬という形で経費に算入できます。
この他にも、保険料を全額経費にできたり、減価償却の金額を自由に設定できたりとメリットは大きいです。
では、どのタイミングで法人化を検討すべきなのでしょうか?
ポイントは、「法人税率と所得税及び住民税の税率」です。
課税所得ごとに、法人税率と所得税率を表にまとめてみました。
<法人税>
中小法人(資本金・出資金1億円以下) | 課税所得のうち年800万円以下の部分 | 19% |
課税所得のうち年800万円超の部分 | 23.4% | |
中小法人以外の普通法人(資本金・出資金1億円超) | 23.4% |
出典:平成28年度 法人税関係法令の改正の概要
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2016_4/01.htm
<所得税>
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
出典:No.2260 所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
税率だけで比べると、課税所得が900万円を超えたら法人の方が有利です。
このラインが見えてきたら、法人化も検討しましょう。
不動産投資におけるキャッシュフロー改善のポイントとして、「収入を増やす」「支出を減らす」の2つのアプローチからのアドバイスをご紹介しました。
しかし、一番大事なのは「自分はいくら不動産投資でキャッシュフローをあげたいのか」という目標を明確にすることです。
目標がなければ、何をどこまでやればいいのかもつかめてきません。
何をするにしても、まずはシミュレーションを行い、数字の面から状況をつかむように心がけてください。