不動産投資におけるキャッシュフロー改善ポイント

不動産投資に限らず、キャッシュフローを改善させるには、「収入を増やす」「支出を減らす」の2点を達成することが大事です。

とてもシンプルな結論ですが、不動産投資においてこれを達成するには、どんなポイントに気を付ければいいのでしょうか?

目次

  1. 収入を増やすためのポイント
  2. 収益をあげられる物件を選ぶ
  3. いい不動産会社を選ぶ
  4. 徐々に物件数を増やしていく
  5. メンテナンスとセキュリティ対策は怠らない
  6. 支出を減らすためのポイント
  7. 自分でできることは自分でやる
  8. 融資を受ける金融機関を厳選する
  9. 法人化も検討する
  10. 大事なのは綿密なシミュレーション

収入を増やすためのポイント

収益をあげられる物件を選ぶ

最初に考えたいのは、収益をあげられる物件を選ぶことです。
次の3つのポイントを満たす物件かどうかをチェックしてください。

1. 利便性がいい
例えば、いくら建物自体が良くても、駅から遠かったり、バスの便が悪かったりすれば、どうしても住むにはハードルが高くなります。交通の利便性は重視しましょう。また、周辺にコンビニ、スーパー、病院、学校などの生活に必要な施設が整っているかどうかもチェックしてください。
2. 管理・メンテナンスが行き届いている
古い物件だったとしても、管理やメンテナンス状態に問題がなければ、住むには問題ありません。
管理会社の評判や、修繕費の積立状況などの情報をかならず仕入れましょう。
3. 設備・仕様が時代遅れでない
給湯器、トイレなど生活に必要な設備は、最新のものに近いほうが人気は出ます。
トイレ一つとっても、最近では洗浄機能付きのものが主流であるため、効率的に入居者を募るためには古いものは取り換えたほうがいいでしょう。

いい不動産会社を選ぶ

いい物件に巡り合うためには、やはり、いい不動産会社を選ぶのがとても大事になります。基準として考えたいポイントを3つご紹介しましょう。

1. 専門的知識を有するスタッフがいる
不動産を選ぶにあたっては、様々な法律や税金の制度についても理解が必要になります。
疑問に的確に答えられるだけの専門的知識を有しているスタッフがいるかどうかをチェックしましょう。
2. 規模の大小を問わず、顧客対応が丁寧
「大手の会社なら安心だろう」と、規模だけで不動産会社を選ぶと失敗します。大手であっても、顧客対応が丁寧でない場合がある一方で、中小であっても顧客対応に定評のある会社もあるのです。すぐに一つの不動産会社に決めてしまわず、複数の会社を見比べてお付き合いを考えましょう。
3. メリットだけではなく、デメリットも根拠を含めて説明してくれる
早く契約を成立させたい、という理由で、物件のメリットばかりを強調する担当者もいるのは事実です。
しかし、メリットだけの物件はそうそうありません。
物件のメリットもデメリットも、根拠を含めて説明してくれる担当者なら、信頼に値するでしょう。

徐々に物件数を増やしていく

最初は1つの物件から不動産投資をスタートしたとしても、慣れてきたら物件数を増やしてみるのをおすすめします。
1つの物件で収益をあげられるようになれば、そのノウハウを使って他の物件でも収益をあげられるようになる確率が高いからです。

さらに、金融機関へ不動産投資ローンを申し込む場合でも、最初に審査を受けるときよりは、いい結果になることが多くなります。

ここで考えておいていただきたいのが、複数物件を保有する場合の物件を選ぶ基準です。

不動産投資を行う以上は、物件の状態を定期的に見回る必要がありますが、各物件が離れすぎていないほうが、効率的に回れます。また、地域の特性を考えた戦略を考えやすくなるため、できれば隣接したエリアから優先的に物件を選ぶようにしてください。

メンテナンスとセキュリティ対策は怠らない

不動産投資の成否は、入居者に住み続けてもらえるかどうかも大きなポイントになります。
次の3つのポイントを念頭に、メンテナンスとセキュリティ対策に取り組んでみてください。

1. 評判のいい管理会社を選ぶ
マンションのメンテナンス、セキュリティが充実するかどうかは、管理会社の腕にかかっています。
「いい管理会社」の定義は様々ですが、管理戸数の増加率、管理業務主任者の在籍数などをチェックしてください。不動産会社の項目でも触れましたが、管理戸数は大手の会社であればあるほど多いのは当然です。
そこで、管理戸数の増加率に注目すれば、規模の大小を問わずいい管理会社に巡り合えます。
2. 自分でも物件の様子をこまめに見に行く
いくらいい管理会社と手を組めたとしても、ご自身で物件の様子をこまめに見に行くのを忘れないようにしてください。マンションが抱えている問題点に早く気づければ、管理会社と協議しながら、対策を練りやすくなります。
3. 特に女性に入居してもらうために、セキュリティシステム等を導入する
最近、ストーカー等特に女性を狙った痛ましい犯罪が増えています。
女性に入居してもらうためには、セキュリティ対策を充実させるのは大きなセールスポイントとなるでしょう。
周辺の状況をチェックし、結果次第でセキュリティシステム等の導入を検討してください。

支出を減らすためのポイント

自分でできることは自分でやる

人に任せた方が効率的なことと、自分でやった方が効率的なことをしっかり区別し、できることから取り組んでいけば、支出はかなり減らせます。
実践してもらいたいポイントをまとめました。

1. リフォーム業者の選定は不動産会社、管理会社に任せきりにしない
不動産会社、管理会社にも懇意にしているリフォーム会社があるはずです。
そのリフォーム会社の仕事内容、費用に納得がいかないなら、ご自身でリフォーム会社を選んでみましょう。
また、実際に工事を発注する際は、いわゆる「相見積もり」を取って、比較検討するのを忘れないようにしてください。
2. 簡単なリフォームは自分でできるようにする
壁の穴を補習したり、フローリングの床の傷を隠したりなど、簡単なリフォームは自分でできるようになっておくといいでしょう。
ホームセンターなどで講習を行っているので、一度参加してみてください。支出を減らすという面でプラスになるはずです。
3. 備品等はインターネットで購入することも考える
インターネット通販は、運営会社側の人件費等がかからない分、販売価格が安く設定されています。
同じ品質のものなら、安く仕入れられたほうが支出は減らせるので、積極的に導入しましょう。

融資を受ける金融機関を厳選する

不動産投資を行う場合、金融機関からの融資をどう扱うかも、支出を減らす上で重要なポイントになります。
多額の資金を借り入れる場合、ちょっとの利息の差でも、将来の返済額が大きく異なってくるため、融資を申し込む金融機関を厳選するようにしてください。

また、書類の記入押印漏れなどの不備、収益性の説明の不備などがあった場合、審査には確実にマイナスです。
事前の準備を怠らないようにし、できれば不動産会社の担当者に同席してもらうといいでしょう。

法人化も検討する

不動産投資である程度の収益をあげられるようになったら、法人化も検討しましょう。

法人化の最大のメリットは、人件費を経費に算入できることです。
個人事業主の場合でも、青色専業専従者給与という形で家族に給料を出すこと自体はできますが、他に職業を持っている場合は経費に算入できないなど制約が厳しいため、活用しにくいのが現状です。

しかし、法人化すれば、家族に法人の役員として仕事を手伝ってもらう形をとれば、支払う給料を役員報酬という形で経費に算入できます。
この他にも、保険料を全額経費にできたり、減価償却の金額を自由に設定できたりとメリットは大きいです。

では、どのタイミングで法人化を検討すべきなのでしょうか?
ポイントは、「法人税率と所得税及び住民税の税率」です。
課税所得ごとに、法人税率と所得税率を表にまとめてみました。

<法人税>

中小法人(資本金・出資金1億円以下) 課税所得のうち年800万円以下の部分 19%
課税所得のうち年800万円超の部分 23.4%
中小法人以外の普通法人(資本金・出資金1億円超) 23.4%

出典:平成28年度 法人税関係法令の改正の概要
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2016_4/01.htm

<所得税>

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

出典:No.2260 所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm

税率だけで比べると、課税所得が900万円を超えたら法人の方が有利です。
このラインが見えてきたら、法人化も検討しましょう。

大事なのは綿密なシミュレーション

不動産投資におけるキャッシュフロー改善のポイントとして、「収入を増やす」「支出を減らす」の2つのアプローチからのアドバイスをご紹介しました。

しかし、一番大事なのは「自分はいくら不動産投資でキャッシュフローをあげたいのか」という目標を明確にすることです。

目標がなければ、何をどこまでやればいいのかもつかめてきません。

何をするにしても、まずはシミュレーションを行い、数字の面から状況をつかむように心がけてください。